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洋書・読み終えた本の感想スレ・【別室】2部屋目 [無断転載禁止]©2ch.net


[] 2017/04/14(金) 14:28:53.39:YDnJBf6x0
このスレは
「洋書・読み終えた本の感想を書きまくれ」
というスレから派生したスレです。
それで【別室】とことわっています。

元のスレが雑談を歓迎しないスタンスで、「感想は長すぎず、短すぎず」
などの縛りもあるので、もっと自由な書き込みがしたくて、こちらを
起ててみました。

(ただし、現在、元のスレはほぼ休止状態のようです。
もう次回から派生スレとか【別室】とことわる必要はないかもしれません)

書き込む内容は、洋書、読み終えた本についての気ままな感想、雑談、
文学論、原文の引用・解釈・訳、出版情報、翻訳・翻訳者の評価、等々、
なんでもアリ。

前スレ
ttp://mint.2ch.net/test/read.cgi/english/1462370044/
[sage] 2017/04/14(金) 14:53:13.30:Pthae/uK0

(#65381;∀・`)ありがとう

おいらは何度もやってみたけどダメだった。
たぶんCIAのイヤガラセだと思う。
[sage] 2017/04/14(金) 15:45:14.65:Pthae/uK0
前スレの>852
>「The God Father」の原作は、(中略)Donを中心とするFamilyの物語だから映画の
>イメージとは違う。映画と原作は同じではなく別の世界の産物だ。

おや、そうでしたか。それは失礼。
それにしても、このスレで出てきた小説はなんかみんな趣きの違う映画にされてるもの
ばかりだ(笑)
[] 2017/04/15(土) 11:43:29.56:nVPqYuKs0
”Life of Pie”, Yann Martel 読了。

日見た映画化作品が面白く、原作はブッカー賞を取ってるというので読んでみることに。
インドで動物園を経営していた一家がカナダに移住する際に海難事故に遭い、生き残った少年パイと虎、
このたったひとりと一匹が半年以上にわたり、ボートで大海原を漂流する話。
映画では海の上の少年と虎のショットを見ただけで変な感動で笑ったものだが、小説でもその面白さは
変わらなかった。
映画を見たばかりなのでどうしても比較しながら読んでしまう。基本的に映画は原作に忠実だった。
ただ、小説の方が人間、動物、生、死、神、宗教をめぐるエピソードが多く、主人公のキャラクター
造形に厚みがあり、より深みがある作品になっている。

小説では全体の4分の1にあたる第一部締めくくりで、語り手が「このストーリーはハッピーエンドで
終わります」と明確に宣言して、部を閉じている。その直後に主人公は事故で遭難する。
このハッピーエンド宣言は一見結末を先取りした鼻血らむネタバレに思えるが、最後まで読むと
これが物語に深みをもたらす効果的な記述になっている事に気付く。
これは語り手の事情の前景化によってストーリーを再編成する、所謂「信頼できない語り手」的手法と
言える。本作はカズオ・イシグロのように少しずつ亀裂を入れて段階的に注意を惹くのではなく、
前景化は終盤に一気に来る。さらに単なるどんでん返しだけはなく、物語内主人公が再編成の選択肢を
明示した上で、より上位レベルの語り手(と読み手)に選択を迫るという構造になっている。

こう記述するとなにやら小難しいメタフィクションのようだが、実際は読みやすく、頁を捲る手が止ま
らない面白い物語。映画を見て結末を知っているのに最後まで一気に読めたのは、スリルとユーモアに
満ちた漂流生活の生き生きした描写によるところが大きい。
単純に面白い小説、その上で振り返って考えるとよく出来ているというのがこの作品の素晴らしいところ。

英語は平明。映画版ではインド英語が堪能できる。
[] 2017/04/15(土) 14:20:18.09:5Kc1dSH80
前スレの最後の方で、Mario Puzo の "Fools Die" という小説の題名の邦訳が
「愚者は死す」となっているのが名訳だという話が出た。そのように言っていた
人を批判するつもりはまったくない。ただ、その人のコメントのおかげで
少し考えてみる機会になったので、僕の考えを書くことにした。どうか
悪く思わないでほしい。

   **************

Mario Puzo の "Fools Die" は読んだことがない。ただ、僕は「愚者は死す」という
和訳が名訳だとは思わない。もしもストーリーにぴったりな日本語タイトルなんだったら、
それはそれで素晴らしいけど、英語のタイトルからはその音感というか語感が
離れてしまっていると思う。

「愚者は死す」というのはあくまで文語であり、少し気取っているとも言えるし、
格調高いとも言える。いかめしい感じがするし、日常性を越えた感じがする。
いかにも知的な感じがして、古典的な作品なのかなと思わせる。さらには、
音だけで聞くと「ぐしゃは しす」と聞いても、小学生にはわからない。
大人でも「えっ?何それ?」と考えて、しばらく経ってから「もしかして
愚か者(馬鹿)は死ぬっていうことかい?」と尋ねて、相手から「そうだよ」と
言われて初めて安心する。そういうタイトルだ。

しかし英語のタイトルは、Fools Die であって、ネイティブなら5歳児でもわかる。
誰が聞いても「えっ?何それ?もしかしてそれは馬鹿は死ぬっていう意味か?」
なんてことは尋ねない。そして、これを誰も格調高く文語調で、知的で高踏的な
感じのする薫り高いタイトルだなんて思わない。誰でも考え付くタイトルかもしれない。

だから、Fools Die と「愚者は死す」とは、語感や音感や connotation というか
微妙な意味の違い(つまり本来の意味での「ニュアンス」)などにおいては、
かなり違ったタイトルだ。これを名訳というのはふさわしくないと思う。

(続く)
[] 2017/04/15(土) 14:21:13.09:5Kc1dSH80
の続き
もしも、「うまくできたタイトル」と呼ぶならば、確かにそうだ。日本人は
何でも文語調にしさえすれば、みんながありがたがる。それで「もしかして
これは名作かな?売れてる本なんじゃないかな?」と騙されて買ってしまう。
そういう購買意欲を起こさせるために、おそらくは出版社の編集者が
無理にそのタイトルを考えだしたのだろう。気の利いた翻訳者なら、
「愚者は死す」なんて訳したら原文とは語感や音感がまるで違うから
そんなのは一種の「超訳」になってしまうから嫌だと言ったかもしれないが、
編集者がこの本を何が何でも売らないといけないから、ごり押してそれを
文語調に訳したに過ぎないと僕は推測する。いかにも商業主義の
出版社の連中が考えそうなことだ。

決して「これは名訳だ」と言った人にケチをつけているわけではないので、
どうかご理解を願いたい。そのように最初に言った人はきっと、「本の売り上げを
意識してうまいタイトルを考えだしたもんだ」という意味だろうと解釈しておく。
[] 2017/04/15(土) 14:23:30.18:5Kc1dSH80
さんへ、僕の方からもお礼を言う。ありがとう。僕もこのスレッドを
立てたかったけど、どうしても駄目だった。だから2つのスレッドにて
このスレッドを立ててくれるようお願いをしたけど、クズから逆に罵倒されて
しまっていた。
[sage] 2017/04/15(土) 14:42:43.47:N9JLgfoz0
英語の本じゃなくて申し訳ないが、ゴーゴリの「死せる魂」。
これなんかも中身の印象とかなりかけ離れてたなあ(原題は知らん)。
実際読んだら、もっと面白おかしい(筒井康隆のギャグ小説っぽい)本だった。
[] 2017/04/15(土) 14:52:25.73:5Kc1dSH80

英訳の題名は、Dead Souls だね。少なくとも英訳の題名は、ごく普通の
英語だな。別にひねっているわけでもないし、文語調でもなんでもない。
ロシア語での題名は、次のようなものだそうだ。

Мёртвые ду́ши, Myórtvyjye dúshi
ttp://jump.5ch.net/?https://en.wikipedia.org/wiki/Dead_Souls
[] 2017/04/15(土) 14:54:43.22:5Kc1dSH80
Nikolai Gogol "Dead Souls" のロシア語原文は、次のリンク先にあるけど、
僕には読めない。

Николай Гоголь
МЕРТВЫЕ ДУШИ
ttp://jump.5ch.net/?http://www.ilibrary.ru/text/78/p.1/index.html
[] 2017/04/15(土) 15:03:11.37:5Kc1dSH80

МЕРТВЫЕ ДУШИ
というタイトルを、ロシア語をろくに知らない僕が辞書で調べてみる。

(1) МЕРТВЫЕ = dead という意味の形容詞の複数形
ttp://jump.5ch.net/?https://www.dict.com/Russian-English/%D0%9C%D0%95%D0%A0%D0%A2%D0%92%D0%AB%D0%95?


(2) ДУШИ = spirit, soul, heart という意味の名詞の複数形
ttp://jump.5ch.net/?https://www.dict.com/Russian-English/%D0%94%D0%A3%D0%A8%D0%98
[] 2017/04/16(日) 22:31:48.78:UMC46Qih0
The Painted Veil (W. Somerset Maughem,1925年,238頁)(4.13~16)

邦題は「五彩のヴェール」だが、この本を読んだ人はほとんどいないのでは
なかろうか。何も知らない愚かな女性が様々な人生の苦楽によって人格に深みを
増してゆくことを、真っ白のヴェールが五色に彩られてゆくようだと比喩して
付けられた題名である。本書は各章が短い。読者にとっては物語の展開に飽きる
ことなく読み進めることができ楽しめる。

「Get the wind up」「turned a hair」「make head or tail」「put yourself
in his shoes」「put up the back」「pretty kettle of fish」「awoke with
a start」・・・とかの熟語が多いので辞書は手放せない。

登場人物は3人。
Kitty・・・Walterと愛なき結婚をし、結婚生活の不毛から逃れるためにCharlie
 と不倫に走る。真実の愛と信じるが不倫が発覚して裏切られる。夫と共に赴任
 した中国奥地でコレラ患者救済に奉仕する修道女達の無償の愛に感動する。
 自分の愚かさに気づき、女性の精神的自立と経済的独立に目覚めてゆく。
Walter・・Kittyを愛する細菌学者。妻の不倫を知った時、コレラ蔓延の中国内
 陸部の町に医師として赴任を決意する。任地で昼夜を問わず献身的に活動する
 がコレラに罹って死ぬ。最後まで妻の愛は得られない
Charlie・・・香港の英国官吏でKittyとの愛人関係を楽しむ俗物。

100冊の洋書を読んだが、どんな小説でもすらすらというレベルには到底達して
いない。次は何を読むか?読んでなければ力は落ちる。読んでくれよと声を上げる
蔵書の山を前に思案してしまう。「Inside the Jihad」「 Doctor Zhivago」
「モヒカン族の最後」「ロビンソン・クルーソー」「Godfather Revenge」・・
[sage] 2017/04/16(日) 22:48:57.37:NAHEz4HH0
ちょっと失礼します。前スレから面白く読ませていただいていました。
確かに文語はカッコつけてる感あるし高尚ぶってるかもしれませんが。
例えば国会図書館のopacで「死す」を入れて検索すると2800タイトル程の書名が出てきます。
文語だって普通に日本語ですし、カッコつけてるのもあるだろうけど、先人のナントカに死すとか
カントカは死す、に対するオマージュと受け取るのもアリでしょう?
最近の若い子は君の名なんて言わない、キミの名前って言うよね?なんて議論にもなってないし。
そもそも「愚者は死す」がお気に召さないなら、自分ならこうやる、とか書き込んでご覧あそばせ。
確かに耳から Fools と聞いたときに who lose の空耳感があるなどそこまで日本語化するのは
困難だとは思います。表紙をみると原題も大きくプリントされています。昨今の映画みたいにそっくり仮名化より幾分マシかと。
それに何より、ここはあの訳のここがどうのと語るスレではないのでは。
どうも失礼しました。
[] 2017/04/16(日) 22:52:33.40:rP7ByMAn0

それ、多分読んだが、読んだことすら今まで忘れてた
[] 2017/04/16(日) 22:54:58.04:rP7ByMAn0
日本語は、いわゆる「しゃべり言葉」だと
本の題名っぽくならないんだよな。
学術語も然り。
[sage] 2017/04/16(日) 23:06:52.51:hBME0EP80

ふーむ。
いつもながら、見事な紹介文ですね。( ・∀・)

それにしても

>「これは語り手の事情の前景化によってストーリーを再編成する、所謂「信頼できない
語り手」的手法と言える。本作はカズオ・イシグロのように少しずつ亀裂を入れて段階的に
注意を惹くのではなく、前景化は終盤に一気に来る。さらに単なるどんでん返しだけはなく、
物語内主人公が再編成の選択肢を明示した上で、より上位レベルの語り手(と読み手)に
選択を迫るという構造になっている。」

は、うーむ、難しい。(エ・ω・`)
[] 2017/04/16(日) 23:09:10.61:hBME0EP80
に関連して。(今見たら、氏に先を越されてるな)

英語の小説のタイトルを日本語にする場合、漢語を使用したやや硬いものに
なったり文語を使って厳粛な趣きを出すのは一般的傾向と言えそうだ。

逆の場合もそうで、
志賀直哉『暗夜行路』の英訳タイトルは『Dark Night Passing』。
太宰治『人間失格』は『No longer human』、などなど。

「暗夜」とか「行路」とか、日常ではまず使わないだろうが、英語の dark night
や passing は特に珍しくはない。

漢語を使って簡潔にピシッと決める、文語調でかしこまるのが伝統といって
いいのでは。
昔から長い間、漢文が日本の公式文書で使われていたことの影響、あるいは日本人が
権威主義的な傾向がより強いせいかもしれない。

日本語では、日常的な言い回しをそのまま書籍のタイトルにするのは難しい。
というか様にならない。
[sage] 2017/04/16(日) 23:12:18.66:hBME0EP80
]
>ここはあの訳のここがどうのと語るスレではないのでは。

ここはスレタイにもあるように
「書き込む内容は、洋書、読み終えた本についての気ままな感想、雑談、
文学論、原文の引用・解釈・訳、出版情報、翻訳・翻訳者の評価、等々、
なんでもアリ。 」
のスレです。
[] 2017/04/16(日) 23:17:52.62:3UGKCts40
「雨の朝、パリに死す(フィツジェラルド)」「ベニスに死す(トーマス・マン)」
「ナイルに死す(クリスティー)」
「田園に死す(寺山修司)」やはり「死す」はカッコいいよな。
[sage] 2017/04/16(日) 23:37:11.18:hBME0EP80
>19
あ~、なつかしい、というかなじみのあるタイトルばかりだ。
中身まで読んだのは寺山の『田園に死す』だけだけど ( ・∀・)アヒャ
[] 2017/04/17(月) 06:54:59.57:r5EYxtWY0
「雨の朝、パリに死す(フィツジェラルド)」
  The Last Time I Saw Paris

「ベニスに死す(トーマス・マン)」
  Death in Venice

「ナイルに死す(クリスティー)」
  Death on the Nile
[] 2017/04/17(月) 07:32:49.01:r5EYxtWY0
他の何人かの人が言ってくれた通り、日本語では話し言葉に近い形で
書籍などのタイトルや学術語を作ると、座りが悪いと大多数の人が感じてしまう
ことは確かだ。話しことばにすると、まずは syllable の数が多くなり、
文字数も多くなる。そして間延びする。

だから漢語をたくさん使わざるを得ない。でないと、消費者や一般人も納得しない
だろうと思う。

Fools Die を、本来の英語の語感をそのまま生かして、次のようにしたら
どうしても駄目だろうか?

   馬鹿は死ぬ
   アホは死ぬ
   阿呆は死ぬ
   馬鹿が死ぬ
   馬鹿者は死ぬ
   馬鹿者が死んでいく
   馬鹿者は死んでいくものだ

いっそのこと、上記のうちの最も簡単な「馬鹿は死ぬ」と訳してしまったら、
どういう問題が生じるのだろうか?

ところで、明治維新を経て日本人が大量の西洋の文化や学術における概念を
短期間に日本語に翻訳せざるを得なかったため、それまではあまり使われて
いなかった古い漢語を持ってきたり、あるいは新たに日本人が作り出した
漢語を生み出すことになった。(続く)
[] 2017/04/17(月) 07:33:37.24:r5EYxtWY0
からの続き
その結果として、発展途上国などの他の多くの国々では母国語では
学べない西洋由来の学問や文化も、日本人は母国語で吸収できる
ようになった。しかしその代わり、日本語で出回る知識や概念のうちの
膨大な部分が、まるで日本語ではなく別の言語であるかのように
見えてしまうようになった。

このような状況について、柳父章(やなぶ・あきら)という人が
たくさんの本を書いている。そのうちの1冊をここに紹介する。

翻訳語成立事情 (岩波新書 黄版 189) 新書 – 1982/4/20
柳父 章 (著)
ttp://jump.5ch.net/?https://www.amazon.co.jp/%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E8%AA%9E%E6%88%90%E7%AB%8B%E4%BA%8B%E6%83%85-%E5%B2%A9%E6%B3%
A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E9%BB%84%E7%89%88-189-%E6%9F%B3%E7%88%B6/dp/4004201896/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1492381879&sr=8-1&keywords=%E6%9F%B3%E7%88%B6%E7%AB%A0
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/04/17(月) 23:53:24.01:4gcHvxWd0

『馬鹿は死ぬ』というタイトルで出版したらクレームがきますよ。


みんなは聖書を読まないからなぁ…。実は、聖書の箴言やら
伝道之書を連想させるタイトルなんですよ。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/04/17(月) 23:58:53.28:4gcHvxWd0
聖書を読まずに英米文学やるって一体…。
[] 2017/04/18(火) 04:38:53.09:cegSCDg60
 > ・・・確かに耳から Fools と聞いたときに 
  >who lose の空耳感があるなどそこまで日本語化するのは
  >困難だとは思います。

実に、実に、「慧眼」(けいがん)だと感じ入りました。また、初耳の「オマージュ」と
いう言葉の意味、調べて理解できました。ありがとうございました。

つまり、「fools」が「fuːlz」と発音されることから、言外に「who lose( húːlúːz)」の
意味が重ねられていると、こう捉えると、前段からの流れで「・・どうして死んだか理由は
簡単だ。人生歯にとってジョーダンにとって耐えられないものだったからだ。俺は違う。
ただ、敗れたものが死ぬだけなのだ。馬鹿だよな、涙。」と解釈できます。これで、謎が解
けたみたいですね。
何で「Fools die」のような馬鹿げた題名なのかが!

(英文)
 ・・I understood dJordan now.It was very simple. Life was too much for him.
 But not for me. Only fools die.

(続く)
[] 2017/04/18(火) 04:54:37.25:cegSCDg60
ラ人生歯にとって
○人生は

(続き2)関連で、1970年代のCCRの名曲「who stop the rain」の歌詞にある「Who'll」に
新たな視点が見えてくることに気づいた。

(歌詞)
Long as I remember The rain been comin' down Clouds of myst'ry pouring
Confusion on the ground Good men through the ages Try'n' to find the sun
And I wonder, still I wonder Who'll stop the rain

一番の歌詞では、第二次大戦以降何かといえば、アメリカ軍が海外に進攻しベトナム戦争
などで多くの犠牲を生みだしている。「雨を見たかい」の時にも触れた爆撃弾、
「ナパーム・デス」を雨にたとえて、いったい誰がこの愚かな戦争を止めてくれるかと、
賢者たちに訴えています。一体、これだけオレたちが危惧しているのに、誰がこの愚かな
雨(戦争)を止めてくれるのか。そんな強い反戦への願いが込められている歌です。」
(以上は、フール・ストップ・ザ・レイン~Who'll Stop The Rain - CCRもう一つから引用)

「Good men」とかはデモ隊、「Who'll」は「fool」で米国大統領だったんだ~! と納得。
(続く)
[] 2017/04/18(火) 05:03:41.14:cegSCDg60
(最後)
確かに、聖書の中にも謎を読み解く鍵が散らばっているかも知れないが、故渡辺昇一先生の
ような知識の殿堂ならいざ知らず、新・旧約聖書の中から見つけ出すなんてことは凡人には
無理ですな。映画「エデンの東」で親父が嫌がる息子に無理やり聖書を読ませていたけど、
あれくらいやられれば身体の一部になるだろうけど。(終わり)
[sage] 2017/04/18(火) 17:09:39.69:J/dvwJi+0
>24
>実は、聖書の箴言やら伝道之書を連想させるタイトルなんですよ。

なるほど。
聖書の『箴言』の第10章の以下の言葉に由来するのかもしれませんね。

The lips of the righteous feed many: but fools die for want of wisdom.
別の訳では、
The lips of the righteous feed many,But fools die for lack of wisdom.

日本語の訳では、
「正しい者のくちびるは多くの人を養い、愚か者は思慮がないために死ぬ」
「正しい者のくちびるは多くの人を養い、愚かな者は知恵がなくて死ぬ」
文語訳では、
「義者の口唇はおほくの人をやしなひ 愚なる者は智慧なきに由て死ぬ」
[] 2017/04/18(火) 17:13:10.74:J/dvwJi+0
>25
>聖書を読まずに英米文学やるって一体…。

別に英米文学を学問として追究しようとしてるわけじゃないですから
いいんじゃないですか。

今はパソコンとグーグル検索があるから、気になればすぐに確かめられるし。
[sage] 2017/04/19(水) 19:19:39.71:05orOg1a0
ここを見て近所の図書館に運よくあったFools die借りてみました。
まだ一行も読んでいませんが前書きと後書きをサラッとみたところ、
ラスベガスのカジノとか映画業界の舞台裏の話なんですね。
もしかしたら Dieに(馬鹿は)サイコロを振る だとか
(駄作な企画が)大コケする というニュアンスも含まれているのかなと思いました。
さらにこれは結構いわくつきの作品であると知りました。
「馬鹿は死ぬ」…死者に鞭打たないわが国の感覚には相容れませんが
「愚者は死す」ならばどこか遠い世界の話で」済まされそうです。
[sage] 2017/04/20(木) 14:51:42.55:BwK68QxX0
     彡ミ. ゚ ~ :: .  : :. 。  ;
    彡ミ彡ミ: . ::: 。花粉 ~ : : .. ゚
   彡ミ彡ミミミ  : 。 ~   : ゚  ::
  彡彡ミ杉ミミミ゚  ::  ゚~ : 。  :  : :
   ヽ|i ゚∀゚i|ノ アヒャヒャヒャ. ゚ ~ :: .
    |i!iハlハl!|:  ゚     :。   ~
[] 2017/04/20(木) 14:53:10.39:BwK68QxX0
fools die というタイトルが聖書の言葉を意識してつけられたかどうかは確信
が持てないが、もともと聖書自身が(厳密に言えば欽定訳聖書(King James
Version))が、日常的な、簡素な言葉を使って「簡潔の美」、「簡潔さによる
力強さの美」を達成した文学史上の偉業だった。英文学史上、突出した地位を
占めているのである。

前のスレでヘミングウェイの文体の革新性についてちょっとふれたけれど、
欽定訳聖書は、ヘミングウェイよりはるか昔に単純な語法によって目覚ましい
効果をあげた「元祖簡潔・単純の美」だったのである。

一方、日本の明治、大正の先達たちは、聖書を翻訳しようと企図した際、当時は
口語(言文一致体)が興隆し始めていたけれども、この聖書の簡潔な力強さを
再現するためにはおそらく口語は力不足と見て取ったのである。
そうして、「文語訳聖書」が誕生した。
英語の欽定訳聖書ほどではないが、この「文語訳聖書」も日本近代文学史上の「宝」
となって、多くの人々に愛されることになった。
(最近やっと岩波文庫に収められた。遅い、遅すぎる!)

口語(現代の日本語)は、の言う「syllable の数が多くなり、文字数も多く
なる。そして間延びする」という欠点から逃れられていない。だから、ここぞと
いう時には文語を使用するのである。
[sage] 2017/04/20(木) 14:56:18.32:BwK68QxX0
念のため補足。
上で使った「口語」の意味について。

「口語」の定義は一筋縄ではいきません。

たとえば、三省堂の『大辞林』には、
1.書き言葉に対して、話すときに用いる言葉づかいをいう。
2.現代の話し言葉、およびそれに基づいた書き言葉。現代語。
と書かれています。

つまり、「口語」は「しゃべり言葉」だけを意味するとは限りません。
どうも、「口語」イコール「しゃべり言葉」としか捉えていない人がいるよう
ですが、上の定義でもわかるように「書き言葉」を含んで使う場合(つまり
「現代日本語」の意味)も珍しくありません。

(翻訳者関連のスレでも、「口語」には「しゃべり言葉」の意味しかないと思い
込んでる人が複数いて、驚いたことがある)
[] 2017/04/20(木) 19:59:41.61:kc+WcAtq0
Hemingway、King James Version、そして日本語の文語による欽定訳聖書の文体、
これらをそこまで称賛できるほどその三つをきちんと隅々まで読み込んでいる
人がどれほどいるのかな?大多数のコメンテーターたちは、
知識人たちがそれらの文体を称賛しているのを見て、彼らの
言葉を信じ込んでいるだけじゃないのかな?

自分一人で、他の読むべきたくさんの本があって自分が生涯をかけて追及
すべき問題を抱えているのに、片手間の時間だけでその3つの本に通暁できる
人って、どれほどいるのかな?

そのうえで、明治から現代までの日本語のいわゆる口語(日常の
話し言葉だけではない日本語)にも同時に通暁していないと
そういうコメントができないはずなんだけどな。

それから、聖書を読まないと英米文学をやる資格がないとかほざいている
人もいるが、その人自身が、聖書を日本語だけで読んでいて、
肝心の英文の聖書としては口語の英語訳だけを、しかも日本語訳と
対照させながら読むのがやっとであり、King James Version となると
自力ではとても読めない幼稚な英語力しかないと見える。
そんな人から、偉そうに言われる筋合いはない。
[] 2017/04/20(木) 20:11:57.00:kc+WcAtq0
ついでながら、Fools Die と聞くと Who Lose という言葉を連想するというような
意味のことを言っている人もいるが、本気で言っているのだろうか?
何を根拠としているのか?

そもそも、この二つは発音が違いすぎて、
英語ネイティブならそんな連想をするとは思えないのだがどうだろうか?
そんな連想をするのは、いかにも発音が日本語式でしかない人の
空耳感でしかないと思うのだが、どうか?

そういう幼稚な英語力しか持たない人から、偉そうな説教をされる筋合いもない。
[] 2017/04/20(木) 21:58:06.15:/Ywn5r9n0
聖書は引用される箇所の粗筋押さえとくだけでも違うのは?
ましてや日本語口語約であっても読み通しとくのが意味ないとは思わんな。
[sage] 2017/04/20(木) 23:30:29.69:BwK68QxX0

>Hemingway、King James Version、そして日本語の文語による欽定訳聖書の文体、
>これらをそこまで称賛できるほどその三つをきちんと隅々まで読み込んでいる
>人がどれほどいるのかな

今は本全体、作品全体を問題にしてるわけじゃないんですよ。
文章の美だけに言及してる。

上の書物の文章が優れたものであることは別に隅々まで読まなくてもわかります。
俳句は五七五のたった十七文字しかないけれど、ある俳句が名句かそうでないかは
その十七文字だけで大体判断できます。
(恐ろしいことに、文学(俳句・短歌・詩・小説その他)は意味さえわからなくても
その良さはわかるのだ)

小説だって、ある短い一節を読んだだけでも、その文章の美しさ、立派さはわかる。
もちろん、いつもわかるとは限らないし、どの作家でもわかるというわけでもない。
しかし、それが全然、どの作家のものでもわからないというようでは、その人はこの
方面の感受性が乏しいと言わざるを得ないでしょう。

たとえば、ある書評とかの中でヘミングウェイの小説の一節が引用されているとする。
それを読んでその文章の美に打たれるということは間違いなくある。
その「感銘を受けた」という感覚はぬぐいようがない。
[] 2017/04/21(金) 07:19:25.35:mVt3LHOl0
文章の美は、一部を読んだだけでもわかる。
それはその通り。別にそれには反対しない。僕が先に言った言葉は、
確かに誇張があったみたいだ。すまん。

ただ、口語(文語に対する口語であって、話し言葉に限定した口語ではない)
だからと言って、きれいな文章が書けないと決めつけるのもよくないと
言いたかった。日本人はこの100年以上にわたって、おそらくは口語で
きれいな文章を書くことをあきらめてしまい、少しでもきれいな文章を書こうと
すると、ついつい漢語を多用し、文語調にしなければならないという
強迫観念に駆られてきたのだと思う。

馬鹿は死ぬ
このように訳して何が悪い?具体的に反駁してほしい。聖書にもともと
あった言葉にも、「愚者は死す」と書いてあったのか?そうではないだろう?
誰かが聖書の日本語訳を見せてくれたけど、「死す」ではなくて「死ぬ」と
訳してあったし、「愚者」ではなくて「愚か者」と訳してあっただろ?

仮に昔に日本語での名訳があったからと言って、なんでいつまでもそれに
こだわらないといけないんだ?

それから、僕は日本語訳の聖書を読み通すことに意味がないなどとは言っていない。
[sage] 2017/04/21(金) 14:19:53.56:JgNML1P30


Mario Puzo の "Fools Die" は読んだことがない。ただ、僕は「愚者は死す」という
和訳が名訳だとは思わない。

そもそもこれがおかしい。
なぜ読んでもいないのにふさわしいタイトルでないとわかるのか。
これは5歳児にも理解させたい内容の本なのか。
それはつまりこういうことですよと、説明することも可能であろうけれど
それがここに書き込まれることでまだ読んでいない人の読書の楽しみがspoilされると
なぜ思い至らないのか。
[] 2017/04/21(金) 14:46:26.76:mVt3LHOl0
>>それがここに書き込まれることでまだ読んでいない人の読書の楽しみがspoilされると
なぜ思い至らないのか。


なんでそんな下らないことで読書の楽しみが損なわれるのか?
そこまで馬鹿な連中はいないだろう。

そもそも、Fools Die ということについて、実に詳しく丁寧に説明して
やったように、Fools Die は5歳児にも理解できる英語だ。それを
大人にとっても、少なくとも耳で聞いただけではとっさにはわかりにくい
「愚者は死す」と訳す必要がどこにある?

アホもいい加減にしろ。
[sage] 2017/04/21(金) 16:56:29.89:iYboZtSU0
>39
>馬鹿は死ぬ
>このように訳して何が悪い?

すでに述べたように、日本語の慣習(あるいは日本文化の伝統?)からいって、
書籍のタイトルとしては、『馬鹿は死ぬ』は軽すぎてサマにならないと感じる。
少なくともおいらはそう感じる。ただそれだけです。
氏も同意見でしょう)

(ここで問題としているのは書籍のタイトルの話であって、小説中の文章に
ついてではありません。小説の本文の文章ならば普通の言い方で十分です)
[] 2017/04/21(金) 19:36:37.20:I1g9xbU60
「Fools Die」の中で死んだ登場人物って6人いるが、主人公(Merlyn The Kid
・アーサー王の中の魔術師にちなみ自称)にとっては、いずれも重要で大切な
人間だ。6人はそれぞれが人生と真面目に格闘しながら、最後にはそれに圧倒
されて死んでいく。彼等の死は主人公に大きな衝撃を与え、色々なことを考え
させる。

「Fools Die」を最初から読んできて、最後に「But not for me. Only fools die」
を含む余韻を与える締めの文章が出てくる。「雨に朝、パリに死す」とか「カサ
ブランカ」とか原題と違う訳し方もあるが、「Fools Die」は訳者が「愚者は死す」
と訳してくれた。小説を読んだ俺は、内容とぴったりと思ったわけだ。これが私の
感想なのだから、翻訳論の講釈は無用と思う。

見ず知らずのチンピラやノ―タリンが死んだのではないので、「馬鹿は死ぬ」と
訳するのは、あまりにも卑俗で非道で相応しくない。日本語の「馬鹿」は見下し
た感じがある。小説も読まないで、翻訳論・語義論に脱線するのは、まさに
「Your are on the wrong track.」と言えるだろう。

ちなみに
タロットには「愚者(The Fool)」という札が存在するが、これも「馬鹿」と
訳さないといけないのだろうか。
(タロット「愚者(The Fool)」正位置の意味・・自由、型にはまらない、
無邪気、純粋、天真爛漫、可能性、発想力、天才。逆位置の意味・・軽率、
わがまま、落ちこぼれ、ネガティブ、イライラ、焦り、意気消沈、注意欠陥多動性。
このThe Foolは「馬鹿」ではカバーできないだろうな。)
[] 2017/04/21(金) 22:10:26.51:5L6fDf5Q0
タロットのそれ、「愚者」でもカバーできないんじゃないの?
 
[] 2017/04/22(土) 13:03:43.33:5WXlAaR40
無味乾燥
[] 2017/04/22(土) 21:58:08.00:rSmLe5UG0
ニコラススパークスのロンゲストライド読んだ。するするっと読める
今んとこニコラススパークスより簡単な大人向けの本に出会ったことがない。
時点はソフィーキンセラ。
[] 2017/04/23(日) 22:27:10.89:KL5MCpX70
Shutting Out the Sun(副題)How Japan created its own lost generation
(by Michael Zielenziger.2006年.301頁)(4.18~4.23)

バブル崩壊後、日本経済は長期の停滞に陥り立ち直ることができない。世界
第2の経済大国であったの昔日の姿はない。その原因を求めて筆者は、日本特
有の現象である若者の「ひきこもり」を取材する。何故、このような「知的で
個性的」な若者達が社会に受入れられず孤立してゆくのか筆者は驚く。表参道
のブランドショップに群がる女性達や、結婚を拒絶しいつまでも実家にパラサ
イトの女性達を取材する。・・「ひきこもり」「パラサイト」「出生率低下」
「高自殺数」等の日本の病理現象を扱った前半から、後半は、政治経済改革や
経済のグローバル化に適合できない日本人及び日本社会の閉鎖性、封建制、
後進性を、経済危機から迅速に立ち直った韓国と比較しながら指弾してゆく。

 この本が出版されたのは2006年である。当然、現在の政治、経済、社会状況
にあてはまらない記述や、外国人特有の浅薄な「とんでも説的」誤解・誤謬も
目立つ。しかし、どう日本社会が見られているかを知るには興味をひく本だ。
また、読んでいて日本人としては、全てに反論したくなる本であった。
[] 2017/04/24(月) 23:34:49.52:Tgueoe6X0
John Irving の ”The World According to Garp” と ”The Hotel New Hampsher" を読了。

二冊続けて読んだが、両方とも面白く、一気に読むことができた。

二作ともとにかくストーリーがよく動く。
社会の枠から外れた登場人物たちが、成功と失敗、出会いと別れに満ちた波乱万丈の運命を生き、
そして死んでゆく……というのが二作に共通した大枠。
さらに、暴力と不条理に満ちた現実の描写、人生の苦味を描いた上でのおとぎ話化、コミカルな笑い、
臆面もない家族愛、フェミニズムへの関心、楽天主義に貫かれたペーソスといったところも共通の要素と言える。

シビアな現実に直面しても、登場人物たちは自己憐憫的デカダンスに至らず、一貫して楽観的で行動的だ。
ただし、作者は闇雲に登場人物を動かすのではなく、象徴性、訓話性など、読者に与える効果を計算して
物語を構成しているようだ。特に、時折現れる反復回帰するシンボルをうまく使うことで、ストーリーが
激しく変転する作品に基調となる通奏低音を与えている。
目先の勢い、エネルギーだけではなく、全体を俯瞰した知的な計算も強かであり、作家の技量を感じさせる。

英語に関しては特に文体に凝ったところもなく、読みやすい英語だと感じた。

映画化作品も見てみたが両作ともよく出来た作品だった。"The World According to Garp" はロビン・ウイリアムズ、
"The Hotel New Hampsher" はジョディ・フォスターが好演。
[] 2017/04/25(火) 21:39:42.01:XKjBq5W30
The Painted Veil (W. Somerset Maughem,1925年,238頁)

主人公kittyの夫Walterは、中国のコレラ流行地帯の医療支援に志願し、任地に赴くがコレラ
に感染してあっけなく急死してしまう。一方で、修道女達が現世の享楽を捨て命の危険も
顧みず献身的に活動する姿を見る。数多くの患者達は次々と手当も虚しく死んでいく。人
生に対し無常さを感じたKittyは、Waddington(税関副所長)に次のように問いかける。

‘Supposing there is no life everlasting? Think what it means if death is really
 the end of all things. They've given up all for nothing. They’ve been cheated.
They’re dupes.’

Waddingtonはしばらく考えた末、次のようにkittyに語りかける。

‘I wonder. I wonder if it matters that what they have aimed at is illusion.
Their lives are in themselves beautiful. I have an idea that the only thing which
makes it possible to regard this world we live in without disgust is the beauty
which now and then men create out of the chaos. The pictures they paint, the music
they compose, the books they write, and the lives they lead. Of all these the
richest in beauty is the beautiful life. That is the perfect work of art.’

この文章は、この本の中で2番目に難しい深淵な内容だと思う。ここでいう「beautiful」は
「素晴らしい」「美しい」という日本語ではカバーできない気がする。我ら如何に生くべきか。
(勿論、Kittyには難しい。・・Kitty sighed. What he said seemed hard. She wanted more.
で・・問い返してゆく。結構、真面目な小説です。)
[] 2017/04/26(水) 22:11:03.92:aBuiuIte0
Shutting Out the Sun (その2)

自分が読んだ本は、薦めたくなりますね。この本の英語はおいらの感じでは大学入試程度の
レベルなので高校生の勉強に最適!だから夏休みに読んだらよいと思う。著者は日本滞在の
経験があり、日本人以外の読者を想定し、わかり易く日本社会の問題点をレポートしたという。
日本の一部の評論家や医師、活動家の意見をうのみにし、先入観や偏見に基づく個所も散見
するが、日本人としては読みながら、「そうじゃないよ~!」とか「その点はそうだ!」とか
考えながら問題意識をもって読むと英語以外の勉強にもなると思う。

例えば、日本の教育システムについては、日米貿易戦争の頃は日本に学べとの声が米国内に
あったのわけだが、今や全くの時代遅れになっていると指摘する個所がある。日本の教育シ
ステムは既存の知識の基礎的習得には有効だが、国際化、情報化の時代に不可欠の革新性、
創造力、独自性の育成には対応できず、閉鎖的画一性により生徒の個性や優秀な才能を抹
殺さえしているのではないかと論じている。外国の模倣では機能しないし、折衷した改革
も機能していないし、大きな問題を抱えていることは確かだ。指導要領改正は数年後の予
定だが、果たして成功するのだろうか?

…Japanese schools taught group solidarity and excelled at imparting basic education.
Now school lag, and student performance has tapered off. Although schools still
prepare students diligently for standardized exams and drill them to memorize obscure
facts and dates,teachers do not encourage pupils to acquire critical thinking skills—
analysis, creativity, or independent reasoning. Teachers lecture, and students dutifully
take notes but are not expected to form their own opinions or judge the relevance of
the evidence presented.Give-and-take in the classroom is discouraged.Though the demands
of the twenty-first century require teaching students how to pick apart problems by
using complex reasoning and how to apply one’s accumulated knowledge to real-world
situations, Japanese schools still emphasize rote instruction.・・・(80頁より)
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/04/26(水) 23:16:11.50:ccz7j0Fn0


性としては聖書をハードボイルドの源流としたいけど、実は、極めて
古い文章はみなハードボイルドですよ。パピルスとか羊皮紙とか
竹簡を節約する必要があったからね。

ヘミングウェイは、ハードボイルドの元祖じゃない。彼は、
アメリカンハードボイルドの祖なのだ。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/04/26(水) 23:23:04.19:ccz7j0Fn0
性にはKJVは毒。

性には、CEVがちょうどいい。
[sage] 2017/04/27(木) 15:46:35.50:VraXFy410
>46
>ニコラス・スパークス

おいらの中では、ニコラス・スパークスとミュリエル・スパークの区別がつかない。(エ・ω・`)
検索してちょっと調べてみたら、ニコラス・スパークスの方は「恋愛小説の大家」だった。
[] 2017/04/27(木) 15:48:55.16:VraXFy410
>47
>バブル崩壊後、日本経済は長期の停滞に陥り立ち直ることができない。(中略)その原因を
>求めて筆者は、日本特有の現象である若者の「ひきこもり」を取材する。(中略)~ 政治
>経済改革や経済のグローバル化に適合できない日本人及び日本社会の閉鎖性、封建制、後進性~

これはひどい(笑)
経済を多少かじった人間にとってはまさに「トンデモ説」としか思えないんじゃないでしょうか。
バブル崩壊後、日本が長期停滞に陥ったように、アメリカもまた住宅バブルの崩壊後、同じ
ような長期停滞に陥りました。アメリカでも Lost decade(失われた十年)が取りざたされました。
著名な経済学者のポール・クルーグマンはかつて、停滞に陥った日本経済を立て直すことが
できない日銀や日本政府の対応を厳しく批判しましたが、いざアメリカが同じ状況に陥って
みると、FRBと米国政府の対応はさらにブザマだったので、私は日本に謝罪しなければならない
と述べたほどだった。
長期停滞に陥ったのは欧州も同様であって、やはり著名な経済学者のラリー・サマーズなどは、
先進国の経済全体が長期的停滞に陥る必然性があるのではないかという「長期停滞論」を展開
する始末。

だから、日本経済の長期停滞を日本の事情だけに帰するのはおかしい。
筆者の論法なら、アメリカや欧州の長期停滞もまた「ひきこもり」や「社会の閉鎖性、封建制、
後進性」に原因があることになるでしょう(笑)
近頃こんなバカバカしい言説に出会った覚えはほとんどありません。

(続く)
[] 2017/04/27(木) 15:52:12.88:VraXFy410
に補足。

参考までにポール・クルーグマンの近作『さっさと不況を終わらせろ』の文庫版序文から
一部を引用しておきます。

「でもぼくを含む一部の経済学者は、日本のつまずきにかなり困惑していた。根本的なレベル
で見れば、日本はアメリカやヨーロッパとかなり似ている。大規模で高度な経済であり、
政治的には安定していて、政策立案者たちは理想的ではないにせよ、バカでもない。日本が
経済停滞に捕らわれるようなら、他のみんなにだって同じ事がおこりかねないのでは?
そしてまさにその通り、2008年金融危機の後で西側経済は、10年前の日本とずいぶん似てきた
のだった。ヨーロッパは危機からまともには回復したことがなく、いまやデフレ寸前で、
どう見ても日本の後追い状態だし、アメリカですら回復は弱々しく脆弱だ。
それどころか、多くの面で西側諸国の経済は日本でも見られなかったほどひどい状態になって
いる。日本はアメリカやヨーロッパのどちらでも見られるような失業に直面したことはないし、
そこで見られた圧倒的な人々の苦しみに匹敵するものは経験したためしがない。その理由の
一部は、日本が破壊的な緊縮財政を実施しようとはしなかったせいだ。ぼくがときどき言う
ことだけれど、西側のぼくたちのできがあまりに悪いので、いまや日本は悪い例どころか、
見習うべきお手本に見えるほどだ。」

Michael Zielenziger の言う「ひきこもり」や「社会の閉鎖性、封建制、後進性」などの
問題を抱える日本は、クルーグマンその他の著名な経済学者からすれば、「見習うべき
お手本」に映ってしまうのです(笑)
[] 2017/04/27(木) 15:55:56.91:VraXFy410
   (~)
 γエ⌒`ヽ
  {i:i:i:i:i:i:i:i:}
 ( エ・ω・)
  (::::つ旦O
.  と_)_)

今日のコメントはまで。以降の書き込みに対するレスはまた後日。
[] 2017/04/28(金) 18:18:41.63:ePGJriw60
>48
>目先の勢い、エネルギーだけではなく、全体を俯瞰した知的な計算も強かであり、~

へー。ジョン・アーヴィングはそういう知的な面も備えていたのか。
前から気になっていた作家だけど、いよいよ興味を惹かれる。
[] 2017/04/28(金) 18:31:05.65:ePGJriw60
>49
>the only thing which makes it possible to regard this world we live in without
>disgust is the beauty which now and then men create out of the chaos. The pictures
>they paint, the music they compose, the books they write ~

「我々が生きているこの世界を嫌悪感なしに眺めさせることのできるのはただ美のみである。
折にふれ、ある人々はそういう美を混沌から創造する。彼らの描く絵、彼らの作曲する音楽、
彼らの書き綴る述作 ~ 」

out of chaos(混沌から・混沌を土台として・混沌を材料として)美を創造する人々
というのは広く言って芸術家を意味するでしょう。
この場合の「混沌」は「現実」と言い換えてもいい。
混沌としていて、不条理で、醜悪な現実を素材にして、芸術家は美(具体的には絵画や音楽、
詩・小説など)を創造する。

ただし、そういう芸術家の才能に恵まれた人間はごくわずかである。
われわれ凡人はそういう芸術家の創造した作品を追体験して、わずかに自らを慰めるのです。
(エ・ω・`)
[] 2017/04/28(金) 18:33:23.22:ePGJriw60
>51
>聖書をハードボイルドの源流としたいけど ~

たしかに聖書の一部の文章にはそういう趣きがありますね。
[] 2017/04/28(金) 21:51:05.46:Ij/CC74Q0
ハードボイルドというか、
主人公気違いだからハードといえばハードだな
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/01(月) 22:55:44.99:xhaFbf170
女に弄ばれて捨てられた事のない男には
聖書は読めないぜ?
[] 2017/05/02(火) 23:24:08.66:3F2DI7oT0
>>59 聖書のどこですか?
具体的に例示お願います。
    ハードボイルドとか全くわからないので。
[sage] 2017/05/03(水) 00:21:13.55:MMxqORO8M
楽しい祭りの屋台をぶっ壊しちまうんだぜぃ~
ワイルドだろぉ~?
[] 2017/05/03(水) 01:31:06.30:TB7gOLeX0
なーんだ、出エジプト記のことかw
陳腐な感想だね。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/03(水) 02:51:39.47:QoMGoEJw0


性はではないが、教えて進ぜよう。

主に外面描写のみのスタイルをハードボイルドと言うのだ。
つまり、言った事とやった事を書いて、心理描写はしない。
これがハードボイルド。

『意識の流れ』の対極が『ハードボイルド』。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/03(水) 03:07:06.69:QoMGoEJw0
聖書の隅々までハードボイルドじゃないかな?
具体例なんて挙げられないよ。詩篇の詩だって、
『言った事』じゃないかな?心理描写では
あるまい。

福音書に『イエスはこう思った』とは書かれてないよ。

サラ心にわらひて言けるは、だよ? 性はこれを
Cloy Style に書き直せません。
[] 2017/05/03(水) 05:33:22.33:TB7gOLeX0
そうだと宇治拾遺物語
絵仏師良秀家の焼けたるをも
ハードボイルドですな。>51のように
古い物はみんなそうだということになる。
[] 2017/05/03(水) 07:53:42.57:lxL+8J980
伯夷列伝第一 もハードボイルド
[sage] 2017/05/03(水) 11:01:18.84:Ljcu1FONM
セックスが来ると読む気が一気になくなるな
[] 2017/05/03(水) 23:13:26.93:MOahbT850

念のため、確認しておくけど、おいらが「聖書の一部の文章」()には「ハードボイルド
の趣き」があると言ったのは、あくまでも文章、文体の話。
その意味はに書いた。

別に登場人物がタフガイであるとか、暴力描写がふんだんにあるとかいう意味ではありません。

ハードボイルドの文章、文体の一般的な定義はすでにで説明されています。
おいらがで書いたポイントとはちょっと違うけれども、大筋この説明の仕方に
異論はありません。

(続く)
[] 2017/05/03(水) 23:15:19.01:MOahbT850
おいらの言う聖書の「単純な語法」による「簡潔の美」、「簡潔さによる力強さの美」
のもっとも適切な例文を探してくるのはメンドクサイので、しょっぱなの部分で勘弁
してもらう。

Genesis Chapter 1

In the beginning God created the heaven and the earth.

And the earth was without form, and void; and darkness was upon the face of
the deep. And the Spirit of God moved upon the face of the waters.

And God said, Let there be light: and there was light.

And God saw the light, that it was good: and God divided the light from
the darkness.

And God called the light Day, and the darkness he called Night. And
the evening and the morning were the first day.

以下省略
(続く)
[] 2017/05/03(水) 23:17:10.33:MOahbT850
これをヘミングウェイの『武器よさらば』のやはり冒頭の文章と比べてみよう。

In the late summer of that year we lived in a house in a village that
looked across the river and the plain to the mountains. In the bed of
the river there were pebbles and boulders, dry and white in the sun,
and the water was clear and swiftly moving and blue in the channels.
Troops went by the house and down the road and the dust they raised
powdered the leaves of the trees. The trunks of the trees too were dusty
and the leaves fell early that year and we saw the troops marching along
the road and the dust rising and leaves, stirred by the breeze, falling
and the soldiers marching and afterward the road bare and white except
for the leaves.

(続く)
[] 2017/05/03(水) 23:19:49.17:MOahbT850
上に挙げた聖書とヘミングウェイの文章は随分印象が違うかもしれないけれど、

・難解な単語は使っていない。
・複雑な構文は使っていない。
・単純な接続詞の and を多用している。

という点で共通点がある。

ヘミングウェイは、それより前の世代の複雑な構文を使った、長ったらしいヴィクトリア
朝英国の散文などとは著しく対照的な文体で小説世界を構築した。
聖書のような神話、伝説を含む昔の出来事を描写するのは単純な語法でまにあうかも
しれないが、複雑な現代社会をそういう単純な表現法で描けるとは人々は思っていなかった
のである。それは、いわば「コペルニクス的転回」だった。

(ヘミングウェイの文章の最上のものは、単純な語法にもかかわらず、あるいはそれ
ゆえに、神話的な響きを帯び、象徴の域にまで高まっているように感じられる。
上に挙げた文章でも、その透明さは尋常ではない)
[] 2017/05/04(木) 00:07:19.25:9pGlT4cN0

英標じゃねーか
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/04(木) 01:23:57.50:SfieAQMz0
は性でも読めるよ。でも、ヘムをあまり褒めないで。
中古価格が上がると困るのです。

確かにヘミングウェイの英文は上手い。でも、彼の長編小説は
empty skiff ですよ。

性は過去に武器よさらばを日本語訳で読もうとしたけど、
つまらなくて読み切れませんでした。途中で投げ出して
しまいました。そして、先日まで日はまた昇るを日本語で
読んでいましたが、みみずを掘るあたりで飽きてしまいました。
[] 2017/05/04(木) 07:19:36.93:L44wFwsr0
短編で力を発揮するタイプ
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/04(木) 11:46:28.91:SfieAQMz0
その通り。短編は絶品らしい。全短編で800ページくらいある。
[sage] 2017/05/04(木) 11:50:52.35:cTpt8FGKM
自分で建てた隔離スレがあるんだから出てくんじゃねーよ
sexに限らずこてはんうざい
全員たひねばいいのに
[] 2017/05/04(木) 16:54:15.56:OQjwJuJw0
ヘミングウェイはモームっぽいかなあ
[] 2017/05/04(木) 22:59:37.01:iN1byb/B0
>74
>英標じゃねーか

この文章が『英文標準問題精講』にあったかどうかは記憶にないけど、伊藤和夫の
『英文解釈教室』には載っていたと思う。

採用された理由は、たぶん難解な単語が使われていないので、高校生にも何とかなること。
そしておそらくもう一つの理由は、小説の冒頭のこの文章が非常に印象的であり、
これらの著者が初めて読んだときに感銘を受けたから。
優れた文章なら、教材に採用したくなるのは人情の自然です。
[] 2017/05/04(木) 23:02:42.36:iN1byb/B0
>75
>でも、彼の長編小説は empty skiff ですよ。

(empty skiff は聞いたことがない表現だ。たぶん empty skull?)

ヘミングウェイの長編は確かに「軽い」という評もある。
新潮文庫の『老人と海』の解説で福田恒存氏もそういう趣旨を述べていたと思う。
そして、『老人と海』によってヘミングウェイは真に偉大な作家となった、
『老人と海』はアメリカ文学の古典となった、と。

また、筒井康隆氏は『陽はまた昇る』を若い頃読んでもっとも感銘を受けた
小説の一つに挙げていたけれど。
[] 2017/05/04(木) 23:31:55.09:ggVps+l+0
福田は老人と海をそんなに評価してたのか
ガッカリだなあ
[] 2017/05/05(金) 00:57:55.07:xzuS9WfL0
老人と海は面白かったけど陽はまた昇るはなんだかチャラチャラしてて半分くらいでやめてしまった
長編は「軽い」という評につながるかもしれない。両方英語です
[] 2017/05/05(金) 09:08:28.95:ZUNkOsUu00505
Burton Watson先月死んでたんだな
[sage] 2017/05/05(金) 21:23:36.31:y0N7HqS900505
いま老人と海のPDF見ました。empty skiff ってそういうことか。
[] 2017/05/06(土) 00:23:22.33:ABnbUBde0
MRS GRADDOCK (by Somerset Maugham・1902年・255頁)4.24~5.2

主人公(Bertha)は父の死後、生まれ故郷の英国南東部Kent州の大邸宅に戻り、おばの(Miss Ley)と
暮らし始める。3年が経過し、幼馴染なのだが、たまたま再会したハンサムな(Edward Graddock)に
会うや、忽ち恋に落ちてしまう。Edwardは小作人で地主のBerthaとは家柄が違うため周囲の誰もが
反対するが、恋は盲目とかでBerthaは求婚して強引に結婚する。Bertha はEdwardを好きで、好きで
堪らない。熱々のロマンチックな結婚生活を夢見たが、Edwardは、芸術や文学には縁遠い根っからの
カントリーマンで、愛情表現も物足りないことを新婚旅行中にうすうす気づかされる。「家族という病」
で有名な下重暁子氏は、「他人に期待なんかしては駄目!期待するからストレスが溜まるの!」って
のたまうが、Berthaは相手に期待する典型で、なにかしら愛情表現にいまいちの夫にイライラが募っ
てゆく。Edwardは農場経営の才覚はあるし、社交的で働き者で、初めは逆玉の輿婚でBerthaに従って
いたものの、次第に立場は逆転し、ついに使用人達はBerthaの命令など聞かなくなってしまう。さらに、
内心無教養者と馬鹿にしていたEdwardが国会議員にまで出世してしまう。立場の無くなったBerthaは、
ついに家を飛び出す。・・・さてさてどうなるでしょう?

愛は追えば逃げ、逃げれば追ってきて、始まりよりも終える方が難しいし、愛なんてものは自分の
中の妄想と葛藤しているようなものだとおいらは思うよ。「MRS GRADDOCK」について、もしかしたら
「The Triumph of Love(愛の勝利)」と評価されるかも・・と作者は冒頭で自負するが、結末から
言えば「愛に幻滅」が本書のタイトルにふさわしいと思う。読んだことが無い人がほとんどと思うが、
まあまあ楽しめる本でしたね。
[] 2017/05/06(土) 21:18:18.54:GhLa6z8A0
He loved the Japanese style of living. No furniture. Just mats. The sliding wood-frame
paper doors that cut off rooms and turned a living room into a sleeping room. It seems
to him so reasonable and so clever. (Fools Die/428頁)
(こんな記述はかわいいから許せるね。)

Japan’s soldier returned home deeply traumatized,yet a rigidly disciplined society
demanded utter self-denial. Men dared not express their horror and shame over the
atrocities they committed, whether in the massacre of civilians in Nanjing, china,
or with the forced induction of “comfort women” as sex slaves.
(Shutting Out the Sun/84頁)
(あ~「南京事件」「朝鮮人慰安婦強制連行」はもう世界の定説なのかしら?)

We know how confusing we find it when native-born Japanese people speak English 
without distinguishing l and r: imagine the confusion if our alphabet did the same
while similarly homogenizing the other consonants that I mentioned! It is as if
we were to spell the words “rap””lap””lab,” and “laugh” identically.
(Guns, Germs, Steel/234頁)
(分ったよ!日本人は「I love you」を「I rub you(私はあなたをこする。)と言い、
「 When did the recent elections?」と聞けば「This morning.(今朝です。)」って
 返事するんだよなw。)
[] 2017/05/07(日) 21:00:26.13:p5pRRM020
前スレで が「20年以上前に日本語訳で読みましたが、所々覚えていますよ。妻になる
女性は、たしか、夜学のライティングクラスの同級生で、『私が一生懸命に書いてもみんなを
笑わせてしまうのに、あなたがふざけて書いても私を泣かせてしまう』みたいな事を言う。
とても 美しいです。」という書き込みがあった。参考までに原文(54頁)を載せるね。

She was a tiny Irish-Scotch girl with a big bust and large blue eyes and very very serious
about everything. She read a story of her own. And I was surprised because the story was
very good and very funny. It was about her Irish uncles who were all drunks.

So when the story was over, the whole class jumped on her for supporting the stereotype
that the Irish drank. Her pretty face contorted in hurt astonishment. Finally she was given
a chance to answer.

She had a beautiful soft voice, and plaintively she said,“But I have grown up with the
Irish. All of them drink. Isn’t that true?’She said this to the teacher, who also happened
to be Irish. His name was Maloney and he was a good friend of mine. Though he didn’t show it,
he was drunk at that very moment.
Maloney leaned back in his chair and said solemnly,I wouldn’t know, I’m Scandinavian myself.’
We all laughed and poor Valerie bowed her head, still confused.
[] 2017/05/07(日) 21:08:11.05:p5pRRM020
(上の続き)
I defended her because though it was a good story, I knew she would never be a real
writer. Everybody in the class was talented, but only a few had the energy and desire
to go a long way, to give up their life for writing. I was one of them. I felt she
was not. The secret was simple. Writing was the only thing I wanted to do.

Near the term end I finally submitted a story. Everybody loved it. After class Valerie
came up to me and said,‘How come I’m so serious and everything I write comes out
sounding so funny? And you always make jokes and act as if you’re not serious and
your story makes me cry?’

she was serious. As usual. She was not coming on. So i took her for coffee. Her name
was Valerie O'Grady, a name she hated for its Irishness.・・・・
[] 2017/05/07(日) 21:42:29.01:0DeSkLcK0
GW は Kurt Vonnegut の作品を読んでいました。
“The Siren of Titan", "Cat's Cradle", "Breakfast of Champions", "Slapstick" 読了。

どれも面白かったけど個人的ベストは "Breakfast of Champions" ですね。
この作家は基本的にアメリカ批判のブラックジョーク連発ですが、特にこの作品はアメリカ、人間に対する
絶望の色が濃く、その諦念が突き抜けて一種独特のクールさに昇華していて魅力的でした。本作は、本来は
ドレスデン爆撃を描いた名作 "Slaughterhouse-Five" の一部として構想されたみたいですが、どうしても
一冊にまとまらないので二冊の別の作品に切り離したようです。その分こちらでは ”Slaughterhouse-Five ”
にあった重いウェットさが希薄になって、ポップなナンセンス感覚が前面に出ています。作家によるヘタウマ
系のイラストもいい味。テキスト、イラスト込みで全体的に『1984』meets アメコミというテイストの
作品世界になっています。

"Slapstick" は語彙、構文ともとても平明で高校英語の題材に使えそう。
[] 2017/05/08(月) 17:53:28.72:vcearMs30
ヘミングウェイに似てるのは
コーマックマッカーシー
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/08(月) 19:12:13.48:By4POBNp0

ありがとうございます。懐かしかった。素敵な英語だな。

ヘミングウェイよりもプーゾの方がいい小説家だという事が
みなさんにわかったと思います。



ほほぅ。そんな人がいるのですね。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/08(月) 19:18:30.36:By4POBNp0
スローターハウスはヴォネガットの体験が
ベースになってるんだよね。

ちょろちょろ立ち読みしただけだけれど。
[] 2017/05/09(火) 21:40:30.40:GmUE3wpC0
おいらは「武器よさらば (A Farewell to Arms)」を原書で読んだが、恋に落ちた看護婦と
逃亡したり妊娠させたり・・確かに感動しない小説だ。文体は革新的だったみたいだが。

Ernest Hemingway did more to change the style of English prose than any other writer
in the twentieth century:and for his efforts he was awarded the Nobel Prize for Literature
in 1954.Hemingway wrote in short, declarative sentences and was known for his tough,
terse prose. Publication of The Sun Also Rises and A Farewell to Arms immediately 
established Ernest Hemingway as one of the greatest literary light of twentieth century.
(「武器よさらば」の裏に書かれてある推薦文)

日本語訳の読みだが、青少年なら日本語能力の向上過程にあるので、見慣れない表現や単語・
漢字を脳内処理する刺激があるから読めるのではないかな。大人になって母国語能力が完成
してしまうと内容勝負だから、内容がダメだと途中で放棄することになる。英米仏文学作品
を「日本語訳」で読めるのは青年時代だけかもしれない。

一方、異言語を読む作業は、思考訓練の要素がある。異国の表音文字の羅列を、不明語は
辞書ひくなどして脳内で処理し、一文一文母国語で理解してゆくのは、それだけでこのうえも
ない刺激と快楽をもたらしてくれる。だから、内容が少しつまらなくても最後まで読める。
おいらの独断と偏見かもしれないけど簡単すぎる英文より、少しは難解な方が読むのに向い
ている。
[] 2017/05/09(火) 21:51:38.24:S1QlyY0E0
おいら
と書くとどうしても今話題の
マンション経営者を思い出す

申し訳ないけど
[] 2017/05/09(火) 23:06:37.45:QymjcWPG0
>84
>Burton Watson先月死んでたんだな

バートン・ワトソン博士は、ドナルド・キーン氏やエドワード・サイデンスティッカー氏と
比べると、日本では知名度が今一。
やっぱり中国文学が専門だからか。

でも、ウィキペディアで調べてみると、日本文学の方もいろいろ興味深い作品を訳して
いる。
おいらが読むかもしれないのは、『平家物語』や山頭火の俳句、森鴎外の『雁』、
西行の和歌、等々。
『平家物語』は昔、ペンギンブックスか何かで読んだが、あれは誰の訳だったっけ。
[] 2017/05/09(火) 23:08:44.06:QymjcWPG0
>90
>全体的に『1984』meets アメコミというテイスト

なるほど。
おいらは、『1984年』と、前スレで予告した通りブラッドベリの『華氏451度』を
最近読んだけど、どちらにもあまり感心しなかった。
さてさて、次はこの『チャンピオンの朝食』に挑戦してみようかな。(エ・ω・`)
[sage] 2017/05/09(火) 23:16:49.64:QymjcWPG0

「おいら」は、スレ立て主である自分が最初から使用していたんだけど、
(それよりずっと前から英語板の他のスレでも使っていた)
その後、上の氏も途中から「おいら」を使うようになって、やや混乱を招く
恐れが生じている。
ということで、以後、自分は「おいら」を使わないことにします。 (エ-ω-`)
[] 2017/05/09(火) 23:21:39.57:S1QlyY0E0
あれ別人なのか
同じだと思ってたよ
君は必殺さんで
[sage] 2017/05/09(火) 23:56:28.56:QymjcWPG0

あー、やっぱり誤解されていたか。 (エ-ω-`)
このスレでいうと、の「おいら」は自分ではありません。
前スレの途中からすでに混同されているかもしれない。

(ちなみに、自分は、このスレのスレ立て主であり、他のスレで訳を提示
する時などは「必殺翻訳人」のコテを使用)
[] 2017/05/09(火) 23:58:26.13:S1QlyY0E0
口調全体が似ているべ
マジで
[] 2017/05/10(水) 03:14:06.89:MtGypI7Ud
初期の2ch運営の人々がよく"おいら"を使ってましたね
。。。とかも
懐かしい響きがある
[] 2017/05/10(水) 08:11:31.80:qgyXgKie0
よく読むと新しいおいらさんは牛津さんでは
別にいいけど。。。
[] 2017/05/10(水) 09:37:14.22:7Cuzz5kg0
おいらはおいらを使っている人のおいらを
真似ただけでおいら以外は文体も改行など
の構造も物の捉え方.視点も全然似ていな
ど思うけどな・・・。
黒メガネ装着時の中井くんと松井知事がそ
っぐりって驚ぐ程度以下の識別能力だっぺ。
百歩譲ってshutting out the sun の
コメントは似てたかもはあるけんどな。
 
[] 2017/05/10(水) 18:41:54.73:TG3tyqO10

>口調全体が似ているべ

そんなことを言われても別人だからしょうがない (エ-ω-`)


>初期の2ch運営の人々がよく"おいら"を使ってましたね

へえ~、そうでしたっけ。


ともかく、日本語の一人称に適当なものがないのが困る。
2ちゃんなどでは、「私」はあらたまりすぎの感じがするし、「俺」はエラソー
もしくは無作法、ぶっきらぼうな感じがする。
この中間に位置するものが欠けている。

ちなみに、翻訳で、小説の語り手を「私」にするか「俺」にするかは重要な問題だ。
「私」と「俺」とではトーンが違ってしまう。
プロの翻訳家が仕事をするにあたって最初に頭を悩ませるのが、この人称の
呼び方とトーンの決定(これは文体の決定と言ってもいい)であろう。
(もちろん、大抵の文章では、日本語の伝統に従って、まず主語を省略するけど)
[] 2017/05/10(水) 19:05:09.89:qgyXgKie0
芥川も時折使った「自分」は
あひびきで採用されているが
比較的使いやすい
[sage] 2017/05/11(木) 16:02:15.19:5eYNOcPp0
に関連して。

Mrs. Graddock と同じように、ロマンチックな性向を持つ妻と言えばフローベールの
『ボヴァリー夫人』、また、名家の出で教養のある妻と言えばロレンスの『チャタレー
夫人の恋人』。そしてまた、どちらの妻も、俗物の夫には距離を感じるようになっていたと思う。

この3つの小説を比較しながら縦横に語れれば面白いだろうけど、自分には無理なので、
他の人におまかせしよう。 ( ・∀・)アヒャ
[] 2017/05/11(木) 16:03:21.15:5eYNOcPp0
に関連して。

ヴォネガットと言えば、まだまだ人気は衰えないのか、最近でも邦訳で、
単行本『これで駄目なら――若い君たちへ』
という卒業式での講演を集めたものや
最後の短編集『人みな眠りて』、
また、中公文庫から
『国のない男』というエッセイ集
が出たりしている。

ヴォネガットの講演はユーモアがあり、言い回しは難しくないだろうから、こういうのも
英語のペーパーバックで読むのがお薦めできるかもしれない。
[sage] 2017/05/11(木) 21:55:44.27:0cATH1pn0
Fools die の一章の私は 俺で訳されているんだよね。

以下ネタバレ。



で原文は謎の” ”コーテーションマーク。で
その後一人称になったり三人称になったり。???なんだけど途中からI が私なので、一章とは書き手が別人なのだとわかる。

読みながらこれって実在のモデルおるん?やがてこれってクライ○ノベル?で、もしかして
誰も死んでなくて、書き手マーリンがあの人もこの人も死にましたとさ、と語っているだけなん?
いろいろ疑問が湧いてくるんだけど、やっぱり孤児なめんなよ、俺様偉いんだぜ、で終わるのか?

まあ一つ言えるのは、映画でも小説でも「日本」が出た時点で萎えたり醒めたりするわけだが、
この本の日本は結構イケた。
[sage] 2017/05/11(木) 23:38:50.56:0cATH1pn0
読者はFools die を二度目にする。即ちタイトル、そして最終章。ネイティブは聖書?と同時に
馬鹿は死ぬなどと言うひどい語り手なの?とわかってしまう。しかし日本語読者は、
マフィア映画の原作者が何故文語?の違和感を感じる。つまり原文が倒叙的であるのに対し訳は叙述的である。
これは仕掛け小説である。何故文語?その答えはもしかしたら出版社のうまい戦略かもしれないが、これは違っている。
前スレで挙げられた鴎外のナリタリ体のほうが、むしろよほど無駄な格調なのではないだろうか?
[] 2017/05/12(金) 22:42:21.46:1uHm777G0
難解な文で理解できないのでもう少し
簡単に説明お願いします。
[] 2017/05/13(土) 11:23:00.06:FGjCP8Uz0
「JAPAN 1941(Countdown to infamy)」by ERI HOTTA・2013年・293頁(5.6~5.13) その1

「日本は、負けるのを知りながらどうして日米開戦に至ったのか?」を基本的な一次資料にも
当たらず、イデオロギー的プリズムや感情論で「軍国主義者の暴走」とか「帝国主義的野望の
結果」だと切り捨てる歴史観では物足りないものがある。

しかし、昭和史をじっくりと研究しようにも、資料と対象があまりにも膨大で、それを俯瞰的に
実証的にまとめ上げた歴史書はあまり見られない。
日米開戦に至る過程を当事者が詳述した書籍として「大東亜戦争の真実(東条英機宣誓供
述書)」とか「大東亜戦争の真相(瀬島龍三)」等があるが、文章が硬く事実の羅列で難解で
あるうえに内容が劇的(ドラマチック)でないので素人には中々難しいものがある。

今回、読み終えた日本人研究者の堀田江里氏が英語で書いた「JAPAN 1941(決意なき開戦)」は、
時系列的に主に昭和20年の事件や会議を、内閣や外交官や陸海軍の幕僚の記録や証言、
日記を元に、作家、市民達のエピソードも散りばめながら、実にわかりやすく興味深く解説して
くれている。歴史は必然で、後付けの知識で批判しても始まらないが、本書の視点はそうした
無用な視点ではなく、国際情勢の変化をからみ合わせて事実の経過を見事に読者に紹介して
好感がもてる。まずは何があったのかを正確に知ることが大事で、本書は日米の読者に
非常に有効な歴史的事実の知識を与えてくれる一読の価値ある力作であると思う。

ちなみに、著者の堀田江里氏は「東京生まれ、米国・英国留学し、Ox-ford大学で国際関係博士号
を取得し、Ox-fordやHebrew大学で教鞭もとった若き学者で夫君は「廃墟の零年」を刊行された
イアン・ブルマ氏。」とある。

(付記:戯れに「おいら」を真似て混乱を招き、また本物の「おいら」の人にも迷惑をかけたので、
 今後は「おいら」を使わないから、本物の「おいら」の人はこれまで通り「おいら」を使って欲しい。)
[] 2017/05/13(土) 13:37:31.13:Gpw/zz1S0
そういや
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
がそのあたりでは良かったな
[] 2017/05/13(土) 22:36:10.97:9M0an+2s0
"The Hitchhiker's Guide to the Galaxy", Douglas Adams 読了。

SFカルト・クラシックスとして知られる本作、なんとなく本格SFものかと予断を持って
いましたが、実際は全然違っていて、ギャグ満載のおバカSFコメディでした。元々BBC
のラジオドラマ用の脚本だったものが、その番組が好評で後に小説化されたようです。

本作は基本的に宇宙各地から集った面々がトラブルに巻き込まれながら広大な宇宙各地を
旅するというお話です。"The Hitchhiker's Guide to the Galaxy" というのは全宇宙で最も
売れている旅行ガイド本のことで、ストーリーの中で各銀河の新奇な地域や人種や風習に
出くわすと、同書が引用されて説明されるのがお約束。ヤッターマンの「説明しよう」の
ようなイメージですかね。本作はスラップスティック・コメディSFと言えると思いますが、
カート・ヴォネガットの『スラップスティック』とはだいぶ趣が異なりますね。こちらは
ウェット感の全くない、ぶっ飛んだ悪のりギャグです。

また、本書には最高のコンピュータが計算してはじき出した、全宇宙の究極の秘密の答えは
「42」という有名なエピソードも出てきます。実はその後の顛末が面白いんですが。
それと "OK Computer"という台詞が何度か出てくるので気になってググってみたところ、
Radiohead のアルバム "OK Computer" は本書からタイトルを採ったようですね。特に同アル
バムの "Paranoid Android" という曲は本書に出てくるロボットがモチーフの曲だと思います。
2005年の映画化作品も観ましたが楽しめました。マーティン・フリーマンがとぼけた演技を
してます。Youtubeにアップされている78年版のBBCラジオもよく出来てますね。

常識はずれの悪ノリギャグの連発には確かに一度ハマると抜けられない中毒性があり、本作が
マニアックな人気を誇るのも分かる気がします。小説はこの後に続編が六作程あるようなので、
そのうち読んでみたいと思います。
[sage] 2017/05/14(日) 20:59:07.42:fxePdSRn0
その本見たことあるかも。読んでないけどw けっこう古いですよね。
表紙のイラストがプルトップ缶のタブだったような
[sage] 2017/05/14(日) 21:17:12.21:fxePdSRn0
失礼しました。三作目の邦題「宇宙クリケット大戦争」でした。
[] 2017/05/15(月) 21:19:37.61:erz1lcCT0
「JAPAN 1941(決意なき開戦)」by ERI HOTTA・2013年刊(その2)
推薦度(★★★★★)(本書は英米国人向けだが日本人にも英語学習と昭和史研究に最適)

・Regardless of Tojo’s self-serving reading of U.S. inflexibility, the root problem in the Japanese
government remained consistent throughout 1941:None of the top leaders, their occasional
protestations notwithstanding, had sufficient will, desire, or courage to stop the momentum for war.
(外交交渉の失敗・286頁)

・Germany without Hitler would have been an immediately different country.
But Japan without Tojo looked too much like Japan with him.
The same institutional and cultural failing that led to its decision to go to war remained, and
if anything, the material and human sacrifices of the war years made it even more difficult for
any leader to end the conflict.(東条内閣の総辞職とヒトラー暗殺作戦の失敗・290頁)

堀田江里氏は真珠湾攻撃に至るまでの昭和20年初頭からの御前会議等や外交交渉の経過を
淡々と記述するが、最後に「決意なき開戦」に至った原因を「institutional and cultural failing」と
総括する。それは本書では具体的に挙げられていないが、読み終えて私なりに考えると次の
ようになるのではないか。

  (1) 国家指導の最高決定機関である御前会議が集団合議制であったこと
  (2) 決定役(権)と執行役(権)の分離、即ち決定者が執行を部下や他人に丸投げするシステム。
     (これは独断専行を防ぐ利益はあるが、危機においては通用しない。)
  (3) 辞任という責任の取り方
  (4) 陸・海軍の成績・年次別順の昇任人事(適材適所・能力主義の欠如)
  (5) 意思決定が情緒的(批判的思考の欠如)
  (6) 出身組織の保身を図る時代主義
  (7) 情緒的に国民を煽った新聞の存在
  (8) 国家指導者に欠けた国家・国民を思う情熱と勇気
[] 2017/05/15(月) 23:04:44.92:lsh+jf920

>今後は「おいら」を使わないから、本物の「おいら」の人はこれまで通り「おいら」を使って
>欲しい。

そうですか。でも、まあ、深刻に考えなくてもいいでしょう。
個人的に「おいら」に特別なこだわり、思い入れがあるわけではないので。
で書いたように、他に適当な呼称がなくて仕方なく使っていただけですから。
(ちなみに、「おいら」の前には「自分」を使っていた)

今回の書き込みで、「おいら」を使う人間が複数いることははっきりしたので、
以後はテキトーに、みんなが使ってもかまわないと思う。


>114
>SFカルト・クラシックスとして知られる本作

『銀河ヒッチハイクガイド』は、おいらにとって、ジェローム・K・ジェロームの
『ボートの三人男』と肩をならべるユーモア小説の古典というイメージです。( ・∀・)
[] 2017/05/18(木) 21:03:51.33:Ay29Febd0
「JAPAN 1941(決意なき開戦)」by ERI HOTTA・2013年刊(Last)

In their desire to see a tougher Japan, Matsuoka and Konoe were remarkably alike, despite
their great differences in personality. When he had just returned from the United States,
the twenty-two-year-old Matsuoka reportedly told his old schoolteacher that “the important
thing to remember is never be underestimated by Americans.”

He then went on to describe a hypothetical scenario in which a Japanese and an American
came across one another on a narrow path: The American would not thank you if you bowed
to him and politely gave way. He would actually look down on you, thinking that you were a
total pushover. If you give him a punch in the face, that is when he will start respecting you,
seeing you as his equal. Japanese diplomats should take note of this [American character]
from now on. (73頁「The return of Don Quixote」)

本の題名の他に、出版年、頁数、読むのにかかった日数、推薦度、そして原文を少し抜粋する
のは、英文のレベルと雰囲気を紹介し、洋書選びをしている人の参考になればとの思いからだ。

本書には90人超の日本の政治家・軍人・作家等が登場する。その中で最も異色は松岡洋右だ
ろう。松岡洋右は大東亜戦争に導く因ともなった日独伊三国同盟締結を外務大臣として主導し
た人物だ。今でいう「帰国子女」で英語が堪能であり、東洋人蔑視のアメリカ社会で青春期を
過ごした彼のパーソナリティは、揉め事を嫌い、秩序を重んじる日本人とはかけ離れたタフネス
なものになっており、雄弁・即断即決・独断専行で大衆の人気を博した。後に自らが締結した
三国同盟は失敗だったと回想したが、日米をけん制する目論見が結果的には、第一次世界
大戦までは勝組だった日本を負組側にシフトさせたわけで痛恨の極みだったのだろう。

抜粋のエピソードは、松岡洋右の外交官としての心意気がよく出ていて面白い。
[sage] 2017/05/18(木) 21:48:53.61:KwljJJHq0
日数とすいせんどは?
[] 2017/05/20(土) 11:26:20.52:410rXzVI0
"Tender is the Night", Scott Fitzgerald 読了。

非常に面白かったです。
まずこの作品は失敗作だと思います。
同じ作者の”Great Gatsby” に比べると構成が冗長で緩慢、特に山場もなく、幾つか用意された
刺激的なエピソードも散発的でその場で収束してしまい、物語作品としては今ひとつです。
物語が進まない、遅い、事件は不発、盛り上がりなしと、読み進めて不満を抱く読者も多いかと。
劇作法的な観点では非常に低い点数になるかと思います。

それでも自分はこの小説を非常に面白く読みました。
どこかじっくりと読ませるものがこの作品にはあるんですね。
多分この作品の面白さは「筋」ではなく、文体にあるんじゃないかと思います。
ねっとりした文体の濃度、酩酊感が素晴らしいんですね。
読んでいると部屋の温度が僅かに上昇し、粘っこい大気に囲繞されるような気分に陥る。
そんな文体です。
むしろ物語に動きがなく低速だからこそ可能になった濃度と芳香ではないかと。

物語の舞台はフランス、スイス、イタリアといった欧州。主人公の前途多望な米国人精神科医が、
精神的疾患を抱える米国人女性患者と恋に落ち、結婚生活をおくるというお話。
それまで順風満帆だった夫は、妻の影響で少しずつゆっくりと生活が崩壊していきます。
妻に振り回されながらも健気に努力を続けるのですが、好転しない現実を目の当たりにして
夫がだんだん壊れ、妻と疎遠になります。その過程の描写に捕まってしまいます。
気付くといつの間にか下半身が蟻地獄に嵌まっているような、ゆったりした受け身の呪縛力があります。

気になったので、今回改めて "Great Gatsby" も読み返してみました。一気に読めました。
前半と後半の対比、キャラクターの変化、事件の勃発と終焉……
確かに良く出来ています。ドラマチック。コンパクトでダレたところもない。流石に名作。
面白いストーリーなら "Great Gatsby" でしょう。

しかし作品に浸るという意味なら "Tender is the Night" だと思います。
前も後ろも最初も終わりもない世界に耽溺できるのはこっちです。
これから何度も読み返すことになると思います。
[] 2017/05/20(土) 11:31:21.26:ExppmzDs0
ギャツビーも大したことないけど
カウリーの自伝の方が遥かに面白い
[sage] 2017/05/22(月) 13:55:17.99:kt1Arg1U0
、この2人がいれば、このスレは安泰だ ( ・∀・)


それにしても、フィッツジェラルドの文章のよさはおいらにはまだわからない。カポーティも
そうだ。

村上春樹はこの2人の文章を絶賛していたけれど。

ヘミングウェイなんかはその文体の特徴がはっきりしていて、見間違えようがない。
小説全体を読んでいなくても、例えば、で挙げた『武器よさらば』の冒頭の文章
だけを読んでも、その文体の清新さは感じ取れるし、革新性は明らかだ。

しかし、フィッツジェラルドやカポーティの文章はもっと落ち着いた、なにげないもの
なので、その玄妙な優雅さ?をしかと感じ取るのは難しい。
自分にそれがわかる日は来るのだろうか (エ-ω-`)
[sage] 2017/05/22(月) 21:54:09.18:kt1Arg1U0
ところで、で『銀河ヒッチハイクガイド』が紹介されているので、その冒頭の文章を
ここで紹介しておきたい。
おいらにとっては、で引用した『武器よさらば』に肩をならべる、もっとも印象的な
小説の出だしの文章だから(笑)

Far out in the uncharted backwaters of the unfashionable end of the Western Spiral
Arm of the Galaxy lies a small unregarded yellow sun.
Orbiting this at a distance of roughly ninety-two million miles is an utterly insignificant
little blue-green planet whose ape-descended life forms are so amazingly primitive
that they still think digital watches are a pretty neat idea.
This planet has - or rather had - a problem, which was this: most of the people living
on it were unhappy for pretty much of the time. Many solutions were suggested for
this problem but most of these were largely concerned with the movements of small
green pieces of paper, which is odd because on the whole it wasn't the small green
pieces of paper that were unhappy.
(続く)
[] 2017/05/22(月) 21:56:56.81:kt1Arg1U0
の続き

And so the problem remained; lots of the people were mean, and most of them were
miserable, even the ones with digital watches.
Many were increasingly of the opinion that they'd all made a big mistake in coming
down from the trees in the first place. And some said that even the trees had been
a bad move, and that no one should ever have left the oceans.
And then, one Thursday, nearly two thousand years after one man had been nailed to
a tree for saying how great it would be to be nice to people for a change, a girl sitting
on her own in a small cafe in Rickmansworth suddenly realized what it was that had
been going wrong all this time. and she finally knew how the world could be made a
good and happy place. This time it was right, it would work, and no one would have to
get nailed to anything.
Sadly, however, before she could get to a phone to tell anyone about it, a terrible, stupid
catastrophe occurred, and the idea was lost for ever.
[sage] 2017/05/22(月) 23:12:21.79:5QY5+GRyM
スティーブン・フライの声で脳内再生されていい感じだね
So Long, and Thanks for All the Fish!
[] 2017/05/23(火) 05:37:41.63:Ui+eGOz+0
原文、ありがとう。感じが具体的にわかりますね。
かなり機知に富んでいるんでいろんな予備知識がいる鴨。
小さな緑の紙ってグリーン・バックのことかな?
2000年近く前に木に釘うちされた男ってキリスト?
木曜日になんかひどい災害あったっけ?
非ネイティブにはひねったユーモアは意味不明になるね。
ギャグとか笑いとか飛躍とか・・・・はね。
[sage] 2017/05/23(火) 16:11:01.28:TsOU1thc0

ごめん。スティーブン・フライは知らなかった (エ・ω・`)


氏の書き込みに関連して、の注釈を少し。
単語・熟語の注
・Spiral Arm of the Galaxyは「銀河の渦巻腕(または渦状腕)」。
・この文中の pretty はすべて強調語で、「かなり、結構」(副詞)の意。
・ここでの neat は(口語で)「すてきな、素晴らしい」の意。

構文の注
・第一文 Far out in the ~ は「倒置」。a small unregarded yellow sun が主語。
・第二文の Orbiting this ~ も「倒置」。an utterly insignificant little blue-green planet ~
が主語。

(続く)
[sage] 2017/05/23(火) 16:16:11.38:TsOU1thc0
解釈の注
・small green pieces of paper(小さな緑色の紙切れ)は氏の言うようにおそらく
ドル紙幣を暗示。
ドル紙幣は別名 green buckと言うから。
(紙面が緑色をしているから green で、buckは「19世紀中頃に、開拓者の物々交換の
基本単位だったbuckskinから(英辞郎)」)
・movements of small green pieces of paper は、だから、「ドル紙幣の移動」つまり経済
学的には「(ドル)貨幣の流通」を意味するでしょう。平たく言えば「お金のやり取り」。
・which is odd because on the whole it wasn't the small green pieces of paper that
were unhappy はおそらく、unhappy という精神的な問題を「紙幣の移動」という物理的、
物質的な問題に還元してしまうことに対する皮肉、揶揄。
(なお、この文中の it wasn't ~ that は強調構文)
[] 2017/05/23(火) 16:18:53.66:TsOU1thc0
解釈の補足。
筆者は、ここの文章で、backwater(僻地、田舎)、unfashionable(流行遅れの、ダサい)、
unregarded(重要視されない)、insignificant(重要でない、取るに足りない)、ape-descended
life forms(猿から分岐した生命形態)、amazingly primitive(驚くほど原始的)、等々と、
人類や地球を徹底的に茶化しています。
they still think digital watches are a pretty neat idea
(彼らは依然としてデジタル・ウォッチが実に大した考案だと考えている)も同様。
(デジタル・ウォッチは今ならスマホと言うかもしれない)
[] 2017/05/23(火) 16:52:07.59:TsOU1thc0
の文の単語・熟語、構文の注

・mean はここでは「意地悪な、不親切な、人につらく当たる」(形容詞)等の意。
・be of the opinion that ~ は「~という意見だ、~と考える」。
・ここでの move は「(チェスなどの)指し手、手」、言い換えると「手立て、戦略」。
・for a change 「気分転換に、息抜きに」
・on her own は on one's own の形で「一人で」。
・ ~ realized what it was that ~ の it was that は what を強調した強調構文。
~ realized what had been going wrong ~ (何が間違っていたかを悟った)が元の形。
・it would work, and no one would ~ の would は両方とも推測(仮定法に由来する)を表す。
This time it was right, it would work, and no one would have to get nailed to anything.
(今度ばかりはそれは正しかったし、それでうまくいくだろう、誰もなんらかの理由で磔刑に
処せられたりはしないだろう)
[sage] 2017/05/23(火) 16:59:38.26:TsOU1thc0
解釈の注
・one man had been nailed to a tree のこの man はもちろん氏の言うように
キリストを暗示。
・Thursday については、キリストが処刑された日は木曜日であったとする説も
あるようです。
・a girl sitting on her own in a small cafe in Rickmansworth についても、
上のキリストの例と同様に、ある人物またはある出来事への言及がほのめかされて
いるのかもしれないけど、おいらにはわからない。(エ・ω・`)

解釈の補足。
・キリスト教らしき宗教の要諦が it would be great to be nice to people と、
あっさり説明され、さらにその後ですぐ for a change(気分転換に、息抜きに)と
付け足される。このあっさりギャグをかますのが筆者のダグラス・アダムズ氏の
真骨頂である。
段落の最後の文章 a terrible, stupid catastrophe occurred, and the idea
was lost for ever もそう。
人類にとっての最大の問題の解決策が見つかっても、あっさりと葬られてしまう(笑)
[] 2017/05/25(木) 23:20:20.18:ynWJNkI00
Nathaniel Hawthorne, "The Scarlet Letter" 読了。

米文学史上に残る名作です。なんとなく今まで読んだことがなかったのでチャレンジしてみました。
まず本書の執筆過程を解説した前口上の 'Custom House' が退屈で挫折しそうになったのですが、
そこを我慢して本編に入ったところ、本編はかなり面白かったですね。
姦通とか不倫とか贖罪とか堅苦しい宗教劇という先入見を持っていたのですが、実は本作に説教臭さは
あまりなく、心理的主義的な込み入った内面描写とゴシック・ロマンス的な非日常の幻想感が組み合わ
さった重厚なミステリーという印象を受けました。
読者の興味の惹き方が巧いので、重苦しい雰囲気でも面白く読める物語だと思いました。
英語に関しては、修飾が多く一文が長い英語なんですけど、破格がなく文法的にしっかりしているので
構文を見失うことはあまりなく、サクサク読めました。

参考にデミ・ムーアとゲイリー・オールドマンが共演した1995年の同名映画も見ました。こちらは原作を
換骨奪胎した平凡で甘ったるいラブストーリーで極めて退屈、途中から筋を追うよりも家屋、衣装、馬車
なんかを観察していました。18世紀のニュー・イングランド地方の資料という感じで。
この映画を見て、本編の最初にいきなり晒し台で裁かれる主人公という見せ場を持ってきた原作の構成の
巧さを痛感しました。

Hawthornに興味を持ったので、この後に 'Wakefield', 'Dr. Heidegger's Experiment' と有名な短編を
読んでみたのですが、面白いですね。Hawthornってもしかしてストーリー・テラー型の作家なのかも。
[sage] 2017/05/26(金) 23:09:15.31:dKM5GUSN0
なげーよ
[sage] 2017/05/27(土) 11:13:44.37:KcqJ/dJQ0

あなたの感想を読んで自分も The Scarlet Letter に興味が湧いたので、アマゾンの
ほしい物リストに Oxford World's Classics の同書Kindle版を放り込んでおきましたw

現在読んでいる本が片付いたら購入してみようと思います
長大な小説と思い込んでいたので、予想外のページ数にちょっと驚いた
[] 2017/05/28(日) 14:41:26.09:BrzsS5h+0
ホーソンの『緋文字』については、前スレの >774から >813の間で話題になっています。

エドガー・アラン・ポーが好きな自分は、ポーと同時代人のホーソンは気になる
存在だ。(ポーはホーソンを褒める評論を書いている)
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/29(月) 20:33:51.65:IfcdeT+T0NIKU
ボートの三人男には続編がある。続編は日本語訳されていないと思う。
翻訳家の人、訳してよ。
[] 2017/05/29(月) 21:25:37.92:cd3ti4NY0NIKU
MADAME BOVARY (by FLAUBERT, 1857年・361頁・5.16~27) Penguin Classics
推薦度:★★

仏語原典の「ALAN RUSSEL」による英訳本(1950年)。「ボバリー夫人」が出版された1857年は、
日本では黒船来航から4年後(安政4年)で世の中騒然としていた時代だ。

感想?「Emmaという馬鹿女の物語」だよ、短く言うとねw。
[] 2017/05/30(火) 21:27:21.23:/ARKh3M80
The Scarlet Letter(緋文字) (1850年刊・265頁・2.28~3.10(中断) ・・ 5.14~5.15)
Penguin Classics  推薦度★★

牧師は絶対神に対する偽善に悩み、ヘスタ・プリンはAという胸の刺繍により世間からの恥辱に
苦しむ。いずれも彼等の犯した「姦通」という罪に対する罰なのだが、牧師は心身ともに破滅し、
ヘスタ・プリンは聖女と化してゆく。重厚な古典と言われる通り、作者の詳細な観察力と精緻な
叙述力は驚嘆に値する。

「ヘスタ・プリンとパール」まで読み、しばらく中断した後、再開し読み終えたのだが、19世紀の
社会・事物・服飾等を表す単語(名詞)・古語が頻出し、容易に類推ができないため辞書は必
須だ。実用的な読書とはほど遠い。文章の論理構造が複雑な個所があり上の人のように
「サクサク」とは読めなかった。キリスト教的世界観が実感できないので、この物語の訴えるも
のが何なのかもよく理解できない。但し、清教徒の支配する初期の東部アメリカ社会が人間性
の面から重苦しい社会だったことはなんとなく分った。
[] 2017/05/30(火) 22:53:28.22:zIPHzD6L0
>137
>ボートの三人男には続編がある。続編は日本語訳されていないと思う。

続編の出来は本編と比べるとかなり劣るという評判が。
(続編というのは大抵そうだ)
だから、邦訳が出る可能性は相当低そう。
むしろ本編が新訳で出る可能性の方が高いかもしれません。 (エ・ω・`)
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/30(火) 23:40:02.41:TStlVT+d0
本編新訳の出版を計画しとるなら、ちょっと待ちん。

本編新訳と続編訳を合本で出すといいに。そうせんと、
丸谷さんの訳をみんな買うに。性が持っている
ペーパーバックは本編と続編の合本だに。
[sage] 2017/05/31(水) 12:13:02.09:gQA8f0Ic0
巣から出てくんじゃねぇよ
[] 2017/05/31(水) 18:04:19.67:tjAN5GR40

>本編新訳の出版を計画しとるなら、ちょっと待ちん。

いや、おいらは別に出版関係者じゃないので。

でも、本編と続編を合わせて新訳を出すというのは魅力的な話だ。
丸谷才一氏も朝倉久志氏も亡くなった今、訳者は土屋政雄氏か小川高義氏
あたりがいいか。
[sage] 2017/05/31(水) 20:10:10.60:+mlFHzUU0
てか性さんは翻訳家の勘定に入っていないの?
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/05/31(水) 22:51:36.57:SBbQLWlf0
性が翻訳家のわけないでしょ。性はパートの店員です。
[sage] 2017/06/01(木) 20:15:28.25:TQtMB7HC0
「大丈夫、君は一人じゃない」(松岡修三カレンダーより)
たとえ名訳者でなくたって日本における英米文学を支えているのはそうした個々の愛書家ですよね
[] 2017/06/01(木) 22:44:49.68:rhFTaFwt0
日本語の場合だって我々の読解力なんていいかげんなものだ。殆どの人は本当に分っているの
ではなく、「分ったつもり」で読んでいるのだ。その証拠に、センター試験とかの国語の長文問題で、
「Aの気持ちを最もよく表しているのはどれか?」とかの問題で正答できない大人が普通にゴロゴロ
いるではないか。大方の小説なんて、大筋を追えているだけで、作者が丹精込めて叙述してある
情景描写なんかの部分は適当に読み流しているはずだ。その証拠に小説の情景描写を絵で再現
して描けと言ったら君たちは描けるか?おそらく噴飯物の絵が出来るはずだよ。

母国語さえそうなのだから、洋書を読んだなんて言っている奴がどれだけ理解して読んでいるかは
怪しいものである。おそらく、筋だけ掴んで分ったつもりになっているだけなのだろう。そう問い詰め
たいのだ、百回位な。

「洋書を読んだ後で、邦訳を読んだら全く違った印象を持った、自分の読んだのは何だったのか!」
と驚いている御仁も実際にいるのだ。洋書を読めるっていうのは、そりゃ、もう殺伐とした世界なんだ
よ。だからな、簡単に読みましたなんて言うのは止めろ!と俺的には言いたいわけだ。お前らは
読んだのじゃなくて、読めたつもりになっているだけなのだ。
[sage] 2017/06/01(木) 23:15:49.15:k6ZtEAE2M
英語と翻訳日本語で印象が違うのは当然では?

「グッドニュース」を「福音書」

「Sapiens: A Brief History of Humankind」を
「サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福」

往々にして翻訳日本語は、大仰で頂けない。
[] 2017/06/03(土) 11:59:24.77:g4O0iKEh0
Mark Twain, “Adventures of Huckleberry Finn”.

米文学史上に残る名作です。これも今まで読んだことがなかったのでチャレンジすることに。
主要登場人物のひとり、黒人奴隷ジムの訛りが結構きつくてリトールド版でも参照しようかと思った
のですが、口頭でジムのセリフをモゴモゴして真似て想像してみると大意は分かったので、
細かいところは無視の方針でそのまま読み進めました。

大筋は主人公ハックと黒人ジムのドタバタ放浪譚という感じで、単純に物語として面白かったですね。
ハックとジムが詐欺師二人組と行動を共にし、行く先々で人々をペテンにかけるのを手伝ったり、
逆に裏切って詐欺師を懲らしめたりする珍道中の様子。また、トム・ソイヤーが読んだ本のファンタジー
をそのまま事実として受け取る、ある種のドン・キホーテ的キャラになっていて、ジムの逃亡計画を
大混乱させたりする様子。こうしたユーモラスな描写が随所にあってニヤニヤさせられました。

もちろん社会的な重い背景もしっかり描かれていて、アル中で浮浪者のハックの父親が、こいつは
俺の唯一の propertyと言ってハックをこき使ったり、リンチという言葉が別に特別な重みもなく何度
も出て来たりするのは時代を感じました。なかでも、ハックがジムの最後の逃亡計画を手伝う事を覚悟する
シーンは重厚。おばさんの財産である奴隷のジムの逃亡を手伝うのは良いことなのか? とハックには
ずっと良心の呵責が付き纏っていて、隠れているジムの居場所をおばさんに知らせるべきじゃないかと
自問するようになっていたんですね。ハックは逃亡(ジム)か通知(おばさん)か大いに悩んだ挙句、
'All right, then, I'll go to hell' と呟いて、ジムの逃亡を手伝う事にします。hell というのが重く、また感動
するポイントでもありました。

Youtube で見つけた Audiobook がなかなかの名調子で聞いてて気持ちがいいです。
ttp://jump.5ch.net/?https://www.youtube.com/watch?v=hH3Q8JYz-20
[sage] 2017/06/03(土) 12:25:44.39:G4F3JPTW0
なげーよ、
って書こうと思いかけたが、
読みやすくまとまった感想だな。
[] 2017/06/03(土) 18:12:41.10:VzVzzdZe0
主人公で、物語の語り手であるハックルベリー・フィンの英語はまだなんとか
なりそうだけど(ペーパーバックの冒頭を立ち読みしただけの判断だが)、
黒人奴隷ジムのセリフはキツそうだなあ。

おいらは昔邦訳で読んだから、当分いいや。(エ-ω-`)

ちなみに、大御所の柴田元幸氏をはじめとして、最近いろいろな方の新訳が出てますね。
[] 2017/06/03(土) 18:18:23.52:+59ZO/1m0
定番の新訳は楽だよね
言い回しの違いなので

論語とか誰でも新訳できるから
よく出る
[sage] 2017/06/03(土) 18:24:48.94:G4F3JPTW0
にもあるが、方言は頭の中で音読すると
わりとすんなりわかるよ。
所詮小説に出てくるような英語の方言など
津軽弁や薩摩弁の比ではない
[] 2017/06/04(日) 13:21:07.24:Q2LU/31C0

>定番の新訳は楽だよね
>言い回しの違いなので

そんなことはないと思う。
小説、というか文学作品の翻訳は訳者が人生観・世界観・文学観その他のすべてを
賭けて全人的に取り組むもの。

「既存の訳を土台にして、ところどころ言い回しその他を変えるだけ」みたいなやり方
をする翻訳家なんてまずいません。
パソコンのマニュアルの翻訳なんかはそういうやり方が通用するだろうけど。

ネットのおかげで、翻訳の際に必要な調べものをするのは随分楽になったけれども、
訳出それ自体の労力はほとんど変わらないはずです。
[] 2017/06/04(日) 15:34:50.89:v+o3Re5K0
新訳の方が楽に決まってるじゃん
誤訳探しが初めて訳出する作業と比べ
楽なのと一緒

そういうところを美辞麗句で誤魔化しては駄目
[sage] 2017/06/04(日) 16:13:36.40:Q2LU/31C0
「誤訳探し」ねえ。
誤訳さえなければいいみたいな感じですね(笑)

言ってることがわからないかもしれないとは思っていたし、これ以上説明する
のもメンドクサイので、もうレスは返しません。あしからず (エ-ω-`)
[sage] 2017/06/04(日) 16:20:52.65:FG4K7zpj0
後追いのほうが楽な点もあるだろうけど、翻訳なんて後出しの苦労がどう考えても大きいだろうに。
後出しのほうが楽か大変かって判断は、その人の人生に対する考え方で決まるんじゃないの?
[sage] 2017/06/04(日) 16:30:41.48:KATzwFVX0
古い翻訳から引き継いだと思われる誤訳を何度か見かけたことがある
あーあ、先人の誤った解答を丸写ししちゃったよ! と苦笑してしまった

おそらく、まじめに一人でコツコツやる翻訳者もいるのだろうけど、先人のテキストを
カンニングしている翻訳者は、それ以上に多いだろうと予想している

専門書の場合は、実質的な翻訳作業は下訳 (学生) に丸投げし、できあがってきた
テキストをチェックするだけで訳者を名乗っているような教授の翻訳も少なくない

下訳を何人も使い作業していた大久保康雄や宇野利泰などの翻訳も、仕事にムラが
あり、旧訳のナボコフ 『ロリータ』 やブラッドベリ 『華氏451度』 などは誤訳の多い翻訳
として有名だった
[] 2017/06/04(日) 16:44:50.01:v+o3Re5K0
古い翻訳からミスを引き継ぐのはよくある
全く同じ水準の作業量を考えた場合
新訳の方が精度があるのは自明だが
これは下訳の後に同じ精力をかけた方が
マシなのと一緒

解釈教室で翻訳家がやった作業も基本的には同じこと

もし日英コロケとか洗いざらい調べ上げた
その原書のためだけの英和辞書があったら
作業はスムーズかというのと原理的には変わらない

あまりに古い書き方のものは
それを今の文体に重訳するだけでも新訳
[sage] 2017/06/04(日) 18:55:10.80:Q2LU/31C0
あちゃー、複数のレスがついてるよ。メンドクサイなあ、もう。 (エ-ω-`)

自分の主張を誤解されたくないので、補足しておきます(主にに向けて)。

の意見はあくまでも芸術作品としての小説についての話です。
の「論語」やの「専門書」などは、事実関係やその分野の概念の検証などの
学術的要素が入るから、話が別。
学術的なものは、芸術作品の小説よりもパソコンマニュアル等の実用的な文書に近くなります。

で書いた、「プロの翻訳家は既存の訳を土台にしたやり方はしない」というのは、
別に先人の訳を参照しないということではありません。
まっさらな心で一から全人的に翻訳に取り組むにしろ、作業中に、解釈で頭を悩ます
箇所があったり、うまい訳語が思いつかなかったりした場合は、先人の訳を参照する
ことは当然やるでしょう。
しかし、そんな箇所は全体中ごくわずかのはずです。何か所もあるようならプロの翻訳家
にはそもそもなれません。
の「古い翻訳から引き継いだと思われる誤訳」は、自分がわからなかった箇所で、
しょうがなく先人の訳を使わせてもらったということでしょう。これはままあることです。
(続く)
[] 2017/06/04(日) 18:58:02.76:Q2LU/31C0
・大久保康雄氏や宇野利泰氏の訳書に誤訳があるとしても、当時はネットもなく、
辞書さえ多くはなかった事情を考慮しなければなりません。

また、芸術作品としての小説の翻訳は、誤訳がないことだけが取り柄の無味乾燥
な訳よりも、多少の誤訳があっても原文の雰囲気をよく捉えたもの、あるいは生き
生きとした躍動感に溢れた訳、等々の方を採るべきです。
大久保康雄氏の翻訳は格調の高いもので、容易に余人には代えられません。
[] 2017/06/04(日) 19:37:00.14:v+o3Re5K0
日本語は表記揺れが大きいので
文体を変えることは比較的楽
漢語の比率を変えたり文末表現や人称を
変えれば全体の雰囲気が一変するので

個々人の訳業は別として新訳は簡単
翻訳における情景の合理的理解の部分が
あらかた済んでいるので

これは翻訳の半分と言っていい
[] 2017/06/04(日) 19:37:04.57:KYIVOhvfp
もうちょっと読んだ本について語らないかい?
[sage] 2017/06/04(日) 22:28:22.86:KATzwFVX0
大久保康雄 『ロリータ』 の初訳は名義貸しで、丸谷才一氏に悪訳だと批判されると、
あれは自分の仕事ではないという手紙が大久保氏からの丸谷氏に届いたという。
(つまり、確信犯だったというわけ)

ちなみに現在残っている大久保訳 『ナボコフ』 は、彼自身が1980年に改訳したもの。

宇野利泰 『華氏451度』 の場合は、最初この本を読んだ時、あまりにも文章におかしな
表現が頻出するため、ブラッドベリという作家にすっかり嫌気がさし遠ざかってしまった。

ところが、後年、この本の誤訳を指摘する文章を偶然読む機会があり、自分がおかしい
と思ったところがすべて誤訳として取り上げられており、ブラッドベリへの誤解が解けた。

幸いなことに、「華氏451度」については伊藤典夫氏の新訳が出たので、旧版の宇野訳と
比較することができる。
伊藤氏の新訳では、旧宇野訳よりも原稿用紙で130枚分も訳文が短くなったとのこと。

伊藤氏の新訳では、クラリスが本来の繊細で知的な少女に変身した。
宇野訳のクラリスは、主人公モンターグをアンタ呼ばわりしたり、いきなり彼のポケットを
まさぐるなど、蓮っ葉でおかしな行動をとるヘンな少女として登場したんだよね。
[] 2017/06/05(月) 00:14:44.77:+XtFKo3q0

>大久保康雄 『ロリータ』 の初訳は名義貸しで、~ 丸谷氏に届いたという。

へえー。それは興味深い話ですね。
(できれば、この話の出典を教えてほしい。丸谷才一氏のエッセイはけっこう読んで
いるが、この話は初耳だ)

でも、「現在残っている大久保訳 『ナボコフ』 は、彼自身が1980年に改訳したもの」と
いうことだし、その他の大久保氏の訳業を見ても、
の「大久保康雄氏の翻訳は格調の高いもので、容易に余人には代えられません」
という言葉を訂正する必要は感じません。

宇野利泰氏についてはよく知らないので何とも言えない。
おいらは伊藤典夫氏の訳はなんとなく好きではないので、『華氏451度』を読んだ
時も参考にしなかった(正直、そんなに上手いとは思えないのだ)。
で書いたように、翻訳の良し悪しは正確さだけで測るべきものではないので、
昔の宇野氏の訳より誤訳が減っているのは確実であろうけど、その他の美点では
どうか。当分、判断は保留したい。
[] 2017/06/05(月) 00:16:18.23:+XtFKo3q0

このスレは翻訳についても存分に語ってよいスレ。(スレ立て主は俺だ ( ゚∀゚)アヒャ )
読んだ本について語りたい方は、流れは無視して遠慮なく語ってください。
[] 2017/06/05(月) 00:42:36.70:3cqcx9Sxp

スレ主が誰かとか関係なくない?
[sage] 2017/06/05(月) 00:50:19.99:+XtFKo3q0

すんません
[] 2017/06/05(月) 00:54:42.08:wjslWrIG0

あ、いやええんやけど
[] 2017/06/05(月) 19:44:59.04:Pqhw2/Wn0
何でも語ろうよ
[] 2017/06/05(月) 23:26:03.65:+XtFKo3q0
に基本的に同意した上で、さらに自分の考えを補足しておきます。

先人の翻訳を土台にして、その誤訳部分を訂正したり、古い言い回しを現代の
言い回しに変えたりといった、ツギを当てるような手抜きの翻訳をするというのは、
プロの翻訳者はまず考えないでしょう。

そんなことをしても、担当編集者にすぐに見破られるからです。万一、その編集者が
手を抜いて、そのまま出版されてしまったとしても、読者が気がつきます(気が
つかない人もいるだろうけど)。

そうすると、出版社に投書する人間も中にはいたりして(笑)、遠からずその翻訳者の
評判は落ちてしまい、仕事が頼まれなくなってしまう。
廃業の危険を犯してまで手抜き翻訳をする、楽をしようとする、なんてことはまず
考えられません。

しかし、そういう生活上の必要よりももっと本質的なことがある。
(続く)
[] 2017/06/05(月) 23:27:21.00:+XtFKo3q0
ショパンの曲を弾こうとする新進ピアニストに対して、
「(ショパンは)往年の名ピアニストのホロヴィッツやルビンシュタインというお手本が
あるから、楽ですね」と言うだろうか。

あるいは、新進の俳優ベネディクト・カンバーバッチが『ハムレット』をやりたいと
言った時に
「(『ハムレット』は)ローレンス・オリヴィエ、ジョン・ギールグッドという偉大な先達がいる
から楽ですね」と言うだろうか。

これは、彼らにとって最大の侮辱であろう。

偉大な先人がいるのはありがたいことではあるけれど、新しい世代のピアニスト、俳優、
翻訳家その他にとっての困難は、まさに先人のお手本が存在することから生じるのである。
(続く)
[] 2017/06/05(月) 23:29:04.67:+XtFKo3q0
新訳を世に問うというのは、やや大げさに言えば、読者に「新しい世界を提示すること」
である。
(「提示」というより「啓示」という言葉の方がふさわしいかもしれない)

新訳を出そうとする出版社、新訳を引き受ける翻訳家はそういう気概を持って臨んでいる。

楽をしようとすることなど何の意味もありません。

自分の新しい翻訳によって、既存の翻訳とは違った、独自の世界を読者に示さなければ
何の意味もありません。
[] 2017/06/06(火) 06:48:24.62:ZW9ty34E00606
自分の言葉に酔っているのだね
言い回しを変えるのは手抜きではない
言い換えで十分個性を出すことができる

同時にまともな先行翻訳があるということは
まともな下訳があるのと同じ
下訳の有無と翻訳の困難さが無関係とするのは
実際の作業量というものを考えていない机上の空論
楽という言葉に噛みつきたいのだろうが
楽が悪いなんて誰も言っていない

芸術の比喩に至っては名前が上滑りしているだけ
それらには正誤が致命的になるような意味の同定面が
ほとんど存在しないからね
「解釈」という言葉は共通するが翻訳には客観的な
誤りというものがありこれはパフォーマンス芸術上の
ミスや解釈とは質が違う
つまり訳出は「答えのあるクイズ」をまずは正答して
いかないといけない
この労は複数人で負担を和らげることができる

したがって例えば演奏でも古楽再現という価値観の
一部は後続が楽という面があるかもしれない
[sage] 2017/06/06(火) 12:40:53.86:DF0HK5iE00606

翻訳の理想論としては分からないこともないけど、残念ながら大人の世界はそう清く正しくはない。
近年の翻訳トラブルでは、ウォルター・アイザックソン『アインシュタイン その生涯と宇宙』の訳文が
メチャクチャだということが発覚し、回収騒ぎになったことがあった。

書籍 「アインシュタイン その生涯と宇宙 下」 が機械翻訳だったため回収へ
ttp://jump.5ch.net/?http://gigazine.net/news/20110730_randomhouse/

なぜこんなことが起きるのかは、ちょっと出版業界の裏事情を知らないと理解できないかも。
以下は、他のスレに書いた自分の発言から抜粋。

  この20年間、出版不況と言われ本が売れなくなり売上が落ち続けているのに、なぜか
  本の出版点数は年間4万~8万点に倍増と増え続けており、全国の書店では本の入替
  作業の負担ばかり増え、低賃金のままなのに店員の仕事は忙しくなる一方だという。

  なぜこんなことが起きるのかといえば、それは取次の前金制度という出版業界独特の
  商慣習が存在しているためだ。
  前金制度が適用される出版社の場合、とりあえず本を作り取次に納品すれば、取次から
  出版社に納品分の本の金額が前金で支払われるという仕組みがある。
  そのため経営が苦しい出版社ほど、次々と本を粗製濫造し取次に納品することで経営の
  赤字を補填する自転車操業に陥っているという。

  もちろん売れ残った本は返品となり、出版社から取次へ差額分が返金される。
  しかし返金できない出版社は、さらに新刊を納品し前金で返金を帳消しにすることもできる。
  不況に陥った出版業界で本の出版点数が増え続けているのには、そんな裏事情がある。

つまりアインシュタインの伝記を出した出版社は、経営が苦しく、どうしても期限までに新刊を取次に
納品し前金を受け取りたかったため、未完成の本を出荷、上記騒動になってしまったという次第。

「取次」のもう一つの顔~出版業界の貸金業者
ttp://jump.5ch.net/?http://lohasmedical.jp/blog/2010/06/post_2326.php
[sage] 2017/06/06(火) 12:49:09.93:DF0HK5iE00606

大久保訳 「ロリータ」 の名義貸しの話は、こちらの記憶が交錯しているのでソースは不明。
ただし、ネット検索で根気よく情報をたどっていけば、発言元を探り当てられるかも知れない。

> 「大久保康雄氏の翻訳は格調の高いもので、容易に余人には代えられません」

うーむ、大久保翻訳工場の場合、複数の下訳を使い大久保名義で翻訳を出している工業製品
みたいなもの。家内工業的で徹底した品質管理は無理だろうし、当然、下訳者の違いで翻訳の
質にムラが出てくるだろうことも容易に想像がつく。

誤訳や悪訳の見つけ方というのはそれほど難しいわけではなく、訳文がきちんとした日本語に
なっているかどうかを見れば、文章が変に淀んだり意味がおかしくなっているような部分からも、
ごまかしや誤りをたどることができる。
また校正と同様、人物名と業績が一致しているか? 本文で紹介されている本があればそれを
確認してみるなどするだけでも、けっこう誤りが見つけられる。
正直なところ、どうしてこの訳文にOKが出たの? と不思議に思うものも多い。

最近見つけた誤訳では、こんな一文があった。 (しかも本の冒頭いきなりw)

  2011年4月初旬、カリフォルニア大学バークレー校の進化生物学者マイケル・アイゼンは
 自分の研究室で使う本を買うため Amazon.com にログインした。彼が探していたのは
 ピーター・ローレンス著 『The Making of a Fly』 という本で、蚊が単細胞から一匹の昆虫に
 なるまでの、遺伝学的進化について書かれたものだった。
 (訳者は、これ以降ずっと誤りを引きずったままこの序文を続けている)

どこがおかしいのかは下の本を見れば気づくと思う (それでも気づかない人は置いてきます)
ttp://jump.5ch.net/?https://www.amazon.com/dp/0632030488

> 伊藤典夫氏の訳はなんとなく好きではない

それは残念。ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』など、訳文とあとがき、作品選択まで、
私は伊藤さんの翻訳をかなり気に入っている。
[sage] 2017/06/06(火) 13:03:28.44:WAWibIFT00606
おいらが言ってるのは、
「翻訳家にとっては、『楽をすること』は意味がない、だから、実際には楽をしないし、
楽にならないのだ」
ということ。

言ってることがおわかりにならないだろうか。

また、「翻訳には客観的な誤りというものがあり ~ 」というのは、単純な誤訳については
同意するが、その手の誤りはもともと多くはない。
(すでにで、「そんな箇所は全体中ごくわずかのはずです。何か所もあるようなら
プロの翻訳家にはそもそもなれません」と書いている)

それ以外の大半の部分では翻訳は「答えのあるクイズ」ではない。
[] 2017/06/06(火) 13:07:09.82:WAWibIFT00606
の書き込みはもちろんにあてたもの。

-------------------------------------------

からで、肝心のことを言い忘れていた。 (エ-ω-`)

翻訳家は基本的に翻訳が好きである。
(当然と言えば当然だが、一部の人間には信じられないかもしれない)

村上春樹氏も柴田元幸氏もそうである。

ピアニストは優れた曲をピアノで弾くことが基本的に好きなのである。名曲なら、
自分の指で弾いてみたいと思う。

小説の翻訳家は、将来自分がぜひ訳してみたいと思っている作家が2、3人はいるはずだ。

ピアニストは演奏中に「楽に弾けないかなあ」などとは考えないであろう。
「この曲はバックハウスの名演があるから、大筋その弾き方に従って、細部をちょこ
ちょこ変えればいいや」などとは考えないはずだ。

棋士という、将棋を指すことを仕事にしている人たちがいるが、彼らは一日何時間も
指し手について考える。そういう彼らに向かって「根をつめて考えるのはキツイから、
もっと楽なやり方をしたら」などとは誰もアドバイスしないであろう。

楽をすることは彼らにとって何の意味もないのである。

翻訳家は「翻訳せずにはいられない人間」なのだ。
[sage] 2017/06/06(火) 13:20:02.87:WAWibIFT00606
のアインシュタインの話は例外的な事件じゃないですか。(エ-ω-`)

(それに、細かいことを言うと、今ここで問題にしているのには、で書いたように、
文学作品としての小説の翻訳についてです。
アインシュタインの伝記のようなものは学術的要素が入り、文学作品としての小説の
翻訳と比べて編集のチェック体制がたぶん甘いんです)


に対するレスは今時間がないので、夜か明日にしていただく。
[] 2017/06/06(火) 13:47:24.52:LTiei8wl00606
翻訳は楽をするのが意味がないわけがない
同じ水準の訳出をする作業量全体は
有名翻訳家であってもサポートが非常に
効率と関係してくるので大翻訳家は
下訳者を使いそして利潤を上げてきた

大家でなくてもこなせる部分を外注するのは
技術にとって当たり前
電子辞書使用とか全て同じこと

またパフォーマンス芸術との相違を理解していないから
しょうがない

とにかく翻訳業の理想化や芸術性を訴えたがために
ごく当たり前の常識を否定している
意味同定に労がかからないのはサポート環境の
整備のおかげだろう
楽してるじゃん

「文芸翻訳行為のもっとも芸術性の現れる部分は
今も個人の天才にかかっていて合理化できないので
尊ばれる」
この程度の話を余分に拡張するから話がおかしくなる
[] 2017/06/06(火) 14:06:38.66:ICof/pRy00606
なかには訳文そのものが古典化している場合はあるが
それは小説の翻訳の典型状態とは言えない

例えば瀬田訳のトールキンとかな
定番曲が訳詞と分離できなくなるのと一緒で
これは後続がいくら他の文体を持ってきても
ある読者層に対しては無駄
ただし全体として磨きあげた穏当な新訳は
困難ではないしそのために天才性はいらない
[] 2017/06/06(火) 14:12:29.61:ICof/pRy00606
例えば白鯨の場合
楽じゃないのはまず専門的な語彙や背景の把握だ
この部分は外部に蓄積があれば訳出は非常に
効率化する

簡単にいうと日本語の注釈だな
これがゼロの場合と煮詰まって自由に利用できる場合
後者の方が訳出は楽だし精度も出る

これは原理的にいうと優れた辞書が手元に
あるかどうかと同じことだ
[sage] 2017/06/06(火) 14:16:34.03:cpgtNa+r00606
指輪物語の旧訳なんて糞訳じゃんか。
新訳が出てるのかはしらんが。
いいかげん他所でやってほしいわ
[] 2017/06/06(火) 14:20:29.38:ICof/pRy00606
将棋指しは人の研究を
吸い上げたりコンピューターで
ソフトの評価値を学んだりしているし
それなしでは強くなれない
しかしそういう効率化は考えるのが好き
かどうかとは繋がらない
対局自体はパフォーマンス芸術と同じで
個人の能力そのものに焦点が当てられるから

無論時代が進むほど棋力そのものも上がる

翻訳の作業全体の効率性と精度がそれまでの
蓄積によって上がっていくは自明だし
だからといって楽するなと説教するやつはいない
[] 2017/06/06(火) 14:23:55.08:ICof/pRy00606

だからある読者層と書いているよ
瀬田訳が鑑賞の中で作品と一体化した人間には
作品の内在的な価値と感じられるのだから
その大幅な変更は作品の破壊と感じられるだろう

こういう状態は翻訳において一般化はできない
[sage] 2017/06/06(火) 19:53:18.16:DF0HK5iE00606

私も瀬田貞二の翻訳がキライで、何でもかんでも児童文学の語り口にしないでくれと言いたい
瀬田訳を音楽で喩えると、西洋音楽を和風の音頭ものにアレンジされてしまったような違和感

大瀧詠一の「イエローサブマリン音頭」を聴かせながら、「ビートルズって素晴らしいだろう!」
と語るような、おかしな感じがするんだよね♪

一方、ナルニア国物語については、土屋京子さんの新訳が新たに登場し、ようやく原文に近い
大人にも読める文体の日本語訳が登場した (とりあえず自分は原文で読むけど)
[sage] 2017/06/06(火) 21:04:06.28:cv4A3WeAr0606
うぜえ
[] 2017/06/06(火) 22:57:05.91:l2slxtQi0
大統領(Trump)でも路上生活の(tramp)でも、自分のことは「I」と言うのが英語だ。これはよく
考えると実に不思議なことだ。なんでだろ~?なんでだろ~?なんでなんでだろ~?と分析し
たいものだ。

一方、日本では身分や立場によって自分の名乗りかたが違った。今でも自分を言う言葉は
様々だ。「私が捨てた女」という題名で使われる「私」はちょっと知的でとりすました感じ。
「僕の村は戦場だった」の「僕」は純な少年。「おいらはドラマー」の「おいら」はカッコつけた
兄ちゃん風。「俺達の旅」の「俺」は男っぽい。そして・・・「おら」となると無教養な百姓風情になる。
(例えが古いのは容赦願いたい。)

「ハックルベリー・フィンの冒険」を邦訳で読むと、ハックの「I」は「おら」と訳されている。ジムの
黒人南部なまりは、何故か北茨城以北の「東北弁」に訳されている。原文を読んでいると、
ハック少年は体感的に奴隷制度(正しいことが悪であるという社会)に違和感をもつ感性が
あるわけだから「おら」ではちょっとな~。黒人なまりを東北弁に訳すのもなんだか東北を
馬鹿にしているようで変だよな!あえて訳せば「おら」よりは「僕」。黒人なまりは「東北弁」でなく
「関西弁」にでも訳す。ま、現文を読めれば一番なんだけれど。

It most froze me to hear such talk. He wouldn’t ever dared to talk such talk in his life before.
Just see what a difference it made in him the minute he judged he was about free. It was
according to the old saying, “Give a nigger an inch and he will take an ell.” Thinks I, this is
what comes of my not thinking. Here was this nigger, which I had as good as helped to run away,
coming right out flat-footed and saying he would steal his children― a children that belong to
a man I did not even know; a man that hadn’t ever done me no harm.
[sage] 2017/06/07(水) 00:39:09.78:xj8oteZP0

> ~ ソースは不明。ただし、~、発言元を探り当てられるかも知れない。

そうですか。それは残念。

伊藤典夫氏の評価に関してはちょっと言い過ぎましたかね。
単に自分と波長が合わなかっただけかもしれません。

おいらはもともとSFが好きでないので、伊藤典夫氏の訳書をきちんと読んだことが
ない(と思う)。
もう一人のSF翻訳の大家、朝倉久志氏はユーモア小説翻訳の名手であるから、
ジェローム・K・ジェロームのユーモア掌編その他でお世話になり、敬意を抱いていますが。
[] 2017/06/07(水) 00:52:04.24:xj8oteZP0
私に反論している人は「実際の作業というものを考えていない机上の空論」を
展開しているのではなかろうか(笑)

「翻訳には客観的な誤りというものがあり ~ 」()と書いてますが、その「客観的
な誤り」なるものは誰が判断するのでしょうか。
「「答えのあるクイズ」をまずは正答していかないといけない」と書いてますが、その
「正答」とは誰が「正答」と判定するのですか。

先人の翻訳がすべての点で正しいとすると、の言う、古い翻訳の誤訳をそのまま
引き継ぐことになります。
では、文章のどの部分に「客観的な誤り」があり、どの部分は「正答」なのか、誰が判断
するのでしょう。翻訳者本人の他に誰か翻訳の大家を雇ってチェックしてもらうのでしょうか(笑)
2人の意血ゥが分かれた場麹〟Aどちらが正bオいのでしょう=B

=w白鯨』の話が緒oてるので、そb黷痰ノとると=A語り手の I は「俺は」が適切でしょうか、
それとも「私は」? 「あっしは」? 「おいらは」? 「わしは」?
先人の訳の多くはたぶん「俺は」にしてますが、なぜこれが正しいと言えるのでしょうか。
[] 2017/06/07(水) 00:57:08.58:xj8oteZP0
おや、奇妙なことに一部文字化けしてる。(エ・ω・`)

の文字化け部分は
「2人の意見が分かれた場合、どちらが正しいのでしょう」
「『白鯨』の話が出てるので、それを例にとると、語り手の I は「俺は」が適切でしょうか」
です。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/07(水) 01:05:36.89:aeFpBvgt0
ハックは、空砲の音が河をわたる描写が美しいんだよね。
第六章の冒頭だったかな?ハックなんて破調の英語で
書かれているのに、その部分は美しいんだよね。日本語訳でも
その美しさは十分に感じられる。

性は、ダニエル・キイスはハックをヒントにアルジャーノンを書いたと
思っているんです。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/07(水) 01:30:51.74:aeFpBvgt0
I は、私と訳すのが本当は正しいのではないでしょうか?
I を、俺と訳した場合と小生と訳した場合と性と訳した場合では、
文章の雰囲気が全く異なってしまう。

日本語の俺に相当する英単語が本当はあると思うのです。

Pa はさ、『とうさん』ではなく『父ちゃん』なんだよ。
鈴木哲子が正しいんだよ。こだまさんや渡辺さんの
仕事を大変評価しますが、ちょっと作品世界を
作ってしまったのではないかなー?
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/07(水) 01:34:24.14:aeFpBvgt0
英訳聖書でイエス様が『俺さー、』って喋ってたら変だよね?
[sage] 2017/06/07(水) 12:33:42.63:JX8cxV0o0
村岡花子訳のハックルベリイ(新潮文庫)は、自分をぼくと呼ぶ上品な訳でかなり違和感があった
結局、「みんなは、おいらのことなんか、知らねぇだろう――」で始まる、角川文庫、大久保博訳が
シックリ来たため、この本で読み直したんだよなぁ

I は翻訳不可能なことばなので、無理に日本語にせず外来語としてアイのまま使えばいいのでは
最初は違和感があるだろうけど、30年くらい使い続ければみんな慣れると思う
[] 2017/06/07(水) 12:59:18.48:m+tVSFd20
客観的に誤訳判定できるものと
日本語の位相語の話を持ち出すのは破れかぶれだな
じゃあ代名詞の指す対象の勘違いは客観的な誤訳ではないのか?
もしこれが前もって完璧に把握されているなら
翻訳作業は非常にスムーズだろう

パフォーマンス芸術の上演と違い翻訳には
知的作業上の論理的な「誤り」というものが存在し
それは作品の実現を妨げると周知されている
これは文芸であっても同じ
実世界の手がかりを欠いた物語というのはないからな

洋服を描写するさいのborder lineを縫製の縁取り
とするか服装の相応しさの「ボーダーライン」
と取るかは翻訳における芸術表現の選択の問題ではない

諦めなさい
[] 2017/06/07(水) 13:13:48.98:m+tVSFd20
先人の翻訳が全ての点で正しい

なんて誰も言ってないしな
下訳と同じだよ
じゃあなぜ下訳が存在するのだ
それは効率性からだよ
下っ端でもできる仕事を分業化しているだけ

翻訳の基幹部分は専ら蓄積的なもので
個人の技芸の感性的な披露ではない
[] 2017/06/07(水) 13:26:09.14:aJSfrZAz0
その技芸全体のプロセスを考えずに
全人的やら理想論だけふるうのは
あまり意味がないな

先行訳が存在することが翻訳作業の
負担軽減にならないだって?
ならないこともあるだろう

しかしごく常識的に考えれば訳出の完成度を
上げやすいのは自明
[] 2017/06/07(水) 13:42:23.86:aJSfrZAz0
白鯨の例は
許容範囲が広いだけ
そういうクイズ

だからIを「彼女」と訳すのは誤訳だし
「あたい」は語誌的には不可能ではないが
現代の一般的な読者にとっては誤訳相当
[sage] 2017/06/07(水) 14:01:22.83:xj8oteZP0
私に反論してる人は抽象論ばっかりで、具体的な話になると一切答えられないん
ですねえ(笑)

こちらを「理想論」だとか「机上の空論」だとか非難しながら、自分は「ごく
常識的に考えれば」()とか言って、常識論、一般論で逃げてる。

「もしこれが前もって完璧に把握されているなら翻訳作業は非常にスムーズだろう 」
と言いますが、その「完璧に把握されている」と判断するのはどなたなのですか(笑)
「知的作業上の論理的な誤りというものが存在し~」という、その誤りを発見する
にはどうしたらいいのですか(笑)
「客観的に誤訳判定できるもの」とそうでないものの区別は一体なんですか。
それは誰が決めるのですか。
[] 2017/06/07(水) 14:08:59.80:xj8oteZP0

>空砲の音が河をわたる描写が美しいんだよね

ずっと昔読んだきりで、細部は全然覚えていないけど、
「ミシシッピ川の夜明けを描写した部分は米国文学中屈指の名文である」
という評は一度ならず見た。同じ個所かな。

ダニエル・キースは読んでないのでわからない。ふーん、そんな感じなのか。
[] 2017/06/07(水) 14:18:57.31:aJSfrZAz0
無理すぎてつらいなあ
絶対的な話を持ち出して頑張るつもりなのかな
それは幼児的な議論
じゃあ辞書が正しいって誰が証明するの?
みたいな難癖です

翻訳の基盤は実証的な検証のできる誤訳の
除去を通して原典の意味内容を伝えること
これも絶対はないが極めて重要

例えば前述の服の縁取りの場合、
描写を映像化してネイティブに見せれば
誤訳判定ができる
無論、言葉を用いての語義判定でも
済むものがほとんどだろうが

適切に作られた先行翻訳は新たな
翻訳作業にとって有益であり
ほとんどの場合作業軽減に資する
また下訳とは実質的に
他人の作った不完全な先行翻訳のことである
[] 2017/06/07(水) 14:27:33.75:aJSfrZAz0
例えば西遊記の一番長大なバージョンの
翻訳は中野美代子が完結したが
長いこと全訳が待たれていたもの
大変なのでやる人がいなかった

遠い将来新訳が作られたとしても
劇的な新研究が現れない限り
中野のよりも大変な作業になるということは
ないだろう
[] 2017/06/07(水) 15:03:32.42:osB/C3uP0
強情だから丁寧に1から書いているのに
抽象論というのだからなあ

無益にパフォーマンス芸術や将棋を
持ち出しているくせに調子いいわ
[sage] 2017/06/07(水) 15:10:21.42:xj8oteZP0
私に反論してる人は抽象論ばっかりで、具体的な問いにはきちんと答えようと
しないんですねえ。

それとも理解できないのかもしれない。

「適切に作られた先行翻訳は新たな翻訳作業にとって有益」
という、また一般論。

その「適切に作られた」とは誰が判断するのか具体的にはっきり答えてもらい
たいもんです。こちらの問いにきちんと答えたことがあったっけ?

(もちろん、これまでの問いは、わざと自明なことを聞いて、相手を追い詰める
ためにやってるんです。その意図を無意識に察して、答えるのを回避しているのか。
それともバカだから本当にわからないのか)(エ・ω・`)
[] 2017/06/07(水) 15:11:25.55:xj8oteZP0
>203
>中野のよりも大変な作業になるということはないだろう

「大変な作業になるということはないだろう」が、
こちらの言い分は、先行訳があっても「大幅に」翻訳作業が軽減することはない。
実質的に翻訳家の負担はそれほど軽くはならない、というもの。

こちらの反論にはなっていない。
[sage] 2017/06/07(水) 15:38:24.33:ZiRDSj6+0
キチガイにレスしてるやつもまたキチガイ
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/07(水) 15:51:34.26:aeFpBvgt0


それ。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/07(水) 15:52:41.04:aeFpBvgt0
どんなにまずい翻訳本でも、ないよりはあった方がいい。
[sage] 2017/06/07(水) 18:00:20.46:T63F4NT+0
警告

キチガイにレスするやつはキチガイ
[sage] 2017/06/07(水) 18:04:52.62:T63F4NT+0
キチガイは巣(洋楽で英語を勉強スレ)の中でオナニーしててください。
[] 2017/06/07(水) 18:14:30.26:LrCDQ7tnp
こわ
[] 2017/06/07(水) 18:23:16.90:ydulOi2+0

適切というのは社会的にありうる範囲
として許容できる前提のことだよ
たとえば
「下訳によって効率よく翻訳を進めることができる」
「辞書によって効率よく翻訳を進めることができる」
これは一般に適格だとされるものを指す
大家の下訳なら東大英文の院生のバイトくらいか
辞書ならその時点での大英和などだ
これを「ひどい素人の下訳だったら?」とか「じゃあ小型辞書は?」
と言い出すのは全く適切ではない

君はこのレベルなので子供の議論なのだよ


それは言葉遊び
中野の仕事よりも新訳は作業が「大変ではない」というのは
「新訳のほうが楽」ということ
つまり中野のほうが「楽ではない」ということ

それを「大幅」ではないという点だけ自分は主張していますと言うのはセコい
はロマンティックだけど意気込みでしかないね
芸術との類比(ここでは芸術の世界開示機能への寄りかかり)に酔ったんだね
[sage] 2017/06/07(水) 18:24:19.48:T63F4NT+0
ここでいつまでも翻訳話してるやつらもキチガイだな
みんな醒めた目で見てるのわからんの
[sage] 2017/06/07(水) 18:49:10.48:T63F4NT+0
スレ建ててやれよ
英語板ってやたら細かいテーマごとにスレあるんだし
クソスレ一つ増えたところでどうってことないぞw
[] 2017/06/07(水) 18:59:03.41:BwSihVPD0
Flannery O'Connor, "A Good Man Is Hard to Find and Other Stories ", 1955.

米国南部を舞台とした七つの作品を収めた短編集です。どの作品も陰鬱で停滞した雰
囲気が基調になっている点では、南部ゴシックと言えます。けれど、設定に幻想性や
超越性はなく、あくまで日常のロジックに基づいた話です。その上で、さらに日常の
裂け目に進み、そこに現れる死や暴力や悪意や狂気を透徹とした視点で描いています。

死や暴力とテーマは非常に重いんですけど、語り口が非常に巧みなので、とても面白い
お話になっています。どの作品も、この次どうなっちゃうの? と思わせる訴求力を持った
ストーリーでありつつ、最終的に出てくるのは救いのないシビアな世界で、その落差が
衝撃的。口当たりはいいけれど、飲み下しにくい劇薬、そんなイメージですかね。

全編ハズレなしでしたが、特に良かったのは、'A Good Man Is Hard To Find', 'The Artificial
Nigger', 'The Life You Save May Be Your Own' の三作。聖書のセールスマンが義足の
女性を誘惑する 'Good Country People' は以前何かのアンソロジーで読んだ記憶があり
ます。これもまた良かった。

英語はややこしい構文もなく、読みやすかったですね。YouTube に Flannery O'Connor
自身が朗読する 'A Good Man Is Hard To Find' があったのですが、音質が悪く、正直これ
はイマイチ。他の人の朗読でいくつか良いものを発見したので、それらをリピート中。

Flannery O'Connor は敬虔なカトリックだったそうですが、本短編集は建前に走らず、
人生のネガティブなリアイティを直視、描破していて強烈でした。とても興味深い作家
なので他の作品も読んでみます。
[] 2017/06/07(水) 19:00:04.93:ydulOi2+0

匿名の文字情報で他人の目というのは無理があるな

こっちはごく穏健な主張しかしていないのに
「誤訳はだれが決めるの?人称はいろいろな訳はあるけど
正解はないよ」とか絡んでくるやつがおかしいよ

表現が古くなって今の文体と合わない
そして権利も切れているものを新訳するのに
崇高な翻訳哲学とか別段要らん
[sage] 2017/06/07(水) 19:03:02.92:xj8oteZP0

「適切というのは社会的にありうる範囲」とはまた同語反復ですねえ。
「適切」というのは「一般に適格だとされるものを指す」(笑)

で、その「適切」の具体的な基準は「大英和」に訳語が載っているかどうか
ですか(笑)

I の訳語は「大英和」なら、「俺」、「私」、「僕」その他いろいろ載っている
と思うんですが、その中でどういう基準でたとえば「俺」を選ぶんですか(笑)

それと、下訳うんぬんの話は置いてもらいたい。
こっちは「新訳は楽」という主張を取りあえず問題にしてるんです。
問題を拡散しないように(笑)
自分が不利だと問題を拡散して焦点をぼやかした方が都合がいいでしょうが(笑)
[] 2017/06/07(水) 19:13:41.35:xj8oteZP0

>それは言葉遊び
> ~ それを「大幅」ではないという点だけ自分は主張していますと言うのは
>セコい

こちらは最初から、つまり、の書き込みに
「ネットのおかげで、翻訳の際に必要な調べものをするのは随分楽になったけれども、
訳出それ自体の労力はほとんど変わらないはずです」
と書いている。

「訳出それ自体の労力はほとんど変わらないはず」との「先行訳があっても「大幅に」
翻訳作業が軽減することはない。実質的に翻訳家の負担はそれほど軽くはならない」とは
同趣旨です。こちらの主張は一貫しています。
なぜそれが「セコい」になるんですか。
日本語は正しく読めてますか(笑)
[sage] 2017/06/07(水) 19:26:10.07:xj8oteZP0
もう、の書き込みはいつもツッコミどころが満載でどこから手をつけていいか
わからない状態(笑)
「芸術の世界開示機能への寄りかかり」(笑)

もう今日はこのへんで勘弁してください。( ゚∀゚)アヒャ
おいらも忙しいので。
[] 2017/06/07(水) 19:33:49.99:ydulOi2+0

誤訳とされない範囲の事柄について選ぶのはクイズじゃないだろう
なにをいっているの?そんな言葉選びも含めてクイズなわけないじゃん
実際に服の縁取りの例で示したよ
それいつまでやるの
ここでその難癖を支持する奴はいないだろう
完全におかしいからね
「正しい翻訳」ってあるんですか?だからな
いや誤訳だらけの翻訳とその問いは直接関係ない

下訳は不完全な先行翻訳だから
下訳の話をしている
下訳があれば楽なら先行翻訳も同じこと
先行翻訳そのものが典範化している場合については既に述べた

俺の主張は「新訳は楽」ということ
どんどん主張を狭めてなにをいっているのかな
ということは「日本語表現の芸術的な部分を煮詰める行為の大変さは変わらない」
という話まで狭めたいのだね

そりゃ君の信奉する翻訳芸術論からすればそこは絶対領域だろうが
[] 2017/06/07(水) 19:44:13.63:ydulOi2+0

君の難癖の発端は近年の有力翻訳家の新訳に対して
「楽」だと言われるのが感情的に嫌だということだな
でIの訳語とかどうでもいい話をしたわけだ

それに対して俺は翻訳は蓄積的なもので作業量の
負担が少なければ「楽」だと述べた

これは別に翻訳において天才的な技芸が発揮される
瞬間の尊さを全く認めていないわけではない

そしてこれは下訳があっても同じなので君が下訳は
先行翻訳だと認めても変わらないだろう

しかし下訳話を切り離そうとするのは
常識的にそれが「楽」であると判断できるからで
そこから逃げたいわけだ

でもそれじゃ駄目だよ
逃げちゃ駄目だ
[sage] 2017/06/07(水) 19:46:05.34:xj8oteZP0
で「もう今日はこのへんで勘弁してください。( ゚∀゚)アヒャ
おいらも忙しいので」と書いた。
もう今日はこれ以上お相手はしませんので。あしからず ( ゚∀゚)アヒャ
[] 2017/06/07(水) 19:50:22.61:ydulOi2+0
>小説、というか文学作品の翻訳は訳者が人生観・世界観・文学観その他のすべてを
>賭けて全人的に取り組むもの。

>しょうがなく先人の訳を使わせてもらったということでしょう。これはままあることです。

こんな二枚舌はどうしようもないだろうな
現実ではなんでもあるなら新訳のほうが楽だろう
ロマンティックな翻訳者精神の話をしているのではないからな
[] 2017/06/07(水) 20:01:13.27:ydulOi2+0
彼の本筋とは別の(唐突な)失敗は
1パフォーマンス芸術との安易な類推
2誤訳は誰が決めるの?という話題

だが1番目は中村保男もする類推で未熟なだけ
文学オタクが全てを語ろうと欲を出すと嵌まる

2番目はさらに細分化するのだがほとんどが
「真実だとなぜわかるのですか?」タイプの小児的難癖
[] 2017/06/07(水) 20:09:01.57:ydulOi2+0
まで議論が進んでいるのに
辞書から一人称どう選ぶのかとか
イミフ

先行翻訳がそれなりの出来であることを
常識的な前提としてなにがおかしいのだ

これは行きがかり上
客観的な誤訳の存在を否定するという
愚行からの泥縄でしかないがな
[] 2017/06/07(水) 20:19:05.19:ydulOi2+0

>こっちは「新訳は楽」という主張を取りあえず問題にしてるんです。

初訳より楽だろうな
老獪な名翻訳家ほどそうだろう
日本語力の経験値が活用できるからな

原文と初訳を比較しながら訳文を新たに練り上げるのが
芸術的ではないと考えているならそれは間違い
[] 2017/06/07(水) 20:26:31.21:ydulOi2+0

>こちらの言い分は、先行訳があっても「大幅に」翻訳作業が軽減することはない。
>実質的に翻訳家の負担はそれほど軽くはならない、というもの。

うん?
じゃあ軽くなるんだ?

中野よりも負担が重くなるということはおそらくない
ことに同意するのだな?

じゃあ「負担が重くなることはない」ということは
総合的にみて「より楽」と評価するのはおかしくないよな
[sage] 2017/06/07(水) 21:10:32.99:EjgUhmTIr
よそでやれ
キチガイ
[] 2017/06/07(水) 22:34:31.53:LrCDQ7tnp
このスレこわい(エ・ω・`)
[sage] 2017/06/08(木) 10:39:17.04:oLVD8MXC0
自分らがスレにそった書き込みしづらい雰囲気つくっての
わからんのかね、このバカチンどもは。
一生懸命一冊読み終わってさあ何か書こうと思って
このスレきてるやつもいるんだぞ、いい加減にしろよ
[sage] 2017/06/08(木) 12:02:57.55:kBYgjnMo0
どうも申し訳ない。

うーむ、困った。
今日は別スレを立てて、そちらで議論を続けようと思っていたが・・・
以降の書き込みを見て、さすがにこの人を相手にするのは無駄じゃないかという
思いが強まってきた・・・
(別スレを立てるとしても、この人は相手にせず、一般的なタイトルの下でこちらの考え
だけをずっと書いていくというようなやり方にするか・・・)
このスレの他の人の意見をちょっとうかがってみたい。

というわけで、いったん新スレ作成は保留。(エ-ω-`)
この問題に関する今日のレスはこれだけにします。
[sage] 2017/06/08(木) 12:07:18.25:lXBQMXZi0
お願いだから新スレでやりあってください
新スレ立ててるのに、こっちでまだ話しているようなら遠慮なくNG入れられます。
今のままだと、スレチとはいえ何か話しているのでNGにすらしづらいです。
[] 2017/06/08(木) 12:12:24.92:kBYgjnMo0

おや、そうですか。
『ハック・フィン』、読み直してみようかな。


>どんなにまずい翻訳本でも、ないよりはあった方がいい。

うーん、ただですねえ、既訳があると、もう訳書は出てるのだからという理由で、
その後まったく翻訳されなくなる可能性があるんですよねえ・・・ (エ・ω・`)
[sage] 2017/06/08(木) 13:05:41.78:m//M24Hb0
この数日の議論について自分の感想を言うと、「どちらの意見も間違ってはいない」
という感じかなぁ

原書で本を読んでいると、分からない箇所が出てきたとき、既存の翻訳がある場合
それをカンニングできるというのは、かなり安心感がある

実際、新米翻訳家が初めて自分の翻訳書を出す場合なども、既存の翻訳がある本
や児童書であったりすることも多い
最近はどうか知らないけど、昔の翻訳書には、訳者あとがきで既存の翻訳を参考に
させていただいたという一言を良く目にした

一方、新訳には新訳の苦労もあるのも確か
というのも、作家と同様、翻訳者にも多くのファンがついており、今まで親しんできた
訳文と違う文体の新訳が出てくると、一斉攻撃されるような事態も少なくない
例をあげると、鴻巣友季子 『嵐が丘』、茅野美ど里 『レベッカ』 などがそんな感じ

一方、ホームズシリーズのように、新訳がうまく受け入れられているケースもある
光文社の日暮雅通訳と、創元推理文庫の深町眞理子訳はどちらにも多くのファンが
ついており、新訳としての評価も高く、それぞれの訳文の特長も認められている

日暮訳は読みやすさを重視した翻訳、深町訳はより原文に忠実な翻訳といえそう
日暮訳が原文の段落や文を読みやすさ重視で切り分けているのに対し、深町訳は
原文の少々読みにくい長文や長い段落も、あえてそのままの形を残している

翻訳についての自分の意見は、古典作品のように複数の翻訳から気に入った好きな
翻訳を選べるのが理想的
また翻訳については、できるだけ無色透明な訳文が望ましく、理想としては誰が翻訳
しても同じような訳文となり、どれを選んでも同じといえるレベルが確保できればいい

そういう意味では、ホームズシリーズの翻訳は自分の理想に近いと思う
[] 2017/06/08(木) 13:35:00.40:qbOIW00v0

実はね俺もそこは別にいいんだよ
膨大な調べ物が不可避なタイプの訳業は一般的に新訳はその上につくられる
中野西遊記はこのタイプ
これは新訳は同じ労力かかるとはいえない

しかし卓越した日本語表現に焦点をあてて
有名な先行翻訳を乗り越える労力は先行訳のやってしまえとは違う問題がある
単純化すると扱うテキスト量そのものは先行翻訳分だけ増えるわけだ

だからこの問題は一般的には負担が減るが
翻訳を作品の実現とみればそこの知的生産に関しては
単なる技術では簡単に合理化できない部分もあると

でさ
彼の不誠実なところはここではない
一連の「誤訳は誰が判定するのか」というタイプの言い掛かりね
これは誰が過去レスを読んでいっても不誠実なんだよ
俺そんな話していないから

もうひとつ下訳が先行翻訳だとする見方の否定ね
これも不誠実
それなら公に発表された翻訳のもつ積極的な意味を語るべきだが
彼はそういうところまで考えが至らないのだろう
[] 2017/06/08(木) 13:38:53.62:2Gbsf5pl0
 の「ミシシッピ川の夜明けを描写した部分は米国文学中屈指の名文・・」は、ここかな?

The sun was up so high when I waked that I judged it was after eight o‘clock. I laid there in
the grass and the cool shade thinking about things, and feeling rested and ruther comfortable
and satisfied. I could see the sun out at one or two holes, but mostly it was big trees all about,
and gloomy in there amongst them. There was freckled places on the ground where the light
sifted down through the leaves, and the freckled places swapped about a little, showing there
was a little breeze up there. A couple of squirrels set on a limb and jabbered at me very friendly
.                                                   (8章の冒頭)

 の「・・空砲の音が河をわたる描写が美しい・・・」は、上記に続く部分のことかな?

I was powerful lazy and comfortable -didn’t want to get up and cook breakfast. Well, I was dozing
off again when I think I hears a deep sound of “boom!” away up the river. I rouses up, and rests
on my elbow and listens; pretty soon I hears it again. I hopped up, and went and looked out at a
hole in the leaves, and I see a bunch of smoke laying on the water a long ways up ―about abreast
the ferry. And there was the ferryboat full of people floating along down. I knowed what was the
matter now.  “Boom!”  I see the white smoke squirt out of the ferryboat’s side. You see, they
was firing cannon over the water, trying to make my carcass come to the top.  (8章、上記の続き)
[sage] 2017/06/08(木) 15:22:35.26:M411DPfa0
英語板はキチガイ率高すぎ
[sage] 2017/06/08(木) 20:59:28.97:N0Tu7H+fr
また始まったな
よそでやれ
キチガイ
[] 2017/06/08(木) 21:41:37.62:2Gbsf5pl0
Robinson Crusoe(by Daniel Defoe)( 1719年初刊・298頁・5.29~6.5)
(Penguin Popular Classics) 推薦度:★★★

ロビンソンの孤島での波乱と困難に満ちたサバイバル生活を、余計な心理分析や無駄に装飾的な
情景描写もなく淡々と描くから、随分昔に書かれた本なのに全く古さを感じず逆に現代性を感じた。
冒頭のちょっとややこしい「I go to sea」さえ辛抱して読めれば、神のご加護がロビンソンに有りすぎ
ではあるが、あとはストーリーに従って読み進んでいくだけだ。

「We quell a mutiny(反乱を鎮圧)244頁」から終章までは、反乱船を奪いかえすプロセスが詳しすぎて
頭の中で前後を整理しながら読み進めた。日本にも横井庄一さんや小野田少尉の物語があるが、
大航海時代の実話をヒントに書かれた気楽に楽しめる冒険小説だ。
[] 2017/06/09(金) 20:36:53.94:6GNk9UHWp
英語喉
[] 2017/06/09(金) 22:25:37.29:k349zC7B0
Robinson Crusoe(by Daniel Defoe) 1719年(その2・英文紹介)

ロビンソンには第六感のような危険予知能力があったみたいだ。胸騒ぎというか、結末を振り返って
ロビンソンはそれを神の見えざる導きのように解釈する。起きてしまった出来事の因果を解釈して
神の存在を直観することはよく有ることだが、彼は起きる前に何らかの啓示を感じる人だったのだ。

彼は人間にはその予知能力があると信じる。そして、彼はその胸騒ぎ、あるいは啓示を受入れた
ので、数々の危険を回避することができたのだと独白する。ここはロビンソンの人生観が語られて
いて印象に残る圧巻の個所であった。

How when we are in (a quandary, as we call it) a doubt or hesitation, whether to go this way,
or that way, a secret hint shall direct us this way, when we intended to go that way; nay, when
sense, our own inclination, and perhaps business has called to go the other way, yet a strange
impression upon the mind, from we know not what springs, and by we know not what power,
shall overrule us to go this way; and it shall afterwards appear that had we gone that way which
we should have gone, and even to our imagination ought to have gone, we should have been
ruined and lost.

Upon these, and many like reflections, I afterwards made it a certain rule with me that whenever
I found those secret hints, or pressings of my mind, to doing or not doing anything that presented,
or to going this way or that way, I never failed to obey the secret dictate; though I knew no other
reason for it than that such a pressure, or such a hint, hung upon my mind. I could give many
examples of the success of this conduct in the course of my life; but more especially in the latter
part of my inhabiting this unhappy island; besides many occasions which it is very likely I might
have taken notice of, if I had seen with the same eyes then that I saw with now. (173頁)
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/09(金) 23:21:40.05:BMkdDv9D0

もう忘れましたが、多分それでしょう。

ロビンソンも含め、素晴らしい本が山のようにあるね。
英語の勉強にはゴールがないなぁ。
[sage] 2017/06/10(土) 10:26:16.34:+7xO35pP0
巣から出てくんじゃねーよ。
[] 2017/06/10(土) 11:26:41.67:kzi0/Wlo0

そうだそうだ、酢から出てくるなー!みりんからも醤油からも出てる来るな~!!
[sage] 2017/06/10(土) 12:41:53.58:O7d+Y5hm0
コテハン歓迎、個性的で変わった人が多くておもしろいからね
[] 2017/06/10(土) 15:43:27.16:+7xO35pP0
個性的→〇
基地外→ラ

キティガイは嫌です
基地外が一般人のふりして会話に参加してるとか怖いです
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/11(日) 20:43:41.99:3MkHvRpz0
ちょっと訂正させていただきます。

20世紀のアメリカ文学は小粒だけれど、19世紀のアメリカ文学は
そうでもないみたいですね。
[sage] 2017/06/11(日) 20:49:04.87:Ye7r6GxQM

イギリスやフランスも19世紀の作品は長編が多かったから世界的?な現象なのかもな。
そんな中で短編を割と書いているポーやトウェインが気になる。
ポーか誰かが短編小説の意義について言及してた記憶もあるが、うろ覚えなので
間違った事言ってたらすまん。
[sage] 2017/06/11(日) 21:01:58.66:qDiHkT4a0
よくキチガイとやり取りする気になるよ
[sage] 2017/06/11(日) 21:15:57.03:Ye7r6GxQM

自分もドクター公認基地外だからw
[] 2017/06/11(日) 22:18:15.51:xxE1dqhd0
ちょうどマーク・トウェインの短編をまとめて読んだところです。バカ話、ほら話全開で面白いですね
気に入ったのは ‘General Washington's Negro Body-Servant’, ‘Political Economy’, ‘The Stolen White Elephant’
YouTubeでAudiobookも聞いているんですが笑ってしまう。特に ’General Washington’ は何度聞いても吹き出します
[] 2017/06/11(日) 22:39:31.29:rCOjw0ll0
THE EXORCIST(エクソシスト) (by William Peter Blatty) (1971年刊・403頁・6.6~6.11)
推薦度:★★★

オカルト・ブームがかってあった。この「エクソシスト」もその一端を担った。悪霊(Demon or Devil)
が人に乗りうつるという憑依現象を扱ったスリラー小説だ。ヒロインは(Chris)という女優で、憑依
されたのは彼女の12歳の愛娘(Regan)。直ちに映画化され、そのおどろおどろしい映像と音響に
より恐怖は極限化し世間を震撼させたという。小説の方は、短い文章で緊迫感と臨場感を高め
ていくので一気に読み進めていくことができる。

物語の導入部を紹介する。Chrisは次の日の演技のために映画の脚本を読んでいたんだ。夜も
更け静けさが深まった時、何か異様な物音がRegan(12歳の愛娘)の2階の部屋から聞こえてくる
ではないか。なにしてるのだろう?とChrisは階段を上りReganのドアを開ける。そして・・・怖いよ。

At approximately 12:25A.M., Chris glanced from her script with a frown of puzzlement. She
heard rapping sounds. They were odd. Muffled. Profound. Rhythmically clustered. Alien code
tapped out by a dead man.  
Funny.  
She listened for a moment; then dismissed it; but as the rappings persisted she could not
concentrate. She slapped down the script on the bed. 
Jesus, that bugs me!
She got up to investigate.
She went out to the hallway and looked around. It seemed to be coming from Regan’s
bedroom. 
What is she doing?   (12頁)
[] 2017/06/11(日) 22:52:24.61:rCOjw0ll0
The Exorcist(エクソシスト)(その2)

悪魔払師(Karras神父)は、悪霊に対し呼びかける。「Come on! Come on, loser! Try me!
Come into・・(俺の中に入ってこい!)」悪霊が入った途端、悪魔払師は2階から身を投げる。
Reganは元の可愛い12歳の少女に戻る。ChrisはReganと共に悪夢の家を去りロスに旅立つ。
目出度し目出度し。

ChrisとReganを見送った(Dyer)神父と(Kinderman)刑事の会話で小説は終わる。素敵な終
わり方だ。(最後の文章の意味は、ネイティブなら即座に分るんだろうな。私には?だ。)
そして、次に読む洋書も決まった。

“You go to films, Father Dyer? You like them?”
“Oh, sure.”
“I get passes.” He hesitated for a moment. ”In fact, I’ve got a pass for the Crest
tomorrow night. You’d like to go?”
Dyer had his hands in his pockets. “What’s playing?”
“Wuthering Heights.”
“Who’s in it?”
“Heathcliff, Jackie Gleason, and in the role Catherine Earnshaw, Lucille Ball.
You’re happy?”
“I’ve seen it,” said Dyer without expression.
Kinderman stared limply for a moment. Looked away. “Another one,” he murmured.
Then he stepped to the sidewalk, hooked an arm through Dyer’s and slowly started
walking him down the street. “I’m reminded of a line in the film Casablanca,” he said
fondly. “At the end Humphrey Bogart says to Claude Rains; ‘Louie―I think this is
the beginning of a beautiful friendship,’”
“You know, you look a little bit like Bogart.”
“You noticed.”
In forgetting, they were trying to remember. (The end)
[] 2017/06/11(日) 23:04:14.32:rCOjw0ll0

>ロビンソンも含め、素晴らしい本が山のようにあるね。
>英語の勉強にはゴールがないなぁ。

同感。(私の場合)1か月に3冊の洋書がやっとで1年ではわずかに36冊。
亀の歩みの洋書修行!
[sage] 2017/06/11(日) 23:24:29.30:qDiHkT4a0
なんで害吉にレス返すのかなあ
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 00:32:37.18:xYmdJIwM0
Oh….. (エ・ω・`)  Muzzle your bragging now….
The tortoise's walk is faster than a speeding bullet!

さんみたいな実力がつくまでは、多読は毒なんですよ。
多読は、中級者と上級者の唯一の勉強方法です。

性のようなまだ基礎作りの段階の初級者は、性のように
精多読で勉強するのが一番いいんだ。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 00:41:54.09:xYmdJIwM0

性は真面目に文学を語ってきましたよ。真面目に文学を語るコテが一掃されて
しまったら、English板は学校の宣伝と教材の宣伝ばかりになりますよ。我々は、
馬鹿にされながら、ステマ業者のbaitsとして彼らに貢献しているんですよ。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 00:47:46.14:xYmdJIwM0
58性 ◆bKaGbR8Ka. (ワッチョイ 959b-Vqpu)2017/06/12(月) 00:36:42.59ID:xYmdJIwM0
その人の名は♪
その人の名は♪
DHRL

彼は20世紀最大の小説家です。性にはわかるぜ。
だが、このスレは彼のスレではありません。そのうち、
彼のスレを立てるよ。

おっと、彼の作品では実はチンポは勃たないぜ。
美しすぐるからね。



DHRL は、D.H.R.L. ね。つまり、発禁王 D.H. ロレンスです。
[] 2017/06/12(月) 00:50:14.87:ohdZfawAp

性ってだれ
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 01:05:33.13:xYmdJIwM0
ロレンスはもの凄い小説家だよ。先日、チャタレイ夫人の変人を紹介されたので、
ペンギンの中古のペーパーバックと中古の完訳版を入手しました。訳本をパラパラ
眺めただけで、ロレンスの才能や筆力に圧倒されました。嫉妬するとかそういう
レベルではありません。拝むしかないレベルです。具体的に言えば、ユゴーや
ドストイェフスキーのレベル。ドストイェフスキーよりも少し上だろうね。

ところが、ロレンスはアンチクリストなんだよね。彼の作品の中には、パウロが
言ったところの『空しい騙しごとの哲学』が入っているんだよ。岸辺露伴先生が
語るが如く、登場人物か作者の哲学を語りまくるんだけれど、これが野良犬と
いうか野良羊の哲学なんだよ。orz ロレンスは伊達に発禁王じゃないね。
危険すぐる。性描写が危険なのではなく、素晴らしい筆で浅い哲学を語って
いるから危険なんだ。惜しいよ。本当に惜しい。ユゴーの脱線は、豊かすぎる
構成の現れ。ヘミングウェイの脱線は文学論自慢だから害はない。ニヤニヤして
読めばいい。ところが、ロレンスの脱線はサタンのピッチフォークなんだ。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 01:07:26.66:xYmdJIwM0

ワタクシの事でおます。それは性だに。

善良な小市民です。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 01:10:44.23:xYmdJIwM0
ラ: 登場人物か作者の
○: 登場人物が作者の
[] 2017/06/12(月) 01:13:48.16:up1w7T+70

回答してくれてありがとう大好き
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 01:27:02.99:xYmdJIwM0

おっと、セックスはしないぜ!(`・ω・エ)


性はプーさんを読んで、A.A.ミルンのファンになったんだけれど、
ミルンはサキの短編の影響を受けているとされているんだよね。
ところが、性はサキの作品を読んだ事がない。読む気もない。

プーさんには、トレスパッサー ワ というものが出てくるんだよね。
壊れた立て札の記述なんだけれど、ピグレットのご先祖様の
名前にされていたと記憶している。そして、プーさんには
カンガルーも出てくる。そして、プーさんでは自然描写がとても
美しい。

ミルンにはロレンスの影響が見られるんじゃない???
誰も指摘していないの???
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 01:45:22.48:xYmdJIwM0

長編だけれど、『王子と乞食』は少年時代に好きでしたよ。
子供向けに改編されたのしか読んでいないけれど、
おそらく、大傑作ですよ。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 02:11:13.81:xYmdJIwM0

性はカサブランカは観ていないけれど、カサブランカのセリフのもじりなの???


忘却の中で、彼らは思い出そうとしていた。

【忘れてはいけないものもあるのだ。】

こんな感じ?
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 02:14:40.26:xYmdJIwM0
「昨晩?そんな昔の事は忘れたぜ。」 みたいなセリフがあるんでそ?
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 02:47:54.37:xYmdJIwM0
「君はちょっと、ボギーに似てるよな。」
「知らなかったよ。」
そんな昔の事は、彼らはもう忘れていたのだが。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/12(月) 02:59:59.95:xYmdJIwM0
彼らも、すぐに忘れてしまうのだ。


意訳しないと訳せないなぁ。寝る。
[sage] 2017/06/12(月) 13:53:32.09:CdXvuDlh0
キチガイが大暴れしてるな
[] 2017/06/12(月) 14:22:39.15:k57pGFbP0
二人は思い出そうとしていた。(何を?・・) 「In forgetting」をかな。
「忘れた物語を」「忘却の中を」・・。うまく訳せないね。ま、どうでもいいけど。

反ナチでお互いを理解したラズロ署長とボガートのように、反悪霊で協調していこうと神父と
殺人課刑事は一致した。(ラズロ署長はバーグマンの脱出に加担した。)

Kinderman刑事はBurke(映画監督)殺しの犯人はReganと睨んでいたが、真相は憑依した霊の
仕業だと・・、超常現象だと知ったからね。次の事件を予感させる終わり方になっている。
[] 2017/06/14(水) 23:29:39.24:vJ1EwyB60
短編の名手と名高い Saki(Hector Hugh Munro) の作品を少しまとめて読んでみました。
サキは短編の作品数が多いので、どれから手をいいのかわからず、とりあえず邦訳され
ているものは訳者の推薦作品だろうと目星をつけ、邦訳短編集を複数用意してから原題
をググって読む形に。これなら原文で不明な部分も邦訳を参考にできます。

サキの世界は全体的には、皮肉とどんでん返しの作風というところですね。洗練された
語りで読者の興味を惹きつつも、最後で一気に風刺の効いた逆転劇を持ってくるという
パターン。全部で20数作ほど読みましたが、どの作品も一本取られたという感覚に陥り
ました。

特に面白かった作品は、'The Open Window', 'The Story Teller', "On Approval", "The
Wolves Of Cernogratz". なかでも'The Open Window' は後続の推理小説に影響を与えた
作品のようです。サキの有名な短編は、たいていYouTubeに朗読がアップされているので、
そちらでも楽しんでいます。

ちなみにサキに続けて、こちらも短編で有名なO・ヘンリーの短編を15作品ほど読んだので
すが、いかにも定形な展開とお涙ちょうだいばかりで、自分の好みの世界ではありませんで
した。それと表現が結構難しかったです。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/16(金) 19:39:46.56:6TFP/qkx0
O・ヘンリーよさげ。
[] 2017/06/16(金) 19:40:27.17:SDqMlMqz0
てすと
[] 2017/06/20(火) 22:58:07.42:J2rGloZH0
もうすぐP.M.11時、今日の所は、次の英文でも読んでもらって、早く寝ることだ。英語学習は
頭が冴えている早朝が最適で、日の出が早い季節だから捗るよ。皆、夜更かしするなよ。

‘The clock is on the stroke of eleven, sir.’

‘No matter―I’m not accustomed to go to bed in the long hours. One or two is early en ough
for a person who lies till ten.’

‘You shouldn’t lie ten. There’s the very prime of the morning gone long before that time.
A person who has not done one half his day’s work by ten o’clock, runs a chance of leaving
the other half undone,’  (61頁)
[sage] 2017/06/20(火) 23:47:48.37:2zykV99h0
うるせぇよ
英語板は吉外しかいねえのかよw
[] 2017/06/21(水) 23:39:07.86:C3MQbZpS0
引き続き、短編、中編小説を読んでいます。

'Bartleby, the Scrivener', Herman Melville, 1853.
『白鯨』のメルヴィルによる奇妙な味わいの作品。短編というにはやや長め。カフカ的な
不条理小説の先駆けとも言われているらしいです。ウォール・ストリートの新入社員が、
ある日突然すべての仕事を拒否し、ただただ事務所に居座るだけの存在になる……。
メルヴィルはこんな作品をも書いていたんですね。英語は平明。

Ernest Hemingwayの初期の短編を18作("In Our Time", 1924 という短編集とその他に有名
な同時期の短編を2つ)。
なかでも面白かったのは、'The Short Happy Life of Francis Macomber', 'Big Two-Hearted
River Part 1 and Part 2'. 後者は単に川べりでのキャンプと釣りの模様を描いてるだけなんです
が、臨場感が凄いですね。名作と言われている 'The Snows of Kilimanjaro' は何故かいまひとつ
ピンと来ませんでした。

'Of Mice and Men', John Steinbeck, 1937.
スタインベックの有名作。はじめて読みましたが、面白くて面白くて最後まで一気に読みました。
作品のテーマとは別に、読者の興味の惹き方はスリラーの語り口だと思いました。
[(エ・ω・`)ショボーン] 2017/06/22(木) 00:11:20.89:LcxUTo640
義理マンジャロは回想シーンが美しい。一応はヘミングウェイも
天才の端くれだとわかる。でも、ロレンスの足下にも及ばない。
[sage] 2017/06/22(木) 01:30:51.70:REMou8Xq0
キチガイはいちいち口挟んでくんじゃねーよ
[] 2017/06/24(土) 22:03:55.88:WrBpWlV10
WUTHERING HEIGHTE(邦題「嵐が丘」by Emily Bronte)334頁・2017.6.12~23(
推薦度★★★★

名作と評判高いので長年、読みたいとは思っていた。ついに、私が読む気になった
のは、本書の前に読んだ「The Exorcist」の終章に唐突にその名前が出てきたからだ。
「嵐が丘」は1847年の発表時の世評は芳しくなく、同時代の批評家の誰ひとり
真価を認めなかったという。傑作の折紙がつくのがエミリーの死後約50年後で、
世界の10大小説のひとつに数えられたりするのは約80年後という不思議な小説だ。

小説は、「1801―I have just returned from a visit to my land lord・・・」
私が「嵐が丘」を訪問するところから始まり、「1802―This September, I was
invited to devastate the moors of a friend, in the North;・・・」で私が
「嵐が丘」を再訪し、家政婦ネリーから聞き出した物語の結末を知ることで終わる
巧みな構成になっている。

この小説の特徴的なところは、ネリーという長年にわたって奉公してきた家政婦に
よって、物語は語られるというところだ。ヒースクリフやキャサリン、他の全ての
登場人物の言動や評価は、私を除いて、ネリーという人物の目を通して語られる。
(  のように暖炉の前で。)

ネリーの語りは例えば「その日、遅くまでキャサリンとヒースクリフは荒地に
遊びに出掛け帰ってこなかった。」と外形的にだけ語られ、二人が嵐が丘の荒地で
交わし合った甘美な会話も肉体的な情熱の発露も小説の読者は伺い知ることが
できない。(小説を読んだ人はあまりいないだろうが、「嵐が丘」そのものは
恋愛小説ではない。)そこで語られるのは、ヒースクリフの死によって最後に
希望の光が射すものの、憎悪と復讐の怪物になったヒースクリフによって破壊
されるリントン家とアーンショウ家の暗く陰惨な物語の俯瞰なのである。外形
からの俯瞰という、この空白があるからこそ、ヒースクリフとキャサリンの
純愛をテーマとしてリメイクが可能で映像化や戯曲化によって「嵐が丘」は
至高の恋愛劇に高められ空前の評価を得ることができたのだと思う。(続く)
[] 2017/06/24(土) 22:45:50.79:WrBpWlV10
(続き)
「嵐が丘」は読むのには時間がかかったが、英語の学習にとってはとても良い負荷で
あった。二度、読み直すと一文一文、味わい深い文章で、前後の構成など随分と考え
られていることを感じる。筋や人物の把握、英語の構造等は「緋文字」よりも難しか
った。読んでよかったと思えた本であった。

なお、「嵐が丘」は、登場人物がねじ曲がった性格wなので下記の抜粋のように否定的
・マイナス感情の単語がぞろぞろで、それも面白いことは面白かった。

Peevish(気難しい)・ Gaunt(陰鬱な)・Slovenly(だらしない)・Morose(非社交的)
・Gnarl(歯をむいて唸る)・Raffianly(ごろつきの)・Fiends(悪魔)・Misbehavior
(不作法)・Curs(罵り)・Churlish(失礼な)・Vinegar-faced(悲しい顔の)・Gruffly
(ぶっきら棒に)・Repellent(とても嫌な)・Miser(守銭奴)・Corrugated(皺を寄せる)
・Haughty(傲慢な)・Scowl(しかめっ面)・Diabolical(非常に残忍な)・Perverse
(ひねくれた)・Reprobate(破滅者)・Castaway(世捨人)・Misanthropies(人間嫌い)
・Miscreants(悪漢)・Virulence(憎悪)・Vehemence(激して)・Scoundrel(悪漢)
・Surly(むっつりして)・Guerulous(不平の多い)・Wayward(我儘)・Vindictive(執念深い)
・Saucy(生意気な)・Abominable(嫌悪感を惹き起こす)・Cross(ふくれる)・Infernal(ひどい)
・Hector(苛める)・Petulantly(腹を立てて)・Imperiously(傲慢に)・Vociferating
(聞くも恐ろしい)・Obstinacy(強情)・Pertness(生意気な)・・とか
[sage] 2017/06/24(土) 23:08:11.83:jVqbc13D0
単語集
参考になった
[] 2017/06/24(土) 23:21:33.42:2UQMEZrq0
シャープから出てるペン型の翻訳機の精度が上がれば買うのに
いちいち辞書引くのめんどくさい
[] 2017/06/25(日) 04:27:39.39:6IwgmToh0
>282
凄い読書量だと思いますが、辞書をひくんはめんどくさいですか?
嘗てまだこんなに読書力がなかった時に辞書を引くのはめんどくさかったですか?
[] 2017/06/25(日) 04:58:09.30:6IwgmToh0
語学で辞書を引くのは基本中の基本だから、数学だと考えること、音楽だと発声練習とか音階練習、スポーツだと筋トレ
に匹敵するんではなかろうか?
とすると辞書を引かない効率の良い学習方法というのは、考えないで効率よく数学を学習するのと似ている。
[sage] 2017/06/25(日) 10:41:13.98:dnfqbf/70

電子書籍端末を利用するのもいいよ
とくにKindleの場合は、英語の支援機能がいろいろと用意されている

1.Word Wiseという、難しい単語にルビのように意味を表示してくれる機能。(ON/OFF 可)
ttp://jump.5ch.net/?http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1412/04/news093.html

2.英和辞典をふくめ何種類かの辞書を併用できる機能。
  私はKindle標準のプログレッシブ英和に加え、熟語も引ける英辞郎辞書を併用している
  もちろん、自宅では紙の辞書 (リーダーズ英和) も使っているけどね

3.著作権の切れた古典作品なら無料で読むことができる
  たとえば上で紹介されている、緋文字、ハックルベリィ、ロビンソン、白鯨、嵐が丘 etc.
  ttp://jump.5ch.net/?https://www.amazon.co.jp/dp/B018RZGW7E
  ttp://jump.5ch.net/?https://www.amazon.co.jp/dp/B004UJAOLM

  注釈付の本が欲しければ、Oxford World's Classics など安い有料の本を選べばいい
  ttp://jump.5ch.net/?https://www.amazon.co.jp/dp/B003MVZEZU
[] 2017/06/25(日) 20:31:46.68:6IwgmToh0
>287
キンドルに辞書追加購入できるとは知らんかった。Kindleにダウンロードしたら
スマフォとPCのキンドルアプリでも使えるんだろうか?
[] 2017/06/25(日) 21:57:36.59:A2IX3frk0


私の場合は「英語=辞書を引く」がアプリオリの世代(注)ですから、辞書を引か
ないことはありますが、辞書を引くことは面倒とは感じません。読みたい文章があ
って、単語の意味が分らなければ辞書を引くしかないからですし、今は電子辞書で
すから楽なものです。「学問に王道なし」で、そもそも単に辞書を引くのが面倒
くさくて嫌いだというなら語学には適性がないということになってしまいます。
結局は時間と根気ですかね。

語彙力不足で辞書を引く回数が多いから面倒であるというのであれば、英語学習の
継続によって語彙量を増やすしかないですが、それには辞書を引く以外にはないと
いう堂々巡りになります。面倒だと思わないで辞書を引くしかないのです。

小説が読めるレベルまで語彙力を増やすには、どうすればよいかの実践論を垂れますw。
私は英字新聞を読むことを薦めます。英字新聞は社会・経済・金融・外交・風俗・書評
・スポーツなど社会の全ての事象を扱うのですから、これに勝る教材はありません。
好奇心があれば調査報道の署名入り記事は、ちょっとした小説風の構成になっていて
興味深く読めます。私の場合は、英字新聞で日常語の語彙2000語を増やしました。例文と
単語を併記した単語ノートは4冊作成しました。

英字新聞(調査報道記事や評論)が読めるようになったら、次は、150~200頁位の洋書に
トライすることになります。不明単語はマーカーを塗り、余白や単語の上に赤ボールペンで
意味を記入します。こうすれば、貴方の愛読書は例文付きの単語帳に変身することになり
ます。私の場合は、「Black like me」と「last tango in Paris」をこうした単語帳に変え
何回も読み返すことで、語彙数1000語を増やしました。これで小説を読む入口です。
[sage] 2017/06/25(日) 22:49:43.61:mR57kS2n0
オレはべつにボキャビルとかの予備勉強もせずに
いきなりギャツビーあたりの小説を辞書引かずに読んだぞ。
確かに何冊かは半分くらいしかわからないで読んでたが
半分分かればいいって割り切ってたからそんなに苦痛でもなかったし
すぐに大概の本なら9割以上の理解度で読めるようになった。
読みたきゃ読めばいいんだよ。趣味で小説読むのに辞書引くなアホ。まあ勉強でやってんならご自由に。
一生やっててください。
[sage] 2017/06/25(日) 22:59:32.71:mR57kS2n0
ちなみに大学は英語関係の学科ではないよ。
つまり英語の勉強は大学受験でおわり。
中堅レベルの地方国立大。
もしそれくらいの素養があるなら
どんどん読めばいいと思うんだがな。
[sage] 2017/06/25(日) 23:05:33.25:VZguOA+N0
○割理解できるという話ほど胡散臭いものはない
本人の感覚でしかないから
[sage] 2017/06/25(日) 23:08:06.97:mR57kS2n0
ついでにドイツ語もフランス語も
同様にして基礎文法仕上げていきなり辞書無しで読んだよ。
最初はケストラーとかエンデくらいのやつ何冊か読んで
カフカとかツァラトゥストラとかすぐ読めるようになった。
まあオレは結構例外的なのかもしれんがw
[sage] 2017/06/25(日) 23:14:13.16:mR57kS2n0
○割理解できる、という話なら例えば漱石とか読んでも
9割くらいしか理解できてないと思うんだわ。
広辞苑引きながら読めば100%になるのかな?
[sage] 2017/06/26(月) 00:05:28.16:cKThBa+t0
国語辞典と首っ引きで漱石読んでるようなやつは
「トチメンボウ」に引っかかって挫折するんだよ。
あーオレには大人向けの本はまだ早いや、って。
我慢してちょっと先まで読めば大概の疑問は
解消するのに、それが出来ない。
[] 2017/06/26(月) 03:01:49.83:fnm+qbST0
289がオーソドックスなやり方だろうな。290のやり方も解る気がする。
しかし解らないまま読んでいくのは辞書を引くよりも苦痛だ。
「単語帳を作るとか辞書を引くのが楽しい。」という感覚が身に付けば、289のやり方がベスト。
「解らないまま読んでも楽しめる」という感覚が身に付けば290でもOKだし、寧ろ上達はこの方が
速いのかもしれない。
英語のマスターという意味ではどっちでもOKだが育つものが違う気がする。289タイプで学習すると
英語のみに限らず、別の力が付くという副次的な効果があるような気がする。文章を比べても289の
方が落ち着いていて大人という感じがする。 290の文章は賢いが乱暴な印象だな。w

俺としては(289+290)/ 2 くらいでやってる。
[sage] 2017/06/26(月) 03:30:46.59:B4HHc2gW0
辞書引かないという人は市販の単語帳とかで語彙増やしてるのかね?
自分は単語帳というやつが大嫌いだから、文章中の単語を辞書で引くことでしか語彙を増やせないんだよね

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