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ウィリアム・フォークナー 3


◆IH9QhoIQXk [sage] 2010/09/10(金) 17:02:13

□前スレ
ノーベル賞 フォークナー 南部せんべえ
ttp://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1169031883/

□過去スレ
最近フォークナーは読まれているんだろうか
ttp://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/1003409747/
ヘ(^q^)ヘ鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2010/09/10(金) 19:07:42
フォークナースレも人気がないよね…
ジョー・クリスマス [] 2010/09/10(金) 20:07:56
結構な老舗だぞ なめんな
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/10(金) 20:16:45
マルケスの亜流
ポパイ [sage] 2010/09/10(金) 20:19:42
そんな無茶苦茶な…
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/10(金) 20:52:27
したり顔でこんな事を言えるのが文学板なのだ
ヘ(^q^)ヘ鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2010/09/10(金) 21:59:08
ギャグじゃないのか?
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/10(金) 23:36:43
フォークナーは会話に静かな暴力が漂ってる
何気ない会話のなかにいつ人殺しがおこってもおかしくない雰囲気を感じさせる
八月の光と短編集を読んでそう思った、他のも読みたい
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/11(土) 11:11:58
なんだブルース・スプリングスティーンなんて佐野元春のパクリじゃん?みたいな


ヴォネガットなんて村(ry
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/11(土) 13:29:32
佐野は否定してるぞ。彼はブルースなんて好きじゃないんだ。彼はディランのオタなんだよ
今、アブサロム読んでいるけど、結構いけるな 響き〜は挫折した俺だが。
まあ、結論としては百年の孤独はつまらん まあ、そういうことだ
んじゃ。ばいばい
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/11(土) 16:39:19
「八月の光」の処女じゃないことにショックを受ける中年男に萌えた。
いや、共感したというか、なんというか。ねらーと似たようなメンタリティだなって。

あれは、フォークナーは笑いをとるつもりで書いたのかな。
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/11(土) 16:51:06
それどこらへん?リーナは妊娠してるけど
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/11(土) 17:20:29
出産したあとの場面。けっこう最後のほうかな
ダビデ王 [] 2010/09/11(土) 17:21:19
寓話読みたい
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/11(土) 23:38:27
ガルシア・マルケスの方が筆力は上
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/13(月) 09:46:32
引き合いに出して貶めるなんてみっともないことはおよし。
ヘ(^q^)ヘ鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2010/09/13(月) 21:39:12
筆力ってなんですの?
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/13(月) 22:19:59
ガルシア・マルケスは通俗的。というか、そもそも作風違うよね。
技法というか方法論を、ラテンアメリカの作家が真似たというか、参考にしたというくらいで
比較対象になるのかなって気がする。

ただ、フォークナーって、ほんと読みやすいものがない。人に薦められる作品がないのがね。
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/13(月) 22:21:37
長嶋一茂は学生時代英語の授業でA Rose for Emily を読まされた
テストの答案はイラストだったという・・・
ヘ(^q^)ヘ鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2010/09/13(月) 22:29:34

フォークナーの最高傑作と言われている長編はなんですか?
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/14(火) 00:35:57

アブサロムアブサロム
ヘ(^q^)ヘ鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2010/09/14(火) 00:36:22
ありがとうございます
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/14(火) 00:37:04
響きと怒りだと思う
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/14(火) 00:39:10
八月の光は
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/14(火) 00:42:01
八月の光は軽すぎる
読みやすくはあるだろうが最高傑作じゃないなー
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/14(火) 00:56:07
一番良く出来ましたって作品は八月の光だけど
完成度と面白さはまた別だったりするしね

寓話、アブサロム、死の床に横たわりてが好きだなぁ
短編も面白いけどね
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/14(火) 05:59:51
また飽きもせず最高傑作だのいいだす馬鹿が湧いてやがる
ヘ(^q^)ヘ鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2010/09/14(火) 15:04:36
通説を聞いてみたかっただけだよ。
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/14(火) 17:09:23
八月の光の人物の性格ってのが最後まで掴めなかった
バイロンはリーナに性的な気持ちから接近したわけ?一応誠実そうな人間だけど心情が揺れ動いてそう。
ハイタワーはどんな人物なんだ。
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/14(火) 19:11:15
「八月の光」新訳で出ないかな〜
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/15(水) 02:04:30
because people to whom sin is just a matter of words,
to them salvation is just words too.
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/15(水) 18:46:47
文体だけなら「怒りと響き」が最強かと。木の匂いがしたってやつ。

ハイタワーって、アメリカ北部と南部とで、どっち側の価値観にもつけない混乱した人物
みたいな印象だったけど。クリスマスが白人と黒人の混血かもしれないってので
アイデンティティに混乱をきたしているのと、対応させてるのかな。

バイロンを現代の日本で主人公にしたら、村上春樹の「かえるくん」になるかも。
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/15(水) 19:26:13
村上春樹は今ではもう読むことはないが『ノルウェイの森』のお蔭で『八月の光』を
読んでフォークナーに出逢えたことは感謝している。
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/15(水) 22:32:50
以外と好きなのがサートリス
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/15(水) 22:35:41
短編もいい


ところで岩波よ、寓話の復刊はまだか
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/15(水) 23:23:21
「サートリス」ってバーデン家の人らのことも出てくるの?

定価3045円は高いなぁ。「死の床ー」は文芸文庫で買ったけどレジでビックリしたよ。
文庫本なのにこの値段!って
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/15(水) 23:43:18
それが文芸文庫だし
たまに他の文庫で同じの出てると値段の差にビックリ
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/15(水) 23:47:34
スレチだけど
「白鯨」がいい例だよね
上下巻だが三分冊の岩波より高くつく
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/18(土) 10:07:15
他の文庫で安価で買える物を文芸文庫が出す必要はない。
『村』とか『兵士の給与』を出せよ。
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/21(火) 02:12:46
『野生の棕櫚』は最近読まれていないのか?
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/22(水) 22:43:19
もう一個スレあるだろう、南部せんべいとかなんとかいう。
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/22(水) 22:45:34
スタインベックスレってないんだなー。
フォークナーよりも読まれてると思ったんだけど。
やれやれ、僕は名を失った [] 2010/09/23(木) 06:20:33
怒りの葡萄っていうのタイトルが気になるけどまだ読んでない
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/23(木) 06:26:46
スタインベックのスレなんて伸びないからね。ヘミングウェイとか後数人合わせて何とか伸びるレベル
やれやれ、僕は名を失った [sage] 2010/09/23(木) 08:56:41
スタインベックって農場が舞台が多いし。
同時代で一番読まれてるのはチャンドラー。
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/23(木) 18:51:57
ドス・パソスは完全に忘れ去られてるな。
吾輩は名無しである [] 2010/09/23(木) 21:42:35
東のエデンだっけ?有名じゃん
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/23(木) 21:45:26

本国でも文学研究の対象になったりはそんなにしないのかな?
日本では翻訳が挫折して完全に忘れられてるけど
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/23(木) 21:48:10
ドス・パソス賞とかあるよ
本格全集もあるし本国では扱い別じゃない?
日本でも三重大出版から研究書出てた。あれくらいしかないかな今は
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/23(木) 22:06:25
そうかぁ本国ではまだ忘れられてないか
日本でもせめて世界文学全集なんかを編纂する時には
マンハッタン乗換駅で誤魔化さずにズドンとUSAを入れて欲しいなぁ
最近はマンハッタン乗換駅どころかドス・パソスの巻がないけど傑作なのに
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/23(木) 22:08:44
あ、調べてみたら全集出したのは日本の出版社だ。。。
しかも初版本を復刻しただけっぽい。。。
書誌情報見ても03年頃にペーパーバックが3点出てるくらいだな
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/23(木) 22:38:52
筑摩の世界文学大系に抜粋で収録されてたような気がする「USA」
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/24(金) 00:37:32
ドス・パソスなんかはまだ不相応だがいい位置にあるにはあるよな。サルトル、ひいては篠田一士のおかげで。
ちょっと新訳、再版あれば一気にメジャー化する下地はある。不況の時期は相性いいし。
むしろトマス・ウルフやJ・T・ファレルの方が読まれてない。

特にファレルなんか、と思って念のためにggってみたが、モンキービジネスでエッセイ載ってたか。。。
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/24(金) 01:23:58
フォークナー作品の時間について真剣に語り合いませんか?
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/24(金) 06:56:44
死の床は、移動しながら順番にマイクを渡していってる。
サンクチュアリも時系列。
八月の光も、リーナの筋と、クリスマスの筋と、あとは各登場人物(+その祖先)の
過去があるくらい。一回Excelで表にしてみたけど、そこまで凹部が多いわけでもない。

あれ、時間ってそういう意味じゃないのか? オクタビオ・パスの言うような、
線的な時間とか? 
吾輩は名無しである [] 2010/09/24(金) 22:02:01
『USA』は戦後すぐ新潮文庫から全訳が出た。
悪訳だったようだが。
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 02:36:14
確かにいい訳ではないし、訳者も改訳を前提としてるらしい気もあるが、やっぱりなんかちょっと酷。
フォークナーも相当だが、ドス・パソスもめちゃくちゃ長い文を平気で書くし。
まぁ、初っ端から母親と妻と取り違えてるのは失格言われてもしゃあないやな。

U・S・Aは図書館で読めると思うが、第1部に入る前に総序として「U・S・A」というのがある。
岩波版では(それでも長い文を含む)6文にブツ切りにしてる。確かにこれはこれで分りやすいが原著者の意図と比べてどうだろう。
原文ではセミコロンが挿んであるが一続きの文章が10行以上続く。
まあ新潮版(改造社版?)も句点すら省いて、句ごとに一字空けの散文詩風の書きぶりだからこれはこれでどうかとも思うが、、、
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 18:10:14
A・JA・PA!
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 19:13:00
ドス・パソスで意外と話が盛り上がったなw
シャーウッド・アンダーソンなんかはどう?
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 19:13:59
調子に乗るなカス
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 19:16:28
ヘミングウェイは「ああ、生前はフォークナーより有名だった人?」的な人に
成り下がったな。
今長篇で読む価値あるのは『日はまた昇る』だけだな。
集英社文庫の佐伯彰一訳はとてもいいよ。
吾輩は名無しである [] 2010/09/25(土) 21:21:38
ヘミングウェイは冗長ってのは本当?
戦後日本では特別な存在って福田和也がいってた
フォークナーはアメリカとフランスで人気がある
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 21:45:49
フォークナーは本国ではサンクチュアリがちょっとセンセーショナルだっただけで
フランスで評価されて逆輸入みたいな感じだったらしいね
当時の事は知る由もないが
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 21:49:44
へミングウェイが冗長って長編になるとってことかな?
◆xw/VRtpyI. [sage] 2010/09/25(土) 22:38:26
oponpon
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/25(土) 23:00:54
↑相手の意図が読めない恐怖ってのはあるね
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/27(月) 14:48:55
そういえば、ジム・トンプソンもフランスで評価されて、逆輸入みたいな
感じじゃなかった? アメリカも日本みたいに、海外で評価されたから、
国内で再評価される、みたいな感じなのかな。
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/28(火) 17:49:56
バイロンは童貞の鏡だな
気持ちがわかりすぎて辛い・・・。
最後情けなさすぎるけど、リーナとうまく行けばいいな。
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/29(水) 00:00:51
バイロンが一番俺らに近いかもな、クリスマスの不幸も十分分かるが
八月の光はクリスマスの話の筋が好きだ。フォークナーは最高のストーリーテラー
吾輩は名無しである [sage] 2010/09/29(水) 12:25:15

あれで35歳なんだぜ・・・。
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/01(金) 18:11:09
うっそお!?
吾輩は名無しである [] 2010/10/01(金) 21:13:21
無知ですみません、フォークナーってどういう点が評価されてるんですか?
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/01(金) 21:39:18
質問というのはもっと絞ってからするもの
舐めてんのか糞学生
吾輩は名無しである [] 2010/10/01(金) 21:58:38
まず読みなさい。それからだろ。
吾輩は名無しである [] 2010/10/03(日) 01:50:04
フォークナーと時間の関係
時計 均質化した客観的な基準

ジョー・クリスマス 時計を買うのに巻き忘れる。時間から開放されている人間。
リーナ 一番時計を必要としない人物。
バイロン 時間に忠実に働いていたがリーナに出会ってから変化する。
バーチ 自然児。問題児。もちろん時計はいらない。
ハイタワー 生きる前から時間が止まっている人間。
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/03(日) 02:00:14
クヱンチンもっ時計壊して死んだな
マグナ ◆i.K3ZM.pZo [] 2010/10/03(日) 02:29:27
どうもアメリカ文学はピンとこないなw
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/03(日) 02:49:43
アメリカ文学も君という人間にピンとこないと思うよw
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/03(日) 02:52:00
クソワロタ。
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/03(日) 03:01:01
自殺による時間への反抗
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/03(日) 05:01:16
なんかフォークナーってベルクソンの影響受けてる?
もしかしたらそれでフランスで人気あるのかも
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/05(火) 21:37:27
白いすべた野郎!
吾輩は名無しである [] 2010/10/14(木) 00:41:52
フォークナーってあせって読もうとするとダメだね。
吾輩は名無しである [] 2010/10/15(金) 15:25:36
なんであせる必要があるんだ?
吾輩は名無しである [] 2010/10/15(金) 15:29:13
だって小林秀雄がやってた文芸時評、
「あせると象の子」って題名だったよ、たしか。
吾輩は名無しである [] 2010/10/20(水) 18:55:52
 
吾輩は名無しである [] 2010/10/21(木) 23:35:56
フォークナーで1番読みやすくて、初心者にオススメのやつ教えて。
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/21(木) 23:45:51
「熊」とかの短篇じゃないか
吾輩は名無しである [] 2010/10/22(金) 00:00:31
長編で
吾輩は名無しである [] 2010/10/22(金) 03:59:28
長篇はどれも読みにくい。
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/22(金) 04:14:39
サンクチュアリだな。
吾輩は名無しである [] 2010/10/22(金) 12:27:13
八月の光だろ。
吾輩は名無しである [] 2010/10/22(金) 13:37:38
『サートリス』
吾輩は名無しである [] 2010/10/22(金) 20:53:15
『響きと怒り』の次は何読んだらいいかな?
吾輩は名無しである [] 2010/10/22(金) 22:03:10
次へゆく前に、響きと怒りの感想をお願いします。
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/22(金) 22:27:20
サンクチュアリはポパイがむちゃくちゃなやつでジュネみたい
吾輩は名無しである [] 2010/10/22(金) 22:30:50
あの小説はつまらん。
『死の床に横たわりて』がいい。
吾輩は名無しである [] 2010/10/25(月) 00:34:40
『アブサロム、アブサロム!』ってクェンティンが語り手らしいけど、『響きと怒り』のクェンティンの文章と同じようなかんじ?
吾輩は名無しである [] 2010/10/25(月) 01:38:18
読みなさいよ。
吾輩は名無しである [] 2010/10/25(月) 01:49:36
『響きと怒り』が最高傑作。
あとは読む必要なし。
吾輩は名無しである [sage] 2010/10/25(月) 02:31:26

アブサロム、アブサロムでは語り手じゃなくて聴き手
吾輩は名無しである [] 2010/11/01(月) 15:36:22
 
吾輩は名無しである [] 2010/11/09(火) 15:12:20
 
吾輩は名無しである [] 2010/11/15(月) 18:12:29
 
吾輩は名無しである [] 2010/11/22(月) 06:40:16
 
吾輩は名無しである [] 2010/11/27(土) 18:51:31
響きと怒り、キャディの一人称が「あたい」になってると萎えるよな
吾輩は名無しである [] 2010/11/30(火) 01:04:41
南部白人の口調は訳改まるたびにだんだん良くなってるが、
黒人の口調はどうにかならんのか
進歩ないぞ、あんな口調のはずがない
せめてボビーオロゴンくらいにせえや
吾輩は名無しである [] 2010/11/30(火) 01:08:48
ベンジーおめふざけんなよぉ
うるさいもん おめぇやめろよ
吾輩は名無しである [sage] 2010/11/30(火) 22:18:02

先に体験ありきの作家だからな、ヘミングウェイは。
だから書くのも書けなくなった時も大変だっただろうなと思う。
でも「インディアン・キャンプ」や「兵士の故郷」とかは今読んでも良い。
吾輩は名無しである [] 2010/12/06(月) 20:44:44

同意。プルーストもそうだが、どっしり構えて読む必要がある。
しかしめちゃくちゃ「濃い」な、彼の小説って。
『アブサロム』の第1章なんて30ページちょい、ライトノベルだとあっという間に終わっちまう分量だが
とにかく濃い、情報量が多い、読むのに時間がかかる。
吾輩は名無しである [sage] 2010/12/06(月) 22:40:38
集中力いるわなあ。あとジュネもそうだ。
ま、アブサロは話しの筋だけ聞いたら三文小説みたいだけど
吾輩は名無しである [sage] 2010/12/07(火) 00:38:52
アブサロムの一章は濃いというか読みにくい。
吾輩は名無しである [sage] 2010/12/07(火) 00:44:56
なんで比較対象にラノベが出てくるのか・・・
吾輩は名無しである [sage] 2010/12/07(火) 09:32:47
故意にか知らないけど、読みにくい作家(作品)のひとつの特徴として
時間列が錯綜してるつうのがあると思う。
文章ってのは時間進行だから、それやられると当然読みにくくなる。
吾輩は名無しである [] 2010/12/13(月) 02:31:20
読みにくいところに味が生まれる。
吾輩は名無しである [sage] 2010/12/13(月) 07:52:53
フォークナー、カポーティ、オコナー、マッカラーズ・・・・・・他に面白いサザンゴシック作家っていないかなあ
吾輩は名無しである [sage] 2010/12/15(水) 15:34:52
まあな、個性ある新しい文体が読みやすいわけないんだが。
しかしフォークナーは物語が存在しているので、まだ読むのに
手がかりがある。
吾輩は名無しである [] 2010/12/19(日) 09:21:37
 
吾輩は名無しである [] 2010/12/29(水) 18:28:27
 
吾輩は名無しである [] 2010/12/30(木) 03:19:53
なんか言えよ
吾輩は名無しである [debu] 2010/12/31(金) 14:02:09

「でぶ野郎」

おいらは駆け出して、ポーチから飛び降りる。
納屋のてっぺんが、夕闇の中からひゅうと浮かび上がる。
吾輩は名無しである [] 2011/01/06(木) 11:21:03
あんまりフォークナーっぽくない
吾輩は名無しである [] 2011/01/06(木) 20:55:19
死の床に横たわりて映画化
吾輩は名無しである [] 2011/01/07(金) 00:45:44

訳者の佐伯彰一に言ってくれ。


ホントだ、ちょっと楽しみw
吾輩は名無しである [] 2011/01/12(水) 02:19:18
響きと怒り映画化しろ
吾輩は名無しである [sage] 2011/01/18(火) 19:37:05
アブサロムはしたことあるのか。映画向きなところあると思うけど。
てか、アメリカの小説ってなんか全部映画向きな気がする。なんでだ?
吾輩は名無しである [sage] 2011/01/19(水) 00:33:54
舞台(土地)が広いから
吾輩は名無しである [sage] 2011/01/20(木) 00:30:31
死の床のシナリオどうするんだろうな。
独白でいくなら物語終盤に現在を置くのかな?
独白でいくと解説じみたくだらん映画になりそうだw
だから映画化が難しいといわれてきたんだろうな。
吾輩は名無しである [] 2011/01/27(木) 21:34:30
『八月の光』読み終わった。圧巻。
リーナの存在で物語に「光」が射していると思った。
リーナはノマド的にヨクナパトーファという額縁を通過するんだね。
吾輩は名無しである [] 2011/01/28(金) 09:21:49
フォークナー作品の映画を見たことはないが
チャンドラー原作の映画「3つ数えろ」の脚本にフォークナーが関わっていたことは知っている
吾輩は名無しである [] 2011/02/03(木) 22:07:38
ピンチョンスレから来ました
フォークナーって、何から読んだらいいですか?
アマゾンで購入を検討しているところの者です
吾輩は名無しである [sage] 2011/02/03(木) 22:42:03
スレ読めと言いたいところだが…

サンクチュアリかな
金に余裕があるならそれと並行して塚崎幹夫の名作の読解法で
サンクチュアリに一章割いた評論があるからそれよ読むことも薦める

てか何から読んでもいいと思う

吾輩は名無しである [sage] 2011/02/04(金) 00:07:35
とうもろこし
吾輩は名無しである [sage] 2011/02/04(金) 07:53:22
最近だと岩波版とか親切だし響きと怒りからでも全然読めると思う
吾輩は名無しである [] 2011/02/08(火) 01:12:14
絶対響きと怒りから読むべきだと思う
吾輩は名無しである [] 2011/02/16(水) 12:39:23
ほう。
吾輩は名無しである [] 2011/02/16(水) 13:04:25
塚崎幹夫ってセックスばっかりしてセックスのハウツー本まで書いた
人でしょ?フランス文学者だよね、もとは。
吾輩は名無しである [sage] 2011/02/16(水) 18:44:32
アブサロムって講談社と河出どっちが訳いい?
吾輩は名無しである [sage] 2011/02/16(水) 20:36:30
河出
吾輩は名無しである [] 2011/02/17(木) 13:49:24
響きと怒り、講談社文芸文庫版を持っているのですが
岩波文庫版をブックオフで見かけました
買いでしょうか?
吾輩は名無しである [sage] 2011/02/18(金) 09:01:21
買い。
吾輩は名無しである [sage] 2011/02/20(日) 09:23:28.26
『アブサロム、アブサロム!』における篠田一士の訳業は本当に素晴らしいだに。
吾輩は名無しである [] 2011/02/27(日) 07:33:07.21
 
吾輩は名無しである [] 2011/03/03(木) 22:08:32.39
素晴らしいかねえ?
吾輩は名無しである [] 2011/03/04(金) 01:44:29.72
響きと怒りは最初読んだときさっぱり意味が分からなくてすぐ放り出したが
2度目に読んだ時にあり得ないぐらい衝撃受けた
吾輩は名無しである [] 2011/03/04(金) 10:58:55.27
さっぱり意味が分からなくてとは、どのように分からなかったのですか?
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/04(金) 14:10:52.48
白痴の意識の流れなんて誰にわかるの?
田中淳 ◆0vI3oxFMgY [sage] 2011/03/04(金) 15:40:20.84

篠田訳は素晴らしいと想いますよ。
なにぶん原書に当たったわけでも他の訳と較べたわけでもありませんが。
河出の全集に訳者が物故していて手直し不可能にも関わらず池澤氏が収録を決めたことも
その完成度の高さを証明していると想います。
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/04(金) 15:51:25.42
俺は大橋吉之輔訳で読んだけどな。
吾輩は名無しである [] 2011/03/08(火) 08:06:11.23
 最初ベンジーの独白部分がわけが分からなくてなんだこの駄作とか思ってたw
    
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/08(火) 22:14:51.12
おいw
といいつつもゴルフのキャディーと人名のキャディーをかけているのは気づかなかったw
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/09(水) 20:19:55.30
小説読むときは、書いてある文章を頭の中で読む訳だけど。
あれって、巧い落語とか、他人の身の上話と同じで
文章に耳すましてたら、その人物の身振りとか声や情景が自然に見えてくるんだよな。
小説の朗読テープとかが悪いのは、人物の演じ分けが出来てないことかもな。
巧い落語はとてもよく性格が演じ分けれてる。

フォークナーは、たどたどしいし、読むのに注意が、いるな。
吾輩は名無しである [] 2011/03/11(金) 00:17:56.59
響きと怒りの最後がわからん…
なぜ左に行っちゃいけなかったんだ?
吾輩は名無しである [] 2011/03/11(金) 01:28:32.10
ライ麦も響きと怒りも、お約束の上に始めるような語り口に 読書欲が削がれてしまう・・。
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/16(水) 06:18:09.43
今回ので野生の棕櫚を思い出したよ
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/16(水) 10:31:45.24
たどたどしいのは訳者のせい?
それとも原文も?
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/19(土) 13:33:41.97

まあ出た当時は斬新だったのだろうね
ちなみに、アブサロム=ギリシア悲劇=横溝正史って印象受ける
横溝はフォークナー読んでたんだろうか?
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/27(日) 11:16:03.38
原書読んで探偵小説のノウハウ蓄えた人だからな
「悪魔の手毬唄」は「楢山節考」がヒントになったつうてるし
剽窃のうまそうな人だからありうるかもね
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/27(日) 15:42:25.47
まあ単なる勘違いだわな
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/27(日) 20:08:43.14
フォークナーのオチである、行方不明の奴が実は家の奥深くに監禁軟秘匿
されてたってのは横溝ワールドでも多いなww
吾輩は名無しである [] 2011/03/27(日) 20:31:53.50
「アブサロム」も「エミリーへの薔薇」もそうだなw
吾輩は名無しである [sage] 2011/03/27(日) 22:35:47.44
行方不明の奴が奥の奥にいたってのはコンラッドの闇の奥と同じ構図だな
吾輩は名無しである [] 2011/04/09(土) 12:50:41.49
 
吾輩は名無しである [] 2011/04/09(土) 22:48:08.22
響きと怒りって映画化されてたんだ1959年に
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/11(月) 18:32:58.85
響と奏
166 [sage] 2011/04/14(木) 19:07:33.47
大江の「万延元年…」を読んで、横溝を感じたけど、
横溝からフォークナーへの繋がりには、気づかなかったな。
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/15(金) 12:17:19.86
フォークナーも探偵小説って評されるときあるな
横溝の岡山は、ヨクナ郡みたいなもんかもしれん
「犬神家」と「アブサロム」は似てる気がせんでもない。
流れ着いた男が名士にまで出世して事件が起こるとか
捨てられた嫡男が復讐を企てるとか
元凶のサトペン=佐兵衛もなんか音が似てるなw
忍法帖【Lv=3,xxxP】 [sage] 2011/04/20(水) 18:30:11.13
フォークナーって、読みにくい。
そのあたりって、どうなの?
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/22(金) 12:36:21.84
はっきり言って読みにくいね
なんか書いている物語自体はたいしたことないんだけどw
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/23(土) 10:54:23.29
読みにくくて難しい
短篇でも何言ってるのかわからないorz
忍法帖【Lv=5,xxxP】 [sage] 2011/04/23(土) 16:07:55.33
ただ、重いね、いろんな意味で。
それは、わかるな。
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/23(土) 18:03:05.56
アメリカはもっと明るくナクッチャー
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/25(月) 02:24:12.54
英語だと難しくてアメリカ人ですら難しいらしい
だからアメリカより、フランスで評価されたらしい
忍法帖【Lv=6,xxxP】 [sage] 2011/04/25(月) 13:51:39.79
そうなんだ!
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/26(火) 20:49:21.86
じゃ日本で評価されないのはなんででございましょうか
忍法帖【Lv=7,xxxP】 [sage] 2011/04/27(水) 11:59:35.93
評価されているでしょ?
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/27(水) 13:03:24.54
人気はないじゃん
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/27(水) 23:29:00.93
アメリカで評価されてないからだろ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/28(木) 18:46:37.73
俺に言わせれば、フォークナーさえ認められない国アメリカは独善病
それも重症だね
アメリカはフォークナーよりもっともっと暗い部分持ってるぞ
それを誰か文学にすべき
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/28(木) 19:52:47.77
羽虫が何か言ってもな
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/29(金) 00:27:56.62
何が悔しかったんだ?w
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/29(金) 01:23:11.83
読売新聞の夕刊で八月の光についての連載コラムが始まったそうだが
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/29(金) 04:41:31.18
アメリカのアカデミズムでは「フォークナー学」と言われる程フォークナーの研究は
盛んだ。
ヘミングウェイなんか忘れ去られてる。
ただ大衆に読まれてるかというとそうでもないんじゃないかな。
吾輩は名無しである [sage] 2011/04/29(金) 11:10:16.52
でもたまにアメリカもどろどろした人間ドラマとか流行るときあるね
あ、フォークナーだってつい思っちゃう
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/01(日) 23:55:32.46
a rose for Emilyの和訳本とかサイトってありますか?
原典のままで読んでも分かんない所が多いもので・・・
吾輩は名無しである [] 2011/05/02(月) 06:23:39.38
 
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/02(月) 22:45:45.96
「フォークナー短編集」に収録されている、
『エミリーにバラを』ではダメ?
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/03(火) 00:42:01.47
後ろのほうに注釈みたいなのはあるそうですので、どんなもんか見てみますけど、どうせなら全訳
・・・ってやっぱないのかなぁ
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/05(木) 00:06:59.27

アメリカじゃ大作家ですが?
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/05(木) 06:58:05.69

『集英社版世界文学全集78』にもあるよ。ブックオフでたまに105円で売ってる。
全訳って洋書版の「後ろのほうに注釈みたいなの」があって、それの全訳ってこと?
それとも短編じゃない『A ROSE FOR EMILY』があるのかな?
吾輩は名無しである [] 2011/05/10(火) 04:20:57.63
新潮文庫のフォークナー短編集に収録されてる作品のなかでヨクナパトーファ・サーガに関係してるものを教えて
吾輩は名無しである [] 2011/05/14(土) 23:16:03.82
前に新潮文庫のポーの新訳買ったら、『フォークナー短編集』も新訳の予告が帯に載ってたんだけど、何時まで経っても出ないのを見ると立ち消えになったのか?
忍法帖【Lv=12,xxxPT】 [sage] 2011/05/16(月) 11:16:56.65
時間がかかるんだよ
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/22(日) 20:53:11.24
フォークナーだからな
訳者がノイローゼになったんじゃね
吾輩は名無しである [] 2011/05/23(月) 22:53:44.34
フォークナーは退屈すぎるという意見は、多いか少なのかは知らんけど
アメリカ南部の話をぐだぐだと聞かされても得るものがない気がする。
吾輩は名無しである [] 2011/05/25(水) 20:42:58.28
アブサロムアブサロムは死ぬほどつまんなくて放り投げた。
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/25(水) 21:00:11.02
えっ。
吾輩は名無しである [] 2011/05/25(水) 22:07:53.84
アブサロム!×2が面白かったって人いるのかな?
サトペンのことなんてどうでもいいじゃん、としか思わなかった。
俺の読み方が悪かったんだろうか…。
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/26(木) 09:06:30.01
面白くて仕方なかった人>僕です。
忍法帖【Lv=15,xxxPT】 [sage] 2011/05/26(木) 11:29:13.46
フォークナーは重いよ
吾輩は名無しである [] 2011/05/26(木) 18:34:00.48
199さん、頭の悪い俺にぜひ面白かったツボとかポイントを教えてくれ〜
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/26(木) 20:19:00.56
アブサロムは自分も挫折したわ
吾輩は名無しである [] 2011/05/27(金) 00:11:48.74
アブサロムアブサロムを読んだ後、
世界が引っ繰り返ってしまって、
1〜2週間ぐらい、
この日本の現実世界に戻ってこれなかった。
危ない小説だよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/27(金) 07:12:45.96
危ないのはお前だよ
吾輩は名無しである [] 2011/05/29(日) 12:06:04.59
そんなこというなよ。
もしかしたらアブサロムの面白さのツボがどっかにあるかもしれないじゃん。

他の大作家(プルースト、カフカ、ジョイスなど)は面白く読めたんだけど
どうもフォークナーの面白さのツボがわからんのよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/29(日) 12:31:31.00
向いてないね。
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/30(月) 10:01:20.70
物語は結構面白い、あるいは普通なのに、書き方が分かりにくい。
フォークナーにおける書き方と物語との内的有機関連ってあるのかね?
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/30(月) 10:13:31.92
向いてないね。
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/30(月) 12:27:49.37
いや、向いてないなんて分かってるだろw
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/30(月) 13:04:42.26
向いてないで済ませちゃうとは安直だろう
スルメだろう、フォークナーって
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/30(月) 14:15:32.99
そんなに干からびてるかね
吾輩は名無しである [] 2011/05/31(火) 02:04:44.78
三つ又フォークじゃありません。
ミニデーモンみたいな。
吾輩は名無しである [] 2011/05/31(火) 11:33:31.14

そういうこと、あるよね。
残念ながら、フォークナーではまだ体験してないけど。
そういうとき、何が凄いのか、どしても人に説明できない。
それができるのが、偉い「批評家」なのかな。
吾輩は名無しである [sage] 2011/05/31(火) 13:21:21.57
君のようなバカは書き込まなくていいよ
忍法帖【Lv=2,xxxPT】 [sage] 2011/05/31(火) 15:59:26.75
あ?
忍法帖【Lv=2,xxxPT】 [sage] 2011/05/31(火) 18:17:03.98
い?
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/01(水) 00:58:21.89
とっつきにくい作家だよなあ。再読したら印象変わるんだろうか。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/01(水) 20:09:38.93
読書は再読の中にしかありません
フォークナーのような文豪ともなればなおさらです
あなたが死んでもフォークナーは滅びません
百回でも読んだらいいんじゃないでしょうか
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/01(水) 21:01:37.92
>読書は再読の中にしかありません

誰がそんなこと決めたんだ。このインキン野郎
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 13:06:30.30
再読は基本だろうに。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 13:26:11.08
何回読もうが本人の自由だ
この教条主義者め
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 13:30:17.70
回文できた
再読はくどいさ
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 13:33:31.82
てか、良書の醍醐味は再読にあることぐらいフォークナー読むぐらいの
奴なら誰だって知ってるだろうに。なのに、

>読書は再読の中にしかありません

なんて気取った上から目線で言うからからかってやりたくなるんじゃないか?
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 14:31:16.07
上から目線w
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 15:16:22.72
dropping vision
忍法帖【Lv=2,xxxP】 [sage] 2011/06/02(木) 15:53:07.10
まあ、具体論でいこうや
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 19:36:06.90
>読書は再読の中にしかありません

うまい事言うねぇ。

むいてない奴にはむいてないし、ひっかからないなら再読の必要なしだろ。
無理してまでその良さを理解する必要はありませんよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 20:01:13.96
うまいこと言うも何も俺の持ってる「格言の花束」って本でも、
アーノルド・ベネット、D.H.ロレンスが同じようなこと言っている。
ばかばかしい。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 20:56:37.93
そういうことを言っているのではないんだがね・・・。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 23:23:08.44
いや、だから誰もが知っていることを、先生口調の敬語で2chで
いうやつはウザイってことだろ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/02(木) 23:59:26.52
何を解釈してるのか知らんが落ち着けよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/03(金) 01:34:51.88
なんか話がかみあってないなここ
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/03(金) 08:09:15.73
自分が一番賢いと思ってる集まりですから
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/03(金) 19:13:37.98
まぁ、落ち着けよ
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/07(火) 08:57:25.46
フォークナーをとても面白く読んだんですが
他にアメリカの田舎のドロドロを書いた作家でお勧めはありませんか?
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/07(火) 12:55:17.51
何読んだかと感想を10行以上書いたら教えてやるよ
忍法帖【Lv=8,xxxP】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/07(火) 15:22:39.05
めっ。意地悪しないの。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/07(火) 18:26:30.72

フラナリー・オコナー

あーあ……フォークナーの研究本が
安く手に入りそうだったのに
タイミングを逃した
しょぼぼぼーん……(-ェ-)
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/07(火) 19:29:36.67
じゃあマッカラーズも
エンタメだけどジョン・ソールとか
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/07(火) 21:53:19.16
ユードラ・ウェルティもお忘れなく
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/09(木) 04:47:12.36
いまアブサロム・アブサロム!頑張って読んでます
でもくじけそうです
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/09(木) 10:39:09.67

はぁ…レベル低いなぁ(ポツリ
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/09(木) 12:07:38.43
プ
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/10(金) 20:41:00.86

健全な反応だ
学ばせてもらった
吾輩は名無しである [] 2011/06/11(土) 08:22:41.19
 
印象操作師 [] 2011/06/11(土) 10:10:38.71
素晴らしい読みだ
吾輩は名無しである [age] 2011/06/18(土) 06:41:44.27
【再開】
忍法帖【Lv=19,xxxPT】 v(・x・)v鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/18(土) 07:25:11.06
短編集で一番好きな作品を挙げて下さい
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/18(土) 11:12:11.67

同感だ
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/18(土) 17:23:15.09
ここはなんで自演ばっかりなん?
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/18(土) 18:22:07.79
ほんとレベル低いよなぁ
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/19(日) 19:33:13.71
もうダメだな、ここ…
忍法帖【Lv=21,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/19(日) 20:45:41.25
そんなこと言うなよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/20(月) 06:53:00.94
ほんと鈴木が涌くとろくな事にならんな
忍法帖【Lv=21,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 08:14:27.96
死神…
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/20(月) 09:42:26.16
そういうことなんで君にはそろそろお引き取り願いたい
忍法帖【Lv=21,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 09:52:02.69
はみご?
吾輩は名無しである [] 2011/06/20(月) 14:45:18.46
クエンティン兄さんに倣い、自殺するなら川に身投げかな…
吾輩は名無しである [sage] 2011/06/20(月) 15:22:53.16

お引き取り願いたい
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 15:34:22.81

よく出来てるなあ
吾輩は名無しである [] 2011/06/20(月) 15:56:40.03
ホークナーか。
いびきとひかり、っていうの昔読んだ。
何書いてあるのかさっぱりわからなかった。
少しは利巧になってるかもだから、また読んでみようかな。
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 16:01:51.62
フォークナー読書会しようよ!
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 16:37:09.76
この前、先輩と大学時代の恩師の研究室に無断で侵入して和んでたらフォークナーの全集があったなあ。法律の先生なのにw
吾輩は名無しである [] 2011/06/20(月) 16:42:26.31

いいですねえ。
あなたテキスト選べますか?
まず、テキスト作品をきめましょう!
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 17:13:05.19
「赤い葉」とかどうですか?
吾輩は名無しである [] 2011/06/20(月) 17:16:08.86
いいけど簡単に入手できるのかな?
調べてきます。
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 17:20:53.35
岩波文庫の短篇集に載ってますよー
忍法帖【Lv=22,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/06/20(月) 17:21:51.51
ちなみに、俺も読んだ事ありませんw
吾輩は名無しである [] 2011/06/21(火) 23:42:24.82
スレのレベル低すぎ
忍法帖【Lv=7,xxxP】 [sage] 2011/06/22(水) 16:15:31.40
鈴木がいるからな
三浦 ◆aKZjWmIOl2 [sage] 2011/06/29(水) 12:14:56.29
フォークナー読書会しないのですか?

今日『響きと怒り』を読みましたが、文章も時系列もごちゃごちゃしてて、飲み込むのが難しかったです。

なぜフォークナーはこんな読みづらい構成に仕上げたのでしょう?

誰か知っている人いませんか?
吾輩は名無しである [] 2011/07/04(月) 13:42:59.29
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110704-00000004-eiga-movi
ウィリアム・フォークナーの問題作「サンクチュアリ」映画化へ
忍法帖【Lv=35,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/07/04(月) 14:00:18.65
サンクチュアリってそんな話だったのか。読んでみたいなあ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/07/05(火) 07:24:26.18
八月の光が最高傑作
吾輩は名無しである [] 2011/07/19(火) 03:34:10.07
響きと怒り 人間とはその人の不幸の総和なのだ
この一文でフォークナーの哲学が分かるだろ?
吾輩は名無しである [sage] 2011/07/24(日) 20:43:50.47
アブサロム、アブサロムと八月の光とサンクチュアリと征服されざる人々がうちにあるんだけど、どれから読んだらいい?
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ('A`)鈴木雄介 ◆m0yPyqc5MQ [sage] 2011/07/24(日) 21:47:51.26
俺ならサンクチュアリを読みますね。
吾輩は名無しである [] 2011/07/26(火) 16:07:01.73
征服されざる人々って全集持ってるの?
276 [sage] 2011/07/26(火) 20:13:35.45

全集?
なんか中央公論社の世界の文学っていう古い本に入ってるみたい……
吾輩は名無しである [sage] 2011/08/04(木) 23:20:56.63
何回過ぎて無理だった
吾輩は名無しである [sage] 2011/08/08(月) 21:45:16.72
フォークナーの世界は広いからな
手に入るだけの本は全て集めて二回ずつ読めば全然難解じゃなくなる
吾輩は名無しである [sage] 2011/08/09(火) 07:22:46.98

馬鹿は黙ってろ
吾輩は名無しである [] 2011/08/19(金) 06:55:45.37
 
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/08/20(土) 21:32:30.92
じゃあ「赤い葉」の読書会します?
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/08/31(水) 23:19:29.03
するなら参加するよw
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/01(木) 13:20:39.50
じゃあ四人集まったら始めましょうか。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/02(金) 09:50:35.63
10月 岩波文庫
『アブサロム、アブサロム!』 フォークナー  藤平育子
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/02(金) 11:32:23.64
河出の全集の持ってるからいらないな。
篠田一士訳に満足してる。
キャディ [] 2011/09/02(金) 20:36:49.20
最近、フォークナーを読み始めました。
読書会、参加希望します。
最初はRed Leavesですか?
吾輩は名無しである [] 2011/09/02(金) 20:52:06.27

でも、響きと怒りの場面転換表みたいなのが付く親切仕様だったら?
フォークナー事典についてるようなクロノロジー的なやつ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/02(金) 21:48:30.12
それ以外にわざわざ新訳を出す理由があるのかね
吾輩は名無しである [] 2011/09/02(金) 21:59:02.72
藤平育子て篠田一士の弟子筋じゃない?
都立の英文でしょ

少なくとも接点無いわけないわな
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/03(土) 06:59:24.06

そんな表なくても『アブサロム、アブサロム!』は解る。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/03(土) 12:41:44.58

やりましょう!あと一人!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/04(日) 05:48:39.16

やっとフォークナー短編集出てきた!

ガルシア=マルケス、それに阿部和重「シンセミア」、莫言「白檀の刑」などの
長編に魅了され、その源流のひとつと言われるフォークナーもと、1、2年前にひと
わたり読んでみた。

「響きと怒り」の白痴や自殺にかりたてられる青年の独白はおぉーっと思ったが、
「アブサロム、アブサロム」など、まだ(多分まだ)その凄さがわからない。
サトペンって、日本語の語感だとすごく滑稽だよなとかそんな感想が先に立つ。
「寓話」を入手し、読みかけたところでフォークナー遍歴はストップしている。

実は、「赤い葉」は一応目を通したはずなのにどんな話か全く思い出せない。
鈴木にはプルーストスレに遊びに来てもらった一宿一飯の恩もあるので、
フォークナーのよき読者とは言えないけど(ファンじゃないということ)、
読書会に参加させてもらいます。
もし、HNが必要ということであれば、このスレ限定でアセンションにつけてもらった
G(ゴキブリ、ゲルマント、ガリア等の略)で。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 09:04:03.25

いえいえとんでもありません。では始めましょうか。「赤い葉」読書会。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/04(日) 09:37:03.46
「赤い葉」読み始めた。だんだん思い出した。読みかけだが、とっかかりとして
導入部のあたりだけ、ちょっと紹介みてみます。

インディアン社会では首長が死ぬと、身の回りの世話をする奴隷が殉葬される風習があった。
インディアンは、白人たちに倣って、黒人奴隷を買ってみるが、やらせることも実はない。
本来、農耕などに汗を流さなくても生活できていたのだが、折角買った奴隷に何もさせな
いわけにもいかず、また奴隷たちにも食べさせなければならい。
いっそのこと食ってしまおうと思うが、黒人の肉は鹿の肉みたいでまずそうだし、肉ばかり
食っていたらからだに悪い。
仕方なく自分たちと違って汗を流すのが好きそうな黒人たちに開墾をさせ、そこにとうもろこし
を植え、それを黒人たちの飼料とし、居住区で繁殖させた黒人を売るようになり、白人の
貨幣社会に染まっていく。首長は得た金でパリに1年間遊び、赤い踵のついた靴等奢侈な品物を
みやげに持ち帰る。
(その靴をずっと気にいっていたらしい次期首長たる息子は、どうもダウン症っぽいな。25歳時で
中肉中背の父より6インチすなわち15センチほども背が低く、逆に体重は100ポンドすなわち45キロ
も重い。父親の首長は息子が30歳のときに死に、それが作品の現在)

小説はインディアン2人の会話ではじまる。いきなり以前人を食った話などが出てくる。
ユーモラスな会話である。
首長の身の周りの世話役だった黒人奴隷は、殉葬などない文化圏から連れて来られたので、
当然殺されるのなど嫌で首長の死とともに逃げだしているのだ。
インディアン2人は、主人と一緒に地下に入るより、汗を流して働く方がいいなんて、なんと野蛮
で、名誉と礼儀をもたぬ連中なんだ、などと言い合っている。
前の代の首長のときも同じだった。首長がにおいはじめる前に捕まえなくちゃと算段している。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 10:07:12.59
読みづらすぎるwみたいなまとめはありがたいです。
キャディ [] 2011/09/04(日) 10:13:51.92
導入部、わたしすきです。
原文冒頭2行目、"Neat with whitewash, ... with a few homemadetoys mute in the dust."と長い文章で奴隷が住んでいる場所に視線を送った後、ポンっと"There was no sign of life."というセンテンスが来る。
語り手の視線の乾ききった感じ、遠さ加減が、劇(悲喜劇)の幕開けとしてすごくゾクッときます。
[sage] 2011/09/04(日) 10:18:52.40
念のために言っておくと(釈迦に説法になりかねないけど)、もちろん俺の要約や紹介の
仕方自体思わぬ間違いのある可能性はあります。
できるだけ解釈を入れないようにしたけど、取捨選択の時点、一言にまとめようとした
時点で解釈は生じてしまう。
あくまでとっかかりをつけ、作品ないし作品をめぐる話に入り易くする便法と考えくれれば

私が大学生の頃、こんなエピソードを聞いたことがあります。バルザックを卒論のテーマに
していた学生がいた。卒論提出の日、その学生は山のような原稿用紙を持ってきた。
確かリヤカーいっぱいとかそんな尾ひれがついていた。
しかし、それらには、すべてバルザックの全小説のあらすじが書かれているだけだった。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 10:25:38.10
「汗をかくのはよくない。じめじめするし、毛孔を開くことにもなるからな」w
[sage] 2011/09/04(日) 10:30:16.41

指摘されて 冒頭部分、2人のインディアンが、殉葬予定の奴隷がまだ逃げずにいるか、
奴隷居住区に確認に向かっている描写であることにようやく気づきました。

原文、確か、フォークナー買い込むとき、原書も参照用に買ったはず。
探してみます。
あるいは原文のみられるサイトあるのかな。
[sage] 2011/09/04(日) 10:35:39.78

そう、これから人1人の命を奪おうとしているのに、インディアンたちの会話が
のどかですっとぼけている
キャディ [] 2011/09/04(日) 10:46:25.60
鈴木さんのおっしゃる2章のやりとりもすてきですね。
とぼけているけどこわい。
poresがひらいたら夜が入っっちゃうってのがいいです。
キャディ [] 2011/09/04(日) 11:04:41.92
Gさん、ここ↓とかどうですか?
ttp://www.archive.org/details/collectedstories030393mbp
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/04(日) 11:13:54.04
ヤベッ、もう始まってる!
[sage] 2011/09/04(日) 11:22:07.99

検索したら、出てきました。ありがとうございます。
第一文は、
THE TWO INDIANS crossed the plantation toward the slave
quarters.
[sage] 2011/09/04(日) 11:23:17.40

今朝、探していた短編集が出て来たんで
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/04(日) 12:20:26.11

夜が毛穴から入ってくるって、つげ義春の「夜が掴む」(nightmareのごとく実体化した
夜が家に忍び入ってくる)みたいでいいなと思ったのだけど、残念ながら「夜気」ですね。
ttp://homepage1.nifty.com/turunz/sakka1/tuge/tugeT.html

"Yao. Let them. To sweat is bad. It is damp. It opens the pores."

"And then the night air enters."
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/04(日) 12:36:24.27

やはり蔵書家だなあ。

冒頭の2人のインディアンの会話の出だし、フックとしていいね。
1「何が見つかるかわしにはわかってるよ」
2「何が見つからんかもね」

しかし、この作品で俺が何を読めたのかがわかっても
何を読めなかったのかはきっとわからないよなあw
キャディ [] 2011/09/04(日) 13:01:38.65
そうですね、nightとnight airはちがいますよね。
Chickasawに夜にたいする備えめいた言い伝えがあるかのように誤読してました。
[sage] 2011/09/04(日) 13:07:09.30

前の首長の死のときと同じように、黒人奴隷が逃げ出すことはわからじめ
わかっているんですよね。
遠くまで逃げていて、見つけ出すのに苦労することも。
わかっているのに、首長が死にそうなときに、彼を監禁するわけでも、居住区を
見張るわけでもない。
インディアン独特の運命観、価値観、おおらかさなのかw

確かに俺も何を読めなかったのかはわからなさそうだ。
[sage] 2011/09/04(日) 13:56:10.05

解説によると、フォークナー作品にでてくるインディアンは例外なくチカソー種族なのですね。
wikiみると白人社会の仕組みをとりいれた文明化五部族のひとつだけど、有名人の欄からして
チェロキーのような白人との混血はあまり進んでいないみたいに見えますね。
白人社会の仕組みの代表が冒頭の一文に出てくるplantation制度とslaveの所有 

Man was not made to sweat.(人間は汗を流すように造られているわけじゃなえからな)
とThree Basketという60歳くらいのインディアンは言ってるけど、奴隷労働を利用した
プランテーション制度が確立する前はきっとこんなではなかったんだろうな。


キャディ [] 2011/09/04(日) 15:20:30.10
インディアンの会話がすごくいい感じです。
一方、地の文の語りって、どういう位置(時間)からのものなんでしょうか。
[sage] 2011/09/04(日) 15:44:31.17
>地の文の語りって、どういう位置(時間)からのものなんでしょうか。

ヨクナパトーファ・サーガ(Yoknapatawpha Saga)には属さないと思っていたので
あまり意識していなかった。
普通に全知全能の作者の位置から語っているのかなと思っていました。

サーガだと、各登場人物の内的独白(意識の流れ)からなる「響きと怒り」は
もちろん、「アブサロム、アブサロム!」も登場人物の誰かの語りといった形に
なっているので、その場合、当然、語り手が語っている時間、場所が前提にある。

この先、この点を意識しながら読んでみようかと思います。


アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/04(日) 15:47:49.19
最後にニグロがヒョウタンの中に反響させる「アー・アー・アー」の息。
言葉にならないもの、そして見つからなかったもの。
[sage] 2011/09/04(日) 15:52:43.05
インディアンの会話で頻繁に出てくるYaoという相づち。
ネイティヴの読者にはどのように感じ取られるのか気になる所ですね。
新潮文庫では「さよう」と訳して、結局、原文どおりの「ヤオ」というルビを
振っている。

実際に、当時のチカソーが当たり前のように使っていたんだろうか。
[sage] 2011/09/04(日) 15:57:26.83

もう最後まで読んでしまったのかあ。

ラストが、2人のインディアンの冒頭の会話にでてくる
What we will not findに呼応しているという趣旨ですね。

ちょっと書込み等に寄り道しすぎたかw
読んできます。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 16:46:17.19
俺も読み始めます


なんかマクベスみたいだよね
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 17:14:20.97
凄いねこれ…しかし読むの疲れるなーwここらへんでなぜ俺が「赤い葉」を読書会のネタに選んだのか説明しましょう。
予備知識はひとつもなかったけど、新潮文庫の解説を読んで、各社のフォークナー短編集に収録されてるものから適当に選んだのです。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 17:17:58.54
視点がめまぐるしく入れ替わるから何が何だかわからないw
そもそも黒人奴隷がインディアンの主の死とともに死なねばならないのはなぜですか?
そこに慣習という以外の意味はないの?
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 17:51:39.73
はは、一応一回読んだ。凄えなあ。大江健三郎の修飾文よりもリアリティーがある。もう一度読んでみますか。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 17:56:20.37
フォークナーについて調べてからにします。とりあえずクソWikipediaを読んでみます。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/04(日) 17:56:41.99
習慣は全てを押し潰す
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/04(日) 18:04:46.17
おっ鈴木は読んだのか〜 みんなも読んだのかな?
フォークナーは「エミリーに薔薇を」「あの夕陽」しか
これまで読んだことがなかったな。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/04(日) 18:16:05.15
長篇で読んだのは「アブサロム×2」「八月の光」。
「響きと怒り」「サンクチュアリ」は未読だな〜。
[sage] 2011/09/04(日) 18:16:37.32
一応読み終えてから、付箋に従い、気になったところは
原文に当たり、読み返してみました。
[sage] 2011/09/04(日) 18:26:37.85

そこにあがっている以外、「サートリス」「死の床に横たわりて」
も一応。
「寓話」はセエゴオ氏が千夜千冊で「サンクチュアリ」を取り上げ
た回に言及されているのを見て入手したものの、最初の方
だけちょっと読んでそのままになってます。
ttp://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0940.html
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 18:56:53.98
うわあーー!!一人で喋ってても仕方ないと思って頑張って全レスしたのに消してしまった泣
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 18:57:38.03
残ってるのはこれだけ…しょぼーん


なんだ!読み終わってるじゃねえか!!

言ってみたくなる響きではありますね。ヤオ!!ガチ!!
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 19:05:32.28
覚えているのだけ書き直します。たいしたこと言ってねえーw


そう!慣習に侵された人間の怖さみたいなものがありますよね。人肉食を悪だと思ってないんだもんw


俺、Gさんのやりとりで冒頭は「奴隷が逃げたかどうかわからない」という状況だとわかりました。最初から追い掛けてるのかと思ってた。


奴隷を「人間」だと思わないのでは?


新潮文庫の短編集でサーガに属する作品って何がありますか?
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/04(日) 19:14:17.02

読書家だなあー


>たいしたこと言ってねえーw
Yaow

ところで「赤い葉」って何だろうね?
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 19:25:31.25
そうだよ!赤い葉って何さ?
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 19:41:24.75
解説を読んでみた。

「なお、題名の「赤い葉」がなにを意味するか、アメリカでも、はっきりした解釈が出ていないようだが、
訳者自身にもよくわからないと告白するほかない。ただし、作品のなかで、インディアン(赤色インディアンであることも忘れてはなるまい)
を修飾することばとして、しばしば"赤"が使われていること、また首長のシンボルに使われる上靴が"赤い"靴であること、
また、緑の木の葉は凋落の段階において赤い色をおびること、を私は指摘しておきたい。
フォークナーの題名の選び方があまりすなおでないことは、「エミリーにバラを」などでも明らかであろう。」

だそうです。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 19:42:25.40
赤色インディアンって何だ??
吾輩は名無しである [] 2011/09/04(日) 19:47:25.69
プルーストスレのゴキブリGがここにも出たのかよ
殺虫剤が要るな
[sage] 2011/09/04(日) 19:51:49.56

>新潮文庫の短編集でサーガに属する作品って何がありますか?

後ろにある3編「孫むすめ」「バーベナの匂い」「納屋は燃える」がそうですね。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 19:52:59.50

じゃ次それにしましょう!Gさんが選んで下さい!!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/04(日) 19:55:04.53
お前こそ、ここにも来やがったかいw
しつこい糞バエには

 ∴∴∴∴ ∞ ブ-ン()
            ∴∴∴∴∴∴
       | ̄P∴∴∴∴∴∴∴∴
        /  \
      | ̄ ̄ ̄|
      |フマキラー|
      |  (,,゚Д゚)  < 死ねや。ゴラァ!
      | (ノ   |つ
      |      |
      |___|
       U"U

v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 19:56:10.57

去ね!!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/04(日) 20:11:09.59

解説みたら、「あの夕陽」もサーガにはいりますね。
私自身は特にどれを扱ってほしいという思い入れはないのですが、
キャディさんやアセンション氏にも特にこれはというのがなければ、
「赤い葉」と並ぶ傑作扱いされているし、これで行きましょうか。

での各社から出ている短編集の最大公約数を選ぶってのは
いいアイディアだと思います。


v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 20:22:57.26

ありがとうございます。じゃ次は「あの夕陽」にしますか。来週くらいからですね。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 20:23:29.45
あと一週間くらい「赤い葉」について語りましょう。
[sage] 2011/09/04(日) 20:43:07.19

了解。今、各章について、簡単な時系列表的なものを作っています。
キャディ [] 2011/09/04(日) 20:46:19.04
赤い葉はこれで終わりですか?
次の作品は皆さんが選んでくれたもので異存なしです。
赤い葉は楽しく読んだつもりですが、
水のイメジャリーがいまひとつわかりませんでした(特にラスト)。
地の文の語り手の位置については、
章を追うごとに描写の強度(すみませんあいまいな言葉で)が増していくように感じられ、
全能の語り手が位相を変えているのか、あるいはそれを支えているものが位相が語られている内容によって逆説的に変化していくのか、
そんな揺らぎあるものに感じられたのですが、、、
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/04(日) 20:47:20.54
インディアン=赤の連想と、紅葉としての「赤い葉」
というのはまず思い浮かぶよね。
そしてその「赤」に対する奴隷ニグロの「黒」。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 21:12:36.02

Gさんはまめだなあ。ありがとうございます!


イメジャトリー…?


インディアン=赤ってのは解説読むまで気付かなかったよ。確かに赤い羽根をつけてたりするよね。みたいな感じ。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 21:21:38.36
あ、あと思ったのは、差別的な表現がキレキレだと思いました。ビビりました。
今のアメリカで黒人の顔を「猿のデスマスク」なんて形容したら殺されるでしょ。
[sage] 2011/09/04(日) 21:25:45.97
各章の関係、時系列を作ってみました。
首長の死後何日目のことか自信がないところもあります。
2ちゃんだと適宜直せないので不便ですね。
よろしかったらコピペでもして自由に修正・アレンジしてくれればと思います。

アセンション氏がで指摘したah-ah-ahと
インディアンたちがあえて生贄に時間を与え、待つところ
を強調しておきました。
[sage] 2011/09/04(日) 21:27:25.98
1−3章 インディアン側(1章と3章は時間的に続いており、
2章で三代にわたる首長の歴史が語られる)

1章 首長死亡の翌日 昼
   農園(プランテーション)から奴隷居住区までの道行き。
   2人のインディアンの狂言廻し的会話。
   はじめのインディアンの名前Three Basketはすぐ紹介されるが、
   2番目の名前Louis Berryが紹介されるのはなんと第3章。

2章   Doom(宿命)――Issetibbeha――Moketubbe首長3代の歴史

     ドゥーム 妻(一夫多妻)が息子をみごもった頃、首長(the Man)となる。
     イセバティベハ19歳 ドゥーム死亡により首長となる。
      ただ、実権はなく、一族を支配する、従兄弟や叔父たちの階級組織みたいな
      ものがあり、黒人問題について秘密会議を開く(イセバティベハを含め、4人)。
      会議の結果、白人に倣い、奴隷労働力を使っての農園経営(plantation )、、
      奴隷居住区(the slave quarters)をつくり、繁殖させ、奴隷商人に売ることに。
     24歳 黒人40人を奴隷商人に売り、1年間のパリ等への外遊。
     25歳(モケタッベ3歳) 息子、父のパリみやげの上靴を履こうとするが履けない。
     38歳(16歳)     父の目の前では靴を履こうとするのをやめる。
     47歳(25歳)     父は息子に靴をやろうという。
     52際(30歳)     父死亡。

     最後は、1章と同じ時間に追いつき、3章につながる。   


3章   首長死亡の翌日 昼
     第1章と時間的に継続している。
     2人のインディアン屋敷に戻る。2番目のインディアンの名前の紹介。
     モケタッベ、赤い踵の上靴を履いている。若者、靴を脱がせる。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 21:28:11.82
目の端に肉が見えるとかね。黒人描写でいうと大江健三郎の飼育を思い出した。これも凄いけど。
[sage] 2011/09/04(日) 21:29:41.95
4章   そば仕えの黒人奴隷(the Negro)の側 首長臨終〜死亡4日後
     首長死亡当日 日没後、逃走
     3日後 腹がでた中年の2人の追手を見る
         夜、奴隷の頭領株と会う
     4日後 真昼間 起床直後、前日の追手を見かける。
         午後早く、木のてっぺんから、農園の中のイセバティベハの遺体を見る。
         午後半ば しまりのないからだのインディアンと出くわし、川を泳いで逃走。
         日没ちょっと前 アリを食べる
         日没ごろ    毒蛇に軽く噛まれる。

         
5章   インディアン側 首長死後3日後〜7日後
     3日後 モケタッベ、靴を脱がされ、ah-ah-ah(ラストと同じ擬声語)
         going in and out of his pale lips with a faint ah-ah-ah sound
         農園の食糧底をつく。
     4日後 前日帰った客人たちが1週間はもつだけの食糧をたずさえて戻ってくる。
         イセバティベハにおいはじめる。
     6日後 夕暮れ時 伝令たちによる、黒人が自分のからだを傷つけたとの報告
         インディアンたち、黒人のいる沼地を包囲する。
         「やつに時間を与えよう、明日は今日の別名に過ぎない。」
         "We will give him time," they said. "Tomorrow is just another name for today."
         "Yao. Let him have time."    
     7日後 暁 
         2人のインディアンが黒人を捕えるため、沼地にはいる。
         黒人、歌を歌う。
         歌い終わるまで「やっこさんに時間を与えよう」と辛抱強く待つ。
         "Let him have time," the Indians said, squatting, patient, waiting.
         黒人を捕まえる。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 21:30:27.91

ありがとうございます。再読の手引きになります。
[sage] 2011/09/04(日) 21:32:00.89
6章   黒人、インディアン双方
     7日後 朝
     
     捕まった黒人、「水がほしい」といい、井戸に連れて行かれる。
     ヒョウタンに井戸水を汲み、1杯目を飲み終わると、バスケットは「来い」と促す。
     黒人は「待って下さい」と2杯目を汲む。
     2杯目を飲み終わるのをインディアンたちの一族、客人、親族辛抱強く、まじめくさって、
     礼儀正しく、執念深く待つ。
     They waited, patient, grave, decorous, implacable; clansman and guest and kin.
     黒人、水がなくなってもまだヒョウタンを高くかかげ、飲んでいるふりをする。
     
     >からっぽのヒョウタンのなかで、彼の息がアー、アー、アーというのが聞えた。
      in the empty gourd they could hear his breath: ah-ah-ah.
     「来い」とバスケットは言って、黒人の手からヒョウタンをもぎ取り、それを井戸のなかにもどしてかけた。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 21:33:40.11
すげえな。もう読まなくてもいいかも知れないw
[sage] 2011/09/04(日) 21:37:10.36
見返したら、さっそく誤りが見つかった。


×イセバティベハ
○イセティベハ
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 21:41:03.00
やはり赤い葉というのはインディアンの事かな。インディアンの顔の形容で使われている「とび色」を調べたらこんなんだった。

ttp://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%B6%E8%89%B2
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 21:42:24.27
こんな顔色はねえだろうと思うが、赤みの強い色です。
[sage] 2011/09/04(日) 21:51:19.87
実際には赤でないけど、昔は北米のインディアンのことをredskinと呼んでいたのでした。
現在は蔑称ということで使われていませんが。
ttp://okwave.jp/qa/q4947777.html

日本人がイエローモンキーとかイエローキャブと言われているのと似たようなもの
と思えば
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/04(日) 22:22:28.93

なるほど!巧みに差別語を盛り込んでるから解説が少ないわけですか。かっこいいなー!
キャディ [] 2011/09/04(日) 22:44:34.49
Gさん、ありがとうございました。
理解の助けになります。
最後から2パラ目の"...and his black throat aped the vain motion of his frustrated swallowing."
翻訳では、黒人奴隷が飲むふりをした、という趣旨になっていましたか。。。
だとすると、本編の取り方がかなり違ってくるように思えるのですが。。。
[sage] 2011/09/04(日) 23:25:39.09

とりあえず、新潮文庫の該当箇所、そのまま引用しておきます。

>そしてなおも黒い喉は、飲みこみそこねたむなしい動きのまねをつづけていた。

飲み終わったら、首長と一緒に埋められてしまうから、その瞬間をのばしていたと取ったのですが
本人の意志とは無関係に喉だけが真似をしているようにも取れますね。
確かに、二グロがこの期に及んで生に執着しているようにとると、半ば、自分はすでに死者の領域
にいるのを自覚してきたことと矛盾するような気もして悩んでいました。

(死者の側にいることの自覚の例)
もう1人の自分に「お前は死んでいる」と言われ、「ヤオ、俺は死んでいる」と答えている。
You are dead." "Yao, I am dead," he said quietly.
奴隷の頭領株the headmanにも死者と生者は交われないと言われ、そこでも「ヤオ、知っています」と答えている。
"Eat, and go. The dead may not consort with the living; thou knowest that." "Yao. I know that."

ただ、このように自覚していながら、毒蛇に噛まれたあと、自らの生への執着に気づくシーンで第4章は
終わっており、最終章でも井戸に連れて行かれる途中で、二グロはバスケットにこの時の話をしている。
水をまだ飲んでいるふりをして、埋葬所に連れて行かれる瞬間を伸ばしたという解釈も成り立つように
も思うのです。
[sage] 2011/09/04(日) 23:34:29.46

読書の楽しみはこの先にあるんだと思う。
やはりフォークナーは凄い作家だと認識した。
知性と霊感、両方が一級品であるというか。

例えば、いよいよ限界と、二グロのいる沼地を包囲し翌朝捕まえることにしていた
夜中から暁にかけての描写。

>真夜中をすぎたころ、黒人はみんなの眼をさまさせた。彼は大声をあげて、なにか
ひとりごとをいいはじめ、その声が闇のなかから、だしぬけに鋭く聞えてきたが、やがて
また黙ってしまった。暁がやってきた。一羽の白鷺が黄水仙のような空をゆっくり羽ばたいて
いった。バスケットは眼をさました。「さあ、出かけよう。もう、きょうだから」と彼はいった。
Sometime after midnight the Negro waked them. He began to shout and talk to himself,
his voice coming sharp and sudden out of the darkness, then he fell silent. Dawn came;
a white crane flapped slowly across the jonquil sky. Basket was awake. "Let us go now,"
he said. "It is today."

最後のシーンは投げ出されたような感覚はあるのだけど
(最初読んだ時、え、これで終わりと感じた)
多分こう書くしか作家の中ではなかったのだという気がする。



キャディ [] 2011/09/04(日) 23:50:08.28
わたしの素人の考えです。
このRed Leavesは、The BearやA Justiceなどに出てくるSam Fathers(Had-Two-Fathers)に、
フォークナーが担わせようとしたものを表現しているように思うのです。
インディアンの堕落、黒人の"endurance"(すみません、言葉がわからなくて)を、waterを主語として(さいきほどわたしが確認していただいた文の主語は水で、
人間ではありません)、そして白人のdecayが、歴史認識として、語りのベースになっているように思えるのです。
どうもトンチンカンですみません。
[sage] 2011/09/04(日) 23:51:34.48

>そもそも黒人奴隷がインディアンの主の死とともに死なねばならないのはなぜですか?
そこに慣習という以外の意味はないの?

日本でも、外部の存在を賓客として長期にわたり歓待し、最後に供犠の生贄とする風習がありました。
(山形で即身仏にされる人や、人間でないがアイヌのイヨマンテの祭りの熊など)
この二グロも、他の黒人奴隷が炎天下でも、汗を流し農作業をする中、自分は日陰で首長に
仕え、それどころか、首長の食器を持ち、首長の皿から、首長の食べ物を分け与えられる
という特別扱いを長年受けて来た。また首長と一緒に狩りの遊びにも行った。

生贄に供されるが故の饗応であり、饗応・特別扱いを受けた時点で「お前はもう死んでいる」なのです。
いくら殉死のない文化圏から来ていても、ある文化圏の中で特別扱いを受けている時点でその見返りに
生贄として取り扱われても逆らえない。だから「死者」であることを自覚させられたとき、で引用した
とおり、彼は二グロ側でなく、インディアン側と同じヤオという言葉を自然に使ってしまっている。
生きている他の奴隷たちと違って、自分は生きながら「死者」であり、生者とは交われない。
したがって、他の黒人たちと一緒になって、奴隷として連れてこられる前の故郷アフリカの太鼓に
合わせて、輪の中に入って踊ることもすでに許されない存在なのです。


キャディ [] 2011/09/05(月) 00:03:43.77
あら、文章おかしかったですね。
いいたかったのは、
水、胸から落ちるmud、これがフォークナーの生命と血脈のイメージとなっているのではないか、
ということです。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 00:07:48.05

ちょうどよかった。
そのHad-Two-Fathersって名前、実はインディアンの名前として
1回だけ唐突に登場し、気になっていたのです。
もしかしたらフォークナーの他の作品も参照するとヒントが得られるかも
しれないと思って。
最後のシーンと同じah-ah-ahという擬声語のでてくる5章のシーン

The BearやA Justiceを読むとヒントが得られるのでしょうか。


>それから、スリー・バスケットかハッド・トゥー・ファーザーズがつぎのようにいった――
「あれを脱がしなさい。もう礼はつくした」彼らは靴を脱がせた。モケタッベの顔色は変わ
らなかったが、そのときはじめて彼の息遣いが聞えるようになり、かすかなアー、アー、
アーという音をともなって、青白い唇から出たりはいったりしていた。

Then Three Basket or Had-Two-Fathers would say:
"Take them off. Honor has been served/' They would
remove the shoes. Moketubbe's face would not alter,
but only then would his breathing become perceptible,
going in and out of his pale lips with a faint ah-ah-ah
sound, and they would squat again while the couriers
and the runners came up.

アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/05(月) 00:11:55.04
プロットのレジュメが作られてる! 参考になるなあ。
キャディ [] 2011/09/05(月) 00:20:01.91
フォークナーの作品は、全てつながっていますね(Sagaって、ほんとうはこういうことですね)。
もう遅いので寝ます。
みなさん、たいへんありがとうございました。
勉強になりました。
あと、The Sound and the FuryのNorton版を読んだ方がいらしたら、いろいろ教えていただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 00:22:09.25

>水、胸から落ちるmud、これがフォークナーの生命と血脈のイメージとなっているのではないか、

確かに、1杯目の水を飲むシーンと併せて、単に言葉の意味を超えて伝わってくるものがある
ように感じました。特におっしゃるとおり「水でゆるんだ泥」のイメージが。ただ、それにはもっと
フォークナーの他の作品も味わってみる必要があるなと感じました。
今度は、部分ではなく、文章ごと引用しておきますね。

>それから、水がなくなったが、それでもなお、からっぽのヒョウタンはだんだん高く
傾けられ、そしてなおも黒い喉は、飲みこみそこねたむなしい動きのまねを続けて
いた。水でゆるんだ泥の一片が彼の胸から落ちて、泥だらけの足もとで砕け、
からっぽのヒョウタンのなかで、彼の息がアー、アー、アーというのが聞えた。

Then the water ceased, though still the empty gourd tilted higher and higher,
and still his black throat aped the vain motion of his frustrated swallowing.
A piece of water-loosened mud carried away from his chest and broke at his
muddy feet, and in the empty gourd they could hear his breath: ah-ah-ah.

では、また明日以降に。
[sage] 2011/09/05(月) 00:23:13.09

叩き台があった方が活発なやりとりができると思って
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/05(月) 00:45:32.46

ありがとう! 
レジュメを元に、明日もう気になる箇所を再度読んでみたいな。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 06:01:13.27

確かに「猿のデスマスク」も強烈でしたね。
実に言い得て妙なんだけど。
[sage] 2011/09/05(月) 06:57:50.83

Had-Two-Fathersという名前だけ1回唐突に出て来て、しかも、たった一言のセリフすら、
散々登場するThree Basket とどちらがいったかわからないことにされている登場人物が
凄く気になっている。

インディアンの名前には2種の系統がある(細分すると3種か)。

首長の系譜は、IssetibbehaにしてもMoketubbeにしてもどう読むんだと発音を間違えてしまいそうな名前。
インディアンたちがもともと使っていた言葉(ハワイのカメカメハ大王みたいなもの)

ただ、一代目のDoomだけは「宿命」(死、破滅、有罪判決「最後の審判」といった通常悪いの運命)を意味する
不吉な英語が名前になっている。
そば仕えの二グロの宿命と重なり合う。

もうひとつは英語の名前。それも「3つの籠」(ただし籠が複数形になっていない。辞書には
basketは豊穣・母体の象徴とある)、「2人の父を持った」といったいかにも意味がありそうな名前。
Louis Berryは実際に英米人の名前でもありそうな響きで、英語としての単語の意味はさほど気にならないが。

引用した原文、上記の点と ah-ah-ah に気を取られて、最後の部分の日本語訳をつけ忘れていました。
>それから、彼ら(インディアンたちの一行)はまたうずくまって、伝令や追っ手のものがやってくる
まで待った。




[sage] 2011/09/05(月) 07:04:54.60
承前

折角なので、そのあと、不特定のインディアンたちの会話があり、二グロが何日で捕まるかで
賭けをしているような連中もいることを窺わせる箇所のある点も指摘しておきます。

"Yao. A good race. If he is taken tomorrow, I will win a horse."
"May you win it."
"Yao. This work is not pleasant."

「ヤオ。いいレースだ。やつがあしたつかまったら、わしは馬を一頭もらえるんだよ」
「どうか勝ちますように」
「ヤオ。この仕事は愉快じゃないね」

首長の埋葬にともなう生贄を捕まえるという本来インディアンたちにとって神聖な狩りなのに
随分不謹慎だし、二グロの命を奪うことは本当は気が進まないといった様子が見られる。
しかも、三代目の首長のいつ前で平気でそんな話をしている(水腫症で5フィート1インチ強、250ポンド、
153p135キロの奇形。しかもダウン症の白痴ということもあるが)

おそらくこの箇所も白人の影響によるインディアンの堕落を示していると見ていいのかな。
[sage] 2011/09/05(月) 07:13:58.47

>The Sound and the FuryのNorton版を読んだ方

残念ながら、期待には沿えないです。
岩波の懇切丁寧な翻訳でようやく読破したというレベルです。
こちらの方こそ、いろいろ教えてもらえればありがたいです。
[sage] 2011/09/05(月) 07:22:39.66
のモケタッベの体重は計算間違いで、下方修正。

1ポンドが453.6キログラムなので250ポンドで、113.4キログラム

いずれにしても150数pの身長でこの体重だから、普通ではない。
[sage] 2011/09/05(月) 07:42:59.68
名前といえば、二グロの方はそば仕え、頭領株含め誰も名前出てこないし、
一度も名前で呼ばれていないですね。
少年時にアフリカから奴隷船で90日かけて連れてこられる際、ねずみを
食べた回想が出てきますが、アフリカでは名前ついていたのかな。
あるいは、そば仕えをしていたときも一応名前らしきものはあったかもしれないけど、
作品ではあえて名前を出していないのか。

俺もいつものくせでたまに名無しになってしまっていますが、ご了承願います。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 12:28:34.10

なるほど…面白いです。皆さんの話は。やっぱりもう一度読んでみます。
吾輩は名無しである [] 2011/09/05(月) 14:52:08.27
鈴木はアレだな
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 16:25:36.89
変態?
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 19:13:08.39

大江健三郎は、10代の頃に「死者の奢り」「飼育」のはいった新潮文庫を読んだきり。
「万延元年のフットボール」くらいはと数年前に読もうとしたけどやっぱり受けつけなかった

大江もフォークナーの影響をうけた作家と言われてますね。
「飼育」を書いたとき、大江はすでにフォークナーのこの作品や黒人が出てくる作品
を読んでいたのかな。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 19:15:27.16

読んでそうな感じもしますよね。それでも大江のオリジナリティーが薄れるわけではないけど。
中上健次は「俺は日本のフォークナーになる」って言って紀州サーガを構築したんですよね。
[sage] 2011/09/05(月) 19:30:48.23
間違って名無しにしてしまったのは
でした。

>>365で「お前はもう死んでいる」と書いたけど、北斗の拳のケンシローの有名なセリフです。
「赤い葉」にでてくるモケタッベの体型と無気力な描写をみていると、この漫画にでてくる
ゲイラという悪役を思い出す。
(ある世代の人しか知らないかも)

あまりに太り過ぎていて歩けないので、台車に乗せてもらっていつも移動している。
阿片か何か麻薬を常に吸っており(人を催眠術にかける際の武器にもなっている)、
「あー、面倒くせえ、息をするのも面倒でいやだ」というのが口癖。
じゃあとケンシローに息ができなくなる秘孔をつかれ、あえなく最期を遂げる。

この画像がわかりやすいかな
ttp://ameblo.jp/ramone69/image-10782236727-11010518255.html
[sage] 2011/09/05(月) 19:35:37.54

中上もちょっと苦手な作家ですね。
紀州サーガはひととおり読んだけど、「千年の愉楽」は途中でダウンした。
(大江の「万延元年のフットボール」、村上龍「コインロッカーベイビーズ」も最後まで
読めなかったから、単にこの系統が苦手なだけかもしれないけど)
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 19:47:54.41
でもさあ、俺もはっきり言ってフォークナーは苦手だけど凄いなあと思った。中上健次に対しても同じ印象を持っている。それとGさんの感想とは違うの?
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 19:49:44.99
苦手じゃなくて素直に好きな作家となると難しい。多くの場合「薄い」って感じちゃうからね。長嶋有とか阿部和重は好きだな。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 19:50:42.04
でも阿部和重の作品のいくつかは「苦手」ではある。でも「アメリカの夜」で本気でやられてからは努力してでも読むようにしてる。
[sage] 2011/09/05(月) 20:12:17.59

フォークナーは今後好きになりそうな予感がしてきた。

阿部和重は「シンセミア」に圧倒された。「ピストルズ」も悪くなかったけど。
今後も神町サーガが出れば、すぐにでも買って読もうと思っている。
「アメリカの夜」はやはり僕より若い友人が絶賛していた。もう1回丁寧に読んでみようと思う。
ドンキホーテが出てきたっけ。

長嶋有は読んだことないので、そのうち読んでみたい。どれを最初に読むかって
かなり大事なので、参考までに凄いと思った作品を紹介してくれるとありがたいです。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:16:15.87

長嶋有で一番凄いと思ったのは「パラレル」ですが、他の作品を褒めてた友達は好きではないと言ってたので、
芥川賞受賞作から読むといいかも知れません。「猛スピードで母は」かな?「サイドカーに犬」かな?わからないけど。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:18:36.07
あと、第一回大江健三郎賞を獲った「夕子ちゃんの近道」が文庫化されてればそれでもいいかも知れません。
長嶋有の「パラレル」はけっこう異色作なので、好き嫌いが別れるのかな。でも僕は相当好きで何度も読んでる。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:21:31.88
異色というのは長嶋有の作品群の中で異色という意味で、中身は別に特別な内容ではありません。
子供ばかり描いてきた長嶋有が現代の大人を描けるんだという驚きもありましたが、いい作品です。

スレ違いだけど仕方ないよな。だって長嶋有スレないんだもん。平野啓一郎スレはあるのにおかしい!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 20:22:57.63

ありがとう。文庫の表題は「猛スピードで母は」ですね。
2ちゃんの長嶋スレをのぞくか、本屋で文庫何冊か立ち読みして
ぴんと来たのを入手してみます。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 20:24:13.49

書込み早っ! スレないのかあ
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:24:21.36
村上春樹のオルタナティブとして長嶋有はもっと売れるべきですよ。と俺は思います。村上春樹に絶対的に足りないものがあります。
[sage] 2011/09/05(月) 20:26:39.79

立てちゃえばいいじゃん。それとも読者の絶対数が少ないのかな。
あんまり少ないと文庫化もされないか
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 20:28:18.46

かなり熱く語っているなあ ちと、本屋行ってくるかw
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:29:28.81
いや、純文学の中では売れているほうだと思いますよ。作品数も多いし。立てたいですね。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:37:55.76
【落ち着きがない】長嶋有2【エロマンガ】
ttp://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1315222616/

立てましたのです…
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:41:21.51
誰か「乙」って書いて…(T_T)
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 20:49:44.98
ガックリだなあ。もう嫌がらせをされた。やはり僕はスレを立てたりしない方がいいって再認識しました。
名無しで立てればいいんだろうけど、僕は普段から名無しで書き込むコテは死ね(Gさんは別)と言っているのでそれも出来ません。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/05(月) 21:13:49.64
日本のサーガ作家、大江、中上、阿部の中で、
フォークナーとの共通点が多いのは中上かな?
周縁性と暴力と死。
キャディ [] 2011/09/05(月) 21:26:47.24
こんばんは。
もうテーマ日本の作家に変わっているのでしょうか。。。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 21:31:05.52
いやいや、あと一週間は「赤い葉」についてマターリ語り合うつもりですよ。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/05(月) 21:38:02.48
奴隷をつかまえたいんだけど本当はつかまえたくないという両義的な時間の緩さ。
キャディ [] 2011/09/05(月) 21:38:59.80
どうもわたしは理解が遅くて、
この短篇でもわからないことだらけなのですが、、、
みなさんすごくたくさん本を読んでる方たちばかりのようで気がひけます。。。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 21:42:28.23
えっ?そんな事を言ったら俺書き込めないよ!
キャディ [] 2011/09/05(月) 21:45:14.88
アセンションさんのご指摘、面白そうですね。
ただ、私には少し難しく感じます(ごめんなさい)。
もうちょっと噛み砕いてもらえますか。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/05(月) 21:51:35.51
たぶん本当はもっと早くつかまえられたんだろうけど
あえてそうしてない雰囲気なかった?
「明日は今日の別名にすぎない」みたいなセリフがあったり。
キャディ [] 2011/09/05(月) 21:57:42.31
両義的というのは捕まえたいけど捕まえたくない、
緩さというのはさっさと捕まえない、
ということですか?
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 22:15:03.97
捕まえられる事はわかってるって事かな?
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:23:10.34

おそらく、インディアンたちは、二グロが実は半ば宿命(doom)を受け入れており、
遅かれ早かれ完全に受け入れるであろうことがわかっている。
[sage] 2011/09/05(月) 22:31:38.41
本当に逃げるんなら、集落からどんどん距離的に離れて行かなければ
おかしいはずなんだよね。でもわざわざ戻って来て木の上から農園を
見下ろしていたりする。

この状況の場合、本気で生贄になりたくなければ、近くにたてこもり続けるって
選択肢はないように思う。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:32:18.53
もとより長いあらすじを書くのは至難の業だっただろうな
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:34:27.01
日本の作家で一番フォークナーに似ているのは横溝正史
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 22:36:21.97

なるほどそういう意味かあ…


確かにそうですよね。でもどこへ逃げればいいのかな?白人居住区に逃げれば助かるの?


Gさんパネエよね
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 22:37:05.05

そうなのかw読んだことないけど。
[sage] 2011/09/05(月) 22:37:10.35

バルザックの卒論の話?
俺もバルザック全集の量から(日本語版は本当は全部じゃないらしいけど)
リヤカーいっぱいはないだろうと思った。
一作品につきなんとおりものあらすじを書いたか、注釈でもついていたか
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 22:39:03.41
確かに、あらすじは基本ではあるよね。そこが把握出来てない人が批評とか出来ないよな。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:41:06.95

>確かにそうですよね。でもどこへ逃げればいいのかな?白人居住区に逃げれば助かるの?

そうなんだよな。
これ時代は黒人解放、南北戦争の前であることは間違いないんだけど、どのくらい前なんだろう。
やはり人里近くにたてこもり、野山の幸をとり、たまに里のものを盗んで生きのびるしかないか。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:42:14.17

リロードしないで201-300のレス読んでたから、300に対してレスった。スマソ。


だよう。横溝の岡山サーガと同じじゃ。有名な「犬神家の一族」は信州だが、
アブサロムそっくりだぞ。本当の長男が復讐に来るとか、なんとか。
土地に根付いた元凶のおっさんの名前はサヘエだしな。サトペンもじったんじゃねえかw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:46:59.27
大江の「万延元年」もアブサロムに似てると思ったが、あの封建制、
封建的思考のやりきれなさってのがないんだな。横溝のは確かに
推理小説だからそこら表面的なところはあるんだけど、それがある。
そこらが似てる。
[sage] 2011/09/05(月) 22:47:26.33
つい名無しで書き込んでしまう。もう1人名無しさんがはいると
誰が誰だかわからなくなるので気をつけます。
ここら辺ではが俺
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/05(月) 22:47:39.31

絶望的な話ですね。行くも地獄戻るも地獄という…


津山30人殺しw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:51:49.14

それと横溝と岩井のせいで岡山は封建的性風俗が濃い風土とか思われてるねw
実際はどうか知らんけど。中上は読んだことないなあ。
[sage] 2011/09/05(月) 22:52:42.94

フォークナーと横溝、なんだこのデジャビュ感はと思ったら、
この辺書いた方ですね。


名前: 吾輩は名無しである [sage] 投稿日: 2011/03/19(土) 13:33:41.97

まあ出た当時は斬新だったのだろうね
ちなみに、アブサロム=ギリシア悲劇=横溝正史って印象受ける
横溝はフォークナー読んでたんだろうか?

名前: 吾輩は名無しである [sage] 投稿日: 2011/03/27(日) 20:08:43.14
フォークナーのオチである、行方不明の奴が実は家の奥深くに監禁軟秘匿
されてたってのは横溝ワールドでも多いなww

名前: 吾輩は名無しである [sage] 投稿日: 2011/04/15(金) 12:17:19.86
フォークナーも探偵小説って評されるときあるな
横溝の岡山は、ヨクナ郡みたいなもんかもしれん
「犬神家」と「アブサロム」は似てる気がせんでもない。
流れ着いた男が名士にまで出世して事件が起こるとか
捨てられた嫡男が復讐を企てるとか
元凶のサトペン=佐兵衛もなんか音が似てるなw

キャディ [] 2011/09/05(月) 22:54:47.42
追う方も逃げる方も了解ずくってことのようにおもうのですが。。。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/05(月) 22:57:14.26

そうだが、そんなもん貼らんでよろしい。
イジワルかw
[sage] 2011/09/05(月) 23:05:35.46

そう、そして、なんらかの潮時があるみたい
キャディ [] 2011/09/05(月) 23:12:47.37
まず、確認してもいいのかな、とおもうのは、
逃げたいから逃げるとか、追いたくないけど追うとか、
そういうことではなくて、
このchase and huntは、
ritualであるということかと
[sage] 2011/09/05(月) 23:32:54.81

そう、おそらく、新たに首長となる者は、イニシエーションとして、
狩りの先頭にたって、二グロをhuntし、死せる父に捧げなければならない。
次期首長が座敷牢状態の不具の白痴であることから悲喜劇が生じる。

2章で父は息子にすでに赤い踵のある上靴をやったと言っているのに、
3章でベリーはこう言っています。

"There is even yet a price he must pay for the shoes. Yao. He has truly bought
them. "
「その靴にたいして、まだ代金も払わにゃならんしね。ヤオ。あの人はそれをほんと
うに買ったんだからね。」

新首長になり、真に靴の所有者となるには父のために生贄を捧げるという対価を
払わねばならないということではないかと思います。
[sage] 2011/09/05(月) 23:36:10.54

いや、前から興味深いと思っていたので

>行方不明の奴が実は家の奥深くに監禁軟秘匿されてた

「赤い葉」にでてくる白痴で奇形のモケタッベも、父イセティベハが
亡くなるまで座敷牢状態じゃなかったかと思うんですね。
しかし、彼を三代目の首長にするしかない。そして、首長になるイニシエーションとして
自ら、先代のそば付奴隷を狩り、先代に差し出す必要があるのでインディアンたちは
仕方なく、彼を担いかご(litter)に乗せて、汽船でできた屋敷から運び出す。
それまではある時期から屋敷から一歩も外にでなかったのではないかと。
[sage] 2011/09/05(月) 23:37:46.42
の続き

前に北斗の拳のゲイラが台車に乗っていたと書いたが、
よく思い出してみると、こちらも神輿のような担いかごだった。

litterは辞書によると、担架;(歴史)(屋根・カーテン付きの)担いかご《◆金持・権力者
などが乗った》とある。

high hidden in his leafed nook the Negro, the quarry, looked
quietly down upon his irrevocable doom with an expression
as profound as Moketubbe's own."Yao," he said quietly.
"He will go then. That man whose body has been dead for
fifteen years, he will go also.

>おたずね者の黒人は、木の葉におおわれた高い隠れ家から、モケタッベとおなじ
ような深刻な表情で、自分ののがれるすべもない宿命(doom)を静かに見下ろして
いた。「ヤオ、すると、あの人も行くんだ。15年間もその肉体が死んでいたあの人も、
また 出かけてゆくんだ。」

15年前に肉体が死んで現在に至るというのがどういう意味か気になっていたけど、
死んだものとして座敷牢に入れられていたような状態ととるとうまく解釈できるのでは。

2章で、15年前、16歳時のモケタッベは、父親の前で上靴を履こうとするのをやめたけど、
父のいないところではその試みをやめなかったとある。
そもそも父の前にほとんど姿を見せなくなっただけなのではないか。
キャディ [] 2011/09/05(月) 23:39:37.66
わたしがritualと申し上げたのは、
まず、この短篇のaction(インディアンが黒人奴隷を追って黒人奴隷は逃げるが最後にはつかまる)の、
理解という意味です。
[sage] 2011/09/05(月) 23:50:24.91

これが結末の決まった儀式であることは間違いないと思う。
アイヌのイヨマンテの熊狩りと同じような性質の。

ただ、三代目がすでに四代目を生み出す力のない
(血脈は途絶えることが約束されている)
しかも狩りをする能力もない存在であることから
この儀式は茶番の性質も持ってしまう。
にもかかわらず二グロは最後に死なねばならない。
茶番だというのに。
その宿命を受け入れながらも対決する姿は人間的で
崇高な悲劇となる。
最後にヒョウタンから水を飲むシーンにそれが集約
される。

ただ、解釈は数通りあってもおかしくないかなとも思う。
キャディ [] 2011/09/06(火) 00:08:24.85
この短篇の追ったり逃げたりのアクションが、
インディアン側だけの儀式として描かれていたり(もしそうだとしたら黒人奴隷はこのテキストの中で対決するでしょうが実際には対決しません)、
こういった習俗の描写でしかないとしたら、
IVの最終パラのthe depth and extent of his desireがくみとれないと思うのですが、
どうでしょうか。。。
[sage] 2011/09/06(火) 00:09:19.27
気になっているのはモケタッベのような不具の息子をもったイセティベハの思いだ
(不思議に作家にはそういう人多いですね)
(一夫多妻なのに、なぜ2代にわたり男子一人しか後継者がいないのかという点は
小説的設定と割り切る)

第3章で、モケタッベ25歳だが結婚してないことがわざわざ書かれている。
Moketubbe was twenty-five then, unmarried.
これは首長の血脈が3代で途絶えることを意味する。
イセティベハは血脈を絶やすことに罪悪感を持っていたのではないか。

赤い踵の上靴を息子に与える際の父イセティベハの思い、言葉
"I too like being alive, it seems.""A man cannot live forever."
(わが子が妻を娶り、子を持てば The king neve dies.になるのに)

わが子を眺めながらの以下の言葉はわかりにくい。誰か解きほぐしてくれれば。
"Yao. But Doom's uncle had no shoes with red heels." He looked at his son again, fat, inert.
"Beneath all that, a man might think of doing anything and it not be known until too late."
He sat in a splint chair hammocked with deer thongs. a He cannot even get them on;
he and I are both frustrated by the same gross meat which he wears. He cannot even get
them on. But is that my fault? "
「ヤオ。だがドゥームの叔父さんのほうは赤い踵の靴を持たなかったんだよ」。彼はふたたび、
ふとって、元気のない息子を見やった。「それにもかかわらず、人間はなんでもしてみようと
考えるが、手おくれになるまで、そいつがなんだかわからんこともあるんだ」彼は鹿革の紐で
ハンモック形にした籐椅子にすわっていた。「やっこさんは靴をはくこともできないんだ。やっこ
さんとわしは両方とも、やっこさんのからだを包んでる、でぶっちょの肉のために挫折したんだ。
やつにはそいつをはくこともできんのだ。しかし、それはわしの罪なのかな?」





吾輩は名無しである [] 2011/09/06(火) 00:23:52.70

小川国夫は。。。?
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/06(火) 00:26:26.90

黒人奴隷にとっても儀式ということでしょうか?そのこと自体は当然の前提とはしています。

ただ、この儀式自体はインディアンの習俗としての儀式であることは間違いない。
狩る側も狩られる側も儀式の場合、抽象的な存在です。
狩られる側は本来は同じインディアン(別の部族かもしれないけど)だったのだと
思うけど、ある儀式で必要とされる役割を演じることが可能であればだれでもよい。
だから黒人奴隷にも勤まる。

黒人奴隷にとっても儀式であることは間違いないことだけど、それを彼の「願い
の広さと深さ」と関連づけるとすると、おそらくこの儀式に特殊な意味づけをする
ことになるような気がします。

もっと敷衍してもらえるとありがたいのですが。


日本語のみで読んでいる方も参加しやすいよう、該当箇所をひいておきます。

Then he said it again "It's that I do not wish to die" in a quiet tone,
of slow and low amaze, as though it were something that,
until the words had said themselves, he found that he had not
known, or had not known the depth and extent of his desire.
>それから、ふたたび静かな口調で、「それもわしが死にたくないからだよ」
といった。それは、あたかもその言葉を言い終わるまでは、それが自分に
はわかっていなかったなにかででもあるように、あるいは自分の願いの
深さと広さがわかっていなかったもののように、ゆっくりとした、かすかな
驚きの口調であった。
[sage] 2011/09/06(火) 00:27:43.38
Gでした。自動的に名前がはいると便利なのだけど。
キャディ [] 2011/09/06(火) 00:31:03.52
なんか変なこと書き散らかしてしまってすみませんでした。
わたしはあまり物を知らないので、
このフォークナーのテキストのなかでだけしか考えが及ばなくて。。。
"'Ole, Grandfather,'the Negro said"を手がかりにしてみたいと思ったのです。
キャディ [] 2011/09/06(火) 00:38:05.78
リアルなチカソーのエスノグラフィーとフォークナーの記述とは別物です。
これはフォークナーの短篇です。
フォークナーの聖書の使い方は、
この短篇でも明白にあらわれているようにおもいます。
なぜ、わざわざ蛇に咬ませるのでしょう。。。
今晩は、そろそろ失礼します。
みなさん、ありがとうございました。
[sage] 2011/09/06(火) 00:42:31.61
'Ole, Grandfather,'the Negro saidで検索したら、おもしろそうな記事が出て来たので
貼っておきます(英語)。
ttp://findarticles.com/p/articles/mi_m2455/is_n1_v30/ai_14085637/
[sage] 2011/09/06(火) 00:45:45.56
途中で用意したのだけど、思いつきの域をあまりに出ないので出す場がなかった断片

でもひいたが、「今日の別名の明日」ではなく、まさに今日が来た瞬間の描写

Dawn came; a white crane flapped slowly across the jonquil sky.
Basket was awake. "Let us go now," he said. "It is today."
>暁がやってきた。一羽の白鷺が黄水仙のような空をゆっくり羽ばたいて
いった。バスケットは眼をさました。「さあ、出かけよう。もう、きょうだから」と彼はいった。

日本では、鳥には魂が飛び立つというイメージがある。ヤマトタケル伝説とか。特に白い鳥。
白鳥(しらとり)が飛び去ったあと、二グロはすでに魂の抜け殻だったというのはさすがに無理かw

アメリカやインディアンでも鳥に魂というイメージはあるのだろうか。
あるいはインディアンのトーテム。
(白い鳩はヨーロッパでは聖霊の象徴だが白鷺だとどうだろうな)

辞書にでていた黄水仙の花言葉 「愛情の復活を求む」 これもあまり関係なさそう


[sage] 2011/09/06(火) 01:13:20.73

キリスト教・聖書は無視できないかなと思っていたけど、やはり。
明日以降のために2か所ででる 'Ole, Grandfather.' 紹介しておきます。

第4章の最後、蛇に噛みつかれるシーン。
「しっかりしろ、じいさん」といい、いったん噛みついたあとぐったりしている
蛇の頭をつついて、二度、三度とわざと自分を噛ませる。
二グロは「それもわしが死にたくないからだよ」と二度繰り返す。

最終章で、水を飲ませてもらうため、井戸に連れて行かれる途中、火もたかれておらず、
戸口には誰の顔も見えず、子どもも外で遊んでいない黒人奴隷居住区を見下ろしながら、
二グロはバスケットに(多分)語りかける。

"It struck me here, raking me across this arm;
once, twice, three times. I said, 'Ole, Grandfather.'
「あいつはわたしのここんところに噛みついて、この腕をひっかきやがったよ。
一度、二度、三度もね。わたしは“しっかりしろ、じいさん”といったやりました」

バスケットは「さあ、来るんだ」としか言わない。
そのあとの二グロの動作はかなり特徴的な書き方がされる(文庫だと最後の頁右側)
The Negro was still going through the motion of walking, his knee action high, his
head high, as though he were on a treadmill. His eyeballs had a wild, restrained glare,
like those of a horse.
そして、ヒョウタンに井戸水を汲み飲むラストシーンへ。
[sage] 2011/09/06(火) 01:53:44.68
once, twice, three times
三度蛇に噛ませる。

ペテロが鶏が鳴くまでに三度イエスを否認するといった安易な連想しか浮かばん。

蛇。女の象徴。
この黒人はギニア出身の40歳の男で、14歳のとき、カメルーンから連れてこられ、
17歳から23年間、イセティベハのそば仕えをしてきた(4章冒頭)。

童貞なのかしらん。
やっぱり深夜のせいか、ろくな考えが浮かばん。

とりあえず寝ます。


[sage] 2011/09/06(火) 02:11:01.78
修正

×17歳から23年間
○      23年間

できるだけ元の文章に合わせとこう。
[sage] 2011/09/06(火) 08:33:35.07
2章のはじめの方で二代目首長がパリみやげに持ち帰った

ベッド(a gilt bed)、
燭台(a pair of girandoles )、
赤い踵の上靴( a pair of slippers with red heels)

は三種の神器みたいなものと捉えることができないかなあ。
首長の座を継承した証としての。

本来、このベッドで後継者作りに励まなきゃいけないw

燭台は、ルイ15世とその愛人ポンパドール夫人のいる部屋を照らしていた品。
2番目のインディアンの名ルイス・ベリーは、多分、このルイ王から取ったのだろう。

a year later Issetibbeha returned home with a gilt bed, a pair of girandoles
by whose light it was said that Pompadour arranged her hair while Louis
smirked at his mirrored face across her powdered shoulder, and a pair of
slippers with red heels.

girandole 壁掛け式の飾り燭台《通常後が鏡になっている》


吾輩は名無しである [sage] 2011/09/06(火) 08:47:25.77
おまいら暇そうでいいな
G [sage] 2011/09/06(火) 10:01:21.76
暇なんてとんでもねえ
仕事にも追われてる
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/06(火) 12:22:59.72

黒人を「礼儀を知らない奴だ」って言ってますもんね。

だめだ全レスしようとしたけど忙しいです。思ったのは、例の黒人は鼻がいいですよね。
G [sage] 2011/09/06(火) 13:12:54.63
「15年間もその肉体が死んでいた」の意味

でモケタッベは16歳で座敷牢にいれられたのではないかと言ったが、
もうひとつ考えられるのが去勢。
この時点で首長の系譜は三代で途絶えることが確定する
イセティベハと妻の誰かとの間に新たに男子が生まれない限りは。

「響きと怒り」の第1章の語り手である知的障害者の末弟は、性にめざめ、近所の女の子に
悪さをする危険が生じた途端に、あっさりと去勢されてしまっている。
おそらく、フォークナーの時代には当たり前のことだったのだろう。

「赤い葉」の舞台となった時代に優生学的な、あるいは知的障害者の性犯罪防止のための
去勢があったのかは調べてみる必要があるかもしれない。

あと、私、今晩、飲む約束があるのでリアルタイムの討議には参加できないと思います。
悪しからず。

v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/06(火) 17:43:31.98
ヤバい。深すぎて付いて行けない。みんなすげえなー。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/06(火) 19:01:18.11

そんな仕事知れてるな
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/06(火) 19:30:15.56
お前にGさんの何がわかるんだよ!?
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/06(火) 21:57:32.02
すごい濃密な書き込みが多いなあ。
さて、どこから手をつけたらいいだろうかw
あっ、「赤い踵の上靴」。ここにも赤があったね。
あとRed Leavesはred livesを連想させるかな。
吾輩は名無しである [] 2011/09/07(水) 01:01:25.97
参加したいが、数年前に買った筈の新潮文庫が見つからない……。
手元にあるThe Viking Pressの"The Portable FAULKNER"で参戦するか。
まだ"Red Leaves"についての議論が続くようなので、頑張って再読。

お土産に燃料を投下しておきます。
マルカム・カウリーが上記選集を編むにあたってフォークナーに送った
質問上とそれに対するフォークナーの返答から、"Red Leaves"に関する
部分の抜粋です。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/07(水) 01:04:20.72
「紅葉」
この短篇のなかの「スリー・バスケット」というのは、「正義」のハーマン・
バスケットと同じ人物でしょうか? 六十歳だということですから、同一人物
ではありうるわけです。一五八頁のハッド=トゥー=ファーザーズは、モケテ
ュッベの護衛役ではありえません。彼はこの頃には二十五歳になっていて、
すでに奴隷に売られているはずだからです。それで彼の名は消しました。

(カウリーよりフォークナーへ)
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/07(水) 01:09:45.36
 私は系図とか年表は一度も作ったことがありませんでした。たぶん、どちらも
勝手に変えてしまうことがわかっていたからでしょう――実際その通りになって
しまいました。
 イッセティッベハは、公有地下付証書を譲渡してしまった酋長で、まさにそ
のために、白人に土地が売却されることになったのです。彼は、追いかけられ
て殉死させられたあの奴隷の所有者でした。
 モケテュッベは彼の息子で、逃げる奴隷を駕籠に乗って追いかけた、あのき
つすぎる靴をはいた水腫症の男です。
 イッケモテュッベ、すなわちドゥームは、イッセティッベハの妹の息子で、
モケテュッベを脅かして退位させました。したがって、実際の年代からすれば、
「紅葉」のほうが「正義」よりも先に来るべきでしょう。

続く
吾輩は名無しである [] 2011/09/07(水) 01:26:21.00
 どうやら、あなたは、それぞれの物語に、時代順に特定の「年代」をつけよ
うとしていらっしゃるようですね。もし「正義」を最初にお入れになりたいなら、
「紅葉」の番になったときに、いっそ年代を抜かしておいてはどうでしょう?
 もちろん、これは、「紅葉」の年代をそうすることによって、一八四〇年代
以前のほぼ十年間を扱うことにするお気持ちがあるとしての話ですが。これ
らの土地譲渡(証書)はすべて、一八四〇年以前に記録されていたものですし、
その頃にはもう、この地方は、まだ少数のチカソー・インディアンが白人社会
のなかで保有地を持っていはしたものの、「白人の」土地になってしまってい
たのです。(私のうちの譲渡証書は一八三三年になっています)

続く
sage [] 2011/09/07(水) 01:32:50.11
 ハッド=トゥー=ファーザーズは、ドゥームと「正義」に出てくる奴隷女との
息子でした。サム・ファーザーズは、実際にはハッド=トゥー=ファーザーズ
の息子で、したがって王の孫ということになります。(中略)
 スリー・バスケットは、イッセティッベハの部下(戦士)の一人で、たぶん一
段身分が低い頭だったのでしょう。その頃には、この地方は白人に侵略されか
けていました。ハーマン・バスケットはスリー・バスケットの息子で、半分白人
の名前をもった血気盛んな若者、のちにドゥームとなる若いイッケモテュッベ
の野心的な仲間でした。
吾輩は名無しである [] 2011/09/07(水) 01:36:16.31
 サトペンの得た土地譲渡証書は、イッセティッベハが土地を譲渡したことに
もとづくものでしょう。というのは、イッセティッベハは、酋長として土地を
すっかり譲渡してしまった、つまり、下付証書を引き渡す約定を結んでしまっ
たからです。もっとも、白人の買い手が政府からもらった土地譲渡証書は、数
年後の日付になっているかもしれません。イッケモテュッベ(ドゥーム)は、
イッセティッベハの相続人として、以前おじの下付証書に従って、土地を売り払ったことでしょう。

(フォークナーよりカウリーへ)

以上、『フォークナーと私 書簡と追憶・1944〜1962』(冨山房)88〜100頁より。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/07(水) 01:40:26.51
うあ、sage失敗してた。ごめん。
一応、上記参考までに。
[sage] 2011/09/07(水) 03:15:55.73

すごく、ありがとうございます。多謝。

>イッセティッベハは、公有地下付証書を譲渡してしまった

  に引用した彼の罪悪感の原因でもあるのかな
   But is that my fault?

>イッケモテュッベ、すなわちドゥームは、イッセティッベハの妹の息子で、
モケテュッベを脅かして退位させました。

初代ドゥームも母系の息子に過ぎなかったのに(merely a subchief, a Mingo, one of
three children on the mother's side of the family)酋長を僭称し、地位を確立し、
二代目はそれを発展させ、王(=酋長)の権威の象徴たる三種の神器をフランス
から持ち帰り、権威の衣をまとった。ところが三代目は無能で後継者なし。
結局、歴史は円環的に繰り返され、母系の者がその地位を奪取し、初代の名を
名乗るといったところでしょうか。
(丁度、この点については詳細な書込みを準備していたところです。しかし、歴史
は繰り返すという点までは「赤い葉」から読み取れなかった。ありがとうございます)

>サトペンの得た土地譲渡証書は、イッセティッベハが土地を譲渡したことに
もとづくものでしょう。というのは、イッセティッベハは、酋長として土地を
すっかり譲渡してしまった、つまり、下付証書を引き渡す約定を結んでしまっ
たからです。……イッケモテュッベ(ドゥーム)は、 イッセティッベハの相続人として、
以前おじの下付証書に従って、土地を売り払ったことでしょう。

「赤い葉」も実はサーガに属していたんですね。

[sage] 2011/09/07(水) 03:40:59.76
上で母系の息子という書き方をしたのは新潮文庫の訳が次のようになっていたからです。
首長(酋長)三代の歴史について書かれた2章の冒頭近くです。

Doom had been born merely a subchief, a Mingo, one of
three children on the mother's side of the family.
ドゥームは一族の母方の3人の子供の1人として生まれた
ミンゴウ(訳注 チカソー族の族長)で、当時はa subchief
(副首長)にすぎなかった。

しかし、子供だったら、母方も父方もないように思います。
首長の姉妹の子供、すなわち、女系の子供というのならわかるのですが。
日本の天皇の皇位継承順位とパラレルに考えられるし。
その場合、女系の子供が地位を継承するのは、本来の継承順位を犯した
地位の簒奪です。
「赤い葉」でも上記引用箇所のすぐ後に、男系相続であることが明示されています。
だから、初代ドゥームも、その名を再び名乗るイッケモテュッベも地位簒奪者なのです。
(皇位継承順位などとえらそうに言っているけど、もともと首長にしても王にしても、起原を
辿れば、初代ドゥーム同様、ならず者・ギャングの親玉が暴力の行使の結果、成りあがった
にすぎず簒奪したからといって逆賊呼ばわりされる筋合いはないのですが。強盗が強盗から
盗品をさらに強奪したに過ぎない。いずれ書きます)

the Man, the hereditary owner of that land which belonged to the male side of
the family
首長(=酋長)というのは、一族の父方に所属する土地の相続者なのであった。

だから、the mother's side of the familyというのはthe female side of the familyと
本来すべきだったように見えるのですが、どなたか英語に詳しい方、教えていただ
ければありがたいです。
[sage] 2011/09/07(水) 04:10:15.77

>ハッド=トゥー=ファーザーズは、ドゥームと「正義」に出てくる奴隷女との
息子でした。サム・ファーザーズは、実際にはハッド=トゥー=ファーザーズ
の息子で、したがって王の孫ということになります。

キャディさんの

>このRed Leavesは、The BearやA Justiceなどに出てくるSam Fathers(Had-Two-Fathers)に、
フォークナーが担わせようとしたものを表現しているように思うのです。

2人とも重ねてありがとうございます。Had-Two-Fathersは「赤い葉」以外の作品を読まなければ
解読のしようがなさそうですね。

あと キャディさん
すまそ、ずっとゴルフの、だと思ってた。次回に備えて「あの夕陽」をみていて、
「響きと怒り」の魅力的なヒロインじゃないかと気づいた。
フォークナースレでこのHN、すぐぴんと来なきゃおかしかったですね。
読書会のメンバーの他の2人は「響きと怒り」未読だし、俺もきちんと読んでいない。
「あの夕陽」は「響きと怒り」のスピンオフなので後回しにした方がいいような気がしてきた。
多分現時点ではついていけないと思う。
最低でも「響きと怒り」を通読してからにした方が、楽しめそうです。

キャディさん、他の候補あればお願いします。
(Washも多分「アブサロム、アブサロム!」を通読してからの方がいいな。)

収録作品はJealousy, Red Leaves, A Rose for Emily, That Evening Sun,
Dry September, Wash(邦題 孫むすめ), An Odor of Verbena, Barn Burning


[sage] 2011/09/07(水) 04:21:24.06
>the mother's side of the familyというのはthe female side of the familyと
本来すべきだったように見えるのですが

自レスですが、前者は、酋長の妻(天皇制でいえば皇太子の「母」)の兄弟姉妹の
子どもという意味なのかもしれないな。
どなたかご教示願います。
[sage] 2011/09/07(水) 04:23:48.97
失礼
は、

one of three children on the mother's side of the family

の意味を考えているのでした。
[sage] 2011/09/07(水) 04:35:41.31
連投しすぎたので、首長三代の歴史が国家(王朝)の起源、発展、衰退を象徴
する「寓話」とも取れるのではないかといった観点からいくつか書込みを用意して
いるのですが、もうちょっと詰めてからにしたいと思います。

ではでは
[sage] 2011/09/07(水) 05:10:38.24
ひとつだけ今思いついたこと(結局、長くなるが)

そば仕えの奴隷を狩り、先代への生贄に捧げるという供犠・儀式は、実はそんなに
起源の古いものでもなんでもなく、二代目のイッセティッベハ自身が自己の感情に
したがい行ったことを、掟(法)に高めたにすぎない、すなわち、新しくでっちあげたに
過ぎない可能性だって考えられること
それを法に高めたのは、「一族を支配する、従兄弟や叔父たちの階級組織みたいなもの」
であろう。これは初代ドゥームを親玉とするマフィアあるいは秘密結社みたいなものだ。
(フリーメーソンの陰謀話みたいになってきたなw)
それが二代目を担ぎあげる際に二代目が行ったことを、王位継承のための、
まがまがしい生贄の儀式を制度化したのだ。
何人かのインディアンのこの狩りに対するしらけた捉え方は起源を知っているがゆえではないか。

もともと法の起源というのがその程度のことなのかもしれないのだ。

国家とは暴力を法により独占する装置である、といったとこ。
萱野稔人あたりの本を読むと、ヤクザと国家の類似点と決定的な違いは明快に書いてある。

Though the title of Man rested with him, there was a hierarchy of
cousins and uncles who ruled the clan and who finally gathered in
squatting conclave over the Negro question, squatting profoundly
beneath the golden names above the doors of the steamboat.
マン(首長)の肩書きは彼の手におさまったが、一族を支配する、
従兄弟や叔父たちの階級組織みたいなものがあった。この連中は
ついに黒人問題について秘密会議を開くために集まり、汽船のドアの
上に書かれた金文字の下に深刻な顔でうずくまった。(2章より)


ついでに、首長の屋敷が汽船であるというのは。とりあえずノアの箱舟を連想するが。
[sage] 2011/09/07(水) 05:22:58.74
あとひとつ(きりがないな)

ドゥームと「正義」に出てくる奴隷女との息子であるハッド=トゥー=ファーザーズは、
イッセティッベハの異母兄弟(おそらく弟)になるわけだが、彼はの階級組織
(マフィア)の中でどの程度の地位にあるのだろうか。

イッセティッベハが19歳で即位した際にはまだ子どもで発言権もなかったと思うが。

The BearやA Justiceを読みたくなってきたなあ。いきなり英語で読むのはさすがに
しんどいな。l

[sage] 2011/09/07(水) 06:23:34.12

>実はそんなに起源の古いものでもなんでもなく
(「赤い葉」の時代からみて)

同じく起源の古いものでもなんでもないもの2つ。

フォークナーを産んだアメリカ合衆国という国家自体

それに、初代ドゥームの相棒である怪しげなパリ人
the Chevalier Sceur Blonde de Vitryの称号

この称号Chevalierはレジオンドヌール勲章の5階級のもっとも下の階級であるが、
この勲章もナポレオンによってはじめての叙勲が行われた1804年よりも遡れない

the Chevalier Sceur Blonde de Vitry, a man whose social position,
on its face, was as equivocal as Doom's own.
シュヴァリエ(勲爵士)シュール・ブロンド・ドゥ・ヴィトリ、その社会的
地位が、表面的には、ドゥーム自身のそれとおなじくらいあやふやな
男 (2章より)

equivocal 両義にとれる はっきりしない(ambiguousと違ってあいまいにしようとする意図を含む)
       (人・評判・行動が)いかがわしい
[sage] 2011/09/07(水) 06:42:50.59

>Red Leavesはred livesを連想させるかな

red livesの意味について教えてもらえれば

どうしても自問自答しながらの、自己完結的なレスが続いてしまう。
かなり暴走気味ですが、ご勘弁を。


ありがとう

今日も残念ながら、夜、仕事からそのまま飲み会に突入。
よろしくです。

[sage] 2011/09/07(水) 07:33:30.63

>一五八頁のハッド=トゥー=ファーザーズは、モケテュッベの護衛役ではありえません。
彼はこの頃には二十五歳になっていて、 すでに奴隷に売られているはずだからです。
それで彼の名は消しました。


で「ハッド=トゥー=ファーザーズはの階級組織 (マフィア)の中
でどの程度の地位にあるのだろうか。 」と書いたが、奴隷女の子はたとえ首長の
息子であっても、やはり奴隷なのかな。
(イスラムのサルタンとは違うなあ)



[sage] 2011/09/07(水) 08:59:47.46
以下の2作品の日本語訳注文。

「正義」 福武文庫「エミリーに薔薇を」
「熊」  岩波文庫「熊 他三篇」(ただし、ショートバージョンのよう。
                    ロングバージョンは全集16巻「行け、モーセ」に所収))
キャディ [] 2011/09/07(水) 20:50:38.54
みなさん、こんばんは。
きのうはずいぶん活発な討議をされていたようで、参加できなくて残念でした。
新しくThe Portable Faulknerを参照される方もおみえになったようで、
こころ強いです。
よろしくお願いします。
さて、どなたかが、Portable編纂の際の、
Cowleyの照会にたいするFaulknerの返信を紹介してくださいましたが、
理解の助けになりますね。
で、それらを受けてのCowleyの(細部の齟齬に関する)最終的な判断は、
PortableのIntroduction II章4パラにあるとおりです。
つまり「いろいろ齟齬はあるが、Faulknerの一連の作品を眺め渡してみれば、
たいしたこっちゃない」と。
Indianの部分に関してのCowley指摘箇所(かれは矛盾点はそしてそのままにしてPortableを編んでいます)は、
"There is an Indian chief named Doom who appears in several stories; he starts as the father
of Issetibeha (in "Red Leaves") and ends as his nephew (in "A Justice")."
いろいろな方がChichasawのlineageにこだわっておられますが、
ここは、"Red Leaves"を読むということで、Cowleyに倣って、
inconsequentialとして(というかここを掘っていかなければ作品の解釈に重大な問題が生じますか?)、
進めてはどうでしょうか。
そもそも本篇は"Story"なのではないでしょうか。
どうでしょうか。

キャディ [] 2011/09/07(水) 20:54:19.43
いろいろな方がChichasawのlineageにこだわっておられますが、
ここは、"Red Leaves"を読むということで、Cowleyに倣って、
inconsequentialとして(というかここを掘っていかなければ作品の解釈に重大な問題が生じますか?)、
進めてはどうでしょうか。
そもそも本篇は"Story"なのではないでしょうか。
どうでしょうか。

吾輩は名無しである [] 2011/09/07(水) 21:19:11.54
なんか深い人がスレにいるようだしフォークナーの研究書でも読んでみるかな
475 [sage] 2011/09/08(木) 00:17:52.57
カウリー・フォークナー書簡の抜粋を書き込んだ者です。
私の書き込みが血縁の議論に拍車をかけてしまったのでしたら謝ります。
しかしながら、Gさんによるからの一連の丁寧な追及はこの作品を読
む上で大切な問題を深めて下さっています。"Red Leaves"の"Red"には血=
血縁の意味も被せられているでしょうから。
その上で、キャディさんの仰るように、まずは"Red Leaves"を"Story"として
読むべきであるとの意見には完全に同意です。
ただ、"Red Leaves"に限らずフォークナーのテクストは、物語が大変力強い
と同時に、描写されるものがいちいち象徴的で、にわかには把握し難いですね。
これらを解きほぐしながら(ときに寄り道をしつつ)、じっくり読む必要があ
りそうですね。
475 [sage] 2011/09/08(木) 00:31:00.61
初代ドゥームが立てた「丘の上」の柏に囲まれた邸宅は、蒸気船のデッキハウス
で出来ていますね。ドゥームは奴隷を使って、この蒸気船を遥遥「陸路十二マイ
ル」の距離を運ばせたと。この「丘」や「十二」という数も聖書を想起させます。
ゴルゴタ? キリストの十二人の弟子?

そういえば、フォークナーは『寓話』でも「十二人」の部下を従えた軍人の話を
書いていましたし、『アブサロム、アムサロム!』でも、ローザ叔母さんが自宅
からサトペンの屋敷までを行き来するとき、幾度も強調される距離がまさしく
「十二マイル」でした。明らかに何かがありそうです。

"Red Leaves"に戻ると、イッセティッベハの死後にこの邸宅はイッセティッベハ
の身体のように描写されていますね。

「かつて汽船の大広間であったところが、いまはだんだん腐って枠だけになっていた。
磨きあげたマホガニーも、その彫刻が瞬間的に光るだけで、神秘的で深遠な人物に生じ
た黴のために影が薄れ、ガラスの欠けた窓はそこひにかかった眼のようだった。」

この辺も気になります。
475 [sage] 2011/09/08(木) 00:45:34.17
そしてこの蒸気船のイメージは、逃亡する黒人奴隷が少年の時分に、アメリカに
運ばれてきたときの船(奴隷船)のイメージとも重なります(4章のあのネズミ
を食べる場面ですね)。奴隷船では「酔っ払ったニューイングランド出身の船長
が、その後十年たつまでは聖書とわからなかった書物の文句を高い声で唱えてい」
たわけですから、旧約聖書になりますが、『創世記』の「ノアの方舟」のイメージ
も重なってくるように思います。

そういえば、この物語の時間はぴったり一週間(七日間)でしたね。
457 [sage] 2011/09/08(木) 00:58:40.84
っと、ここまで間違った名前(レス番号)で書き込んできていることに気がつきました。
正しくはです。大変失礼しました。(何か謝ってばかりです……)

上記の書き込みも酔っ払っての連想なので、ツッコミ・罵倒大歓迎です。よろしくお願
い致します。
フォークナー読書会、楽しいですね。あらためて、フォークナーの偉大さに感動してい
ます。
(この読書会にixionさんも参加していてくれたらなぁ……)としんみりしつつ、明日の
仕事にそなえて今日のところはもう寝ます。
おやすみなさい。
G [sage] 2011/09/08(木) 08:39:05.11

>旧約聖書になりますが、『創世記』の「ノアの方舟」のイメージ
も重なってくるように思います。
そういえば、この物語の時間はぴったり一週間(七日間)でしたね。

の丘、12という数字と合せて、興味深いですね。

今日も実は会議のあと三連ちゃんの飲み会です。
リアルタイムでの討議は日曜と月曜夜だけになってしまいそうで残念です。

キャディさんには申し訳けありませんが、昨朝まで書き込んだ件の残りを
これから開陳します。
G [sage] 2011/09/08(木) 08:41:40.88
初代首長(the Man)Doomという名前の由来

In New Orleans, among the gamblers and cutthroats of the river front,
Doom, under the tutelage of his patron, passed as the chief, the Man,
the hereditary owner of that land which belonged to the male side of
the family; it was the Chevalier de Vitry who called him du homme,
and hence Doom.

ドゥームはニュー・オーリアンズにおいて、このパトロンの庇護のもとに、
河岸通りをうろつく賭博師や殺し屋のあいだでは、親分、つまり、首長と
して通っていた。首長というのは、一族の父方に所属する土地の相続者
なのであった。彼を“ドゥ・オム”と呼んだのはシュヴァリエ(勲爵士)ドゥ・
ヴィトリであったが、そこから“ドゥーム”という名が生まれたのである。
(訳注 “du homme”はフランス語で、英語に直せば“the Man”にあたり、
これが一代目の名と身分になった)
G [sage] 2011/09/08(木) 08:42:41.64
実は出自(父系相続なのに母方の傍系)も社会的地位もいかがわしく、
首長の地位も実は僭称か父系の正統な首長からの簒奪だった。
こんなあやしげな起原なのに、その地位継承の儀式のために二グロは命を落とす。
そもそも初代が首長になった際は生贄の儀式などなかったはずである。
インディアン達が過去の例として語るのは実は二代目が初代のため生贄を狩り
捧げた一例のみである。
しかし、国家乃至支配者の起源とはもともとそういったものではないか。

もともと国家の起原は、暴力にあるのではないか。国王だって、もとを糺せば、
現実的な暴力の行使によって成りあがったギャングの親分みたいなものだった
のではないか。
しかし、きらびやかな衣装、城の建築、さらに家具調度といったもので着飾り、
いつの間にかはじめから自分は王になるべくしてなったかのような権威を身にまとい、
さらに、法(掟)により、暴力を国家による合法的な行使のみに独占していく。
フォークナー作品に頻繁に現れるリンチも違法なものとしてだんだん姿を消していく。
G [sage] 2011/09/08(木) 08:43:58.65
三代の首長の歴史は、人間一般、国家一般の歴史の寓話ととることもできる。
だから、その名前もまた地位も人間一般を指すフランス語、英語の語彙が
用いられているのである。
フランス語の「人間」が、英語の「宿命」(悪しき運命)に発音が似ているのはたまたま
だが、それが作品の中でうまく用いられている。
不吉な名前なのに、簒奪者はなぜかそれを気に入り、三代目から首長の地位を奪取した
四代目も再び、その名を用いる。
G [sage] 2011/09/08(木) 08:46:00.49
初代 生々しい暴力によって首長の社会的地位を僭称・奪取する。
二代目 それを発展させ、権威づける(フランスというすでにギャングの親分が
国王としてきらびやかな権威を身にまとい、人民もその起源を忘却している国に赴き、
その権威の象徴ともいえる三種の神器を持ち帰り、自らもきらびやかな権威の衣を
まとう。Three Basketの名前の由来は三種の神器だろう。もう1人はルイ王朝のルイ
を名乗っている。また、2人合わせると色鮮やかな果実が盛られた豊穣なる籠、
王室繁栄を願ってのめでたい名前か?
しかも、それが大陸に侵入し支配者となったアングロ・サクソンの言語によって名づけ
られる。これも自らを後進国とみなし、舶来ものをありがたがる権威主義の表れととれる)
三代目 すでに確立した権威だけが頼りである、実は初代、二代目のように
権威の裏付けとなる力を持たない堕落した存在である。

結局、軍隊といった暴力装置を手中に収めるかして、現実の力の裏付けをもった傍系がその地位を奪うようだ。
G [sage] 2011/09/08(木) 08:51:04.09
初代首長の相棒の怪しいパリ人の称号Chevalierは、レジオンドヌール勲章
(仏: L'ordre national de la légion d'honneur)の最下級であり、ナポ
レオンが1804年に授与した、ごく新しい称号にすぎないことは前にも
書き込んだとおりです。
公爵、男爵といった貴族の称号ほど、まだありがたみを帯びていなかった。
しかし、貴族・華族とてもとをただせば暴力によって成りあがった者が
その後きらびやかな権威の衣をまとうことによりにより、その地位があたか
ももともと存在した正統的なものであるかに見せかけた結果にすぎないこと
も今まで述べたとおりです。
フォークナーはおそらく、そういった国家や支配者の権威のいかがわしさを
初代首長誕生の経緯、初代首長の相棒のフランス人によって、寓話として
暴こうとしたのではないか。

もちろん、これがこの作品のすべてという意味ではありません。
すぐれた作品は、多面的であり、さまざまな読みを許すものだと考えています。
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 マグナ ◆i.K3ZM.pZo [] 2011/09/08(木) 17:03:25.26
盛り上がってるなあ
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/08(木) 20:02:15.27
なるほどー。du homme(人間)→ Doom(宿命)かあ。
しかし、国家批判や政治批判的な読みができるとは考えてなかったなあ。
それに『創世記』の7日間も重ねて読めると。
しかもカウリーによればサーガの一部をも担うと。
うーん、情報量が多すぎて焦点を合わせにくい…w
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/08(木) 20:55:02.73
フォークナーにおける南部の前近代性という題材と、
凝った小説の手法の内的関連がよく分からない。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/08(木) 21:22:32.56
急に盛り上がっててビックリ。短編集ならバーベナの匂いが一番の傑作だろ
457 [sage] 2011/09/08(木) 23:22:14.12
ドゥームの位置は、例えばカントロヴィチの『王の二つの身体』に重ねて読解
したい誘惑にも駆られます。すなわち、王は権威の衣を纏い。やがて滅ぶべき
「自然的身体」と不滅の「政治的身体」を有すると。肉体としての王は滅びて
も(正確にはそれは「死」ではなく「崩御」と呼ばれる)、政治的身体=王の
四肢(または代行者)たる臣民の集団は、王の権威のもと生き続けると。

>イセバティベハ19歳 ドゥーム死亡により首長となる。ただ、実権はなく、
一族を支配する、従兄弟や叔父たちの階級組織みたいなものがあり、黒人問題
について秘密会議を開く。
キャディ [] 2011/09/09(金) 00:09:07.62
みなさん、こんばんは。
みなさんほんとうにいろんなことをご存知で、
とても勉強になります。
ありがとうございます。
聖書の引喩とおもわれる箇所、
たくさんあるように思われますね。
わたしは黒人奴隷の逃亡シーンが民数記(逃亡、粗末な食事、蛇)にみえるのですが、
聖書が苦手で(それでどうやって海外文学よむのかと笑われてしまいますが)、
どなたか詳しい方がいたら教えてください。
ただ、引喩はあくまで引喩、
フォークナーのこの作品でわたしが単純にすごいなー、と思うのは、
聖書を使ったり大自然の情景を美しく折り重ねて、
とても大きな力=運命?の中で、
人間の(この場合は黒人奴隷の)目が光ってるところです。
それと、滅び行くChickasawがhuntするもの(黒人奴隷)にみせる、
親愛というのか情けというのか運命にたいする寄り添い方というのか、
そのなんともいえない情感がgourd(ヒョウタンだとなんか語感的に難しい)を、
井戸に戻すところで、
インディアンのその背中が見えるように感じられるところとかです。
どうもいつものようにチンプンカンプンなはなしになってしまいました。
とほほです。
[sage] 2011/09/09(金) 04:07:10.36

その本、数年前、本屋で見かけた際、つい買うのを先延ばしにしてしまい、
新本で見当たらなくなり、未だに入手してません。

「王の二つの身体」、おそらく王権神授説とかなり重なっていますね。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E6%A8%A9%E7%A5%9E%E6%8E%88%E8%AA%AC

王権神授説は、初代首長の相棒の祖国であり、二代目首長がその権威を身にまとう
規範とし、また1年間外遊したフランス、それとピルグリムファーザーズの祖国イギリスで
唱えられた考えです。
ヨーロッパではキリスト教教会の権威に対抗し、王の権威の自立化を図る意味があった。
黒人奴隷たちはアフリカから連れてこられたのですが、おそらくキリスト教に帰依ないし改宗してますね。
(ただ、一方で月の満ち欠けに基づく生まれ故郷アフリカの儀式も行っている)

気になるのは「赤い葉」のインディアンたちの宗教ないしスピリチュアリズムがどのような
ものだったかです。
食人、殉葬(人身御供)の習慣(多分、後者は二代目の時代、法・掟に高められた)が
あったことは見てとれるのですが、それ以外、手掛かりらしいものが少なく感じます。
フォークナーの他の作品を読むともう少しはっきりするのかな。
[sage] 2011/09/09(金) 04:07:38.56
初代首長ドゥームが首長になった経緯

He never told her how he accomplished it, save that his uncle
and his cousin had died suddenly.
彼は彼女(妻)に、どうして首長になったかというしだいについては、
叔父と従兄がとつぜん亡くなったからだということ以外になにも
語らなかった。

これ絶対、本来の血統の首長とその後継者を殺してるな。
[sage] 2011/09/09(金) 04:09:48.65
"I knew it. I told them so. It will take three weeks, like
when Doom died. You watch and see."

"It was three days, not three weeks," Berry said.

"Were you there?"

"No," Berry said. "But I have heard."

"Well, I was there," the old man said. "For three whole
weeks, through the swamps and the briers "
「まる3週間、沼地やイバラのやぶを捜してな――」

生贄を狩る儀式は先代の遺体が匂う前に、また、一族(clan),客人、
親類が集まっての盛大なる通夜ぶるまいがつきる頃に終了するよう、
3日で執り行うことが法・掟として定められた。
二代目の行為もそれに合わせた形で口承伝説化された。

しかし、実際には二代目が一代目のためにそのそば付き奴隷を
狩るのに3週間を要したことを生き証人の古老が語っている。

死体は匂うなんてもんじゃなかったろう。

[sage] 2011/09/09(金) 04:10:05.54
パリ外遊時代のイセティベハの交友関係

He borrowed three hundred dollars from Issetibbeha and in
return he introduced him into certain circles;
老人(初代首長のかつての相棒だったパリ人)はイセティベハ
から300ドル借金し、そのお礼に彼をある社会に紹介してやった。

「ある社会」というのが気になる。
circleの意味 a group of people who are connected becaouse
they have the same interests, jobs, etc

1年後、イセティベハは三種の神器をおみやげに帰国する。
[sage] 2011/09/09(金) 04:14:26.47
三種の神器の使われ方、というより使えなさ。

上靴は水腫症の息子のおもちゃ、
金塗りのベッドは鹿革の紐で吊るされハンモック状に、
ペアの燭台は大きな酒だるのある片隅に立てかけてある
2本の棒に革紐で結えつけられている。そばには粘土の
いろりがある。

本来とはおよそ場違いな置かれ方、使われ方をしている。
というより実際には使うことができない。

吊るされたベッドはマットもスプリングもなくあまりに寝心地が悪いので自分ではなく一番若い
細君をそこに寝させ、自分は椅子に寄りかかって寝る(寝心地はよくないがベッドよりまし)。
細君も実はこのベッドでは眠ることができず、イセティベハが寝むったと思ったすきにこっそり
床のうえの敷布団に移り、つかのまの安眠をする。実はイセティベハも細君に気を使い、寝た
振りをしているだけである。細君はイセティベハが眼を覚ましそうな頃合にまた、到底安眠できな
いハンモック状のベッドに戻り、寝た振りをする。イセティベハは闇の中でこっそり笑い続ける。

靴は水腫でふくらんだ足には小さすぎるので自力では履けず人に無理矢理履かせてもらう。
しかも、長く履いていると失神してしまう。
[sage] 2011/09/09(金) 05:00:01.25

>黒人奴隷たちは……おそらくキリスト教に帰依ないし改宗してますね。

いや、これは先入観のなせるわざだ。
そんなことはこの短編のどこにもはっきりと書いていない。

そば仕えの黒人奴隷は?

船で90日かけて奴隷として連れてこられる14歳時の回想
>上甲板から、酔っぱらったニュー・イングランド出身の船長が、その後10年たつまでは聖書だと
わからなかった書物の文句を唱えているのを聞いたものだった。
>あの当時、彼はまだ、ユニテリアン教会の執事をしていた奴隷商人からもらった、たった一着の
白服を着ていて、母国語しか話さなかった。

24歳の頃聖書に接したということか

蛇に3回わが身を噛ませ、'Ole, Grandfather.'と蛇に呼びかけているのをどう解するか。


[sage] 2011/09/09(金) 07:30:51.42
「赤い葉」の原文
ttp://literaturesave2.files.wordpress.com/2009/12/william-faulkner-red-leaves.pdf
[sage] 2011/09/09(金) 08:46:25.23

>わたしは黒人奴隷の逃亡シーンが民数記(逃亡、粗末な食事、蛇)にみえるのですが

聖書って、ほんと、どう読んでいいのか戸惑う。
民数記は、トーラー、すなわちモーセ五書の4番目。

モーセらがヨルダン川に辿り着くのは出エジプト(エクソダス)後、40年目。
黒人奴隷の年齢(享年となるはず)と同じ。
イセティベハがメンフィスの奴隷商人に売って、その金で外国に行った、黒人
の数も40人。

フロイト晩年の「モーセと一神教」(1939)のモーセ、エジプト人説なんかも思い出す
(しかも彼が率いて来たユダヤの民に殺害されたのだという)。
ttp://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0895.html
もちろん、「赤い葉」を書いた1931年の時点でフォークナーがこれを読んでいることは
絶対あり得ないのだけど。

フォークナーの作品のタイトルにもある黒人霊歌「行け、モーセ」
ttp://dogaeigo.blog118.fc2.com/blog-entry-95.html

確かに青銅の蛇の話が出てきますね。
ttp://www.ne.jp/asahi/petros/izumi/2010msg/100829.html
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E9%8A%85%E3%81%AE%E8%9B%87
[sage] 2011/09/09(金) 08:51:22.92

>人間の(この場合は黒人奴隷の)目が光ってるところです。
それと、滅び行くChickasawがhuntするもの(黒人奴隷)にみせる、
親愛というのか情けというのか運命にたいする寄り添い方というのか、
そのなんともいえない情感がgourd(ヒョウタンだとなんか語感的に難しい)を、
井戸に戻すところで、インディアンのその背中が見えるように感じられる

確かにヒョウタンだと、ぶらり瓢箪とか秀吉の千成瓢箪とか日本語につきまとう
イメージが作品を味わう邪魔をする。
固いskin(外皮)の大きな果実で、しばしば乾燥させ、酒・水などの液体を入れる
容器(container)として用いると抽象化した方がよさそうですねw
こうするとBasketとgourdが容器(何かを入れる空間があるもの)という点で
共通性があることが気になってくる。
G [sage] 2011/09/09(金) 11:20:35.86
逃亡で思い出すのが、イセティベハの母。

西インド諸島の裕福な家の娘。
ニューオーリアンズでドゥームと恋に落ちる。
妹に手をだしたと兄が、ピストルを携えて、ドゥームのいそうな場所を捜し回って
いたとあるから、出身地を異にする,対立抗争するマフィアの者同士の恋だったの
かもしれない。
なんだかロミオとジュリエット、というかウェストサイドストーリーみたいだ。
(若干、想像を逞しくしすぎているかも)

このような大恋愛によって結ばれた2人だが、どうやら母親はイセティベハを産み
落としたあと、別の男性と恋に落ち、駆け落ちするといった醜聞があったようだ。
(he may have remembered his own mother, the city woman, the fugitive with her fans
and laces and her Negro blood, and all the tawdry shabbiness of that affair.
「逃亡者fugitive」「あの情けない恋愛事件の持つ、けばけばしいさもしさ」を合せて
駆け落ちの意味にとったけど、合っているのだろうか)

イセティベハはスリップ1枚でメロン畑で農作業をしている娘に、母の面影を見、一目ぼれし、
1年足らずでモケタッベが生れる。

イセティベハの母には黒人の血が流れており、その血は二代目、三代目の首長に受け継がれている
ことにも注目しておく必要がありそうだ。

首長のファミリーとイセティベハの母のファミリーとはその後手打ちをしたようで、イセティベハの外国旅行
の案内人役をニュー・オアリンズから来た母方のおじ(the maternal uncle)が買って出ている。
G [sage] 2011/09/09(金) 11:26:46.92
ニュー・オーリアンズについて

ニューオーリアンズは、「ラ・ヌーヴェル-オルレアン」(La Nouvelle-Orleans、ルイ15世の摂政の名
にちなむ)としてフランス人によって1718年に設立され、ナポレオン皇帝が、財政上の必要から1803年
アメリカ合衆国に売却した。
この頃、カリブ海のフランス領サン・ドマング(現・ハイチ)で黒人革命が起こり、さらに多くのフランス人や
クレオール(フランス人と奴隷の混血の人々)が町に流入した。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BA

この町で、ドゥームが行動をともにすることになる怪しげなパリ人と出会ったのは以上の沿革に基づく。
また、ハイチも西インド諸島に属する。
イセティベハの母もハイチ出身のクレオールだったのかもしれない。



キャディ [] 2011/09/09(金) 21:35:25.11
みなさん、こんばんは。
Gさんの調査はすごいですね。
わたしは怠け者なので、少しは見習わなければ。。。
聖書の引喩の確認とその把握は難しいですね。
よくわかりません。
蛇に咬まれたあとで、オーレ、グランドファーザーというのは、
蛇が単に聖書的な象徴としてだけでなく(聖書も包摂して)、
宗教や人種を超えた畏怖すべきものを指し示すパロールとしてある、
とおもうのですが、
どうでしょうか。
457 [sage] 2011/09/09(金) 23:16:21.76
で引用されている箇所が引っかかっています。引用部の直前は、

"Well," he said, "a man cannot live forever." He looked at his son,
then his gaze went blank in turn, unseeing, and he mused for an instant.
You could not tell what he was thinking, save that he said half aloud:

となっていますが"You" could not tell what he was thinking...の部分の視点
はどうなっているのでしょう?
翻訳では「彼が何を考えているのかわからなかったが……」となっていますが。
話者がイッセティッベハに語りかけているのか、それともイッセティッベハが自分
自身に語りかけている(内的独白=意識の流れ)なのか。
and he mused...とあるので後者のような気がするのですが、それ以降に続いていく
"Yao. But Doom's uncle had no shoes with red heels."云々は彼の幻聴なのか、
それとも現実に聴いたものなのか……。
457 [sage] 2011/09/09(金) 23:23:35.05
いや、これは単純に話者が読者に語りかけているのか。
「彼が何を考えているのかわからなかったが……」の「彼」を息子=モケテュッベ
と読んでしまったのが、そもそも誤読だったのか。
単純にここでの「彼」はイッセティッベハで良かったのか。
だんだんわけわからなくなってきた……。
キャディ [] 2011/09/09(金) 23:36:05.66
普通に考えて不定代名詞なのではないでしょうか。
457 [sage] 2011/09/09(金) 23:48:32.96
ググりました。一般のyouというやつですか。
恥を晒しただけで、申し訳ないです…。
キャディ [] 2011/09/09(金) 23:53:51.15
赤い葉も、そろそろ1週間になるかと思います。
以前、Gさんもおっしゃってましたが、
翻訳のあるもので、そろそろ次の作品にとりかかるのはどうでしょうか。。。
[sage] 2011/09/10(土) 05:14:51.22

>蛇に咬まれたあとで、オーレ、グランドファーザーというのは、
蛇が単に聖書的な象徴としてだけでなく(聖書も包摂して)、
宗教や人種を超えた畏怖すべきものを指し示すパロールとしてある

同感です。ただ、もっとオーレやグランドファーザーの含意(コノテーション)について確認してみたいです。

昨晩、帰宅したら、他のインディアンもの(サム・ファーザーズが登場する短編)を収録した文庫2冊が
到着していたので、「正義」「熊」(ショートバージョン)、それに「むかしの人々」(The Old People)ざっと
目を通しました。
ことに「むかしの人々」では、主人公の少年が初めて仕留めた鹿に対し、サム・ファーザーズ(インディアン
の酋長ドゥームと黒人女性との間に生まれた男)が「グランド・ファーザーよ」と呼びかけるシーンがありま
したので、岩波文庫の訳者加島祥三による解説を紹介しておきます。

>この物語では、主人公のアイク少年が、一人前のhunter(狩人)になるための「initiation(入門)」
をうける。少年は自分の初めて射ち殺した鹿の血を、サム・ファーザーズの手で、顔にぬりつけられる
が、これは生きものと少年が共生するものだと教える儀式であった。次に少年はサム・ファーザーズ
からむかしのインディアンや黒人奴隷たちの話を聞いてその勇気と忍耐の心を学び、最後には大きな
幻のような鹿に向かってサム・ファーザーズが、「チーフ(頭)よ、おお、グランドファーザー(祖父)よ!」
と呼びかけるのを聞いて、森の生きものと共に生きるインディアンの神秘な心を感得する。

この短編、ちょっと検索しましたが原文がすぐに見つからないので、「おお」が「オーレ」か気になっています。
どなかか原文をお持ちの方確認していただければ。



[sage] 2011/09/10(土) 05:42:13.44

やはり予定どおり、「あの夕陽」でいきましょう。
(日曜日にはじまっているので、1話1週間とすると明日からということになりますが、
フライングもありでいいですね。逆に「あの夕陽」で気がついたことがあれば、しばらくは
OKということで。もともとフォークナースレ内での読書会なので飛び入り参加もなんでも
基本的に自由でいいかと)

「赤い葉」の読書会では、キャディさんがいきなりpores、Chickasawといった単語を出してきたので
私もどぎもを抜かれたのです。
ことに後者ははじめなんだかわからず、検索して、「赤い葉」に登場するインディアンの部族名である
ことを知りました。

その後、キャディさんに原文のありかを教えてもらい、疑問点は原文にあたってみたのですが、
やはり原文にあたるとあたらないでは大違いでした。
短編だし、単語等で検索もできるので該当箇所を探すのも容易ですし。

電子辞書がいかに便利かもわかりました(英和のほか英英つきだとなおさら)

だから、That Evening Sunの原文をみることのできるHPを予め紹介しておきます。
ここでは雑誌初出時のThat Evening Sun Go Downと少し長い題名になっています。
本文は、冒頭と終わりを確認しましたが、新潮文庫の翻訳と同じだと思います。
ttp://xroads.virginia.edu/~ma01/white/anthology/faulkner.html

題名は、セントルイス・ブルースの次の一節から採られたといわれていることが訳者
解説に出ています。
“I hate to see that evening sun go down”

[sage] 2011/09/10(土) 05:46:13.20

>逆に「あの夕陽」で気がついたことがあれば、しばらくは OKということで。

「赤い葉」での間違いでした。

しばらくは、というよりフォークナースレなのでいつでもOKになりますね。
どの作品のことを言っているか流れでわかるようになっていさえすれば。
[sage] 2011/09/10(土) 06:00:00.94

>これ絶対、本来の血統の首長とその後継者を殺してるな。

「正義」をみるとドゥームが2人を毒殺し、首長の座を簒奪したことは明らかですね。
毒が効くか予め子犬で確認して暗殺を遂行してる。

[sage] 2011/09/10(土) 06:59:34.25

>ドゥームの位置は、例えばカントロヴィチの『王の二つの身体』に重ねて読解
したい誘惑にも駆られます。すなわち、王は権威の衣を纏い。やがて滅ぶべき
「自然的身体」と不滅の「政治的身体」を有すると。

フランス(昨日、フォークナー自身とも関係の深い、ドゥームがたむろしていた港湾都市ニュー・オーリンズ
のフランス色の強さに気づいた。都市名自体、ルイ15世の摂政のオルレアン公フィリップ2世にちなんでいるし)、
と並び王権親授説を唱えた主要国家イギリス。

ここでは、まさにThe king never dies.(国王は死なず)なんですよね。

そして、で引用した2章でのイセティベハの言葉をみる限り、彼はそのことを意識している。
おそらくフランスで王権神授説について学び、それを意図的に取り入れようとしたのではないか。
ただ、いくらなんでもわが子の無能・無気力であること、なにより後継者を作る能力もなさそうなこと
に自分の死後を憂え、慨嘆している。


赤い踵の上靴を息子に与える際の父イセティベハの思い、言葉
"I too like being alive, it seems.""A man cannot live forever."
(わが子が妻を娶り、子を持てば The king never dies.になるのに)


neverのrを落としてしまっていたので訂正しておきました。

[sage] 2011/09/10(土) 07:00:33.83

×王権親授説
○王権神授説
[sage] 2011/09/10(土) 07:51:42.85
嗅ぎ煙草について

冒頭近く、2人のインディアンの1人スリー・バスケットの紹介で、彼が嗅ぎ煙草の箱を吊るしている
ことが描写されている。Clamped through one earThree Basket wore an enameled snuffbox.
(合わせて、ピアッシングも)

また、2章で、亡くなる5年前のイセティベハが
(何か自分が長くないことを悟り、自分の死後、白痴で水腫症のわが子の行く末、血脈の絶えることを
憂えているようだ、前にも引用したとおり、挫折したfrustrated 罪 faultとまで言っている。
さらに支配する土地の権利の譲渡までしてしまった気配がある)
ある白人から教わった方法で、その頃、嗅ぎ煙草を使っていることが書かれている。
タバコの葉を口に入れ、ゴムの木かアルフィアの小枝で葉にこすりつける方法
Issetibbeha was using snuff at the time; a white man had shown him how to put the powder into his lip
and scour it against his teeth with a twig of gum or of alphea.

タバコが阿片といった麻薬か何かに見えてくる。彼ら、ことにイセティベハはストレスないしフラストレーション解消
のため、薬物に溺れるようになっていたんではないかと。ニコチンは習慣性が強い(後掲wiki)。

タバコはもともと南北アメリカ大陸の先住民であった彼らインディアンが使っていたのが、大陸発見後、
ヨーロッパにも輸入され、たちまち普及した。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%90%E3%82%B3
より効き目の強い使用方法を白人が逆輸入したことになる。
この使用方法、うっかり飲みこんでしまったり、口中に怪我をしていた場合、毒物であるニコチンが直接体内に
摂取されることになり、健康上も悪いのではないか。イセティベハはこれにより命を縮めた可能性はないのか。

インディアンのほかイヌイット(エスキモー)もですが先住民が白人による貨幣経済の流入で、簡単に
アルコール中毒になってしまうことが問題視されていますよね。
[sage] 2011/09/10(土) 07:55:35.18

また変換ミス

>タバコの葉を口に入れ、ゴムの木かアルフィアの小枝で葉にこすりつける方法

歯にこすりつける、です。
[sage] 2011/09/10(土) 08:12:30.53

の前後も引用した方がここでの話わかりやすそうなので。
確かに、地の文でyouが出てくるんですね。
“ ”内は全部、イセティベハの呟きでいいと思います。yaoという相づちも自問自答。
目の前にいるのが、言っていることの理解できない白痴のわが子なので内的独白とあまり変わらない。

"Well," he said, "a man cannot live forever." He looked at his son, then his gaze went blank in turn,
unseeing, and he mused for an instant. You could not tell what he was thinking, save that he said half
aloud: "Yao. But Doom's uncle had no shoes with red heels." He looked at his son again, fat, inert.
"Beneath all that, a man might think of doing anything and it not be known until too late." He sat in
a splint chair hammocked with deer thongs. He cannot even get them on; he and I are both frustrated
by the same gross meat which he wears. He cannot even get them on.
But is that my fault?"
He lived for five years longer, then he died.
[sage] 2011/09/10(土) 10:08:11.81

「赤い葉」という題名の意味

福武文庫の「エミリーに薔薇を」の解説は次のとおり

>「Red Leaves」のRedはインディアンを意味するが、同時にこの言葉で落葉も指しているようで、
フォークナーは後年、ここで側(そば)づかえの黒人を殺すことになったものは、「だれにも止める
ことのできない自然の落葉だった」と語っている。


wikiのインディアンの項「呼称をめぐる問題」でRed Manという呼称について書かれている。
また、で触れた「インディアンと飲酒」(先住民一般に共通)の問題も。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3

キャディ [] 2011/09/10(土) 22:39:46.35
みなさん、こんばんは。
Gさんの研究熱心さには頭が下がります。
ありがとうございます。
やはり傑作といわれるものは、このように短いものでも、
なかなか語りつくせないものですね。
次のものにすすんでも、もうしばらくこの短篇について検討しても、
わたしはどちらでも構いません。
Gさんのほかのみなさんは、どうされますか?
[sage] 2011/09/11(日) 07:19:40.50

>短編集ならバーベナの匂いが一番の傑作だろ

私もバーベナあたりに変更することを考えたのです。
原書のみをテキストにこの読書会に参加されているキャディさんのレベルがあまりに高く、
また、HNからしても、とりわけ思い入れのありそうな「響きと怒り」(ノートン版につ
いての書込みもありましたし )のスピンオフ作品を2回目で取り上げるのは
やばいのでは、時期尚早なのではと思ったw

でも、この読書会はもとはといえば、文学版の読書会スレ(青空文庫にある日本文学作品を
週替わりで取り上げている)のスピンオフで(読書会スレ自体も雑談スレから枝分かれ)、
アセンション氏、鈴木氏、佃煮マニア(現・あまな)氏、N氏らコテハンを中心とした
雑談風のまたーりしたもの(時には乱闘もある)が想定されていました(元祖読書会スレ
も、最近は、長文化・マニアック化への道を辿っているようですが。文学版のdoomですねw)。

フォークナーの他作品も読んでない、そもそも読むのがはじめて、ましてや研究書など読んで
いない人が前提という趣旨の読書会なので、他の人のレベルはノープロブレムで行きましょう
という2ちゃん読書会創設時の精神を尊重し、初志貫徹することにしたのでした。

ただ、詳しい方も個人的に大歓迎です。カウリーの引用、すごく参考になりました。
そのうちフォークナー事典やら全集やらに散財してしまいそうで怖いw
[sage] 2011/09/11(日) 07:31:10.22
私自身、参加に際しての自己紹介でちょっと書いたけど、ガルシア=マルケスの「わが悲しき
娼婦たちの思い出」に昨年の正月信じがたいほど感動し(鈴木氏の言葉でいうと「本当にやられた」)、
この南米の作家が敬愛し、影響を受けた作家だからきっと凄いに違いないと代表的長編をひととおり、
短編集は新潮文庫のこの1冊を読みました。でも正直ぴんと来なかったのです。
アマゾンの購入履歴をみると短編集は昨年4月19日注文になっているので、「赤い葉」もその頃
読んだはずですが、インディアンやひょうたんが出て来たこと、どころかそんな作品があったこと
すら、覚えていない状態でした。

人と読むことがこんなに刺戟になるとは想像もしていませんでした。
ことに、難解な作品に読書会形式はものすごく有効であることがはっきりしました。
1人だけではあそこまで絶対読みこまないw
(プルーストスレで5年前と最近、2回にわたる試みはしていますが、なんだか疲れるw)

実は「響きと怒り」も岩波文庫版を新潮の短編集と同時購入し、一応最後まで頁は捲ったのだけど
どこにやったか見つからない。
(第1章の知的障害者の内的独白という難関を突破するには最適の親切な本だと思います)
しかしノープロブレムで。

Norton版、ためしに注文してみました。英語からいきなり読む語学力はないけど。
どんな版かと思ったら、教員が教材として使ったりすることを想定した親切仕立てなんですね。
Appendix "Cultural and Historical Contexts" "Criticism"がついている。
ttp://www.wwnorton.jp/textbook/books/553.html
[sage] 2011/09/11(日) 07:44:18.94
「あの夕陽」の読書会、突入しましょう。

タイトルがその歌詞からとられたというSt.Louis Blues 何点か聴いてみた。
ブルースの父W・C・ハンディが1914年に発表。

Louis Armstrongの1954年の9分近いロングバージョン。
ttp://www.youtube.com/watch?v=D2TUlUwa3_o&feature=related
最初、サッチモ(Satchmo)のトランペットのソロ、
2:20あたりからVelma Middleton の歌が入ります(歌詞聴き取りやすい)。
4:27からサッチモのだみ声の歌。6:06ころからデュエット。

久々にサッチモ聴いたが凄え。しかも、楽しい。
はじめて意識したが、彼の名もルイ王朝のルイさんなんですね。
1901年生(1971年没)なのでフォークナー(1897−1962)と
ほぼ同時代人.ニュー・オーリアンズの出身。

セント・ルイスという都市も1764年にフランス人が毛皮の取引所を設けたのが最初で
聖王ルイ(ルイ9世)に由来する。

ttp://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1134.html
(ミシシッピ・デルタの諸都市の歴史からはじまる蘊蓄、面白い。
思想的背景はともかく、すごい知識量だ)
[sage] 2011/09/11(日) 07:49:53.73
「あの夕陽」は1931年3月「アメリカン・マーキュリ」誌に発表されている
(「響きと怒り」は1929年)

(セントルイス・ブルースの続き)
サッチモの1959年ベルギーライブ。これは動画。
ttp://www.youtube.com/watch?v=CqujvTl5zns&feature=related

作品発表以前の映像、音源もあった。

ブルースの女帝Bessie Smith(1894−19379)による1929年の映像
ttp://www.youtube.com/watch?v=JpVCqXRlXx4&feature=related
1925年の音源。トランペットはサッチモ。
ttp://www.youtube.com/watch?v=jNWs0LsimFs&feature=related

白人歌手Marion Harris による1920年の音源
ttp://www.youtube.com/watch?v=o4Qccz2qsHY&feature=related

歌詞はこの辺で。
ttp://20th-century.hix05.com/Billie-Holiday/holiday14.stlouis.html
キャディ [] 2011/09/11(日) 09:39:51.72
みなさん、おはようございます。
Gさん、次の作品の件、了解です。
今週は、あの夕日を読んでみます。
あと、わたしについてお褒め?下さったようですが、
それは真の買かぶりというか、失礼ながら誤読です。
フォークナーはこれまで読んだことがありませんでしたので、
ただ新鮮に感じ、
楽しく読めそうな気がしたので、参加させていただいています。
このような読書会は、Gさんのように熱い方がいて(わっ、失礼!)、
はじめて成立すると思いました。
あらためて感謝いたします。
ありがと。
今後とも、よろしくお願いします。
[sage] 2011/09/11(日) 10:25:16.82

>水、胸から落ちるmud、これがフォークナーの生命と血脈のイメージとなっているのではないか

セントルイス・ブルースの映像を漁っていたら、1915年生まれ(ビリー・ホリデイと同年)の
黒人ブルース歌手にMuddy Waters(泥水)という人がいるのを思い出しました。
単に子どもの頃、泥んこ遊びが好きだったからそのあだ名がついたにすぎないみたいですが。

ttp://www.youtube.com/watch?v=t_vsvX2qiLM&feature=related
ttp://www.youtube.com/watch?v=8hEYwk0bypY&feature=related


迷ったのですよねえ。鈴木氏があと1人とこのスレで呼びかけた時。
キャディさんが名乗りを上げる前から、巡回しromしてました。
あの2人なら楽しそうだけど。
参加しようかすまいか。
でも、せめて一言くらいなにか発言ができるんだろうか。

自分が暴走し、これだけの書き込みをするのは想定外でした。
別の作品にうつった途端、おとなしくなってしまうかもしれません。

こちらこそ、よろしくです。


[sage] 2011/09/11(日) 10:43:57.75
「赤い葉」の話


>「汗をかくのはよくない。じめじめするし、毛孔を開くことにもなるからな」w

私のレス

そう、これから人1人の命を奪おうとしているのに、インディアンたちの会話が
のどかですっとぼけている

鈴木氏がひいてきたのは2章のイセティベハ首長襲名直後の秘密会議
でのやり取りだから、全然ピントはずれのレスになっている。
確か次の日気がついた。

あの時点では、1章と2章の時間的関係もあやふやだったんだよね。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/11(日) 11:02:57.37
こちらはほんとうに「せめて一言」だけw
冒頭の2人のインディアンの会話の出だし、
1「何が見つかるかわしにはわかってるよ」
2「何が見つからんかもね」
これは黒人奴隷が「いなくなった事態=1」と
「黒人奴隷の不在=2」というふうにまず読めるけれど、
もうひとつの次元で2の言葉を読んでみると
見つからなかったのは、「因習的な宿命を逃れる道」でもあると、
そういうふうなニュアンスを勝手に感じつつ読んだんだよね。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/11(日) 11:05:51.63
あと、もうひと言w
「Red Leaves」を「Red Lives」として読む時、
黒人の死の犠牲の上で、「赤人=インディアンは生きる」
という意味合いが感じられるとともに
そのインディアン酋長の一族もやがて滅びることになるという
宿命づけられた「インディアンの命=血」のニュアンスもあると。

しかし、Gさんの「せめて一言」がこれだけの長文連投暴走になるのは
鈴木流に言うなら「パネエ」w
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/11(日) 11:15:24.51
ガルシア=マルケスからフォークナーへの遡行かあ。
しかし、こんな綿密な読書会になるとは鈴木も考えてなかっただろうなあ。
このスレで鈴木が読書会を提案した意図は何となくわかった気がしたので、
俺も手助けのつもりで手を挙げたのだけれど、実はまだあまりピンとこない作家の一人なので、
いつかどっぷり入っていけたらいいなあと。

あと、鈴木のほうは最近ちょっと忙しい様子なので。
キャディ [] 2011/09/11(日) 13:08:12.31
さきほど、Gさんが教えてくださったルイ・アームストロングと、
女性歌手のyoutube、聴いてみました。
すごくよかった!
小説も音楽も、
魂を震わすものでなくっちゃ。
また、サッチモが、フォークナーと同時代人というのも、
興味深いです。
作品発表当時の時代的・地域的な雰囲気について知識があると、
味わいも深まるのかなとおもいました。
キャディ [] 2011/09/11(日) 13:58:52.42

アセンションさんのこの見方、
深いですね。
これはもうシェークスピアですね。
[sage] 2011/09/11(日) 18:43:23.46

で鈴木氏も「なんかマクベスみたいだよね 」と書いてます。

これから起こることを、3人の魔女たちが予言する場面を思わせるということですね。
「きれいはきたない」「きたないはきれい」といった一見矛盾する謎めいた言い方で。

これが福武文庫(高橋正雄)の訳だと随分ニュアンスが変わっちゃう。

1「どういうことが見つかるか、おれにゃわかってるんだ」
2「見つかるじゃなくて、なにが見つからねえかだろうが」

新潮(龍口直太郎)はand(「も」)です。「見つかり」かつ「見つからない」です。
福武は、orですね。2番目のインディアンのベリーが、1番目のバスケットの
「見つかる」を否定し、いや「見つからない」だろうと言っている。

1章をもう一度読み返したのですが、実は1と2は相いれない
すなわちorの方が正解のではないかという気がしてきました。

ベリーは生贄がまだいるかを確認しにいくつもりでいる。だから
生贄はとっくに逃げだして見つからないだろうと思っている。
しかし、襲名のためのinitiationとしての狩りの儀式を司る立場からは1が正しいのです。
生贄が逃げたことを見出しに行ったのです。
逃げてくれないとその後の狩りの儀式が行えないからです。
バスケットは、彼自体が法=掟=儀式を記した法典であると同時に、
その執行者ともいうべき役割を果たしているように思われます。

原文
"I know what we will find," the first Indian said.
"What we will not find," the second said.
[sage] 2011/09/11(日) 18:55:28.17
1章でfindはこのあと2箇所で計3回登場します。

But there was no sound from any cabin, no face in any door;
had not been since yesterday, when Issetibbeha died.
But they already knew what they would find.

黒人居住区に行くが、どの小屋にも人っ子一人いない。
それは前日、イセティベハが死んで以来である。
黒人たちは、自分たちの儀式(おそらくアフリカ由来)を執り行う
中央の大きな小屋に集まっていたのです。
theyとは2人のインディアンです。ここのfindは冒頭近くの会話に対応していません。
そこではベリーの方は「見つからない」と言っているのですから。
注目すべきは次の2回連続でfindが使われる箇所です。

「多分我々が嗅いでるのはイセティベハだ」というベリーに答えてのバスケットの言葉です。
"Maybe it is Issetibbeha which we smell."
"Yao. He knows. He knows what we will find here. He
knew when he died what we should find here today."
「ヤオ。あの人は知ってるんだ。あの人には、わしらがここでなにを見つけるのか
わかってるんだよ。あの人は、亡くなったとき、わしらがきょうここでなにを見つけるか、
知っていたんだね」

イセティベハが知っていたのは、儀式執行者が、前の晩から黒人奴隷が逃げていること
を見つけることだった。
バスケットの方はそれを確信しているのに、ベリーは、バスケットが「彼ら(黒人たち)は何かを
知っているんだ」というバスケットに対し、 「彼らが男を隠しているとでも思うのかい?」と
おそらくバスケットからみるとピントのはずれた答えをしている。

[sage] 2011/09/11(日) 19:05:42.65
この後、バスケットは、ベリーに、ドゥームが3日間、「生贄の黒人奴隷が見えないので安らかに眠れない」
と喋り続けた話をします。
もちろん死者は話しません。儀式のうえで死者は生贄が捧げられるまで話し続けることになって
いるのです。
バスケットは、あとでモケタッベにも同じ話をします。無文字社会で、稗田阿礼のように口承伝説を暗唱する
役割(彼自体が法典)を果たしていたのではないかと思います。

バスケットは「野蛮人」の生贄が「名誉と礼儀」「習慣を尊重」してくれなくて、
「いつも困る」といっているが60歳のバスケットとて実はドゥームの死んだときの1回しか
経験はなく、「いつも」というのはおかしいです。
儀式であり法である以上、1度限りでなく、反復されるものなのでそう話しているだけです。
その後もみていくとバスケットは襲名の儀式が予定どおり行われるよう確信を持って
動いていることがわかります。

バスケットは実はドゥームが死んだ際、生贄が3日では捕まらなかったことを知っています。
3章はじめで、「3日もかかると、食べものが足らなくなるだろうな。わしは前にもそうなるのを
見たことがあるよ」と言っています。
でも儀式=法は3日ということになっているのでバスケットは3日という数字を強調する。

ベリーはおそらくバスケットより若いので、すでに3日だったと教えられ、信じ込まされている。
生き証人である老人が実は3週間かかった(死体は腐乱していた可能性が高い)と本当のことを
話す場面があることは前に書きました。
[sage] 2011/09/11(日) 19:33:48.31
その後も、バスケットはとにかく、血脈上、正当な後継者である以上、モケタッベが狩りの先頭
に立ち、報告を受け、意志決定もしているという形を貫きます。
インディアンの風習だった生贄の儀式のほかに、フランス仕込みの王権神授説もバスケット
が体現している法・掟には取り込まれているように思います。

黒人奴隷が逃げたことを確認したあと、ベリーの方は「これからわしらはどうしたらいいかな?」
と聞きますが、「首長に相談」する「ほかになにかしようがあるかね?」と言い切ります。
首長である以上、それが白痴であるか否かは問わない。
ベリーが「モケタッベは話をきいてくれるだろうか」と疑義を呈しても、「いまではあの人が首長なんだからな」
とにべもない。

ベリーはモケタッベの首長としての適格性を疑い「あんたはどう思うかね」と聞きますが、
バスケットにとっては首長の息子である以上、当然に、モケタッベが首長となるのが規範なので
「どうもこうも思わん」と即答し、ベリーに「あんたは思うのかね?」と問い返す。
ベリーが掟の体現者であるバスケットの意図を察し、思わないと答えると「よかろう」「お前さんは賢いよ」と答えている。

モケタッベが生贄狩りの先頭に立つことについてもベリーは、「口をきくのさえ苦労だという
あの人がそんなことをすると思うかい?」というけど、バスケットは、新首長は狩りに先頭に
立つのは当たり前だろうというスタンスで終始一貫しています。

[sage] 2011/09/11(日) 19:36:19.16
三種の神器の一つである赤い靴について

「あの人は狩りの先頭に立つから、しばらくはみんなの見てるところで靴をはけない」とバスケットは言っている。

狩りの先頭に立って、生贄を先代に捧げなければ継承の手続きは不完全であり、真の靴の所有者になれないのです。
したがって、人民の前ではれてその靴を履くことはできない。
だって、バスケットが「生きた法典」として暗唱する口承伝説の世界では、ドゥームのとき同様、イセティベハもまだ
安らかに眠ることができず、 息子が生贄を連れてくるのを待ち、喋り続けているのですから。
本当は腐敗が進んでいるわけですが。

[sage] 2011/09/11(日) 19:49:48.07
バスケットが本当は自分が判断しているのに、モケタッベが狩りの先頭として
判断したことを擬制している場面が5章にあります。

伝令courierが、「その場で殺してくれ」という黒人奴隷を恐怖からそのまま沼地swampに
逃がしたことにつき、直接、首長に報告しましょうかというのをとめ、代わりに行き、首長の
「それでいい」という意志を伝える場面です。
モケタッベが実際に意志を表示したとは考えられないですね。
あくまでもバスケットの意志を、狩りの先頭に立つものである首長の意志であると擬制
しただけです。
これも儀式を執り行うバスケットの役割のひとつと考えられます。

いったん、バスケット自身がThat is goodと言ってますが、そのあと、同じことにつき、
The Man says that it is goodと伝え、部署に戻れと命じています。

"We feared for a while. Then he went back into the swamp."
"That is good."
"Yao. We feared. Shall I tell the Man?"
"I will see," Basket said. He went away. The courier
squatted, telling again about the Negro. Basket returned.
"The Man says that it is good. Return to your post."
The courier crept away.
キャディ [] 2011/09/11(日) 20:22:47.31
アセンションさんのおっしゃるのは、
響きと怒り、アブサロム等、フォークナー作品に通底する、
“滅び”を意識してのことだと思うのですが、
こうなると、Gさんにとことんインディアン追求をしてもらいたい!
という気持ちになってくるから不思議です。
もう、目を通していらっしゃるかと思いますが、
A Justiceにいって(夕日はしばらく置いといて)、
インディアン問題の興亡の興のほうも検証し、
いくとこまでいってしまうのも手かと思いますが、
どうでしょうか。
[sage] 2011/09/11(日) 20:31:46.66
のまとめ

はじめの謎めいた2人のインディアンの会話。
一方は何が見つかるか知っている。
もう一方は何が見つからないか知っている。

何が見つかるか知っているというバスケットの会話を追っていくと、
首尾一貫性があるのではないか、バスケット自身が実際には
イニシアティブをとって、すべてことを運んでいるように思えて来た
のです。
しかも死者がしゃべるという不合理を当たり前のことのようにまるで
実際に自分がドゥームが話すのを聞いたように1回目はベリーに
2回目はモケタッベに伝えている。

無文字社会では、法も伝説も儀式次第も口承で伝えられる。
(聖書には伝説のほか、法、儀式次第を書いた箇所もありますね)
バスケットとはそれらをいれる容器だったのではないかと。

インディアンが文字を持っていたについて
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1321435773

[sage] 2011/09/11(日) 20:52:33.72

またまた暴走で、整理しきれてない部分があります。
で無理矢理落ちをつけておきました(実はまで書き込んでから考えましたw)

とりあえずまで書いて、インディアンって19世紀のはじめの頃、何語を話していたんだろう、
またそれは文字表記されていたんだろうか、はたと考えてしまいました。
作品ではインディアンと黒人奴隷だけでなく、インディアン同士の会話も英語になっているけど
本当のところはどうなんだろうとか。ドゥームやイセティベハはフランス語も話したのかとか。


この読書会、新潮文庫収録の短編限定なので、「あの夕陽」で行きましょう。
ジェイソンって本当嫌なガキですねw

>フォークナー作品に通底する“滅び”

夕陽も沈んでいく、没落していくものですね。


[sage] 2011/09/11(日) 20:59:28.87

>あと、鈴木のほうは最近ちょっと忙しい様子なので。

お2人の活躍しているスレは大体巡回しているので承知していますw
アセンションさんも仕事で徹夜をした話がでていましたね

キャディ [] 2011/09/11(日) 21:40:04.00

ジェイソンって三つ子の魂百までってかんじですよね。
お母さんもそーとー冷たい女だし。
[sage] 2011/09/11(日) 21:55:43.74
「赤い葉」
気がついた明らかな間違い訂正しておきます。
yaoについてインディアンは使うけど、黒人奴隷は使わないという前提で書いた箇所があります。


>「死者」であることを自覚させられたとき、で引用したとおり、彼は二グロ側でなく、
インディアン側と同じヤオという言葉を自然に使ってしまっている。

実際には4章のはじめの方で黒人たちもyaoを使っているので削除です。
ここの部分は特に謎めいている。
Talk(言い伝え)というのはインディアン側のそれなのか。黒人たちのなのか。
なぜ黒人たちが知っているのか。川原の泥の中に隠された太鼓の話へと続いている。
会話中heとはイセティベハのこと。
黒人たちは太鼓によっても話すようだ。ここでも文字以外の方法による
言い伝えの伝承の例がみられる。

"If he lives past sundown, he will live until daybreak,"
one said.
"Who says?"
"Talk says."
"Yao. Talk says. We know but one thing." They looked
at the body servant as he stood among them, his eyeballs
a little luminous. He was breathing slow and deep. His chest
was bare; he was sweating a little. "He knows. He knows it."
"Let us let the drums talk."
"Yao. Let the drums tell it."
The drums began after dark.
[sage] 2011/09/11(日) 22:04:38.63

確かにお母さんも
子ども達がナンシーを泊めてあげるよう頼んでも、「黒人を寝室に寝かせる
わけにはいかない」と犬か猫みたいな言い方。
そのほかにも結構冷たいですね。
キャディ [] 2011/09/11(日) 23:37:24.59
翻訳では、語り手(クウェンティン)のIは、どう訳されてますか?
ぼくorわたし?
[sage] 2011/09/12(月) 01:29:11.40

新潮文庫 私
福武文庫 ぼく
になってます。
[sage] 2011/09/12(月) 02:17:49.15
ナンシーの夫の登場シーン

>ジーザス(新潮ではジーズアス)はまっ黒な顔によごれた紐の切れっぱし
みたいな剃刀の傷跡をつけて、台所のストーブのうしろにすわっていた。
Jubah was in the kitchen, sitting behind the stove, with his razor scar
on his black face like a piece of dirty string.

顔に傷跡があるって、日本と同じで、この筋の者とか堅気じゃないスティグマなのかな。

ナンシー
なんで仕事にいかねえだい? “Whyn't you go on to work?”
きっとメンフィスへでも行ってしまっただよ。しばらく町の警察の連中の眼を晦まそうと思っているんだろうよ
"Done gone to Memphis, I reckon. Dodging them city po-lice for a while, I reckon.”

あいつはおそらく今頃はセントルイスあたりにいるだろうよ。おそらく新しい女房を貰って、お前のこと
なんかきれいに忘れているだろうさ
He's probably in St. Louis now. Probably got another wife by now and forgot all about you."

メンフィスやセントルイスって黒人のお尋ね者が身をひそめるのにちょうどよいというイメージがあるのか
どちらもブルースの発祥地として有名
メンフィスからは、セントルイスブルースの作者W・C・ハンディが出ている(前に触れたマディ・ウォーターズも)




[sage] 2011/09/12(月) 03:15:28.52
で原文引用して変だなあと思ったのだけど、雑誌初出時、ナンシーの夫の名前は違っていた?

次のシーンを確認してみた。
ttp://xroads.virginia.edu/~ma01/white/anthology/faulkner.html
ナンシーが長く「ジイイイイイイイイイズアス」といったあと、
訳では、「あれの言っているのはもう1人のジーズアスだよ」と私は言った、との一文が入っているのに
次のとおり、それがすぽっと抜けている。
初出ではナンシーの夫の名はJubah(ジュバーとでも読む?)なので、「こん畜生」という悪態の言葉
と混同するはずもないからだ。
あとからあえて、キリストと同じ名前に変更した?

"Jesus," Nancy whispered. "Jesus."

"Was it Jubah?" Caddy whispered. "Did he try to come into the kitchen?"

"Jesus," Nancy said. Like this: Jeeeeee- eeeeeeeeesus, until the sound went out like a match or a candle does.

"Can you see us, Nancy?" Caddy whispered. "Can you see our eyes too?"


あとで直したバージョンも探さないといけないなあ。

[sage] 2011/09/12(月) 06:22:14.38
こっちのだったら、ナンシーの夫の名もJesusになっているし、大丈夫そうです。
ttp://www.shortstory.by.ru/faulkner/eveningsun/index.shtml

語り手の一言"It's the other Jesus she means," I said. が挟まれている以外は変わらないようです。


"Jesus," Nancy whispered. "Jesus."

"Was it Jesus?" Caddy said. "Did he try to come into the kitchen?"

"Jesus," Nancy said. Like this: Jeeeeeeeeeeeeeeeeeesus, until the sound went out, like a match or a candle does.

"It's the other Jesus she means," I said.

"Can you see us, Nancy?" Caddy whispered. "Can you see our eyes too?"

"I ain't nothing but a nigger," Nancy said. "God knows. God knows."

"What did you see down there in the kitchen?" Caddy whispered. "What tried to get in?"

God knows," Nancy said. We could see her eyes. "God knows."
[sage] 2011/09/12(月) 06:26:47.00
細かくいうと、2行目のキャディの一言.、「囁いた」が、「言った」に変わってますね。

雑誌発表時 "Was it Jubah?" Caddy whispered
単行本(?) "Was it Jesus?" Caddy said.

[sage] 2011/09/12(月) 06:57:26.30
ナンシーの夫ジーザスの顔の剃刀の傷、もっとはじめの方で紹介されていましたね。
文庫だと3頁目くらいには。
父が関わりあうなという理由と顔の傷はやっぱり密接に結びついているようだ。

溝the ditchは、ナンシーが、夫が剃刀をもって潜んでいるのではないかと夫失踪後恐れている
場所だけど、視覚的にうまくイメージできない。
コンプソン家からナンシーの住居までの地理的関係、本文以外になにかもっと具体的にイメージ
できる材料があるといいのですが。


>ぼくたちは溝のところで立ち止まった。というのも、父がジーザスとは―彼は背の低い黒人で、
顔に剃刀の傷跡があった―かかわりあってはいけないとぼくたちにいっていたからだ。そして
ぼくたちは、ナンシーが戸口に出てきて、すっ裸のまま戸のむこうから顔をのぞかせるまで、
ナンシーの家に石を投げるのだった。
We would stop at the ditch, because Father told us to not have anything to do with Jesus
-he was a short black man, with a razor scar down his face- and we would throw rocks at
Nancy's house until she came to the door, leaning her head around it without any clothes on.

[sage] 2011/09/12(月) 07:17:10.80
ナンシーの恐怖が単なる妄想・杞憂でなくナンシーは実際に夫に殺されるという前提で
両文庫の解説とも書かれているように見えますが、本文から読み取れるのでしょうか。
(それとも「響きと怒り」にでも出ている?)

私が気がつくのは、夫が実はナンシーのいない間に家に出入りしている証拠として、テーブルの上の
ランプの脇に転がされていたという、まだ血のにじんだ豚の骨くらい。5章のわりとはじめの方。
殺害予告として夫が妻に恐怖を味あわせるためわざと置いていったという解釈か。
でも、これもこの作品だけからはまだ思いすごしにとれないこともないように思うのだけど。
「愛がこわれる時」(原題Sleeping with the Enemy、1991)ってジュリア・ロバーツ主演の映画を
思い出すな(駄作ですが) ttp://blogs.yahoo.co.jp/geezenstac/46999558.html


"He is the ditch," Nancy said. "He waiting in the ditch yonder."

"Nonsense," Father said. He looked at Nancy. "Do you know he's there?"

"I got the sign," Nancy said.

"What sign?"

"I got it. It was on the table when I come in. It was a hog ? bone, with blood meat still on it,
laying by the lamp. He's out there. When yawl walk out that door, I gone."

"Gone where, Nancy?" Caddy said.

"I'm not a tattletale," Jason said.

"Nonsense," Father said.
[sage] 2011/09/12(月) 07:51:32.74
「あの夕陽」でポプコーン豆をポッパーではじかせようとする場面が出てきますが
電子レンジで安価・ヘルシーかつ手軽に豆をはじかせる方法を紹介したブログが
あるので紹介しておきます。
(6つのレシピのうち、むしろ、即席湯豆腐に一番お世話になったけど)
ttp://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081130/p1
G [sage] 2011/09/12(月) 09:55:43.99

テーブルのうえでナンシーが見つけたのはhog - bone, with blood meat

で紹介した原文。-が環境依存文字かなにかで?に誤変換されてしまいます。
悪しからず。

先ほど、この骨が夫が帰ってきて監視している決め手にならないのではと言ったのは、
実際には、ナンシー以外、誰もその骨の現物を見ていないのでその実在自体、
この小説内では確認されていないからでもあります。
G [sage] 2011/09/12(月) 16:11:55.55

全くぶれずに、法・掟を体現し、儀式を遂行するバスケットの側から前日、論を展開しましたが、
別の観点からすれば、ぶれっぱなしで悩み多きベリーの方が人間的ともいえますね。
もしかしたら、インディアン酋長の一族を滅びから守る道は、自分自身をもたず、空虚な存在で
法を入れる器と化しているバスケットの行き方ではなく、悩みながらももっと柔軟に変化に対処
していけるベリーの行き方なのかもしれない。そこから水々しい果実(berry)が生まれるかもしれない。

かなりこじつけっぽく、冒頭の2人の対句的な予言に対応しているかも疑問なのですが。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/12(月) 23:00:04.36

いえいえ、単なる勝手な思い付きでw
しかし“滅び”がやはり通底しているのか〜


バスケットとベリーの2人のインディアンに
2つのスタイルを見る発想はなかったなー。
酋長の一族を滅びから守る道はおそらくはどこにもなくて、
むしろ彼らが無意識的に見つけいと思っていたのは、
黒人を探して殺すという嫌な仕事から逃れる道だったのではと。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/12(月) 23:03:38.76
あの夕陽。赤い葉=紅葉(red leaves)とも照らし合うようなタイトルだなあ。
何とか今週どこかで読みたい!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/12(月) 23:22:33.87

福武文庫の訳を読んで、驚いたのはバスケットとベリーのどちらのセリフかすら
新潮文庫とところどころ違っていたことです。
その他意味が反対になるところもあり、結構、どの翻訳を読むかで印象も変わって
来てしまう。

基本的に新潮文庫のように交互に話していると解して訳すのが正解のように思います。
(福武は、ベリーが、ドゥームが死後3日間話し続けたという伝説を語ることにされて
いますが明らかにおかしい)
それでバスケットとベリーの違いが首尾一貫します。
[sage] 2011/09/12(月) 23:25:32.43

参入待ってます!

も私です。
[sage] 2011/09/12(月) 23:26:57.34
溝the ditchの大きさ、意味

"I can feel him," Nancy said. "I can feel him laying yonder in the ditch." 2章より
夫が向こうの溝の中で(私を剃刀で殺すために待ち伏せして)横になっているのが感じられる。

小柄なジーザスが横たわらないと潜むことができないことから溝はそれほど大きくない
ことが読み取れる。
しかし、1章でナンシーの小屋に着くには溝を降りて上るということから川端康成「みずうみ」
で銀平が美少女町枝を待ち伏せするネズミのいる溝よりは大きい。川端のはドブであろう。

But fifteen years ago, on Monday morning the quiet, dusty, shady streets would be
full of Negro women with, balanced on their steady, turbaned heads, bundles of
clothes tied up in sheets, almost as large as cotton bales, carried so without
touch of hand between the kitchen door of the white house and the blackened
washpot beside a cabin door in Negros Hollow.

15年前に遡る一文の最後にNegros Hollowという黒人居住区が登場する。くぼ地ないし谷間
ということだから白人の住んでいるところより低地であることが読み取れる。
すぐにコンプソン家からナンシーの住むところまでの道順が示される。

Sometimes we would go a part of the way down the lane and across the pasture with her,
to watch the balanced bundle and the hat that never bobbed nor wavered, even when she
walked down into the ditch and up the other side and stooped through the fence.

小道the laneを下り、牧場the pastureを通りぬける 溝the ditchの中へと降りて 反対側に
上る 柵the fenceをしゃがんで潜る。

の引用からコンプソン家の子ども達は溝を越えることを父親から禁じられている。
The ditch is a racial boundary that divides Jefferson's white and black worlds.
(溝はジェファーソンの白人と黒人の世界を分かつ人種的境界)
ということのようだ。ttp://www.jstor.org/pss/3198783
キャディ [] 2011/09/13(火) 00:20:45.72
みなさん、こんばんは。

ありがとうございます。
“ぼく”の方がしっくきますね。

響きと怒りでは骨になっちゃってますね。
フォークナーさんは、はっきり書かない、
わざと断定できないようにするところが、
味といえば味かと。
[sage] 2011/09/13(火) 00:28:59.17

ありがとうございます。
やはり「響きと怒り」でお骨になっていましたか。

語り手(コンプソン家の長男クウェンティン、9歳)は洗濯女ナンシーの家の異常を
感じ取り、ナンシーが今晩殺されることを直感しているかのようですね。
弟のジェイソン(5歳)は感覚も鈍いという前提で書かれており、随分ディスられているw

4章
There was something about Nancy's house; something you could smell besides Nancy
and the house. Jason smelled it, even. "I don't want to stay here," he said.
"I want to go home."
ナンシーの家の中には何かが感じられた。ナンシーと家の匂いのほかに、何かが嗅げた。
ジェイソンさえもそれを嗅ぎつけた。「僕はここにいたくない」とジェイソンが言った。
「うちへ帰りたいよ」

6章(最終章)
"Who will do our washing now, Father?" I said.
「これから誰がうちの洗濯をしてくれるの、お父さん?」とぼくは言った。
[sage] 2011/09/13(火) 00:37:30.00
「赤い葉」編


>スリー・バスケットは、イッセティッベハの部下(戦士)の一人で、たぶん一
段身分が低い頭だったのでしょう。その頃には、この地方は白人に侵略されか
けていました。ハーマン・バスケットはスリー・バスケットの息子で、半分白人
の名前をもった血気盛んな若者、のちにドゥームとなる若いイッケモテュッベ
の野心的な仲間でした。


スリー・バスケットに関しては、福武文庫版を読むと、過去の古い風習を渉猟し、それを
再現しようとする人物、復古主義者であることが伝わってくる。
多分、彼は生贄の狩りの儀式の風習も渉猟し、モケタッベを先頭に立て、古来の方法
どおり行おうとしたのだ(ただ、復古といっても案外でっちあげだったりするのが常)。
新潮文庫版では伝わってこない。やはり翻訳はむずかしい。
原書で読んだからといってこの2人の訳者より語学力があるわけでないのでかえって
わからなくなってしまうわけだが。

「そのとおりだ。おれにゃどうも、奴隷制度が気にいらねえ。そいつあいい風習じゃあ
ねえ。昔は、りっぱな風習があったもんだ。それがいまじゃあすたれたんだ」
「おまえだって昔の風習はおぼえていめえが」
「おれは、それをおぼえている連中からいろいろと聞いてきたんだ。そして、いまの
風習がいいか悪いか調べてきたんだ。もともと人間は働いて汗を流すようにゃあできて
いなかったんだ」
"You said it. I do not like slavery. It is not the good way.
In the old days, there was the good way. But not now."

"You do not remember the old way either."

"I have listened to them who do. And I have tried this
way. Man was not made to sweat."
キャディ [] 2011/09/13(火) 00:54:47.57
いい翻訳があればそれにこしたことはないですね。
例えば、

いい翻訳であれば、語り手のクエンティンが、
3兄弟の年齢を列挙するセンテンス、
あくまでもこのお話しの時点での年齢であって、
この話を語っている時点の年齢ではないことがわかる訳文にしているはずですが。。。
[sage] 2011/09/13(火) 01:18:42.13

語っているのは15年後の時点なのに、両翻訳とも
やたらとひらがなばかりにしてある。
上で引用するとき、かなり漢字に直しちゃってます。
キャディ [] 2011/09/13(火) 01:37:38.95

わたし書きかたが悪かったですね。
このお話は、15年後に語っているのではありません(続く段落等でそのことは明らか)。
語り手のクエンティンは、
この事件の3、4年後の、
つまり12、3歳のはずです。
この場合、書き方や書いてある(切り取ってある)内容が、
ものすごく上手なので(つまりそのくらいの年齢の人間の視点の活かし方)、
語り手の年齢に拘る必要があると思ったのでした。。。
わー、こんなじかんだー。
あした、もうちょと整理して書きます。
失礼します。。。
[sage] 2011/09/13(火) 04:07:17.09

そうでしたか、9歳の時の事件の3、4年後に語っているのですね。
読み込めていませんでした。
よろしくお願いします。

語りの時点は、もしかして「響きと怒り」のエピソードとの符号等から
特定するのかな
(実はまだ「響きと怒り」の岩波文庫版、出てこないままなのです)

昨日、「正義」も読んでみたのですが、この1章と5章(最終章)の語り手
も同じクウェンティン・コンプソン。
5章で、2〜4章のサム・ファーザーズの語りを聞いたのが12歳当時
ということになっている。
「あの夕陽」の語りの時点と近いことになりますね。

Grandfather called me again. This time I got up. The sun
was already down beyond the peach orchard. I was just
twelve then, and to me the story did not seem to have got
anywhere, to have had point or end.
おじいさんが再びぼくを呼んだ。今度はぼくも立ちあがった。
太陽はすでに桃畑の下に沈んでいた。そのときのぼくはまだ
12歳だったので、この話は尻切れとんぼで山もなければ結末
もないように思えた。
キャディ [] 2011/09/14(水) 01:30:33.35
みなさん、こんばんは。
昨日の私の珍説(語り手のクエンティン12.3歳説)の展開です。
まず、テキストの中で、このナンシー事件のときに9歳だったことは明言されています。
1章の第2パラでは“15年前”の町の洗濯女の様子が語られています。
普通の小説なら、語り手が語っている時点の年齢は24歳と考えていいと思います。
しかしこの短篇を、あえて独立したものとしてではなく、
響きと怒り(やアブサロム、そのほかの作品)と関連づけると、
語り手のクエンティンが24歳まで生きているはずがない、
ということになります。
響きと怒りでは1910年6月に自殺してることになっているので、
(アブサロムの作者承認のgenealogyによれば1891年生まれなので)19歳までしか、
生きていなかったことになります。
で、この“15年前”という文言を、
語り手の生涯と接続する15年ではなく、
単に誰かから聞いた、あるいは読んだ知識としての15年前(の叙述)、
と考えます。
次の第3パラのナンシーの描写も、必ずしも“いま”から15年前のものである必要はない。
キャディ [] 2011/09/14(水) 01:31:29.13
さて、ではなぜ実際の事件から3,4年後に語っていると思われるのかという点です。
一般に、この作品の特質として挙げられているのは、
大人(24歳)が、子ども(9歳)の視線・感性で見聞した事件を提示することによって、
一般の読者にはわかっていること(例えばナンシーの売春や妊娠など)が、
子どもには理解できないまま、聞いたままの言葉(ナンシーのお腹の状態など)で、
叙述され、そのギャップによって大きな効果を生んでいるというものです。
しかし、24歳の大人が、ここまで無為批判に、コメントや注釈を抜きに、
あれだけインパクトのある事件を語るというのは、おかしくないですか。
そもそも大人が語っている必要はないはずです。
ただし、文体の問題がある。
1章の前半部分は書き方は、子どものものではないといわれるかもしれない。
しかし、伝聞や読んだものであるなら可能では。
12,3歳というのは、
事件発生時の9歳よりは成長はしていて、
聞いた話をある程度正確に整理して叙述する能力はあるものの、
そこに論理だった問題意識や肉親に対しての批判めいた感慨を、
持つまでには至っていない、思春期ぎりぎり前の年齢として、
(かなりアバウトに)想定しただけです。
ただし、ファミリー内の会話の部分などは、12,3歳というよりは、
9歳児の非情さが、つい先ほどのことのように、
そのままの年齢で新鮮に語られているようにも感じられてしまいます。
あー、苦しい。。。
[sage] 2011/09/14(水) 03:28:37.09

なるほど、「響きと怒り」で自殺したクウェンティンが24歳まで生きているはずがないということですね。
若くして自殺したことはさすがに覚えていたけど、19歳と、まだ20歳前だったのか。

冒頭部分
Monday is no different from any other weekday in Jefferson now. The streets are paved now, and
the telephone and electric companies ……

nowとは「あの夕陽」が雑誌に発表された1931年頃かとおもってました。
舗装道路、電話会社、電力会社。さらに、市営の洗濯所(a city laundry) 、自動車(motorcars, automobiles)が登場。
洗濯物の集配も毎週月曜でなく、随時になっている。

そして、第2パラグラフで、この短編の舞台となる時代へと一気に遡る
But fifteen years ago, on Monday morning the quiet, dusty, shady streets would be full of Negro women…

15年前だから、1916年頃と考えてました。
黒人女が月曜朝という決められた集配日に洗濯物を頭に載せて、白人の家のお勝手口から、黒くなった洗濯窯へと運ぶ。
洗濯窯は、低地(Negros Hollow福武;黒人谷、新潮;黒人盆地)の黒人居住区の丸木小屋の戸口に設置されている。
…between the kitchen door of the white house and the blackened washpot beside a cabin door in Negros Hollow.
[sage] 2011/09/14(水) 03:29:49.07
しかし、雑誌の読者も、この作品を「響きと怒り」(1929)のスピンオフと承知して読むことが想定されていたから
この短編の舞台は1891年生まれのクウェンティンが9歳の頃、すなわち、1900年頃と読んだことになるのでしょうか。
となると、冒頭のnowも誰が語っているかという問題はおいて、1915年頃と当時の読者は読んだのでしょうか。

もう一度ひっくりかえしてすみませんが、結局、こう読むことになるのでしょうかね。

やはりnowは初出の雑誌を呼んでいる読者にとっての現在で1931年頃、
そして、But fifteen years agoは、「15年くらい前までは」この町には電話も電化も、
自動車も普及していなかったと読む。
作品の舞台は1915年頃よりも前だけど、もっと前、すなわち、1900年頃でもよいと。
[sage] 2011/09/14(水) 04:01:47.39

>ただし、ファミリー内の会話の部分などは、12,3歳というよりは、
9歳児の非情さが、つい先ほどのことのように、
そのままの年齢で新鮮に語られているようにも感じられてしまいます。

会話の部分は、9歳、7歳、5歳の子どもそのままでいいですよね。
問題は1章の第3パラグラフ以下の地の部分の語りの時点ということになりそうです。
(第2パラグラフまでは語り手は作者としてもいいのかなと思っている)

ナンシーは、すでに歯っかけの状態で登場する。でもまだ洗濯女として。
2回目の逮捕(拘置所へ連行される途中、ストーヴァル氏に売春代のつけを公衆の面前で請求し、
彼に蹴られ歯を失う)からの釈放後、ディルシーの代わりにコンプソン家で料理を作るようになる前。
(月曜朝の朝食だけは彼女が以前から担当していたがさぼりがちだった? 子ども達はウィスキー
の飲み過ぎの二日酔いと思っていたが、前夜の売春で疲れていた?)

確かにハイティーンだと、性的な内容にもっと説明をつけ加えたくなりそうですね。
今から思えば、こうだったとか。
あと、「響きと怒り」ではかなり濃厚に描かれていた記憶のある、クウェンティンの2歳下の妹
キャディへの後日の近親相姦的な思い入れが片鱗も見えないように思います。

確かに、思春期以前(中二病になる以前)くらいを想定するのがいいのかもしれない。

[sage] 2011/09/14(水) 04:23:53.37
最後に、語り手12、3歳説を自分なりに読み取ろうとして、予め
作っていたナンシー中心の時系列表を貼っておきます。
ありがとうございました。明日以降もよろしくお願いします。

ナンシーは売春相手の白人との子を産み落とす前に殺されてしまったんでしょうかね。
ディルシーの病気は長びいたように書いてあるけど、どのくらいの期間だったんだろう。

1章
ナンシーの二度目の逮捕(何の罪?)
ストーヴァル氏との件(売春の対価の請求)、歯をなくす
小さな風船のようなお腹(妊娠)

ナンシー、病気のディルシーの代わりにコンプソン家で料理
すいかのようなお腹(臨月。その後、生まれた?)

父、ナンシーの夫ジーザスに出入り禁止を申し渡す。

ジーザス、ジェファソンからいなくなる

ジーザス、町に戻って来たとの黒人同士のネットワークの情報。怯えるナンシー。
(ぼく9歳、キャディ7歳、ジェイソン5歳の明示)

母を残して、父と子ども達、ナンシーを夜、家まで送っていくようになる。

[sage] 2011/09/14(水) 04:30:07.76
2章
母が父に自分1人を残して、ナンシーを送っていくことに苦情。
ナンシー、コンプソン家に泊まるようになる
最初、台所。やがて、子ども部屋へ。

ディルシー復帰
ディルシー、ナンシーにコーヒーを入れてやる

3章 
ナンシー、コーヒーを飲みはじめる。呑みこもうとするが喉を通らない。

母、ナンシーを泊めてやってくれと子ども達に頼まれるが拒む。

ナンシー、茶碗を落とし、コーヒー零れ出る。

子ども達、ナンシーに頼まれ、一緒に黒人居住区のナンシーの家へ行く。

4章 
ナンシーの家 ポプコーン作りの失敗

5章 
父、ナンシーの家に子ども達を連れ帰りに来る

6章 
父と子ども達、ナンシーを1人残しての帰途
[sage] 2011/09/14(水) 05:45:19.63

>月曜朝の朝食だけは彼女が以前から担当していたがさぼりがちだった? 子ども達はウィスキー
の飲み過ぎの二日酔いと思っていたが、前夜の売春で疲れていた?

というより、子ども達が溝のこっち側から石を投げて、戸口から頭をのぞかせるのはナンシーだけだ。
しかも、真っ裸のままで(without any clothes on)とある。
ナンシーは自分の住む小屋cabinで泊まりの売春をしており、客はまだ、そこに居残っていたのではないか。

客は、子ども達が諦めて、家に戻ってから、帰っている。

亭主のジーザスはといえば、ひもであり、働かずに、ナンシーに洗濯のみならず、売春でも稼がせて、
女房が客を泊めている間、どこか町中で飲んだくれているか、ほっつき歩いていたのではないか。

[sage] 2011/09/14(水) 07:57:25.41
「赤い葉」 毒(ミズ)蛇(福武;ヌママムシ) a cottonmouth moccasin

画像付解説 ttp://www.squidoo.com/cottonmouth_snake

新潮訳は、2か所ででてくる同じ重要な単語を別の訳し方をしている点で問題だと思う。

4章でまず、黒人奴隷が腰のまわりに革紐でつるしたお守りとして登場。
The amulet consisted of one half of a mother-of-pearl lorgnon which Issetibbeha
had brought back from Paris, and the skull of a cottonmouth moccasin. He had
killed the snake himself and eaten it, save the poison head.
そのお守りというのは、イセティベハがパリから持ち帰ったアコヤ貝(福武;真珠母)
の鼻眼鏡の片方と、毒ミズヘビの頭蓋骨からできていた。そのヘビは彼自身
が殺したもので、毒のある頭以外は食べてしまったのである。

a lorgnonの訳は両訳とも同じだが、もともと片眼鏡の可能性はないのか。

cottonmouthが《米俗》で(二日酔い・麻薬の服用・恐怖などによる)口の渇きを意味するのはラストシーン
を考えると大事な点ではないか。
あと moccasinが、(通例〜s)北米先住民のかかとのない柔らかい革の靴を意味することも、イセティベハが
パリから三種の神器のひとつとして持ち帰り、モケタッベが気にいっている踵のある上靴との関係で気になる。

4章の最後のシーン
At sunset, creeping along the creek bank toward where he had spotted a frog,
a cottonmouth moccasin slashed him suddenly across the forearm with a thick, sluggish blow.
日没ごろ、川岸に沿って、一匹のカエルをみとめた場所にむかって忍びよってゆくとき、
毒ヘビがとつぜん彼の前腕に噛みついて、ずっしりとした鈍痛をあたえた。

最終章では、黒人奴隷は唐突にitとして蛇に言及している。
"It struck me here, raking me across this arm; once, twice, three times. I said, 'Ole, Grandfather.'
[sage] 2011/09/14(水) 08:08:43.17
「赤い葉」  川原(福武:川床) the creek bottom の2つの意味

「太鼓の隠し場所」

It was in the central cabin, a house a little larger than the others, where at certain phases
of the moon the Negroes would gather to begin their ceremonies before removing after
nightfall to the creek bottom, where they kept the drums.
それは中央の小屋、ほかの小屋よりすこし大きな家のなかにあった。そこに黒人たちは、
月の満ちかけのある段階は見はからって集まり、日没後、太鼓をしまってある川原の窪地
に移る前、儀式をはじめるのであった。 (1章)

The drums began after dark. They kept them hidden in the creek bottom.
太鼓は日が暮れると鳴りだした。彼らはそれを川原にかくしておいた。 (4章)

「黒人の逃走路」 4章
He had run thirty miles then, up the creek bottom, before doubling back;
lying in a pawpaw thicket he saw the pursuit for the first time.
彼は後戻りする前に、川原を30マイルも走っていた。ポーポー(訳注 アケビに似た果実)
の木の茂みに身をふせて、追手たちの姿をはじめて認めたのだ。

これだけ逃げたのに、頭領株ら黒人たちは2マイルと離れていないところから太鼓で合図をし、彼を待っていた。

"We have expected thee," the headman said.
「わしらはお前が来るのを待っていたのだ」と頭領株はいった。

ただ、死者と生者は交われない、「行け」と言われて、黒人奴隷は立ち去る。

He accepted the cooked meat, wrapped in leaves, and entered the creek bottom again;
after a while the sound of the drums ceased. He walked steadily until daybreak.
彼は木の葉に包んだ、料理した肉をもらい、ふたたび川原にはいった。
しばらくすると、太鼓の音はやんだ。彼は夜明けまでどんどん歩いた。
[sage] 2011/09/14(水) 08:16:22.05
「赤い葉」   Mouth of Tippah 黒人が引き返す地点

逃走後3日目(5章)

"Not yet?"

"Not yet. He is going east. By sunset he will reach Mouth
of Tippah. Then he will turn back. We may take him tomorrow."

「まだかね?」
「まだです。やつは東にむかっています。日没までにはマウス・オブ・ティパー
(福武文庫;ティッパーの入り口)に着き、それからひき返してくるでしょう。
あしたはつかまえられるかもしれません」


ティッパー郡はミシシッピ州の実在の地名で、ティッパーとは、チカソーの言葉でcut offを指す。
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Tippah_County,_Mississippi

cut offとは「(川の湾曲部にできた短い直流の)切断水流」
ttp://dictionary.goo.ne.jp/leaf/ej3/21220/m0u/

川原(川床)に沿っての逃走経路には行き止まり(果て)があるようだ。

あと、「東」に聖書にあるような特別のイメージを読み込むかどうか。
[sage] 2011/09/14(水) 08:21:11.68
「赤い葉」   records記録

1章より
In this room they kept the minor accessories, the cryptic ornaments, the ceremonial
records which consisted of sticks daubed with red clay in symbols.
ここの部屋のなかに、彼らは小さなアクセサリー、神秘的な飾り物、赤い粘土を象徴的な
形に塗りつけた棒切れから成る儀式の記録などをおさめておいた。


彼らが口承、あるいは太鼓の音以外にも儀式次第を伝えるrecordsを持っていることが明かされている。
インディアン側はどうも口承のみに見えるのだ。それを復古主義者スリー・バスケットが渉猟していた。

バスケットは昔なら(カセット)テープ、最近ならDVD、SDカードといった記録媒体に比せられる。
黒人側は生身の死すべき人間とは違った、もっと永続性のある記録媒体を持っていた。

白人のみならずインディアン達にも家畜のように扱われている彼らが実は世代を超えて、
遠い異国の地に来ても、文化・儀式次第を伝えるすべを持っていたことになる。
[sage] 2011/09/14(水) 09:40:35.14
>a lorgnonの訳は両訳とも同じだが、もともと片眼鏡の可能性はないのか。

one half of a mother-of-pearl lorgnonとなっているから、完全に私の勘違い。
失礼しました。
「アコヤ貝(福武;真珠母) の鼻眼鏡の片方」で問題なし。

[sage] 2011/09/14(水) 09:42:02.07


で引用した黒人奴隷がつけていたお守りの話でした。

アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/14(水) 20:59:52.93
かなりテキストクリティックみたいなドエライことになってるw
「夕陽」も原文どこかに落ちてましたっけ?
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/14(水) 21:18:53.88
「あの夕陽」、振り落とされる前になるべく早く読もうと思っております。
キャディ [] 2011/09/15(木) 01:23:38.36
みなさん、こんばんは。

Gさんには、わたしの珍説につき合わせてしまい、申し訳ないです。
叙述の意識としては、子どもの視線を過去のものとして生かすには、
その視線に違和感を感じない前提があるはず(だから12,3歳!)、
と考えたのが躓きのもとでした。。。
おかげでなんとも苦しいコジツケ話に。
とほほ。
しかし、この短篇の"I"は、何度読んでもすごい。。。
響きと怒りなど他の作品は脇に置いといて、
24歳の大人が、9歳の子どもになって作中に入ったきり、
こちらに("now"の世界に)戻ってこなまま終わるのですから。。。
地の文で現在形が使われているのは冒頭の1パラだけ。
1章6パラめのナンシーの会話文から世界が変わる。
24歳の男の声がヴォイスオーヴァーしていた現在の町の情景が、
15年前のそれにオーヴァーラップし、
ぽんとナンシーの小屋に子どもたちが石を投げているシーンに。。。
当たり前ですけど、赤い葉といい、これといい、傑作は例外なく導入部がニクイ。
あと、責任を感じて?"now"の調査をしました。
例のCowleyのPortableでは、ナンシー事件は1902年の出来事と比定しています。
(おそらく響きと怒りからの比定と思われますが、
先日書簡を紹介してくださった方にこの辺のいきさつ確認していただけたら嬉しいです)
で、1902年とすると、これが語られている"now"は1917年ということになります。
しかし、ここでの"now"が雑誌掲載時の1931年であっても、
違和感なく話に入っていけるようにも思うのですが、どうでしょうか。
[sage] 2011/09/15(木) 01:33:24.65

原文、月曜の朝にで紹介したのですが、遥か昔のようになってしまったw


「赤い夕陽」の原文こっちです。
ttp://www.shortstory.by.ru/faulkner/eveningsun/index.shtml

セミコロン;が|になったり、ハイフンが?になったりしていますが、そこは訂正しながらでお願いします。

下記は最初紹介した分ですが、新潮文庫の底本と違うところがあり、特に見なくていいです。
1931年雑誌初出時(表題がThat Evening Sun Go Down ナンシーの亭主の名がJubah)
ttp://xroads.virginia.edu/~ma01/white/anthology/faulkner.html



[sage] 2011/09/15(木) 01:46:29.82
にしないとうまく飛べないみたい

「赤い夕陽」でなく「あの夕陽」でしたね。

最初見つけたのがたまたま雑誌初出時のものだったので、その後、
翻訳のもとになった単行本と同じものに差し替えただけです。
(当初ははじめと終わりだけみて題名以外は変わらないと勘違いしていた)

テキストクリティークではないのでご安心あれ。
[sage] 2011/09/15(木) 01:55:14.10

はじめは、ジェイソン(ジュニア)って子どもの頃からやな野郎だったね、とか。
夫に殺されるなんて怯えてるけど、ナンセンスと一笑にふすジェイソン父の言うように
ナンシーの単なる被害妄想なんじゃないか、とかいう素朴な話からはいってみた

一気に語り手であるクウェンティンの語っている時点(年齢)の話になっていったけど

「響きと怒り」読んでなくても十分に楽しめます。



[sage] 2011/09/15(木) 02:12:43.14

>しかし、この短篇の"I"は、何度読んでもすごい。。。

第3パラグラフではじめて登場するのですよね。
まずは妹弟も含めたweですが。

Sometimes we would go a part of the way down the lane and across the pasture with her,
to watch the balanced bundle and the hat that never bobbed nor wavered, even when she
walked down into the ditch and up the other side and stooped through the fence.

で触れたように、コンプソン家から、溝の向こう側の黒人居住区のナンシーの丸木小屋まで
の道順というトポロジカルな点からはいるのが非常に象徴的。
小道を下り、牧場を越え、溝をいったん下って上がり、柵をくぐる。

溝(白人と黒人の世界の境界)から先は、子ども達にとって、父親からはいるのを禁じられた場所だった。

コンプソン一家は、その後、夫の影に怯えるナンシーを、父と子ども達で夜送っていくようになる。
その際に辿る道順も最初にweが登場する道順と同じ

ついに夫に殺される晩(?)、当初は子ども達だけでナンシーとこの道順を辿り、父に禁じられた領域にはじめて
子ども達だけでナンシーとともに入る。
最終章では、子ども達は、ナンシーを残し、迎えに来た父とともにこの道順を逆に辿り、溝を越え、帰途に着く途中で
この短編は終わる。

ixion ◆ySh2j8IPDg [sage] 2011/09/15(木) 02:13:59.75
Jeeeeeeeeeeeeeeeeeesus
[sage] 2011/09/15(木) 02:19:26.16


で 457さんが心待ちにされていた方ですね!
はじめまして

>(この読書会にixionさんも参加していてくれたらなぁ……)としんみりしつつ、明日の
仕事にそなえて今日のところはもう寝ます。
[sage] 2011/09/15(木) 02:47:08.99

>1章6パラめのナンシーの会話文から世界が変わる。

南部訛りというか黒人訛りを語尾の「だ」によって表すという古典的なwの福武文庫版の雰囲気紹介しときます。
子ども達は、妹のキャディ、弟のジェイソンの順で登場。

"What yawl mean, chunking my house?" Nancy said. "What you little devils mean?"
「おらの家に石なんかぶつけて、なんだっていうだ?」「なんだっていうだ、このいたずらども」

"Father says for you to come on and get breakfast," Caddy said. "Father said. "Father
says it's over a half an hour now, and you've got to come this minute."
「おとうさんが早くきて朝ご飯をつくっておくれって、いってるわよ」「もう30分もおくれているって、
だからいますぐこなきゃだめって、いってるわよ」

"I ain't studying no breakfast," Nancy said. "I going to get sleep out."
「おらは朝飯なんかつくるつもりはねえよ」「おらはもうひと眠りするつもりだよ」

"I bet you're drunk," Jason said. "Father says you're drunk. Are you drunk, Nancy?"
「おまえはきっとお酒を飲んでいるんだね」「おとうちゃんが、お前はお酒を飲んでいるっていってるよ。
ほんとうかい、ナンシー?」

"Who says I is?" Nancy said. "I got to get my sleep out. I ain't study no breakfast."
「だれがそんなことをいってるだい?」「おらはもうひと眠りしなきゃなんねえだ。おらは朝飯なんか
つくるつもりはねえだ」


[sage] 2011/09/15(木) 03:15:08.50

>例のCowleyのPortableでは、ナンシー事件は1902年の出来事と比定しています。


>響きと怒りでは1910年6月に自殺してることになっているので、
(アブサロムの作者承認のgenealogyによれば1891年生まれなので)19歳までしか、
生きていなかったことになります。

と合わせると、ナンシー事件の際、クウェンティンは11歳ということになりますね。

ところが、「あの夕陽」では、病気のディルシーに代わってコンプソン家のコック役をつとめるナンシー
が失踪中の夫が帰って来たという情報を耳にし怯え始めた時点では9歳と明示されている。

ディルシーの病欠は長いといって数カ月で、ナンシーは赤ちゃんを産む前に殺されてしまったとみて
いたんですが、実際は2年くらいの期間、ディルシーは休んでいたのでしょうか。
そうすると、スイカ腹からは子どもが生まれていなきゃおかしい。

多分、サーガの年代特定は目安に過ぎず、CowleyのPortableとアブサロムの作者承認のgenealogyは
必ずしも整合していないということなのでしょうか

吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 11:57:17.02
Gはどこでも相手されないなぁwww
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 12:27:05.80
長文Gさんだったのか。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 12:35:59.27
他にいねぇだろ、あんなこと書くやつ
吾輩は名無しである [] 2011/09/15(木) 12:42:07.02
さいきんは夜中も書いてるから、仕事なんてしてねぇな
リストラオヤジか自営業なんだろう
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/15(木) 12:58:23.87
まあフォークナーをめぐって書いてるんだからいいじゃんか。
暴走はGさん本人も自覚してることだし。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/15(木) 14:52:28.84
Gさんヤバすぎるよ。いい意味で。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 20:30:00.17
確かに、自己満足の長文書き込みを何処のスレへ行っても
犬が電柱にしょんべんをかけるように残していくさまは、ヤバすぎるな。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/15(木) 20:35:24.96
いやいや、Gさんは脳がよくできている!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 20:37:32.61
鈴木よ、そんなこと書くと、長文Gはーコテハンつけたようだなー
犬っころのようにここに居着くぞ。尻尾ならぬチンチンを振りながら
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 20:49:56.06
長文Gは、オリジン東秀で夕飯を今買ってる頃だから、もうすぐあの
厚かましく、品性下劣なおやじが登場します。
決して私のように貶してはいけません。粘着気質丸出して、おぞましい
言葉を並べてきます。それも執拗に…
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/15(木) 21:07:39.51
いや、俺はGさんに沢山射精して欲しいし、「いっぱい出たね」って言ってあげたいよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 21:08:28.92
分かった、鈴木!
あまな ◆I/bnTKgLlU [sage] 2011/09/15(木) 21:13:51.47
長文Gさんのアンチなど、私のアンチに比べたらまだ可愛いものです。
私なんてあちこちの書き込みを監視され、いくつかのブログで分析されているんですよ。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/15(木) 21:40:37.78
そのブログ!!全く興味ねえな。どうでもええわw
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/15(木) 21:41:47.92
あ、ボーシンさんのやつ?あれは凄いよ。あれで裸にされたお前がいまだに書き込んでるのが信じられないけどw
あまな ◆I/bnTKgLlU [sage] 2011/09/15(木) 21:43:43.42
いや、私のレスをブログに載せていじくっているのはボーシンだけではありません。
確認できるだけで他に二人程います。ですからすでに慣れているのです。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/15(木) 21:47:48.24
ああ、それはお前が見るからに怪しいからだと思うよ。
あまな ◆I/bnTKgLlU [sage] 2011/09/15(木) 21:48:59.84
鈴木の人生終了ぶりにはかないません。私はカタギですからね。
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/09/15(木) 21:51:03.44
そんなの自慢するなよ!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 21:52:15.83
長文Gは、飯を食い終わるから、また自分勝手な長々した書き込み
5連投が始まるよ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/15(木) 22:14:31.12

ごめん、牛はらみ弁当があるとき以外はオリジン行かないんだ。
[sage] 2011/09/15(木) 22:27:12.69

アンチというよりもともとは挙げ足とりなんですよね。
それにつっかかっていったら、アンチに豹変したw




吾輩は名無しである [sage] 2011/09/15(木) 22:28:04.38
お、長文Gが動き出した。
さーて退散するとしよう
[sage] 2011/09/15(木) 22:28:23.59

フランス語で「妊娠」のことを何ていいますか、ってなぞなぞを思い出した
キャディ [] 2011/09/16(金) 00:24:28.36
みなさん、こんばんは。
きょうはずいぶんとにぎやかですね。

フォークナーの登場人物の年齢や生年はテキスト間にかなり齟齬がありますねー。
だから、そのテキストに限定して見ていった方がいいようですね。
(そもそもいろいろ参照したのはわたしです、すみまへん)
しかも、アブサロム本文中でクエンティンは20歳を超えて生きてるのに、
その同じ本(Vintage International版)の巻末付録のgenealogyには、
1891年生まれ1910年6月没とあったりするんですから、
まったく油断できません。。。
フォークナーという人は、Portableのときでも、
せっかくCowleyが整合性が取れるようにAppendixの執筆を頼んだのに、
かえって混乱させる代物を書いちゃうひとですから。。。
まあ、ナンシーの件でいうと、わたしは出産前かと思います。
それというのも、コーンがポップしないというところが、
赤ちゃんが生まれないことを暗示してるようにも思うので。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 03:37:09.62

プルーストスレからBengy君が出張って来たようです。

>コーンがポップしないというところが、
赤ちゃんが生まれないことを暗示してるようにも思うので。。。

それは考えていませんでした。

ポップしないのは、子ども達がポッパーに豆を詰め込みすぎたから、はじける
空間がなかったということでいいですよね。
それに気がつかなかったのは、ナンシーがそれだけ夫の影に怯え動揺し
恐怖と不安でいっぱいいっぱいだったから余裕がなかったということか、と。

あと、豆は子ども達がそのときふさからこそぎ落としていますね。
とうもろこしのふさというと、サンクチュアリで不能者のポパイが女子大生
に行った例の所業を思い出しますね。
おそらく当時の読者にもサンクチュアリのシーンは有名だったのではないか、
フォークナー自身も読者があのシーンを思いだすのは想定済みでは

さらに想像を逞しくすると、ナンシーは猟奇的あるいは高齢等種々の理由で不能な
売春の客にとうもろこしの房をそのように使わせていた可能性すらあるのではないか
(私の仮説は、ジーザスはひもで、ナンシーに小屋で泊まりの売春を行わせていたと
いうものでした)

そんな使われ方をしたとうもろこしからこそぎとったポプコーン食べたくないですね。



◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 03:57:57.39
×Bengy
○Benjy

「響きと怒り」のノートンクリティカルエディション第二版届いていました。

本文は全体の半分にも満たないんですね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 04:17:05.31
ナンシーは2回逮捕されたことがあるとなっているけど、
逮捕理由はもぐりの売春か何かなんだろうか

当時の南部の法制度を調べようとしたけど、すぐには出てこない
(フランスだとゾラ等が19世紀の売春婦の実態を「ナナ」などで
ルポルタージュしてくれているし、鹿島茂のように風俗史に詳しい
文学者による紹介もあるのだけど)
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 04:27:05.58

フランス語で「妊娠」のことを何ていいますか、ってなぞなぞを思い出した
へのレスとしたのは間違い)

かつてタモリがやっていた例のギャグですね。麻布襦袢と一緒に。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 04:54:01.32
「赤い葉」 Grandfather  じいさん・祖父

でアイク少年が狩人として生まれて初めて仕留めた鹿に向かって、サム・ファーザーズが、
「チーフ(頭)よ」「グランドファーザー(じいさん)よ!」 と呼びかけるシーンが「むかしの人々」(The
Old People)にあることを紹介しました。
同じ「行け、モーセよ」(Go Down,Moses,1942)所収の中編「熊」(The Bear)では、6年後にアイク
少年自身が、「赤い葉」と同じようにそれこそ蛇に向かって、「チーフ(頭)よ」「グランドファーザーよ!」
と呼びかけるシーンがほとんどラスト近くにあります。

ただ、ガラガラ蛇で「赤い葉」のcottonmouth moccasin(ヌママムシ、毒ミズヘビ)とは違う種類

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 05:31:09.02
で「あの夕陽」の読者は、ポプコーンの箇所で「サンクチュアリ」でポパイがテンプルを
とうもろこしの穂軸で強姦するシーンを連想したのではと書きましたが、新潮文庫の「サン
クチュアリ」の解説を読んでいたら、この長編は1929年にはすでに書かれていたものの
刊行はその2年後のようです。
したがって、読者の目に触れたのは1931年3月「アメリカン・マーキュリ」誌に発表された
「あの夕陽」のほうが残念ながら早そうです。この仮説はひっこめるしかないかも。

ただ、福武文庫版の「あの夕陽」解説には興味深い記述がある。ナンシーとテンプルは密接
に作家の中で結びついていた?

>なお、ここでのナンシーはジーザスに殺害されるが、なんとそのナンシーが『尼僧に
捧げる鎮魂歌』(1951年)では再生して、人の道を誤ろうとする主人テンプル(『サンク
チュアリ』の女子大生)をいさめるためにその子供を絞め殺してしまい、「神を信じよ」と
の一言を残して処刑されることになる。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 07:06:49.35
ポパイ(Popeye) pop eye はじける目
  2単語とも回文になってるな

  pop ひょっこり現れる、(驚き・恐怖などで)(目玉が)飛び出る
  My eyes almost popped (out) with horror.
  怖くて目玉が飛び出るほどだった


テンプル(Temple)  temple (キリスト教以外の宗教の)聖堂、(古代ギリシャ・ローマ・エジプトの)神殿
                    (神の玉座・魂・秩序などの象徴)、(仏教・ヒンドゥー教の)寺、寺院


サンクチュアリ(Sanctuary)のあらすじ(英文)
ttp://www.associatedcontent.com/article/957683/bloody_corn_cob_the_rape_of_temple.html?cat=38
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/16(金) 07:09:20.75
誰もレスしないことを長々書いて何が面白いんだろう
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/16(金) 08:20:56.03

やあ、ベンジー君おはよう
ベンジー  便・自慰

君もcastrationしてもらった方がよさそうだねw
キャディ [] 2011/09/17(土) 01:22:09.91
みなさん、こんばんは。
いま、最後の章を読み返してみたのですが、
お父さんがJasonをおんぶして帰る様子、
"...it looked like Father had two heads,
a little one and a big one."
こう書くかー、と感動しました。

わたしは結局Vintage版をかいました。
面白い論文があったら、教えてくださいませ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 02:02:43.82

こんばんわ 

2人同じ名前だから
a Jason's little head and a Jason's big head
なのですね(英語これでいいのかな)

非常に印象に残った描写ですが、これをほのぼのとした家族像とみているのか、
双頭の怪物めいた不気味なものとみているのか(語り手であるまだ子供のク
ウェンティンにとっての見え方ということになる?)

読み返すと、ちょうど溝を降りて、昇る手前というえらくマージナルな空間での
描写なんですよね。
時間でいえば、たそがれ時、かわたれ時といった「逢う魔が時」とパラレルです。

ナンシーは、剃刀を携えて溝に横たわる夫のイメージに怯え続けている。

ここは帰り途の描写だけど、子供達だけでナンシーと小道をくだり溝の向こう側に
行きつつあるシーンではナンシーは不在のジェイソン父もあたかもそこにいる
かのように躁病気味に大声で話し続ける。ジェイソンジュニアに対し話しかけている
のかジェイソンシニアに話しかけているのか判然としない。その状態は溝を越え、
柵をくぐるまで続く

と書いてみたけど、ほのぼのとみることも可能なように思えるし。






◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 04:03:11.78
「あの夕陽」そろそろ1週間になりますね。

この作品、やはり「響きと怒り」との結びつきが強い。
雑誌発表と同じ1931年に猟奇的なシーンで作家を一躍有名にした「サンクチュアリ」も
案外関連しているように昨晩思えて来た。
後年の作品にナンシーと女子大生テンプルの絡みがあるという解説は週明けに読んだはずなのに、
とうもろこしをめぐる書込みをするまで、すっかり忘れていた。

この作品いずれ戻ってくるかもしれないという前提で次にすすんだ方がいいというのが俺の考えです。
次の作品に移ればまた新たな視界が開け、サーガの全体像にも一歩近づく。

選択は、鈴木氏、私と来たので
残るはキャディ氏とアセンション氏

アセンション氏にももっと参加してもらうためにも 次の作品は、アセンション氏がぴんと来たのを
選んでくれるのがいいと思うのだけど、どうでしょうか。



◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 09:43:24.76
前スレ、過去スレ、ログ速版で紹介しておきます。
これなら今でも読める。

何を読むかについて過去スレって、すごく参考になる。
例えば、ガルシア=マルケスのスレでイザベル・アジェンデ「精霊たちの家」、莫言
「白檀の刑」等名作に出会うことができた。

ixionさんって、10年ほど前に過去スレで活躍されていた方なんですね。
当時からアンチ長文っていたんだなあ。
文学版の場合、ある程度まとまったことを言う場合、時に長くなることは避けられないと思うのだが。
大体、1つの文章が時として1頁以上にまたがるような作家をどうやって数行で語れるってんだ

過去スレに触発され、心配していた散財しちゃいました


□前スレ
ノーベル賞 フォークナー 南部せんべえ
ttp://logsoku.com/thread/book4.2ch.net/book/1169031883/

□過去スレ
最近フォークナーは読まれているんだろうか
ttp://logsoku.com/thread/book.2ch.net/book/1003409747/
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 19:13:30.22
誰もレスしないことを長々書いて何が面白いんだろう

吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 19:16:59.16
Gさんの文章は滋味にあふれている
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 19:33:33.28
自演までして大変だ
吾輩は名無しである [] 2011/09/17(土) 19:57:35.41
>大体、1つの文章が時として1頁以上にまたがるような作家をどうやって数行で語れるってんだ
それとおまえの文章が無意味に長いのとは全く別問題だろが
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 20:04:33.79

禿同
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:06:27.55
Gがでると終わるな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 21:29:19.30
わー、こいつ暴れてやがんな
上げと下げの併用かよ
といってもプルーストスレの地縛霊だからもちろんフォークナー
については語れない
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:31:45.30
Gさんおもしろい
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:36:36.74
Gはここでも勘違いして思い込みを書いている。
は違うよ。
また、うんざりする粘着文書いて射精して下さい
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:40:07.92
Gさん気持ち悪い
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 21:40:29.10

思い込みでなく、推定だよw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:43:23.81
Gさんホントにホントに気持ち悪い
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:48:00.31
Gさんは物知り
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 21:50:21.52

お前は副詞を重ねることでしか言いたいことを強調できない脳なしか?

ホントにホントにホントにホントにご苦労さん
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:56:37.61
Gさんは文学板の宝箱
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 21:56:57.67

>お前は副詞を重ねることでしか言いたいことを強調できない脳なしか?

え、副詞?
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:02:49.58
Gさんは文学板のゴミ箱
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:06:20.25

じゃあ、何詞か言ってみてくれ
ttp://blog.livedoor.jp/aritouch/archives/440327.html
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:11:55.63

名詞・形容動詞じゃないの?「に」は格助詞で
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:13:33.48
Gさんワッショイ!
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:15:17.42

「本当に」でひとつの副詞とみても間違いじゃなかろうに
(英語のveryとかwellの訳と考えるという見方もある)
揚げ足とりばかりw
それが君の品性なんだよぉぉぉぉぉぉ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:19:27.83

とても失礼だが、英語との比較で国文法は語れない常識は
ありませんか?それが揚げ足とりなんでしょうか?
私は違うと思います。

そもそも「ホントに」は「ほんとう:本当」が転じた語であり
会話文として使われている。どうして、英語の訳語として
副詞でいいとかなるのかわからないです。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:20:48.95
Gは英語どころか日本語も理解できないバカ
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:25:30.71
「本当に」は多分副詞で間違いないよ。これ以上調べる価値も見出せないが。
形容動詞じゃないのは、「きれいな」とは言っても、「本当な」とは言わないことから明らか。
ttp://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1433700784

恥ずかしいのは>>655、だと思うよw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:25:33.59

ありがとう!
Gは今頃ネットで真っ赤な顔して、揚げ足取り本家の検索をしてます。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:27:03.99

残念,一足遅かったなw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:27:56.52
バカなくせにググってわかった気になって得意顔のGはどこでも嫌われ者
バカでもいいんだよ
だけどマナー守れや
まあいっても無駄だろうけど
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:29:27.25
Gさんはチャーミングないじられキャラ
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:29:38.65

君のいってるマナーとはどんなマナーだい
言ってみそ?
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:33:06.56

別に残念ではないよ。
ならば、どうして辞書の品詞分類が副詞というのがはいっていないかは、
お前の大好きなネットのサイトでは説明されていないから。
それに、100%自分は知らないのにこちらの方を恥ずかしいと決め付ける
お前は、やっぱり揚げ足取り本家のことを自ら証明してしまったね。


Gさんは、腹黒く面の顔が人の三倍厚いノータリン親父です。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:34:12.17

文章乱れてるよw
顔も真っ赤だし
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:34:47.42
支離滅裂なアホを長々と書かないこと
日本語を正しく理解すること

吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:36:33.02

多分の言いたいことは、まるで素直なところがなく
厚かましいその言葉使いが、マナーがないと言いたいのだろう。


そう?こういう厚顔無恥な人間はどうしたらいいのか、考えたほうがいいな。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:37:30.59
長文コテを潰さないで!ムーミンからのお願い!
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:38:51.98

厚かましく厚顔無恥なのはどっちだいと言いたくなるなw

言わんとすることを察しろといった言い方しかできんとこで
あなたダメです。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:41:14.32

大丈夫です。
こんなことで潰れるようなら、書込みなどしません(きっぱり)
ご安心あれ

でも、飽きたらやめるけど(すみません)
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:43:14.88

>言わんとすることを察しろといった言い方しかできんとこで
あなたダメです。

こんなことをどのような立場であれいう人間がまともである訳が
ない。こいつ嫁さんいないと思う。こういう人物の嫁さんもし
いれば相当歪んでしまい、一緒に生活など無理。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:43:39.68

その言い方がバカだとわからないところでアウト
こういうの処置なしだよな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:45:23.47

ルールである以上、きちんと言葉にできなきゃダメ
それに、あなた、人間のルール守ってませんねw
ダメ以前です
言ってもわからんかw
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:46:32.90
不毛だ。あまりに不毛だ……
連休の初日にこんなところでコテ攻撃しかできないやつらを相手に
やるせなす。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:46:36.63

わろた
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:46:38.15
スナフキンもGさん派です
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:48:36.27
やつら、でなく、やつ、かもしれんなw
いや、などみると書込みのタイミングからして別人だ、
ってことは、こんなしょうもないやつらが2ちゃんには複数いるってことか
くわばら、くわばら
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:48:51.76

その通りです。でもアホGは一向に気にもしません。


嫁さんいないんだ。そうだろうね、無理だよそんなんじゃー
ルール以前に人間として劣悪過ぎるわな


じゃあ消えろ、そうすれば
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:52:30.26

結局、社会のメーワク者には、なにいっても通じないから、
まともな人がひっこんじゃうってことになる


吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:53:57.52

>こんなしょうもないやつらが2ちゃんには複数いるってことか

ご自身がその世界を構成している一員であることは自覚が
ないようですね。


まったくその通りのようです。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:54:04.48

プライベートについて詮索しないのはルールじゃないのかい?

君がとてつもなく悪意に満ちた邪悪な存在だということは
書込みからよく伝わってくるよw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:56:44.38

そーゆー言い方が気色わりいんだよ
とにかくいっちゃってるひとだわな
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:57:08.72
ムーミンパパはGさんにお土産をあげようとして昨日町にでかけました
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 22:58:01.77

>プライベートについて詮索しないのはルールじゃないのかい?

あのな、お前は別スレでおれが精神病患者で薬を飲んでいるよなことを
書いてきたじゃないか?ルールを破ったのはお前だろう?
邪悪な存在とかすぐにいうのも、お前のいうルールの周辺に抵触する
領域じゃないのか?本当に自分勝手なことばかりいう野郎だな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 22:59:42.87
邪悪だねえ、邪悪だねえ。
こいつら、2ちゃんという肥え溜めに湧いてでる邪鬼ってとこだな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 23:00:44.49

自分が先に言ったことすら覚えていないのかい
俺は単に「目には目を」だよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:01:08.06

そりゃ禿おまえだ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:03:17.73

どんどん地金が出てきて気持ち悪さもへどが出そうなくらいだ。
あんた、やっぱり精神が病んでるよ。精神病の薬のことは、前の
会社で病んでる奴がいて、薬がどんどん強いものを処方されて
壊れていくのをみてたから知ってんだよ。あんたも、飲んでるね。
そういう異常さがあるわ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 23:04:38.78

>とにかくいっちゃってるひとだわな

いよっ、褒め殺し!
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:05:41.58
まあ文学板の粘着は凶悪だよね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 23:05:46.02

転職したの?あまりここで個人情報を出さないことをすすめる
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:06:56.35

Gは、精神病やってる可能性高いよ。
なんかPCの前で、ニタニタ笑い涎を流しながらキーボード叩いてる
ような気がする。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:07:05.28

しかし、ひきこもって2ちゃんやっててくれるぶんにはいいけど
こーゆーのがきれて街にでてきたら怖いね
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:09:21.82

うん。とびきり怖い
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 23:10:50.11

あまり褒めるんじゃねえ
照れるじゃないかw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:13:58.83
文学で精神病んで高みへ行けばいいけど
書いてること読むとひたすらバカだから
ほんまもんのゴミだな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 23:15:44.86

俺には、あんたみたいなロマンティックな狂気観はない。
狂気なんて概して退屈なものだ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:18:21.58
退屈じゃなくて、症状が進行してカウンセラーにも放りなげられたんだろう
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:18:56.00
おまえは退屈でも周りは怖がってんだろが
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:22:44.27
いやGさんは全然病気の兆候はないよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:23:08.40
なぜ長文Gがあんなにも、粘着で自分勝手なことを書いてばかりいるか
分かった。分かったら怖くなった、尋常じゃないから。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/17(土) 23:27:14.41
バカと基地外はどこにでもいる
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/17(土) 23:34:34.96
みんな雑談スレにおいでよw
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/17(土) 23:42:11.76

次の作品選んでくださいね。
キャディ [] 2011/09/18(日) 01:07:30.60
みなさん、こんばんは。
なんか、すごいことになってますね。。。
わたしは初心者なので、どう反応すればよいのか、
いまひとつ判らないのですが、
出来るだけフォークナーを読み続けられたらと思います。
Gさんが教えてくださった以前のスレをみてみましたが、
フォークナーのファンは、まだまだたくさんいますね。
読み始めたばかりの自分にとって、ためになるコメントもたくさんありました。
2ちゃんという開かれた場所では、いろんなことがあると思いますが、
フォークナーに関心を持っている人たちの話を聞くのは、
楽しいことです。
できるだけ、フォークナーについての話をしましょう。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 02:02:44.93
こんばんは。

きちんと顔を出してくれましたね。
あまりのことに驚いたでしょうけど。スレは伸びてもフォークナーのフォの字も出てこないw

相手をした人、1人は確実に、おそらくもう1人(2人?)もプルーストスレの人だと思います。
多分、フォークナーには興味がないと思うw おそらく今後も。

一切、無視するというのが原則として賢明なのですが…
(今後は基本的に無視する予定です)

過去スレ、私も今日はじめて見てみましたが、レベルが高いですよね。

フォークナー協会の事典買ってしまいました。

次の作品の選択、アセンション氏に振っていますが、もし、キャディさんの希望があれば、
選んでもらってもかまわないかと思います。次の中からです。

Jealousy, A Rose for Emily, Dry September, Wash(邦題 孫むすめ),
An Odor of Verbena, Barn Burning




キャディ [] 2011/09/18(日) 02:19:17.66
わたしは特にありません。
皆さんにお任せします。
事典、うらやましいです。
高くてわたしには手が出ないです。
今回の作品については、どのように書いてありましたか?
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 02:48:52.48
では、アセンション氏の登場を待ちましょう。

事典、正確には、昨日、アマゾンで注文し、その日のうちに発送のメールを
受け取っているので早ければ今日にも届く予定です。
吾輩は名無しである [] 2011/09/18(日) 08:10:16.35
アセは永遠に来ないよ
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 09:56:20.22
アセ氏の正体って、ゴドーさんかよw
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 10:15:45.86
全集の方が先に来てしまった。
てっきり前払い制だと思っていたら、随分太っ腹な古本屋だなあ。

「響きと怒り」、全集の訳で読むか。
お父さんのジェイソン三世ってアル中患者として死んだんだなあ(帯に出てる)

解説は作家の小島信夫。
一時、前衛評論家にもてはやされた「別れる理由」、ちょっと覗いてみたいのだが、
ずっと入手するでもなく、図書館で借りるでもない状態が続いている。

フォークナーの写真って、どれもかっこいいよね。この巻でも、コートっぽい背広姿で、
パイプを咥えて、ソファに座っている写真がのっている。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 13:09:31.24

>今回の作品については、どのように書いてありましたか?

あらすじは、こんな感じ
>白人の子を孕んだナンシーが夫ジーザスに命を狙われる恐怖(それはナンシーの妄想
にすぎないかもしれず、作品の中には決定的な証拠が与えられていない)を、白人家庭
コンプソン家の人々との関わりを通して描写したもの。語り手のクエンティン・コンプソンが
9歳の頃の子供時代を回想するかたちで物語は語られる。

興味深いのは4つのバージョンがあること
1、原型となる「笑いたいときに泣いたためしがない」("Never Done No Weeping When You
 Wanted to Laugh”)という6頁の断片
2、26頁のタイプ原稿
3、初出となった『アメリカン・マーキュリー』版
4、「これら13編」と「短編集」に収録された決定版

>とりわけ『アメリカン・マーキュリー』編者H.L.メンケンの指示を受けて書き直しをした
初出版と比較すれば、決定版は「蔓の話」(“vine buisiness”)と呼ばれるモチーフを
復活させており、作者の表現へのこだわりが窺われる

と書き添えられている。

3、4はに両方とも原文を貼っておいたので比べて見るかな。
多分、ナンシーのスイカ腹の蔓が夫とは別の男の蔓だ云々といった
ジーザスがコンプソン家を出入り禁止になるきっかけとなった会話
のことを言っている。初出ではカットされているのかな。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 13:35:22.09

>わたしは結局Vintage版をかいました。

多分、その版からの転用と思いますが、「響きと怒り」のコンプソン屋敷地図、
間取り図等も巻末についてます。

それ見ると屋敷から溝(the ditch)を越えて、ナンシーの小屋(地図はNancy's bones
にすでになってますが)に行くまでの道のり。
途中、牧場を越えて(across the pasture )とありますが、ここがBenjy's pasture と書かれている。
ベンジィが愛した場所だけど、コンプソン家が没落し、売られるとあるから、「あの夕陽」の当時は
コンプソン家の地所だったようですね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 13:46:53.79
フォークナー事典。「赤い葉」のあらすじも。

>不条理な死を前に生への渇望を断ち切れない人間の極限状況を描破した短編。
インディアンの酋長の死にともないその下僕で殉死を運命づけられた黒人奴隷が
逃亡し、インディアンの古老スリー・バスケットたちの悠長な追跡が始まる。逃避行
中、毒蛇に噛まれた奴隷は生きたいという思いを明確にするが、やがて捕えられ、
迫り来る殉死の時を待つ。

各作品の項目には、参考となる英語・日本語の論文が紹介されています。
キャディ [] 2011/09/18(日) 14:06:24.06
みなさん、こんにちは。

事典には主にあらすじが紹介されているのですね。
ナンシーはじめ本篇の登場人物がほかのどの作品に出てくるとかは書いてないのでしょうか。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 14:37:08.93

こんにちわ、
各作品の項目だけでなく、もちろん各登場人物の項目もあります。
例えば、ナンシーだと「あの夕陽」のほか、「尼僧への鎮魂歌」にGowan StevensとTemple
Drake Stevens夫妻の使用人として登場することが紹介されています。
テンプルが昔の愛人の弟と駆け落ちの計画をしようとしていることに気づき、その計画を阻止
しようと、置き去りにされてしまう生後6か月のテンプルの娘を絞殺し、結局、嬰児殺しの罪で
絞首刑になるとあります。

テンプルはサンクチュアリでは不能者ポパイにとうもろこしの穂軸で凌辱されており、
「尼僧の鎮魂歌」では赤ちゃんをナンシーに殺されてしまう。

でとうもろこしからポプコーンができなかったこととナンシーのスイカのようなお腹から赤ちゃんが
出てこなかったことを前に関連づけてましたが、符合していますね。
>コーンがポップしないというところが、 赤ちゃんが生まれないことを暗示してるようにも思うので
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 14:49:41.15

>みなさん、こんにちは。は誤り

Gさん、こんにちは。
が、正しい。
あなたと、Gしかいないからね。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 14:52:22.04
しかし、このスレのGの書き込みは、フォークナーに興味がある人には
役に立つかもしれん。
キャディ [] 2011/09/18(日) 14:52:45.13

ナンシのー項では、推定される年齢などは書いていませんか?
また、デルシーの項ではどうでしょうか。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 14:56:38.72

呼びかけた時点で、誰がいるかわからないのでこれでいいんだよ。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:00:00.59

ありがとうございます。

っていうか、フォークナーに興味がない人がわざわざこのスレにきて
どうでもいいこと書きやがってと言うこと自体が変なんですけどねw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 15:02:23.03

ならば、別スレ


>特徴、もうひとつ忘れてた
すぐ、存在もしない聴衆に呼び掛ける
「こういう人なんです」「さあ、お立ち会い」etc

このことも、

>呼びかけた時点で、誰がいるかわからないのでこれでいいんだよ。

で、いいんだよな?

吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 15:04:33.91


ワシが、で書いたことは、お世辞だよwww

>どうでもいいこと書きやがってと言うこと自体が変なんですけどねw

それはそうかもな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:08:09.74

>ワシが、で書いたことは、お世辞だよwww

うん、なんとなく君かもと思いながら、レスはしておいた
今後「ワシ」を目印にするのかな?
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:12:11.52

「聴衆」ってのは、ある程度以上の大人数を前提する用語として使ったんだよね。
サーカスやコンサートのように


◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:13:21.01

登場人物の項目自体には生没年や推定年齢は出ていませんねえ。

巻末に家系図、クロノロジーが何点か紹介されいます。
家系図には一部生没年が書き込まれていますが、残念ながら黒人の家系図自体がない。
また、クロノロジーも、「アブサロム、アブサロム!」、「死の床に横たわりて」「行け、モーセ」の
3作分のみです。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:16:12.66

> 3、4はに両方とも原文を貼っておいたので比べて見るかな。

初出版

He said it was a watermelon Nancy had under her dress. And it was winter, too.

"Where did you get a watermelon in the winter," Caddy said.

"I didn't," Jubah said. "It wasn't me that give it to her. But I can cut it down,
same as if it was."

"What makes you want to talk that way before these chillen?" Nancy said.


決定版

He said it was a watermelon that Nancy had under her dress.

"It never come off of your vine, though," Nancy said.

"Off of what vine?" Caddy said.

"I can cut down the vine it did come off of," Jesus said.

"What makes you want to talk like that before these chillen?" Nancy said.
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:16:55.87
の続きっす

初出版は、キャディが「冬にどこでスイカが手に入ったの」のと聞き、ナンシーの夫(Jubah)が
「俺は手に入らなかった。実をつけさせたのも俺じゃねえ。でもそいつを切り落とすことはできる。
俺がつけさせた実と同じくね」と答える(試訳なので間違ってるかも)

決定版は、蔓が男性器を通じてのスイカ(子)との血のつながりを象徴しているだけでなく、
ナンシー自らが夫の前でこれみよがしに「それは絶対にあなたの蔓から切り離されたものでないわ」
と夫の胤でないことを言う点も違うな。
また、キャディの「どの蔓から切り離してきたの」との問いに、夫(Jesus)の「俺はスイカが
そこから切り離された蔓自体を切り落とすことができる」とペニスを切り取るといった子供にとって
性的に露骨すぎる返答をする(雑誌編集者に修正させられた原因だろう)。

決定版は、Jesusが、サンクチュアリのPopeye同様、性的不能者だったという含みがあるのかも。

「八月の光」(1932)のジョー・クリスマスはナイフでペニスを去勢され殺害されますね。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 15:17:11.98

そもそも、プルーストスレで

>「聴衆」ってのは、ある程度以上の大人数を前提する用語として使ったんだよね。

いうところの前提が満たされてると思うの?
切ない言い訳、承った。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:19:10.89

君の呼びかけ自体がサーカス団の団長を連想させたんだよね。
俺が火の輪でもくぐるライオン扱いされているように感じたw
あるいは玉乗りをするクマのなんとか君
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 15:23:37.08

ふ〜んémotifなんだな。
ま、いいやCandyだか黒飴だかの長文Gのファンを大切にしてくれ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 15:30:57.90

>一切、無視するというのが原則として賢明なのですが…
(今後は基本的に無視する予定です)

いかん、これ守らないと、ノイズで本来のフォークナーについての話題がかき消されちゃう



ベンジー君、別のスレで同郷の生んだ天才詩人中原中也の話でもふってくれ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 15:47:28.59

>ノイズで本来のフォークナーについての話題がかき消されちゃう

そんなに力んだらウンコ漏らすぞ。二人しかいないんだから、どうってことないよ。
アンタ、enlève、して楽しいか?

中也は、去年だったかガリマールから出た翻訳凄い出来らしい。
キャディ [] 2011/09/18(日) 15:50:38.91

デルシーの家族構成とかもないですか?
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 16:00:57.20

項目はアルファベット順なのですが、登場人物につき、名前
でなく、姓の方で配列するというやり方がなされています。
これにより、ギブソン家のメンバーが1か所に固まり、項目
は違っても、それをざっと読めば、ディルシーの家族構成が
わかるように工夫されています。

ナンシーも見慣れないマニゴーMannigoeという姓でMのところに配列
されているので最初は戸惑いました。
巻末のアルファベット、50音索引を併用しながら見たい項目をさがす
ことになります。
キャディ [] 2011/09/18(日) 16:52:54.74

1999年に出たA Wiiliam Faulkner Encyclopediaを、
かなり使っちゃってるんでしょうか?
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 17:14:14.08

日本語訳もでていて、これまた18900円もする本ですよね。
読んでないのでなんとも言えません。

ただ、先ほどから、インディアン、あるいは登場人物で気になった
項目みているのですが、冒険しているところは皆無です。

個人的にはスリー・バスケットの名前の意味であるとか、蛇やアイテム
の象徴的意味など知りたいのですが解釈がわかれそうなところはきれ
いさっぱり拭われている。

大江健三郎、人種、ミシシッピ・デルタ、聖書等の項目もありますがどれも
手堅い。

何十人かの分担執筆です。

A Wiiliam Faulkner Encyclopediaはむしろどんな内容なのでしょうか。

アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/18(日) 18:01:37.95
紅葉、夕陽、という赤のつながりでいえば、
薔薇、あるいは火ということになりそうだけど、
「エミリーへの薔薇」「納屋は燃える」あたりでは?
キャディ [] 2011/09/18(日) 19:18:47.98
>>
736
項目立てがナンシーの場合ならMannigoe、デルシーはGibsonと、
日本の協会が出しているのと一緒、というか、
日本のものがパクリとまではいわないですがかなり参考にしてるとの印象です。
ttp://books.google.co.jp/books?id=fpuVmudsihYC&pg=PA242&dq=William+Faulkner+Encyclopedia+Mannigoe&hl=ja&ei=2sN1TuDhIIX5mAX7pLSFDQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1&ved=0CCwQ6AEwAA#v=onepage&q&f=false

(Gさんからの情報だけを頼りにした勘ぐりで公平性に欠けるコメントです。
でも、そうなら日本の米文学など所詮その程度なのかなと。
参考にしたものとしてこのencyclopediaにどう言及してるかにもよります)


異議ありません。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 19:22:36.54

本日届いたフォークナー事典から、2作品のあらすじ以外で参考になりそうなところを紹介します。
どちらか選んでもらえれば。

「エミリーへの薔薇」1930
>効果的な省略技法とフラッシュバックを用いて南部ゴシック風のグロテスクかつ衝撃的な結末へと
導く著者の代表作
>家父長的な父、1870年代様式の閉ざされた屋敷、忠実な黒人下僕、共同体の噂話などをモチーフ
に、南部社会の保守性、閉塞性を活写した作品である。愛を貫くために、時の流れに取り残されつつも
あらゆる変化に抗った誇り高き南部女性へのオマージュでもある。複数人称の語り手が町の出来事に
ついて語る視点を担っている初期の作品としても重要である。

「納屋は燃える」1939  
>分益小作人(sharecropper)で地主への憎悪と反発から納屋への放火を繰り返す父アブナー・スノープス
に対する10歳の息子カーネル・サートリス(サーティ)・スノープスの内面の葛藤を描く。
>少年の「成長物語」として読む読み方が一般的だが、最近は分益小作人と地主の階級対立など当時の
南部の社会経済的体制を視野に入れた解釈がなされている。

登場するスノープス一族は、
>3部作(The Snopes Trilogy「村」「町」「館」)の原型となった「父なるアブラハム」ではその繁殖力がウサギ
のイメージに重ねられているいっぽう、土地に根ざすことのないヤドリギやチーズに繁殖するカビに喩えられ
ており、一族の代表フレム(Frem Snopes)が性的不能者であるように、それ自体で何かを生み出す力を備え
ていない種族でもある

スノープ三部作のうち、「村」(The Hamlet、1940)は大江健三郎の項で
>彼の小説、エッセイ、講演に登場するフォークナーは、『野生の棕櫚』、『響きと怒り』、そして、『村』である。
とされています。
キャディ [] 2011/09/18(日) 19:34:03.70
Frem Snopes→Flem Snopes?
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 19:42:53.79

失礼、綴り間違えです。いかにも日本人的なrとlの取り違え
Flem Snopesですね
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 19:50:34.31

人名の項目を名字からというのは実は普通かもしれません。
特に系譜が重要である場合は名字で括るのは通常ではないかと。

ただ、紹介してもらったA William Faulkner encyclopediaのナンシーの項目を
ちらっと見た限りでも、こちらの方が全然おもしろそうです。
評論の内容が簡単に紹介されているみたいだし。
そこにでている頁をみても、ナンシーの失踪中の夫に殺されるとの恐怖はディルシーの恢復により
コンプソン家の料理役をお払い箱になる不安から生じた神経症的な妄想にすぎないといった説が
紹介されているみたい(英語はあまり読めないけどあってるかな)
このくらい踏み込んでないとやはり読み物としておもしろくない。
キャディ [] 2011/09/18(日) 19:54:22.57

いや、揚げ足取りみたいですみませんでした。
Fremという別キャラがある可能性を排除したかっただけです。
他意はありません。
あしからず。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 19:55:16.60
もちろん、妊婦であることも精神的不安定さに関連しているはずですね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 20:02:21.09

とんでもない、間違いはどんどん指摘してもらった方が
ありがたいのです。
ここにいると単なる揚げ足取りときちんと指摘すべき間違いの
境界がだんだん崩れてくるような妙な感覚に襲われるかも
しれませんが、遠慮しなくてかまいません。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/18(日) 20:10:45.85

>単なる揚げ足取りときちんと指摘すべき間違いの
境界がだんだん崩れてくるような妙な感覚に襲われるかも

お前何様だ?
キャディ [] 2011/09/18(日) 20:26:46.13
いや、これは意外とおもしろいですね。

242ページで切れてしまって次が読めませんが、
dismissは、「そんなの思い過ごしだよ」と真剣に考えてあげない、
という意味です。
でも、Gさんが、解雇と“誤読”(重ねて失礼!)してくれたおかげで、
違うパースペクティヴが与えられたように思います。
誤読は誤読かもしれませんが、
海外文学の受容においては、
聖書やギリシャの古典時代はいうに及ばず、
これまで必ずつきまとい、
場合によっては誤読のほうが良し!にさえなってきた歴史がありますよね。
(日本でいえばアーサー・ウェイリーの源氏英訳など)
“世界文学”(正直わたしはよくわかりませんが)ということを考えれば、
なおさらこはこれで、おもしろいとおもいます。
アセンション ◆HK7MyIikMibs [age] 2011/09/18(日) 20:28:43.85
では、発表年代の新しいほうの「エミリー」で。
フォークナーの代表作でもあると。
を読むとかなり技巧も凝らした作品のようで、歯ごたえありそうな気配。
何やかやとあって、「あの夕陽」は英文で読もうとしたまま挫折w
「エミリー」「あの夕陽」は昔読んだはずなのに何も残っていないorz
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 20:30:35.78

そうでしたか、勉強になります。
はじめから単なるピンチヒッター役であるはずなのになあと若干の違和感は感じながら
解雇されることへの不安と読んでしまっていましたw
キャディ [] 2011/09/18(日) 20:31:31.51

すみません、理解力がなくて、意味がわかりません。
なにか失礼があったら、あやまりますので、
具体的にご指摘ください。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 20:35:57.76

では、エミリーで決まりですね。

金曜日からはじまる連休で友人たちと小旅行にでてしまうので後半お付き合いが
できなくなってしまいますがよろしくお願いします。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 20:46:03.54


フォークナー事典の「序」に大要、次のように出ています。一応良心的なのでは。
執筆者総数が107名に及んでいるとあり、少数精鋭の事典に比べて、ばらつきが生じるの
はやむを得ないのではないかと。
AのA to Zも面白そうだなあ。


日本ウィリアム・フォークナー協会で1999年出版企画が承認され、編集を開始。その後、
@William Faulkner encyclopedia(1999)
A William Faulkner A to Z(2001)
BA Companion to Faulkner Studies(2004)
が相次いで出版されたが、これら3事典の項目をすべて点検の上で網羅し、できるだけ誤りを正しながら
本事典に組み込むという作業に意欲的に取り込んだ。
その結果、@の最近の批評動向に対する関心、Aにおける詳細な登場人物解説や伝記事項解説、Bの
実践的な批評方法の紹介をも取り入れ、決定版とも称する内容を持つものになったと自負している。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 21:07:51.60

>場合によっては誤読のほうが良し!にさえなってきた歴史がありますよね。
(日本でいえばアーサー・ウェイリーの源氏英訳など)

そうですよね、当時、「源氏」を誤読なしに英訳することは不可能に近かったでしょうね。
日本語としても主語の特定等むずかしく、さらに平安時代の風俗についても資料に乏し
かったわけで、誤読だらけにならざるを得ないはず。
どうしてウェイリーは挫折せずに最後まで訳せたか非常に不思議です。
思い切りのよさなのか。
正宗白鳥のような教養人でさえ、日本人でありながら、原文では読みとおせず、
むしろウェイリーの英訳ではじめて読破したと言っているわけですから。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/18(日) 21:46:53.66

>家父長的な父、1870年代様式の閉ざされた屋敷、忠実な黒人下僕、
共同体の噂話などをモチーフ に、南部社会の保守性、閉塞性を活写した作品

ここ確かにちょっと表現を変えると、前にどなたか指摘されていたとおり、
横溝正史の小説か、映画の宣伝にそのまま使えそうだよなあ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 06:18:50.40
「エミリーにバラを」

原文はここにあります(以前、キャディさんに教えてもらったサイトから辿りつきました)
p119−130です。
ttp://www.archive.org/stream/collectedstories030393mbp/collectedstories030393mbp_djvu.txt

参照したいとき、いちいちここを開いて、該当箇所を探すのも大変なので
この短編のとこだけ、コピペしてテキストファイルにしてしまうというのも手です。
自分は「赤い葉」のとき、そうしてました。

同じ単語がどこででてきたっけと調べるときに検索機能を使うと非常に便利ですね。
昔の研究者は厖大な時間と人を使って、いちいち索引を作っていことを考えると(しかもミス、見落としが
混入する、動詞の活用形をどう扱うかの問題も)隔世の感があります。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 06:43:18.72
新潮文庫の訳者解説で、この短編にバラの花など全く登場しないのに、なぜそのようなタイトルを
つけたのか、フォークナーが1955年長野のセミナーにやってきたとき質問した話が出ています。

「薔薇の花ぐらい贈ってやらないと、エミリーがあまりにもかわいどうではないか」というのがフォークナーの
返事でした。

訳者は、だとすると「ミス・エミリーにバラの花を捧げよう」というのが作者の意図なのだなと
(現在だとミズにした方がいいですよね。ミスにした方が情報量は多くなるけど)
この文庫の改版の際にタイトルを「エミリーへのバラ」から「エミリーにバラを」と改めたそうです。

もし、フォークナーの長野セミナーがなかったら、ダニエル・キイス (Daniel Keyes)
のFlowers for Algernon(中編は1956、長編が1966)の邦題も
「アルジャーノンへの花束」になり、現在に至っていたかも。



◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 06:50:48.45
打ち間違え

「バラの花ぐらい贈ってやらないと、エミリーがあまりにもかわいそうではないか」
ですね。

「アルジャーノンに花束を」のところで、山田邦子主演の「山田ババアに花束を」のことも
書こうとしましたが、考えてみるとこの映画、タイトルだけ妙にインパクトがあって覚えて
いるのですが、実際には見たことないのでやめました。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 07:03:22.18
今ふと思い至ったが、
「アルジャーノンに花束を」も、「響きと怒り」同様、白痴の内的独白(意識の流れ)
ではじまるんだなあ。
主人公チャーリー・ゴードンがいったん科学の力で天才になるが、結局、だんだんと
白痴に戻っていってしまう。その過程の描写にも内的独白が用いられる。

日本語だと、どうしても、ひらがなを多くしていくことによってそれを表現することになってしまう
ことになるけど、えらく読みにくくなってしまう。俺もはっきり言って、それで投げ出した。
翻訳のむずかしいところですね(南部訛り、黒人訛り(一種のクレオール語?)の訳し方も同じ)

フォークナーがいなければ、そもそも「アルジャーノンに花束を」という小説も存在していなかった。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 07:34:41.13
翻訳はむずかしいという話の、ついでに言っておくと、意識の流れといえばジョイス。
フィネガンズ・ウェイクを柳瀬尚紀が訳した文庫が河出から出ていますね。
一応持っているけど、通読したことはない。全くわからないし、散文詩として読むにも
長すぎる。西脇順三郎の長編詩でも読んでいた方が楽しい。

大江健三郎はえらく持ち上げているけど、楽しんでいるのは
訳者だけという気がしてしょうがない(もっとはっきり言うと、彼の「日本語は
天才である」といったエッセイ集を読んだら、なおさらそう感じた。

少なくとも、この翻訳が現在の日本語にインパクトを与えることは皆無のはず。
(一部の研究熱心で向上心の強い作家や、原書をすでに読んでいて、置き換えを楽しむ
上級レベルの語学力の持ち主くらいしか、対象となる読者はいないはずなので)
鴎外の翻訳・創作や漱石の創作はおそらく日本語自体を変えていたのと比べると
文学は好事家のためのものになったのだろうなあ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 10:30:01.18
まず、他人が見て面白いことを書きましょう。
大勢の読者がいることを意識してください。
サーバやシステムのリソースは無限じゃありません。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 10:44:39.47
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 11:07:16.95

禿同
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 11:10:02.64

ぷっ、ベンジーったら、早くおうちに戻りなさい
もしかして帰る家なくなってるかもしれないけど
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 11:13:08.52
RTPには、オデットのような高級娼婦、それにある時期までのユダヤ女ラシェルのような
普通の私娼・安娼婦が登場する。
ゾラの「居酒屋」「ナナ」はざっと読んだが、娼婦の出自、安娼婦と高級娼婦の分かれ目、
さらには娼婦と女優に重なり合う部分はあるのか等知りたくて
鹿島茂が角川学芸WEBマガジンに連載した「閉じられた家」を単行本した2冊を読んだ。

「パリ、娼婦の館」(角川学芸出版、2010)
「パリが愛した娼婦」(同上 2011)

念のために同じ著者の「モンマルトル風俗事典」(白水社、2009)も入手してみた。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 11:13:35.53
すまぬ、誤爆だ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 11:30:14.06
Gのやつ、まだ懲りずに恥晒してるな
スレ汚し野郎、消えちまいな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 11:50:15.73

2ちゃんで邪悪な書込みする人って、みんな神経症的なんだよね
で、それに付き合いすぎると自分まで神経症になってしまうような錯覚
に陥る。それに、鬱はウツるんだ
邪悪な人間とは,たいてい、心に余裕がなく、それが他責につながる
タイプの人間だ。

でも、超怪ニーチャは言ってた。
>怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい。
長い間、深淵をのぞきこんでいると、深淵もまた、君をのぞきこむ。

連続殺人者・猟奇殺人者のプロファイリングについて紹介した往年のベストセラー
で日本のドラマ・映画にも多大な影響を与えたレスラー「FBI心理分析官」
でも、この格言が確か扉に紹介されていた。
ドラマや映画でも黒幕・ラスボスは「ミイラ取りがミイラになった」刑事やもっと
警察のえらい人だったりするのはこのような真理を踏まえている(レオン、
沙粧妙子、デカワンコetc)

だから、君のような人間からすでに怪物(地縛霊、邪鬼)と化してしまった存在と
やりあうのはほどほどにしておくよw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 12:06:38.00
誰に対して書いてるかしらんが、ワシはフォークナースレには行っとらん。
それから、会ったこともない人間に
>神経症的なんだよね
だとか、
>邪悪な人間とは,たいてい、心に余裕がなく、それが他責につながる
タイプの人間だ。
とか、自分の自己紹介はイラネ。頭おかしいな、アンタ


◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 12:16:00.16

だから、邪鬼は2匹(あるいはそれ以上かもしれない)と
おとといの乱闘での手ごたえを踏まえて修正しておいただろう
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 12:24:23.58

あと、そんな言い方をしてると、君が前の会社の同僚や友達のこととして
語っていることも本当は君自身のことだろうと取られちゃうよ。

吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 12:28:01.26

そんな変なことをいうのは、世の中でアンタだけだから、ご心配なく。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 12:29:48.61
心配して損したw
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 12:31:09.82

あ、それとGはUn homosexuelと聞いた。
失礼した嫁さん云々と書いたこと、ゴメン
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 13:51:15.68

心底気持ちワル
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/19(月) 13:57:19.78

間歇泉のような人だな
(プルーストスレでまたーりと語っていた人とは別人なのかな)
図星過ぎてかい?
俺が「さとり」にでも見えるのかな
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 14:01:38.93
しかしGさんは多弁だ
よくネタがつきないね
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 15:46:11.54

はワシじゃないよ。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/19(月) 16:31:08.64

はは俺だよオレ
一生2ちゃんで恥さらしてな
キャディ [] 2011/09/19(月) 23:15:01.90
みなさん、こんばんは。
A Rose for Emily、ようやく読了。
わたしはこれまで、この手のストーリーにあまり馴染んでこなかったのですが、
本作はいわゆるSouthern Gothicといわれるものなのでしょうか?
これまでの2作と同様、楽しく読んだのですが、
ちょっと風合いが異なるように感じました。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/20(火) 03:13:35.90
>ちょっと風合いが異なるように感じました。

ちょっとエドガー・アラン・ポーを思わせますね。

事典のポーの項
>南部と北部の文化的ハイブリッドでモダニズムを予表したポーの技法は、「サンクチュアリ」における
不気味な陰鬱さや、「エミリーへの薔薇」の窓辺に佇むヒロイン像、ミステリー・プロットや息の長い文章、
否定の接頭辞の多用など、文体、モチーフに豊かな反響が見られる。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/20(火) 03:38:24.48
各出来事の年代特定を試みてみましょう。

年代が明示されているのはエミリーの父が死亡し、当時の市長サートリス大佐が
彼女の税金を免除した1894年です。
また、彼女の享年が74歳であることも明示されています。
小説が書かれたのが1930年だから、近未来が描かれていることになりますね。

1862年(0歳)   誕生
1894年(32歳)  父死亡
1896年(34歳)  ホーマー・バロンを砒素で薬殺。近所で1、2週間臭気がする事件。*父死亡の2年後と明示
1926年(64歳)  市の代表ら税金の督促に屋敷を訪れ、広間に通される。*臭気事件の30年後と明示(注)
1936年(74歳)  死亡*冒頭でここ10年は、老僕以外、エミリーの屋敷の内部を見た者はないとある。
                 1章最後で市の代表らが老僕に広間に通されるエピソードがあり、これが最後
                 とみられる。

(注)1章の最後で、市の代表らによる税金の督促はサートリス大佐の死亡10年後であることも明示されている。
しかし、「サートリス」(1929)では、大佐の死亡は第一次大戦の翌年1919年となっており、これをもとに逆算
すると1929年になり、短編内部の世界と齟齬が生じる。
短編内の手掛かりに限った特定を優先させたが、短編内の10年、30年をぴったり10年、30年とみる必要は
ないかもしれない。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/20(火) 04:01:29.20

>訳者は、だとすると「ミス・エミリーにバラの花を捧げよう」というのが作者の意図なのだなと
(現在だとミズにした方がいいですよね。ミスにした方が情報量は多くなるけど)

作品の第1文が、「ミス・エミリー・グリアソンが死んだとき」ではじまっており、エミリーが
生涯独身(老嬢)であったという前提がいきなり明示されるんですね。

WHEN Miss Emily Grierson died, our whole town went to
her funeral: the men through a sort of respectful affection
for a fallen monument, the women mostly out of curiosity
to see the inside of her house, which no one save an old man-
servant a combined gardener and cook had seen in at
least ten years.

の年代特定は、第1文のat least ten yearsを何年とみるかによるなあ。
10年ぴったりにしておいたが。
あと、「サートリス」でのサートリス大佐の死亡は、第一次大戦「終了」の翌年1919年、ですね。
キャディ [] 2011/09/20(火) 22:15:44.94
みなさん、こんばんは。

Gさんのタイムライン、とてもありがたいですね。
毎度のことながら感謝です。
今回はネタバレ注意なので、その辺も気を使っていただいてますね。
一連の出来事を、
順を変えてどのように語っているか(今度の語り手のWe、歯ごたえありますね)、
確認するのにとっても便利です。
細かい点ですが、税金(Estate Tax)の免除措置決定が1894年ということは、
お父さんの死亡は1893年の終わりころと考えたほうが自然かと思います。
(そうするとホーマーはその翌1984年夏に来て、エミリーさんは1961年生まれということになりますかね)
細かい年月は大したことではないですが、この作品の場合は税金が面白い使われ方をしてると思われるので、
重箱の隅をつついてみました。
とはいえフォークナーさんの時間についてはV章2パラにあるように、
"...confusing time with its mathematical progression, as the old do,..."
ってな調子ですから、齟齬ありまくりでいいと思います。
キャディ [] 2011/09/20(火) 22:27:11.38

訂正1984→1894、1961→1861
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 02:10:18.55

なるほど、保安官による税金の通知は年はじめに発送されることがこのあと
すぐ出てくるので、父死亡は前年の終わりということですかね。
そうなるとは全部1年ずつ繰り上がりということになりますね。

ただ、無料の郵便配達の制度自体が父親の死亡後のことであり、また、本来
税金の通知は12月に発送されることが4章に出ています(年初めに送ったのは
市や市会議員が迷ったすえの例外措置のよう。多分、税金の納期限は年末
ではないかと)

1894年中にエミリーの父親が死亡し、当時のmayor(ジェファーソン市長。
福武版では町長)サートリス大佐が年内に予めエミリーに、市に父親
からの借入れがあったからその借金の返済代わりに税金の支払いを免除
するという口実を作り上げ、エミリーに告げたとも見ることが可能なようにも
思われます。
とりあえずこの点は保留にしておきますね。

1894年という年が出てくる第3パラグラフの第1文を貼っておきます。

Alive, Miss Emily had been a tradition, a duty, and a care;
a sort of hereditary obligation upon the town, dating from
that day in 1894 when Colonel Sartoris, the mayor he who
fathered the edict that no Negro woman should appear on
the streets without an apron remitted her taxes, the dis-
pensation dating from the death of her father on into
perpetuity.
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 02:27:20.61
の第3文、書きながら考えたのでちょっとぐちゃぐちゃしてしまった。
直しておきます。

エミリーの父親が1894年に死亡し、その年のうちに、当時のジェファーソン市長
サートリス大佐が市の父親に対する借金の返済として税金の支払いを免除する
という口実を作り上げ、エミリーに告げたと見ることも可能に思われます。

折角なので、無料の郵便制度の件と年内に税金の通知が発送されるとしている
4章の該当箇所貼っておきます。
4章はエミリーが砒素を買った翌日からエミリーの死までの40年間が時間を追って
語られますがその終わりに近い箇所ででてくるので父親の死亡からかなりあとの
ことです。

When the town got free postal delivery, Miss Emily alone
refused to let them fasten the metal numbers above her
door and attach a mailbox to it.

Each December we sent her a tax notice, which would be
returned by the post office a week later, unclaimed.
キャディ [] 2011/09/21(水) 02:30:48.72
Gさん、こんばんは。

そうですね、結局、いつものことですが、
確定的な記述は伏せられてますね。
保留ですね。
しかし、わたしちょっと思うんですけど、やっぱり日本文学絡みでないと、
なかなか人が集まってこないのでしょうかね。。。
わたしでさえ、じっくり読めば、ほんとすごい作家だとわかってくるんですけどね。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 02:50:06.72

最終章で40年という期間も出てきますね。
40年間開かずの部屋があったという箇所です。
これは臭気事件からエミリー死亡までが40年間という意味です。
を書いたとき、うっかり見落としていたのですが、ぴたりと一致してましたね)

町の人達は臭気事件の際何が起きたのか、ある時期以降、実は知っていたんでしょうね。
4章はじめで砒素はエミリー自身が自殺するためと噂しあっていたけど、そのあともずっと
エミリーが生き続けたことから。
(エミリー生前から知っていたのか、エミリー死亡後、町のご婦人方が黒人老僕に屋内に
通されてから知ったのか微妙な書き方ですが。エミリーの館にいた黒人老僕は当然はじめから
すべてを知っていて、エミリーの死後、最初にご婦人達を館に招き入れるとそのまま裏口から
出て行ったきり姿を消してしまう)

エミリーの館は半ば治外法権的な世界で、エミリーの埋葬をまって初めてそれが解除される
のですね。
キャディ [] 2011/09/21(水) 02:56:48.96
エミリー、片付けちゃいましょうか。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 03:00:04.84

まだ起きていらしたのですね。私は飲んで寝て、夜中に一度起きてというパターンです。
(また、このまま朝になってしまいそうw)

読書会に参加した数日後にはすごい作家だと確信しましたね。
ただ、1回ざっと筋を追っただけではすごさが伝わりにくい作風ということは否めないような気がします。
とっつきの悪さがある。
あと南部ということが強調されすぎ、普遍性に欠け、現代の日本人には縁の薄い作家と誤解されている
面もあるかもしれません。

フォークナーの後継者的な作家でもガルシア・マルケスなどはもっとエンターテイメント性も兼ね備えてい
ますね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 03:04:30.60

いや、ゆっくりやりましょう。
でもネタばれ解禁にしましょう。そうしないと語りにくすぎるw
どのみち、ミステリープロットのネタばれをしたからといって、魅力が薄れる
ことがないのは、ポーの「黒猫」等同様です

といっても私は木曜日までになってしまいますが。
キャディ [] 2011/09/21(水) 03:10:31.42
きょうは速攻で2ちゃんやったのですが、
反応なくてふて寝、ふて酒してまして、
さっきまで他の所とか見てみたんです。
Gさんのプルーストも拝見させていただきました!
で、読書会で盛り上がってるところって、やっぱり日本なのかなと(まあ、当然ですが)。
日本の状況を考えると、いまだにフォークナーは響いてくる作家だと、
今回読み始めて(今更ながら)思ったんですけどね。。。
キャディ [] 2011/09/21(水) 03:16:01.94
南部ゴシックとか振れば、少しは食いつきいいかと思ったんですけどね、、、
うーん、じゃあ、税金問題から行きますかー。
キャディ [] 2011/09/21(水) 03:22:09.18
これうますぎ。
まず、有名なベンジャミン・フランクリン先生の、
"In this world nothing can be said to be certain, except death and taxes."
あちらの読者は思い浮かべますわね。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 03:25:51.30
エミリーの館が治外法権と書きましたが、エミリー自身もそうだった
(税金の督促に行ったりとだんだんそれは薄れて来たけど、結局、エミリーの死、厳密には完全な
死の確認である埋葬まで続く)

殺鼠剤を売る際も本当は何に使うのかをきかなければならないのに薬剤師は結局、
毒薬をそのままエミリーに渡してしまっている。

また、法律のみならず、宗教的権威も及ばない。
エミリーがホーマー・バロンの馬車にいつも一緒に乗っていることが不名誉で町の風紀を乱し、
若い者の悪いお手本になると、町の女性達の一部はエミリーの館に牧師を寄こすが結局、
エミリーは牧師の言うことなど聞かず、牧師は二度と館に行こうとしない。
牧師の細君は、アラバマに住むエミリーの親類に手紙を書き、親類を通じて、エミリーの行状を改め
させようとする。
グリアソン家内部で道徳問題(当時は法律と未分化だったのかな)も解決させようとしたのですね。

その肉親(blood-kin)、2人の従姉妹(the two female cousins)はエミリー以上に高慢ちきでいやな
やつらだったので町の人たちは(一部のご婦人達をのぞき)、エミリーのロマンスの成就に加担しよう
とするわけですが。
キャディ [] 2011/09/21(水) 03:28:41.86
しかも、estate taxって、
“死者が”払うtaxなんだもの。
たまらん。
V3パラで死んだとーちゃんがLady Wyattのestateで親戚と揉めた、
なんてさりげなく書いといてくれたりしてね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 03:30:48.20

考えながら書いているので、どうしてもタイミングがずれてしまう。
ご容赦。

>Gさんのプルーストも拝見させていただきました!

お恥ずかしい。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 03:45:41.44

>estate taxって、 “死者が”払うtaxなんだもの。

estateは遺産、estate taxは相続税ということですね。

>V3パラで死んだとーちゃんがLady Wyattのestateで親戚と揉めた

ここですね。同時に狂気の家系であることもさりげなく書かれている。

She had some kin in Alabama; but years ago her father had fallen
out with them over the estate of old lady Wyatt, the crazy woman,
and there was no communication between the two families.
キャディ [] 2011/09/21(水) 04:05:03.16
わわ、はじめて規制のエラーというのが出たー
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 04:15:17.98

連投すると書き込めなくなるんですね。
あと荒らしの書き込みをしてお出入り禁止になった人の巻き添えを食うこともある。

ギコナビなどの専用ブラウザを使うとまずそういうことはなくなります。
(自分はギコナビを使ってます。フランス語だとアクサン記号が消えるという不便が
ありますが、日本語、英語だけだとなんのストレスもありません。
また、興味があるスレについて巡回登録しておくと、それらにつき新たな書き込みが
あるか一斉に確認することもできて便利です)
キャディ [] 2011/09/21(水) 04:16:00.79
なるほど、こういうことがあるので、Gさんは一回に長めに書くのですね。
で、そうそう、税金。
これ、日本の相続税と違うところなんで面白いんですが(日本は生きている相続人が払う)。
南部の、遺産って、だれが結局払うのかといえば、まず税金の性格(もちろんtrustとか使って実際に処理するのは生きてる人ですがね)からして、
死んでいるひとですね。
エミリーちゃんがいくらがんばってもね。
でも、生きている過去なんです、南部の場合は(とくにエミリーちゃんの場合は)。
この辺、効いてくるなーって、思うんです。


キャディ [] 2011/09/21(水) 04:21:36.90
あらら、わたし、そーとー暴走してますね。
Gさんのポイントから諄々といきましょう。
最後のところの考え方とかからいきますか?
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 04:23:38.42

なるほど、日本の相続税と違うんですね。
南部の法制度詳しいですね。
何か文献等資料があれば紹介してもらえるとありがたい。
また「死者」が払うestate taxが出てくるフォークナーの他の作品
があったら、それも紹介してもらえるとありがたいです
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 04:30:40.66
でも、とてもおもしろいです。
遺産税の件など、私1人で読んでても絶対、思いつかない。

>最後のところの考え方とかからいきますか?

話振っておいてもらえるとありがたいです。
5時半過ぎには仕事場にでかける習慣があるのでそろそろ落ちます。
仕事場でまた書き込むかもしれません(7時前には到着)
キャディ [] 2011/09/21(水) 04:33:27.84
いや、ちょろりとググッたほんの付け焼刃ですよ。
遺産税は、ちなみに連邦税ですが、その成り立ちが南北戦争の際の戦費調達目的税だったというのも、
ツイストが効いていますかね。
ttp://www.heritage.org/research/reports/2004/01/estate-taxes-an-historical-perspective
ttp://eh.net/encyclopedia/article/fisher.property.tax.history.us
キャディ [] 2011/09/21(水) 04:50:58.59
しかし、税金の話なんか、ほんのプロット上のことでしかなくて、
本当はこの短篇のすごさって、
Gさんも指摘していたタイムラインの、
いったい、いつからいつまで、あれと寝てたんだろかって考えさせられるところにも。
最後、"faint and invisible dust dry and acrid in nostrils"っー状態なんだから、
この部屋の時間経過って、ほんとのトコどうなのって、謎ですよね。
あー、だめだ。
またまたとんちんかんな勘ぐり読みにつき合わせてしまって、
すみませんでした。
今日は、台風のせいということで、ご勘弁を。。。
あやすみなさいー。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 04:55:07.11

ありがとうございます。

おやすみなさい。

出かける前に、気になっている点をいくつか

冒頭第2パラグラフでエミリーの屋敷は1870年代様式とありますね。
エミリーは1860年台初頭に生まれてますから、エミリー10代の頃になります。
エミリーのお父さんはその頃、ジェファーソンにやってきて屋敷を建てたのか
(あるいは前から住んでいて改築?)

南北戦争は1861年から65年ですからエミリー誕生と前後していますね。
お父さんは南北戦争と何か関係があったのか

あと、お母さんがでてきませんがそれも気になっています。

エミリーとお父さんに近親相姦的なものはあったのか。
父がどの縁談も断ったために婚期を逃したような描かれ方になっていますが。
(客間の前の暖炉に立てかけられたクレヨンで描かれた父の肖像画。
エミリー自身が描いたのかどうか)

これはかなり突飛ですが、黒人召使との間に性的関係があったのか
(あったとしてもエミリーの性具としてということになりますか。黒人の方はどう思ってたか
知らないが。かなりおぞましい空想だなw)

駆け足になりましたが。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 05:00:57.44
もうひとつ。父親に関連して。

エミリーは父親が死んだ際、3日間、その事実を否認し、埋葬を拒んでいますね。
狂気の徴候という文脈で書かれていますが、3日というのはイエス・キリストの復活の
エピソードをちょっと思い起こさせますね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 05:24:21.77

遺産税の制度だと父譲りのエミリーの唯一の遺産であった屋敷は自動的に町の物に
なってしまうのかな。
だからあんな無遠慮に町のご婦人方は屋敷内に入り、さらには埋葬後、2階にあがり、
開かずの間の扉を破壊したのだろうか。

日本の法制度だと、エミリーが老嬢で子供がなく、また両親が死んでいても、叔父叔母、
さらに代襲相続人として従姉妹・従兄弟が相続人になる。
死亡の知らせをきいて、2人の従姉妹the two female cousinsが駆け付けて来たとある
から彼女達が相続人として建物への侵入や扉の破壊に同意したんだろうか。

法制度の知識が必要だな。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 07:05:07.61
町の役職について

サートリス大佐の「大佐」は軍人の肩書だから、退役していても非戦時でも
「市長」(ジェファーソンは市とみるのが通例なのか町と見るのが通例なの
かわからないけど)兼任は別にいいが

判事も市長をやっている。日本だと司法職である判事と行政職である市長の兼任
はあり得ない。おまけに80歳になってもやってるので判事に定年はないようだ。

悪臭の件が持ち込まれたところをみると、市長はどうやら町の苦情処理係でもあるらしい。
エミリーの屋敷の中を期限を定めて掃除させるよう命令し、期限までになされなかったら、
なんらかの強制権を発動する権限は与えられているらしい(屋敷に立ちいるとかあるいは
金を払わせる、身柄を拘束する等の法的制裁を課す等)。言われても発動しなかったが。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 07:21:56.27
保安官 シェリフ sheriff

警察官的なイメージを持っていたので、税金の通告書tax noticeを発送する権限を持っているのが
意外だった。
それでも払わない場合、市長・市会議員aldermenが、シェリフの事務所officeに都合のいいときに
出頭するよう公式の通知a formal letterを出している。

税務署、というより、税の徴収係のような役目も担っていたのかな。

百科事典マイペディアのシェリフの項目より
 植民地米国に英国から輸入され、郡(カウンティ)で、犯罪者の逮捕・拘禁など裁判所の令状
 の執行、陪審の招集、判決の執行にあたり、管轄区域内の治安維持の最高責任を負う。地区
 住民の公選によって選ばれる


◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 07:33:49.42
ノブレス・オブリージュ noblesse oblige

福武文庫では「貴族に課せられた義務」と訳されている。

しかし、アメリカのような移民国家における「貴族」とは何なのか。
エミリーがジェファーソンではその最後の1人となったグリアソン家が
町で特別扱いされているのはどのような歴史に基づくのか
無一文になっても気の毒なエミリーにノブレスオブリージュが期待される理由とは

wikiによると「ウィリアム・フォークナーはこの言葉を、『響きと怒り』
"The Sound and the Fury"や『エミリーにバラを』"Rose for Emily"
を含む小説や短編の中で度々用いた。」とある。

At first we were glad that Miss Emily would have an
interest, because the ladies all said, "Of course a Grierson
would not think seriously of a Northerner, a day laborer.'*
But there were still others, older people, who said that even
grief could not cause a real lady to forget noblesse oblige
without calling it noblesse oblige. They just said, "Poor
Emily. Her kinsfolk should come to her." She had some kin
in Alabama; but years ago her father had fallen out with
them over the estate of old lady Wyatt, the crazy woman,
and there was no communication between the two families.
They had not even been represented at the funeral.
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 08:08:23.77
の続き

アラバマAlabamaにも、親類kinがいること(グリアソン家の分家みたいなもの?
どちらが本家かわからないが)があることは手掛かりになるかもしれない。

wikiのアラバマ州の項
>1861年1月、リンカーンが大統領になると、奴隷解放に反対し、北部連邦を脱退、
アラバマ共和国を名乗る。南北戦争では南部連合の首都をモンゴメリーに置き、
連合の初代大統領としてジェファーソン・デイビスを擁立し、連合の中心的役割として戦った。

しかもアラバマ共和国の初代大統領の名はジェファーソンだw

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 08:24:06.47
さらに続き

原文引用部分に
ジェファーソンの婦人達はみな、「もちろん、グリアソン家の家柄の者が北部人
a Northernerを、しかも日雇い労働者a day laborerなんかを、本気で相手に
する気づかいはありませんわ」と口を揃えて言っていたとある。

南部人>北部人というヒエラルキー。

しかし、南部は、敗北し、衰退しつつある側だ。
黒人奴隷を労働力として用いた大規模なプランテーションによる繁栄は終わりだ。

でも、市長のサートリス大佐は、「黒人の女はエプロンを着けずに通りに出てはならない」
などと不合理なお布令を、奴隷制がなくなってからも出している。

日本でいえばさしづめ南朝についた者たち自身による南朝びいきみたいなもんか。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 08:39:04.68
の訂正

×アラバマ共和国の初代大統領の名はジェファーソンだw  

は、

○アラバマ共和国を中心とする南部連合の初代大統領の名はジェファーソンだw

に訂正です。


さすがに、そろそろ仕事にかかります。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/21(水) 16:25:49.38
仕事上でいろいろとあり…何とかすべりこみたい…
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 16:35:58.62

台風直撃間違いなしなので、早めに帰宅しました。

確かに大変そうですね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 16:56:43.84

アメリカ法についての日本のwikiも紹介しておきます。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B3%95

以下は相続法の説明ですが、遺産税についても「人の財産関係はキリスト教精神との関係
から一代で完全に消滅するとの建前」は貫かれるでしょうから、死者が払う税金ということに
なるかと思います。

>相続自由の原則が認められる現在の米国の相続法だが、イギリス法を継受しているために、
人の財産関係はキリスト教精神との関係から一代で完全に消滅するとの建前により、遺産
管理の主たる目的は死者のもつ債務の履行であるとされ、その法理は当然に死者の債務も
債権も相続人に移転するとの態度をとらない。

また、相続人の範囲は現代と19世紀で多分変わらないでしょうから、エミリーの死の知らせをきいて、
アラバマからかけつけた2人の従姉妹が(多分、この2人だけが9エミリーの相続人ということでおそらく
間違いない。

>遺言がない場合は、州法などによって相続人の範囲が定められており、その詳細は州によって
異なるが、個人の意思(遺言)がない場合は、妻、子供、孫、曾孫、父母、兄弟姉妹、祖父母、叔父
叔母従兄弟が相続人と定められ、関係者がいない場合は各州が収納する。





◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 23:14:50.30

>アラバマ共和国を中心とする南部連合の初代大統領の名はジェファーソンだw

ただし、事典Jeffersonの項では
>町の名は、合衆国第3代大統領に因んだ名前を持つ郵便配達夫Thomas Jefferson Pettigrew
に由来する。彼から借りた連邦政府の鍵を紛失した代償として、彼のミドルネームを採って「ジェファソン」
という名が町につけられたいきさつは『尼僧への鎮魂歌』(Requiem for a Nun)の「郡役所」(“The Courthouse)
に詳しい


あくまでも合衆国第3代大統領Thomas Jefferson(任期1801年3月4日ー 1809年3月4日)由来の地名であり、
最初で最後のアメリカ連合国大統領Jefferson Finis Davis(任期1861年2月18日ー1865年5月5日)由来ではない
ようだ。

wikiより
>敗戦後の1865年5月10日、デイヴィスは戦犯として合衆国政府に拘束されて国家反逆罪に問われ、有罪には
ならなかったものの公職就任の資格を剥奪された。デイヴィスは先述の通り、民衆と距離を置いた指導者で
あった為、主に連合国国民の愛国心は南部連合軍総司令官ロバート・E・リーに集まる傾向が見られた。しかし
戦後に開始された合衆国によるレコンストラクション(南部占領統治)への反対など、南部連合国に殉じ続ける
デイヴィスの姿は旧連合国住民から強い尊敬を集め、唯一にして最後の「連合国大統領」はかつての国民から
敬愛される存在となった。今日、デイヴィスは南部独立に生涯を費やした人物として、それを押し留めようとした
北軍に立ち向かったロバート・リー元帥と並び、南部人から最も尊敬される偉人となっている。




◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/21(水) 23:58:00.23

>アメリカのような移民国家における「貴族」とは何なのか

下記論文によると、南部貴族とは、綿花栽培を中心とした大農園の経営者であったようだ。
かつては、夜な夜な舞踏会やパーティが開かれ、紳士淑女が集い、華やかな社交が展開
されていたのであろう。
南北戦争の南部の敗北により、農園制度は崩壊し、没落の一途を辿ることになる。

>この世界には、頂点に農園主を据え、底辺には黒人奴隷やプアホワイトが貧しい生活
を余儀なくされていた、強固な階級社会であった。しかも、農園主が自分の農園を直接
管理することはほとんどなく、大部分は、都市に別邸を持って、さまざまな仕事に従事し、
農園の管理は部下に任せていたというのが実態であった。このような余裕ある生活の
一部に読書があり、その際彼らが好んで読んだのが、ウォルター・スコットのロマンス
小説であった。それは、当時の南部貴族が、中世ヨーロッパ封建時代の騎士道精神や
宮廷恋愛を理想としていたからである。
>やがて、1861年には南北戦争が勃発し、1865年に南部の敗北でそれが終結した
ことにより、農園制度は崩壊し、農園主の南部貴族は没落の一途を辿ることになる。
彼なおよびその子孫の運命は、現代の南部作家、とりわけウィリアム・フォークナーの
諸作品に描き出されている

平野信行「アメリカ南部英語のvernacularism」(1985)
ttp://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/8981/1/gengo00021s0470.pdf
「エミリーにバラを」の南部貴族の凋落にスポットをあてたブログ記事
ttp://blog.goo.ne.jp/toshiyamayama/e/ef76729c412008134c5a63cd2604303a
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/22(木) 00:37:26.45

>いったい、いつからいつまで、あれと寝てたんだろかって考えさせられるところにも。
最後、"faint and invisible dust dry and acrid in nostrils"っー状態なんだから、
この部屋の時間経過って、ほんとのトコどうなのって、謎ですよね。

最後の最後we saw a long strand of iron-gray hairくらいしか決定的な手掛かりはない
のですよねえ。
しかも、ご丁寧にこの手掛かりはほとんど役に立たないようになっている。
ホーマー・バロンの失踪後、ほぼ6カ月エミリーは街頭に姿を見せず、ようやく姿を現したとき
はすっかり太って、髪は灰色になりかけていた。数年をかけて灰色が増し、ついに鉄灰色になる。
しかし、そこで変色はとまり、「74歳で彼女が死ぬ日まで、その髪は、ちょうど活動的な男の髪に
よく見うけるような、あのつやつやした鉄灰色を失うことがなかった」わけだから、36、7年は
iron-gray hairだったことになるわけです。

第4章より
When we next saw Miss Emily, she had grown fat and
her hair was turning gray. During the next few years it
grew grayer and grayer until it attained an even pepper-and-
salt iron-gray, when it ceased turning. Up to the dav of her
death at seventy-four it was still that vigorous iron-gray,
like the hair of an active man.
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/22(木) 00:58:26.34

連合国大統領ジェファーソン・デイビス由来説も実は捨てがたいと思っている。
ただ、そうなるとジェファーソンの地名は南北戦争後の命名になってしまうがそうする
わけにもいかないので、第3代合衆国大統領に因んだ名前を持つ郵便配達夫を
フォークナーは登場させたのではないか。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/22(木) 06:56:59.80
南部貴族の栄光と没落もまた、その猿真似であるドゥーム――イセティベハ――モケタッベ
インディアン3代の歴史と全く同じである。

1、暴力と奸計(インディアンから土地をだまし取る等)により成りあがる初代
2、華美なきらびやかさをまとい、高貴な血筋・生まれを演出し、それを人々に信じ込ませる
 制度確立者としての二代目
3、二代目の確立した権威の上にあぐらをかくことしかできない無力な堕落した末裔たる三代目
  それでも2で確立した権威のため、それに伴う義務を期待される。

エミリーは、あの不具で無力無能な存在であるモケタッベと全く同様なのだ。
エミリーに対する民(we)の期待は、モケタッベが狩りの儀式の先頭に立ち、それを指揮し、
先代に生贄を捧げる役目を果たすことを期待されるのと相似形だ。
だから、没落し、いくら経済的にひっ迫しても、ノブレスオブリージュを強要されることになる。
結局、彼女は病気・狂気に逃げ込むしかないのだが。


◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/22(木) 07:15:24.14
二代目(制度確立者)が身にまとおうとしてきらびやかな権威自体も英国やフランス
の貴族・王族の猿真似である。

英国・フランスの王族・貴族とて、初代は暴力と奸計で成りあがったに違いないのだが。
王権神授説等の権威の理論化もなされ、その歴史自体が人々の目から隠蔽される。

南部貴族は、広大な領地で綿花栽培(プランテーション)を営み、自分は都市に
お屋敷を建て、そこに住まう。
日本の荘園制度、ことに平安時代の貴族のそれに似ている。
ただ、黒人奴隷を労働力として使っている点で、搾取の構造があからさま過ぎる。
いや、奴隷自体は商品で家畜同様という点でそれを越えている。
その構造のうえに立つ南部貴族というのは戯画化された存在となる。
どうあがいても、権威自体が猿真似でインチキくさいのがすけて見えてしまう。
でも無力無能な末裔がなすすべなく没落していくさまはやはり気の毒だし、ある
美学も感じられる。

借用した衣装が、英国寄りだと、本短編のようなゴシック・ロマンとなる。

横溝正史とフォークナーの類似性が言われたがそれは主としてゴシック・ロマン的な
面にあると思う。
長編でもっともゴシックロマン性の強いのは「アブサロム、アブサロム!」だし。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/22(木) 07:59:39.09

>窓辺に佇むヒロイン像

2章のここだな。臭気事件のさなか、少しでも迷惑な匂いを除去しようと
敷地内に忍び入り、除臭剤として石灰を撒く4人の男たちが見た光景

As they recrossed the lawn, a window that had been dark was lighted
and Miss Emily sat in it, the light behind her, and her upright torso
motionless as that of an idol. They crept quietly across the lawn and
into the shadow of the locusts that lined the street.
>彼らがもう一度芝生を横切ってもどるとき、いままで暗かった窓の一つ
が明るくなり、灯りを背にしたミス・エミリーのすわった姿が窓枠にくっきり
とうかびあがり、彼女のそり身のトルソー(胴体)は偶像のごとく不動に
構えていた。

ヒッチコックの映画にでもありそうなシーン。
俺は、レベッカ(映画)のラストで、今はなき女主人レベッカに死後も忠実に仕え続け、
燃えゆく屋敷と運命をともに殉死していく、ダンヴァース夫人のシルエットを連想した。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/22(木) 17:48:50.52
フォークナーの最高傑作は8月の光

吾輩は名無しである [sage] 2011/09/22(木) 21:01:50.12

違うだろう。アブサロム、アブサロムに決まってる。
キャディ [] 2011/09/22(木) 23:18:06.07
みなさん、こんばんは。
きのうサボっている間に、Gさんはビシビシ調査してたのですねー。

わたしは考えれば考えるほど、
不思議な世界に突き落とされるように感じるのですが、、、
"...we saw a long strand of iron-gray hair..."
すみませんが翻訳ではどうなってますか?
(こういうお願いは自分で翻訳本を買うなりしてやめたいのですが、
わたしは吝嗇でお金を出せないのですううう)
"strand"がどう訳されているか、興味があります。

&
わたしはどちらも未読ですが、それぞれの良さを教えてもらえたら嬉しいです。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 01:00:58.13
アセンション氏を挟んで9連投が2回、さすがに気がひけてしまうw

最終パラ
Then we noticed that in the second pillow was the indentation of a head. One of us
lifted something from it, and leaning forward, that faint and invisible dust dry and
acrid in the nostrils, we saw a long strand of iron-gray hair.

新潮文庫 瀧口直太郎
>それから、わたしたちは、第二の枕の上に、ちょうど頭の形のくぼみができているのに
気がついた。わたしたちの一人は、その枕の上からなにかをつまみあげた。わたしたちは、
あのかすかな、眼に見えぬほこりを鼻孔のあたりにツンと感じながら身をかがめて、一つ
かみの、長い、鉄灰色の髪の毛を見たのである。

福武文庫 高橋正雄
>そのときわれわれは、二つ目の枕のなかに頭の恰好をした窪みのできているのに気が
ついた。われわれのひとりがその枕からなにかをつまみあげたので、あのかすかな、眼に
はみえない、干からびた埃を鼻の奥につんと感じながら、身を前にのりだしてみると、ひと
縒りの長い鉄灰色の髪の毛が眼にとまったのである。

富山房全集 林信行
>そのとき、わたしたちは、もうひとつの枕に頭の形のくぼみができているのに気づいた。
なかのひとりがそこからなにかをつまみあげた。そこで、わたしたちは、あのかすかな、
眼には見えない乾いた埃を鼻孔につんと感じながら身を乗りだしてみて、長い、ひとより
の鉄灰色の髪の毛に眼をとめたのであった。
キャディ [] 2011/09/23(金) 01:22:38.06
わー、Gさん、毎度のことながらすみませーん。
で、わたしが思うに、髪の毛の量なんですよね。
strand、一つかみ、ひと縒り、ひとより。。。
やっぱり、ある程度のヴォリュームがある。
ここをどう考えていいのか、わからなくなってくるんですよね。。。
病気がらみで邪推するのも可能だと思うんですけど、どうなんでしょ。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 01:31:46.57
>"strand"がどう訳されているか、興味があります。

訳自体は「一つかみ」か「一縒り」で直訳ですね。

訳から散漫に読んでいたせいか、気がつかなかったけど、これわざわざ髪を切って
縒って枕の上に置いていたのでしょうか。自然と抜けたように読んでしまっていた。
strandって、量にしてどのくらいなんでしょうかね。

三つ編みにする場合の一縒りくらいの量なんでしょうか
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%98%E3%82%A2

エミリーの髪型が気になって、ざっと見てみたけど、髪型の描写は3章のはじめ、父の死を
受け入れたあと長いこと病気になり再びweに姿を見せた際の1か所だけのようです。
その後、髪型は変わらなかったんだろうか。

SHE WAS SICK for a long time. When we saw her again, her hair was cut short,
making her look like a girl, with a vague resemblance to those angels in colored
church windows sort of tragic and serene.
>彼女は長いあいだ病気だった。わたしたちがふたたび彼女の姿を見たとき、髪は
短くつめて、教会の窓の色ガラスによく描かれている天使にどこか似通ったようすに
変っていた――なんとなく悲劇的な、静かに澄みきった感じだった。



◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 01:33:13.31
また考えながら書いていてタイミングがずれちゃいましたねw

私も、キャディさんに言われて同じことを考えていた。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/23(金) 01:50:08.19
さきほどからROMってましたw
途中まで読んだけれど、語るのが非常に難しい作品。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 01:52:08.24
あと、最終章にはいる前の4章の最終パラ。
税金の通知が毎年12月に行くようになり(1章の最後で死の10年前に市の代表らが屋敷を訪れた
年を挟むのかな)、ある時期から彼女は二階を全部閉め切ってしまい、さらに、weが知らない間に
病気になっていて、1階のベッドで寝たきりになり、結局、そこが死の床となった。
いつからなんでしょうね。枕が黄色くかび臭くなるまでの期間とは。

She died in one of the downstairs rooms, in a heavy walnut bed with a curtain,
her gray head propped on a pillow yellow and moldy with age and lack of sunlight.
>彼女は、階下の一つの部屋の、カーテンのおりた、がっしりしたクルミ材の
寝台で息をひきとった――長い歳月と、日光の不足のために、黄色くかび臭く
なった枕の上に、灰色の頭をのせて。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 01:54:09.03

こんばんは。
例によってromるだけでも大変な量になってしまったw
まだ、本文よりは少ないかな。
キャディ [] 2011/09/23(金) 02:00:58.70
そうなんですよ、ここ、エミリーちゃんが添い寝してたことは、
"in the second pillow was the indentation of a head."でいいとしても、
いつまでそうしてたのか、
病気でそうできなくなったのか、
別れのときを“意識して”髪を置いたのか、
あるいは単に衛生状態(この辺がアメリカ女の判らないところですが)気にしないで、
髪の毛が落ちていてもその枕に頭を乗せ続けてそうなったのか、、、
ホーマーの部屋自体は、完全に別の時間が流れているのですがね。
その完全に“過去”の世界をどうエミリーちゃんが意識していたのかしていなかったのか、
彼女の狂気(または狂気の中の正気)の度合いによって、
作品の印象も変わってくるように思うのです。
あるいはフォークナーさんはこのあいまいさを計算に入れてこういう終わり方なのかしら。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 02:04:09.80

>病気がらみで邪推するのも可能だと思うんですけど

お岩さんのように、自然とぼろぼろと髪が抜けてしまったということですかね。

で引用した箇所からして、それは考えにくいように思うのです。
彼女の髪は、むしろお菊人形のように、彼女自身は死んでからでも伸びそうなほど
生命力を持っているような気がする。

>74歳で彼女が死ぬ日まで、その髪は、ちょうど活動的な男の髪によく見うけるような、
あのつやつやした鉄灰色を失うことがなかった
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 02:13:36.49
失礼。またタイミングがずれました。
のようにはとっていらっしゃらなかったようですね。

私は、わざわざ置いたという考えに傾いてきました。

西洋(ここはアメリカ南部ですが、彼女は中世ヨーロッパ封建時代の騎士道精神や宮廷恋愛を理想とする
ロマンス小説の愛読者であった可能性は高いので )の女性の髪の毛にたいする思い入れみたいな
ものを確認したくなってきますね。
キャディ [] 2011/09/23(金) 02:24:23.75
うーん、そうですか。
そうすると、エミリーちゃんの髪の毛って、
彼女の(または作者フォークナーさんの)町の人たちに対する、
意思的な表明ということにもなってしまうのかしら。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 02:41:36.87
むしろ、魂(日本のように髪は女の命といった考えが西洋にあるのか気になって確認していたところです)、
はホーマーとともにといった風にとりました。
ホーマーの遺体はベッドにへばりついてしまっていて離せなくなっているようだし、二階の部屋を
去らねばならない以上、髪の毛だけでも、彼と枕を並べていたい、と。
(遅くとも、二階を閉め切って換気をしなくなってからは立ち入らないようになったのでは。病気で
寝込む以前に体力的にのぼったりおりたりして行き来するのが困難になったか)

髪の毛調べていたけど、聖遺物になるケースがあるし、
ttp://therese.fc2web.com/seiibutu.htm
人間の魂の一部が宿っているという考えは西洋でも一般のようです。
ttp://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/hair.html

キャディ [] 2011/09/23(金) 02:57:20.72
ここの辺はほんとにわたしには難し過ぎる。。。
まあ、そんな簡単に絵解きできないのがフォークナーなんでしょうけど。
時間を置いて再読してみます。
あと、きょう、長篇に興味を持っている名無しさんが来てましたね。
わたしはまだ読んでないので、この連休中に挑戦してみようかと思います。
ただ、アブサロムって、だれがなにを言ってるのか、
それを追うだけで、ものすごーく大変。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 03:18:45.08
そうですね。「あの夕陽」についての論文見て、自分の捉え方とのあまりの違いに愕然としました。
ナンシーが朝ご飯を作りに来てくれないのは悪阻のせいというところで違う
(確かに、見ると子供達が洗濯ものを頭にのっけたナンシーのあとに着いていくのは、すでにナンシーが
前歯を失ったあと、すなわち妊娠後なので、悪阻説の方が説得力がある。売春客を小屋に泊めてたなんて
妄説は撤回のようですw)

キャディさんが、「八月の光」「アブサロム、アブサロム!」未読なのが意外でした。
これらもはじめから原文で挑戦されるのですね。

ENCYCLOPEDIA入手しました。1項目1項目がえらく詳しいです。
「エミリーにバラを」で2頁以上ある。
おもしろそうだけど、私の語学力では「猫に小判」っぽいところがあります。余裕があれば、
今後、気になるところ引用して、解釈の誤りを正してもらおうかと思っていますw

私は講談社文芸文庫でアブサロム読みましたが、その時点ではまだ歯が立ちません
でした。いずれ再熟読してみたいと思っています。「響きと怒り」も。

では、明日、朝早いので、そろそろ(といっても、もう荷造り等の準備する時間しかないかw)

旅行先でもホテルによっては、ちょっとここ覗いてみるかもしれませんが。
おそらく、今度は、キャディさんが選らんだ次作の読書会でお会いすることになるでしょう。
キャディ [] 2011/09/23(金) 03:24:27.78
Bon Voyage!
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/23(金) 03:42:01.09
Merci beaucoup.でよかったかな。

ありがとうございます。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/24(土) 00:18:46.33
どうやら岩波のアブサロム!×2の新刊は分冊でなくて1冊のようだな。
よかったよかった。
あんな分量の本に2000円も3000円も払うのは
正気の沙汰ではないからな。
キャディ [] 2011/09/24(土) 02:02:20.87
フォークナーの長篇を初めて読むとしたら、おすすめはどれですか?
また、その理由は?
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/24(土) 08:01:42.61

最初は八月の光かな
響きと怒りやアブサロムにくらべれば読みやすい
でも、好き嫌いあるから、まずは立ち読みしてからきめたらいいと思うよ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/24(土) 08:30:07.47
響きと怒り最高!
もともと狂った作風(ホメ言葉)なんだから
最高に狂った作品(ホメ言葉)で堪能したい。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/25(日) 00:12:59.65
みなさん、こんばんは。
&848
ご教示、ありがとうございます。
わたしはこのスレをきっかけに、
短篇からフォークナーさんを読みはじめたのですが、
集中力がないため、長いものはすぐに眠たくなってしまいます、、、
ぜんぜん読めませんでしたー(Absalom買ったのに頭いたくなってきた。。。)
Gさん、アセンションさん、鈴木さん、次どうしますかー。
いや、読書会ですよ、短篇の。
Barn Burning?
Gさん、どうですかね。。。
それともthe soundいっちゃいますか?
吾輩は名無しである [] 2011/09/25(日) 00:32:00.77
バーベナの匂いがいいなぁ

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/25(日) 01:26:56.00
こんばんは。@金沢  キャディさんが選んでくださる番なのですが参考までに

  キャディさんですね。忙しくても1時間もあればなんとか目を通せるという趣旨で短編、それも
      入手しやすさで新潮文庫所収の作品限定にしてあるので(下記参考)、「納屋は燃える」ですかね。
ただ、読書会に参加してくれる方が増えた方がうれしいので、ここはさん(さんと同じ方?)
が推している「ベーべナ」で行くのも手では。
実は、頁数は一番多いので読むのは大変なんだけど、長編と比べれば、五十歩百歩か。

キャディさんさえよければ、「バーベナ」でいっちゃいますか。さんもよろしくお願いします。
「赤い葉」の回でカウリーとの書簡を紹介してくださったさんもお願いできれば。                     

                       頁数                           密接関連作品
  嫉妬            (1925) 11頁   初期の習作
1、赤い葉           (1931) 45頁  インディアン物               「正義」「熊」「むかしの人々」           
3、エミリーにバラを     (1931) 20頁  グリアソン家 南部ゴシック
2、あの夕陽          (1931) 43頁  コンプソン家                「響きと怒り」
  乾燥の九月        (1931) 23頁  「エミリー」と類似?、黒人へのリンチ
  孫むすめ(原題「ワッシ」、1934) 25頁  サトペン家                  「アブサロム、アブサロム!」
  バーベナの匂い      (1938) 60頁 サートリス家                「サートリス」?              
  納屋は燃える       (1950) 37頁  スノープス家                「村」「町」「館」三部作

アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/25(日) 10:56:32.25
金沢かあ。日本海の幸をご堪能を!


3つの訳を並べてるのはすごいなあ。

葬式から始まる「エミリーに薔薇を」もまた、
多くのフォークナー作品に共通の「滅び」を感じさせるものだけれど、
落ち着いたタッチの筆運びというか、静謐さが行間から感じられて
それがエミリーの死をうまく言外に伝えているように思えたなあ。
キャディ [] 2011/09/25(日) 13:13:04.50
みなさん、こんにちは。

はキャディです。

わたしは異議なしです。

Gさん、毎度のことながら頭が下がります。
ありがとうございますー。
そうですね、参加人数の多いものでいきましょう!

この話の運び方、絶妙ですよね。
時間の並べ直し方といい、視点(We)といい、すごい。
次、アセンションさんの読みたいもの、ありますか?
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/25(日) 14:03:36.67
次はキャディさんに一任で!

人称にしてもプロット構成にしても
どうしてフォークナーはここまで凝った作品を書いたのだろうとw
「アブサロム×2」で大量に挿入される意識の流れはまだいいとして、
そのへんのフォークナーの意志にまだ手が届いていない感じがあって、
プルーストやジョイスに比べるとどうも相性が悪いのかなと…。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/25(日) 14:21:13.49
わたしも、このフォークナーの意思への届かなさ、
ひじょーに感じます。
すごいな(アホっぽくてすみません)と感じるのですが、
何でなのか、ほんとのところよくわからない。
でも、すごい!
プルーストの失われし時を求めてのような流麗さとはまた別な、、、
音階なのかしら。。。
うーん、なんかまた変なこといってるなー。
すみません。
キャディ [] 2011/09/25(日) 14:27:04.33
あれ、なんでこうなるんだろ。。。

キャディです。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [sage] 2011/09/25(日) 14:37:45.51

大丈夫。HNが入っててもなくてもわかりますよ〜w

昨日「アブサロム×2」の9を少し読み返したのだけれど
上のほうで「響きと怒り」がいいという声があったので
積読本を引っ張り出してきた。
こういうサーガというのは、1作よりも2作、3作と読み進めると、
単なる足し算ではなく、掛け算的に作品の魅力が増すこともあるのかな、
と思いつつ。
キャディ [] 2011/09/25(日) 15:04:29.40
そうですね。
わたしも、ちょっとずつ読み進めていくうちに、
なんか、変にハマってきてような。。。
登場人物再登場というやり方に乗せられてる面もあるのかしら。。。
次回の作品は、やっぱりGさんにお任せしたいなと思います。
なにせ、この読書会のエンジンですからね。
ちょっと出かけてきます。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/25(日) 16:22:50.24
Gに文学をやる資格はない
文学をお前の玩具にするな消えろ
キャディ [] 2011/09/25(日) 17:57:30.16

フォークナーの作品で面白かったものありますか?
キャディ [] 2011/09/26(月) 00:45:01.53
うーん、やっぱりよくわからない。。。
2ちゃんというのは、開かれた面白さ(多声性)を味わう場だと思ったので、
Gさんには申し訳ないけれども、
みたいな書き込みもあるのだろうと(これまでもずいぶんありましたね)。
たぶん、その、フォークナーとか文学とか、別に興味がないんでしょうね、
こういうひとたちは。
だとしたら、なんでこんなことしてるんでしょうかね。
他にいくらでも面白いことあるでしょ。
なんでもいいので、まずは読んでみたらどうなんですかね。
正直、チャチを入れるにしても、もう少し面白い入れ方をしてくるのかと、
期待していたんですが、2ちゃんというのは、
所詮この程度なんですかね。。。
文学をやる資格とかいうなら、フォークナーくらい読んでね。
それすら読んだことがないなら、論外というか、恥ずかしいことですよ。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/26(月) 00:55:36.26
フォークナーの影響を受けた日本の作家というと
大江、中上がいるけれども、彼らは2人ともサーガを書いてるね。
大江は四国の森を舞台に、中上は紀州の路地を舞台にして。
吾輩は名無しである [] 2011/09/26(月) 01:06:07.99
だから大井川流域を舞台にしてた小川国夫だって居るんだって
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/26(月) 01:10:15.25
山形の神町を舞台にサーガを作った阿部和重もいるけどさ。
小川国夫ってフォークナーの影響受けてるの?
キャディ [] 2011/09/26(月) 01:41:47.11
みなさん、こんばんは。
おー、油断していたら、盛り上がってますねー。
大江のフットボール、いいですねー。
アセンションさん、これ、掘って行きますか?
中上健二は、わたしは岬だけでいいです。。。
小川国夫は、わたしは読んだことがないのですが、静南村というのが、
それにあたるみたいですね。
小川国夫は、昔、新潮文庫でアポロンとか読んで、
いい作家だと思ったのですが、それっきりです。
今度探してみます。
キャディ [] 2011/09/26(月) 02:17:36.29
もう限界なので寝ます。。。
Light in August、面白い!
でも、短篇も、丹念に、読みたい。。。
短篇読書会が続くなら、思い切ってCollected Stories買ってしまおうかしら。
あと、The Sound and the Furyとフットボールの読み比べ。
近親相姦の観念性とか。。。
あと、阿部重和って、読んだことないけど、いい作家みたいだし、
うーん、時間がない。。。
みなさん、おやすみなさい。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/26(月) 07:07:43.74

>日本海の幸をご堪能を!

いやー、珍しい海老やら貝やら随分堪能してしまいました。のどくろ(赤ムツ)
の焼いたのも。
夏に、金沢に行かれた話を読んで、是非自分もと思っていたのです。
宿、店の選定とも今回は友人任せでしたが。
吉田健一の「金沢」の舞台になった料亭の位置は確認し忘れたw
(今読みかけている「東西文学論」ではプルーストのほか、フォークナーも
ちらっとだけど出てきました)



>そうですね、参加人数の多いものでいきましょう!

バーベナで決まりですね。
もの凄い密度で4章60頁が続くので大変ですが。
(それだけ大変な御馳走でもある)
ゆっくりと行きましょう。

南北戦争(1861−65)との関係から年代特定は比較的容易かな。
父の後妻(夢>命、南部>北部といった価値観を体現)とのロマンスもあるけど、
法(聖書の「汝、殺すなかれ」に遡る)と暴力との関係についても、読書会で最初
に取り上げた「赤い葉」以来気になっている。
フォークナーはこの点について、非常に意識的だと思う。

法学を学んだ、現当主たる語り手は、かつて祖母のために仇打ちを果たした経験もあり、
決して勇気に欠けるわけではないのですね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/26(月) 07:19:34.70

小川国夫、初出情報を網羅したマニアックなwikiといい、熱心なファンがいるようですね。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E5%9B%BD%E5%A4%AB

ログ速で過去スレ見つけました
ttp://logsoku.com/thread/book3.2ch.net/book/1163934625/
850 [] 2011/09/26(月) 22:00:42.58
です。わーい。バーベナの匂いが通った〜
希望を聞き入れて頂いて,そのうえみなさんの話聞くだけなのもあれなので,松伯版事典に無さそうな情報だけ最初に書き抜いておきますね。

ジョン・サートリス(Satoris,Colonel John:1823年 - 1876年)
オールド・ベイヤード・サートリス(Satoris,old Bayard:1849年 - 1919年)
ドルーシラ・ホーク・サートリス(Satoris,Drusilla Hawk ;1865にジョンと結婚)
ヴァージニア・デュプレ(ミス・ジェニィ)(Du Pre Virginia/Miss Jenny:1839年 - 1930年)

ただしサートリス大佐の没年は作品ごとに異同が見られて,78年とされてる場合もあるようです。
しかし「ベイヤード・サートリス」が四人もいるとか。。。
キャディ [] 2011/09/27(火) 00:22:26.57
みなさん、こんばんは。

Gさん、おかえりなさい。
そちらがゴーセーな海の幸に舌鼓をうっている間に、
こっちはデルシーの料理をしょぼしょぼ食べてました。
ヤケクソで熊撃ちに行きたくなりましたよ。。。
ちなみにverbenaの和名は熊葛。
ただし本篇のverbenaに関しては美女桜としたほうがいいのかしら。。。
いよいよ本格的なフォークナー節に突入ですかね。
イケナイ恋情の香りと何処までも続くセンテンス。。。
George Wyattの縁戚も気になるし。

ありがとうございます。
理解の助けになります。
そうですね、フォークナーさんって、いろいろなひとを何度も登場さるのはいいですけど、
細かいとこ、結構ゆるいですよね。
本篇のタイトルも、収められた作品集名も(The Unvanquished)、
なぜかわたしはとっても好きで、楽しみです。
よろしくお願いします。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/27(火) 00:47:20.64

いや、大江、中上は寄り道程度でw
中上健次は、「岬」だけではもったいない気が。
機会があればもう1作「枯木灘」を(押し売りではないですがw)
中上にフォークナーを勧めたのは柄谷行人らしいけれど、
阿部和重も含め、そのへんは鈴木が結構詳しい作家ですよw


のどくろは美味い!
吉田「金沢」の舞台になった料亭は「つば甚」らしいですよ。
犀川のほとりにある店。すぐ近くに「金茶寮」という料亭もあり、
個人的にはその2つを合体させたんじゃないかとひそかに推測w
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/27(火) 00:52:55.21

「バーベナ」の補助線どうもありがとう!
「ベイヤード・サートリス」が4人!?
キャディ [] 2011/09/27(火) 01:26:00.59

はーい。
枯れ木灘、探してみます。
ただ、丸谷みたいなモダニズム命みたいなひとが、どーしても中上ダメだったのか、
わからなくはないような。
簡単に言えば、エピゴーネン。
形式(語り)の必然性については、この読書会でおいおい自分なりに考えてみたいです。
先ずは樹の幹に耳をあててね。
どこぞの読書会みたいに構造主義とかまるで生半可な理解で自分のしゃべりたいことをしゃべっても、
そりゃ空蝉。
ジョイス、谷崎、そしてフォークナー嫌いのナボコフ。
この線で何か見えてきたらいーなー。
あー、だめだ、きょうはGさんこない。
ねまーす。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/27(火) 02:01:41.99

あ?てめぇ喧嘩売ってんのかよ?
文句があるなら論破してみろよ糟
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/27(火) 03:32:36.56
こんばんは。
おみやげの若狭名物小鯛の酢漬けを配り終わり、事典で登場人物調べ、年譜作っているうちに
寝入ってしまいました。

この作品、サートリス家のみならず、ちょっとだけだけど、サトペン家、コンプソン家、
法律家のベンボウ家と勢ぞろいなんですね。
「征服されざる人びと」(The Unvanquished)を「一続きの作品」として完結させるため、
作品の帰結部として特別に書き下ろされたという経緯が関わっているかな。



>George Wyattの縁戚も気になるし。

ちょい役のワイアット家も確かに気になる。
「エミリー」のアラバマにいる遠縁で気が狂っちゃった叔母さんも
ワイアット夫人でしたね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/27(火) 04:11:53.03
850さん、よろしくお願いします。


>「ベイヤード・サートリス」が四人もいるとか

松柏社の事典みると確かに4人いますね。
この作品の主人公で語り手であるオールド・ベイヤード。
その孫で長編「サートリス」にでてくる、スピード狂のヤング・ベイヤード。
ヤングの双子の兄弟は、曽祖父のサートリス大佐と同じジョンなんですね。

この2人以外はちょい役で、ヤング・ベイヤードの最初の妻との間の、生まれて
すぐ死んでしまう赤ん坊、それにジョン・サートリス大佐の弟。
後者は、南北戦争の勇将ジェブ・スチュアート(ベーべナで唯一、オールド・
ベイヤードの復讐断念に理解を示す、大佐の末妹で賢明なジェニーは南北戦争
華やかなりし頃、彼とダンスを踊った体験を楽しい思い出として年老いてからも
胸に抱いていた)の副官で、北軍キャンプの食卓からアンチョビーを掠め取って
やろうとして、騎馬で単身攻撃し、敵陣において射殺されてしまう。

4人といえば、コンプソン家のジェイソン君も4人いますね(クエンティンもだけど)

フォークナーの後継者であるガルシア・マルケス「百年の孤独」のブエンディア家
に至っては、アウレリャノが22名も登場するわけですが。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/27(火) 04:39:57.93
「百年の孤独」といえば、「鉄道」敷設が重要な役割を果たしますね。
バナナ工場ができ、労働運動が起き……
鉄道で可能になった人、物資の大量輸送、すなわち「交通」のもたらしたもの


>中上にフォークナーを勧めたのは柄谷行人らしいけれど

1980年代に柄谷、中上の2人が意気投合し、交通というジャルゴンを、対談・鼎談等で
ことあるごとに口にしていた時代がある。
今から思えば、たいした意味じゃない。グローバル化した現代社会において、商社マン
が世界をまたにかけて取引しているように、文学研究だって、翻訳屋・文化輸入屋の
やっているような日本でしか通用しないようなものは意味がない、科学の研究発表と
同じく、世界規模での研究の動向を見据えたものでなきゃといった程度の意味。
それを交通は英語でintercourceといって性交という意味もあるとか、えらそうに2人で
他のあらゆる文芸評論家たちを小馬鹿にするような口調で吹聴していた。

大工の家庭出身で苦学して独文学者になった中野孝次がはじめから喧嘩腰で
この2人に挑んだ座談会には笑ってしまう。最後、互いの捨て台詞で終わるのだが、
それがそのまま収録されている(『中上健次未収録対論集成』)

  柄谷:何にもわかってない、おまえは。黙ってろ。おまえなんか文学者じゃないよ。

  中野:何言ってやがんだ、バカ野郎。もっとわかる言葉で話せ。口惜しかったら、
      外国かぶれの言葉じゃなく、ちゃんと自分の言葉で話してみやがれ。


◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/27(火) 05:18:40.48
4人のジェイソン・コンプソン(附 carpetbagger)

バーベナでも「鉄道」が重要な役割を果たす。

鉄道はサートリス大佐とレッドモンドが提携して敷設。もう1人協力者がいたのだが
2人の激しい葛藤のうちに、忘れ去られてしまったとある。
その忘れ去られた1人こそ、コンプソン家のジェイソン二世。
事典のベン・レッドモンドの項目より。

>1876年の元旦にレッドモンドが資金を出し、ジョン・サートリス大佐とジェイソン・ライカーガス・コンプ
ソン二世(コンプソン将軍)とともに、ジェファソンからテネシーへ鉄道を敷き、メンフィスから大西洋に通じ
る線に繋げた。鉄道事業の更なる拡大が進行していたが、3人は仲違いし、2年後にはレッドモンドがサー
トリスを待ち伏せて殺害した。……

「響きと怒り」のスピンオフである「あの夕陽」に三世、四世の父子が登場しましたね。
一世は「響きと怒り」のAppendixに登場。1813年、インディアンの酋長イケモタビーから、後に
“the Old Compson Place”と呼ばれるジェファソンの町で最も価値がある1平方マイルの土地を、
馬と交換に譲り受ける。


なお、事典には、レッドモンドも、北部人で、carpetbaggerだったと出ています。カーペットバガー
とは、渡り政治家。南北戦争後から南部再建(Reconstruction)期にかけて南部に赴き共和党員
として活躍した北部人。カーペット生地の鞄に全財産を入れて移動する者という軽蔑的な呼称。

だから、レッドモンドはオールド・ベイヤードを撃ち損なった後、そのまま駅まで歩いていき、ちょうど到着
していた南方行きの列車に手荷物ひとつ持たずに乗り込み、ジェファソンの町とミシシッピ州をあとにし、
二度と戻らなかったのですね。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/27(火) 05:31:41.20
簡単な年譜を作っているのだけど、なかなかうまくいかない。

とりあえず、バーベナを読んだだけでは、若干わかりにくい背景(「征服されざるもの」を読めば
出ているのでしょうが)を事典から紹介しておきます。
語り手ベイヤード、リンゴー、グランビーの関係。


old Bayard Sartorisとサートリス家に仕える黒人Ringo Strotherは同じ年の「同じ月に生まれ、
同じ人の乳を飲み、長いこと寝ることも一緒で」、全く兄弟のように育てられ、いつも行動を
ともにしていた。
Colonel Jphn Sartorisの義母Rosa Millardを殺したGrumbyは、この2人の仇討ちによって殺され、
Rosaを殺した場所に熊の毛皮のように磔にされる。

グランビー少佐は、北軍が去った後の南部で50−60人の貧乏白人(Poor White)によって
結成された卑劣な盗賊団Grumby's Independentsの首領。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/27(火) 06:50:30.74
>>.871
>犀川のほとりにある店。

男川ですね。
金沢市を流れる2つの川のうち、浅野川(女川)の方は市場で昼食をとった帰り、
地下道から駅に向かうつもりで方向を間違え、出会うことができました。

1人だと、まず、川がどのように街中を流れているかを確認し、さらに宮本常一
よろしく、山や高い建物があれば、とりあえず、てっぺんまで行って地形を確か
めるのが常なのですが。

「金沢」読んだ時、今度行ったら2つの川と市街地の位置関係を是非確認したい
と思っていたんですが、むずかしい年頃の友人の息子も一緒だったのでそんな
余裕がなかった
最後の最後で、半ば、わざと道間違えたかなw
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/27(火) 06:55:54.26
の書き込み アセ氏のの対するレスでした。



鉄道といえば、フォークナーの年譜に次のような出来ごとが記されているのを指摘
し忘れてました。

>1871年 フォークナーの曽祖父、鉄道会社をRichrd Thurmondと立ち上げる。

ジョン・サートリス大佐、コンプソン将軍(ジェイソン二世)、レッドモンドの3人の事業も
同じくらいにはじまったんだろうなあ。


アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/09/27(火) 21:01:11.00

丸谷VS中上の構図をジョイスVSフォークナーに重ね合わせるってこと?
でもナボコフがフォークナー嫌いだったとは知らなかったなあ。


少しだけ脱線。
犀川(男川)と浅野川(女川)にはさまれて市街地が広がり
犀川から名前をとったのが室生犀星、
浅野川の畔で生まれたのが泉鏡花、
あと徳田秋声を加えて金沢の三文豪だとか。

バーベナ(タマツヅラ)の匂いってどんなのだろう?
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/27(火) 22:19:56.92
 基本は香りしない花だよ
キャディ [] 2011/09/28(水) 00:22:00.78
みなさん、こんばんは。

中上は日本のフォークナー(モダニスト)ではない、という意味です。
モダニズムの射程の問題(伝統との関係)として。
(だから中上が良いとか悪いとかいうわけじゃないです、念のため)
ジョイスからフォークナーへの流れは、わたしはアメリカの楽天性の成功例と考えます。
今回のDrusillasの人物造形は面白い例証のひとつのように思います。


フォークナーの作品には珍しく歴史的に実在するモデルのいるケースですね。


へー、そうなんですか。
意外。
コンピュータが進化したら、そのうち香りとかもふつーに確認できるようになるかしら。。。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 01:34:56.38
フォークナーは黒人差別してたんだろ?
日本人とか虫けら以下だと思ってたんだろうな
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 01:41:00.10
絶対そうだよね
それを日本人がありがたがって読んでるのってバカ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 01:42:42.74
読んでない奴はROMってな
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 01:49:05.75
あの〜短編集くらいは読んでるんですけど
そのうえで自覚なしに黒人差別しるてるだろがといっとんじゃ
おまえこそちゃんと嫁
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 01:56:00.51
バカは黙ってろよ
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 02:04:15.97
おまーなー
人をバカよばわりするからにはちゃんと分かってんだろうな
たぶんわかってな、このバカは
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 02:12:05.78
具体的な作品名と具体的な引用箇所を出して意見を書くべし
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/28(水) 02:19:52.98
あの夕陽における差別的用語
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/28(水) 02:46:03.78

>フォークナーの作品には珍しく歴史的に実在するモデルのいるケースですね。

曽祖父の件、もう少し引いておきましょう。事典のフォークナー自身の項目より

>将来は「曽祖父のような作家になりたい」と彼に言わしめたそのWilliam Clark Faulkner
(1825-89)は、スコットランドからの移民の子孫で、まだ新興のフロンティアであった1840年
代初期のリプリーを舞台に活躍し始め、晩年にはベストセラーのロマンス小説『メンフィスの
白い薔薇』(The White Rose of Memphis,1881)などの作家として成功した。しかし彼の本分
は、南北戦争に出征して正負両面にわたる伝説的な武勇伝を残し、1871年に鉄道会社を設
立して後に社長にまでなり、州議会選挙にうって出るほどの、企業家、政治家としての才にあ
った。時代の動きを機敏に見抜き現実を激しく生きる熱血漢であったが、晩年に鉄道会社の共
同出資者の恨みを買って射殺された。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/28(水) 03:09:13.33
「エミリーに薔薇を」 Alabama アラバマ

等でエミリーのグレアソン(Grierson)家の分家がアラバマ州にあること、アラバマが
南北戦争下で南部連合の中心州であったこと、連合の首都もその州都モンゴメリーに置
かれたこと等を指摘しましたが、フォークナーの項目をみると、フォークナーが次から次へ
と名作短編を書いていた() 1931年1月に長女が生まれているが5日(9日説)で
死んでしまう。

この長女はアラバマ(Alabama)と名づけられていた。

また、サンクチュアリにポパイの手下でAlabama Redという人物が登場する。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/28(水) 09:22:41.06
今回の「バーベナの匂い」、検索したのだけど原文が見つかりません。

とりあえず、自分はポータブルのペーパーバックを注文しましたが
もしインターネット上で見つけた人は貼ってくださればありがたい
です。
G ◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/28(水) 10:18:48.19
と書いたが、フォークナーは1962年7月6日、64歳のときに亡くなっているから、
著作権がありそうだ。撤回。
キャディ [] 2011/09/29(木) 01:05:58.06
みなさん、こんばんは。


昨夜は違った角度からいろんな意見があったようですね。
いつかフォークナー作品の人種問題について、ちゃんと考えてみたいです。


いわれてみるとそうですね。
やっぱりお金が必要だったのかな?


わたしはPortableから読み始めました。
Gさんがこれを入手してくれると、参照箇所とかわかりやすくてありがたいです。
(あと、密かに?冨山房の全集全巻揃え期待してます!)
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 03:37:13.74

>やっぱりお金が必要だったのかな?

そのとおりなんです。1929年6月20日に、前の夫と離婚したエステルと結婚式をあげ、
家庭を持ったことのほか、1930年4月に南北戦争前の古い館を購入し、その借金返済
の必要も生じたからです。
この館をフォークナーは、ケルト伝説(で曽祖父について引用したとおり、フォーク
ナーはスコットランドの移民の子孫です)で魔除けの力があると説明されている「(ミヤマ)
ナナカマド」(rowan tree)にちなんで、ローワン・オーク(Rowan Oak)と名づけ、1962年
7月に亡くなるまで家族と暮らしています。
結局、小説だけでは足りず、ハリウッド映画の台本書きにまで手を染めることになるわけ
ですが。


>冨山房の全集全巻揃え期待してます!

実はで届いたと書いたのは全巻です。ばらで買うと揃えるのに難航する巻がでることが
予想されたし、月報にも欠落がないにもかかわらず、蔵書印が押されているためかなり安くなっ
ている全巻揃えを見つけ、えいやっと買ってしまったのです。

吾輩は名無しである [sage] 2011/09/29(木) 03:39:33.67
ttp://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/32/4/323236+.html

これ見ると岩波の新刊のアブサロムはやっぱり二分冊みたいだな。
冗談じゃねえよこんな作品に2000円も払えるか
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/29(木) 03:57:25.29
まあ、そういわんと、ひとつ読んでみてかちょ
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 04:28:21.83

>わたしはPortableから読み始めました。

帰宅したら、届いてました。
この選集、ヨクナパトーファサーガがその年代順に収録されているんですね。
バーベナは1874年とされている。
やはり、サートリス大佐がかつての共同事業者であり、政敵となっていたレッド
モンドに撃ち殺されたのは南北戦争終結の9年後、1874年10月のことと素直
にとってよかったんだなと安心しました。

サートリス家の家系図等見たため混乱してしまったけど、このとき語り手の
ベイヤードは24歳とあるから、1950年頃に生まれた(系図では1949生だが)。
リンゴーも同い年。ドルーシラは8歳年上。

ジェニー叔母さん(父の妹)の年齢はどうなんだろう。
3章にtaller than Drusila but no olderとある。家系図ではドルーシア1941生、
バージニア(ミス・ジェニー)1939生とあるけど、素直に年がほとんど変わらない
ととっておくのがいいか。

ジェニーの夫は南北戦争勃発(1861・4・12)直後に戦死、ドルーシラの許婚は
1863年4月6、7日のシャイローShilohの戦いで戦死。
南北戦争(1865・4・19終結)からの帰還後、ドルーシラは、年の離れたジョン・
サートリス大佐と結婚する。

ベイヤードがリンゴーと、祖母の敵(かたき)のグランビーを血祭りにあげたのが
4年前、20歳の、まだ大学にはいる前。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 04:41:51.74
年譜を作ろうとして、はたと迷ってしまったのはサトペンをめぐる次の
出来ごとが、「バーベナ」では全く反映されていないように見えたこともある。
事典等で中途半端に知識を仕入れたため、かえって混乱してしまった。

「アブサロム」や「ワッシ(孫むすめ)」の世界はパラレルワールドと割り切るか。

1865/5/3 サトペンの息子ヘンリーが、異母兄のチャールズ・ボン
        (母譲りの黒人の血が混じっている)を殺害
1866/1 サトペン、ジェファーソンに帰還。
1869/8/12 サトペン、ワッシに殺害される。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 05:10:33.68
the equinox

新潮文庫訳では、ベイヤードの父ジョン・サートリス大佐が殺されたのは
10月だが、まだ「彼岸あらし」が来てなかったとある。
原文が届いたので確認すると1章第2パラに
although it was October, the equinox had not occurred
とある。
エキノコックス(北狐につく寄生虫)みたいだな。

辞書ひくと、the equinoxは、春分点、秋分点を指すみたい。
ただし、 OALDではone of two times in the year(around 20 March and
22 September) when the sun is above the EQUITOR (赤道)and day
and night are of equal length とあり、10月だと秋分はとうに過ぎている
ので秋分と訳すわけにはいかない。

アメリカ南部だと、例年、秋分の頃に嵐がきて、めっきり寒くなるのだろうか。

この年の10月が例年と違うことを述べている箇所が、1章終わりの方にもある。

though it was October no rain had come yet and hence no frost to bring
(or leave behind) the first half-warm half-chill nights of Indian Summer
10月ではあったが、まだ雨は一滴も降らず、そのため、あの小春日和(
インディアンサマー)の日の最初の暖かいような寒いような夜をもたらす(
あるいはその原因となる)霜はまだおりていなかった

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 07:22:43.19
the equinox (彼岸あらし)の続き

アメリカ合衆国南部も、日本列島の大半と同じく、ケッペンの気候区分では温暖湿潤
気候に分類されるみたいだ。

>夏 - 秋にしばしばタイフーン(台風)など熱帯低気圧の影響を受ける
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E6%9A%96%E6%B9%BF%E6%BD%A4%E6%B0%97%E5%80%99

「野分き」ということだな。ただ、日本だと二百十日(9/1頃)、二百二十日(9/11頃)がピークになるところ、
アメリカ南部だと、秋分(9/22頃)にピークがずれこむということだろうか。

北米では、秋分から秋がはじまると考えられている(ここでも日本よりも遅い時期にずれこむ)
In North America, autumn is usually considered to start with the September equinox.
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Autumn#cite_note-3

「野分き」もだが、「彼岸あらし」というのも随分、原文と違った印象を与えてしまう。
ジーニアス英和大辞典だと
equinoctialの項に[しばしば〜s]彼岸あらし《◆line stormともいう》とある。

インディアンサマーを小春日和と訳すのも同じだな。

ありがちなタイフーンとサイクロン、ハリケーンの違いといったFAQはこの辺で
ttp://www.aoml.noaa.gov/hrd/tcfaq/tcfaqHED.html
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 08:48:37.03
Sittingではじまる作品・歌  「八月の光」等

野崎歓「フランス小説の扉」(白水uブックス、2010) に『「フランス語作家」としてのフォークナー』という一文がある。

サルトル以来(その評論は「響きと怒り」ノートン版でも最初に収められている)、フォークナーはまずフランスで
評価されたところがある(ポーもそうでしたね)。
野崎のこのエッセイでフランソワ・ボンという現代作家がNRF誌特集号に寄せた評論が紹介されている。p188-91
『八月の光』冒頭のパラグラフの引用。いきなりSitting,watchingという主体の不明な現在分詞が登場すること
が指摘される。

>Sitting beside the road, watching the wagon mount the hill toward...という音の連鎖を、4/2/3/4
といったリズムに分析してその「ぶんぶんという唸り」に迫ろうとするボンは、そこにいにしえの黒人
唱歌やブルースの節回しに近い音楽を聴き取る。「I came from Alabamaというのはトラディショナル
な歌のタイトルと同じだし、さらにはライトニン・ホプキンスの古いブルースやらジョン・レッドベリーの
12弦ギターやらといったいっさいが、同じ時間、同じ場所からわれわれのもとまでやってくるのだ。」

シッティングではじまる歌が去来して、youtubeで探した(私にはsittingとshittingの区別がつかない。
斎藤兆史などは、いまさら恥ずかしいと言いながら、授業を中断してでも発音を矯正することにしている
らしいが。「英語達人塾」中公新書p22 shittingで検索したら、とんでもない画像がわんさか出てきた)

最初、sitting in the sun(shine)かなと思って探した。確かにあったが知らない曲だった。
ttp://www.youtube.com/watch?v=sYPBxyzPkcI

もっと俺ですら知ってる有名な歌手の有名な曲のはず。
red...redding、そうだオーティス・レディングにsittingないしshitting
ではじまる歌はないかと探したらあった。
Sitting on the dock of the bay ドック オブ ザ ベイで覚えていたので出てこなかったのだ。
(ドッグ・オブ・ザ・ベイとしている人もいた。犬の上に腰かけながら、って。shittingだともっとやばい)
ttp://www.youtube.com/watch?v=wzrXc68gNjQ&feature=fvsr
ttp://www.youtube.com/watch?v=1LUOJNAu_cg

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 09:05:17.21
承前だが、読書会のバーベラの話に戻る。
>I came from Alabamaというのはトラディショナルな歌のタイトルと同じだし

父のかたきであるレッドモンドの事務所を訪れた日の夜、戻って来たベイヤードは、ジェニーから
「ドルーシラは、夜行に乗って、モントゴメリーのデニソンのところに行ってしまった」と告げられる。
デニソン(誰?)は1年ほど前に結婚し、法律を勉強しながらモントゴメリーに住んでいた。

モン(ト)ゴメリーはアラバマの州都。
で南部連合の首都であったと書いたが、正確にははじめのうちだけで、すぐに
バージニア州リッチモンドに遷都している。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E9%80%A3%E5%90%88%E5%9B%BD

いずれにしても、南部人にとって、アラバマは特別な地名(文学用語だとトポスってやつかな)だったようだ。




◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/29(木) 21:30:51.31

>デニソン(誰?)

Dennison愛称Dennyだがここにしか出てこないようだ。事典にも項目がない。

すぐあとに出てくるジェッド ホワイト(Jed White)も項目はあるもの、ジョージ・ワイアットの命令で
サートリス農園の馬で乗りつけ、ベイヤードがレッドモンドの法律事務所で彼と対決したが無事で
あることを伝えると「バーベナ」のここでの役割しか書かれておらず、結局、他では出てこないようだ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/30(金) 20:02:37.96
「バーベナの匂い」一筋縄ではいかない。特に2章。
ttp://www17.plala.or.jp/kiyoto01/an_odor_of_verbena.html

1章 大学のウィルキンズ教授方で夕食後、下男のリンゴーより、父がその日の午前、
   牧場でレッドモンドに射ち殺されたとの知らせを受け、急遽、家に向かう。

   大学はオックスフォード郊外にあり、ジェファーソン郊外の実家まで40マイル。
   1マイルは1.6kmなので、64km
   語り手の馬は1マイル平均8分で走るので、片道5時間20分の計算になる。  

2章 回想(ここが実に錯綜している) 

3章 1章の続き。真夜中に家について、床に就くまで
4章 翌日の夜明けから黄昏時まで
   
   
   
キャディ [] 2011/09/30(金) 20:32:07.50
Gさん、こんばんは。
きょうは早いですねー。
きのうわたしがまたサボっているあいだに、どんどん研究してますねー。
焦りますー。

ちょっと長くなりますが、順番に考えてみます。


T章のThe equinoxですよね。
2パラのここで、あれ、10月なのにって振っといて、
6パラ目、これぞフォークナーさんという文章が来ますよね。
そう、”…Ringo and I rode away into the hot, thick, dusty darkness, quick and strained for the overdue equinox like a laboring delayed woman,…”
一見、なんでこんな言い方なの?と思いかねないけど、
本篇をきっちり読んでみると、たしかにこのセンテンス最高。
時間の魔術師かよ、って感じで、ほんと、うまい。
この語り手(と同時に作者)の歴史認識というか時間感覚というものが、
ものすごくうねった、肉感的な、そしてこのストーリーのリアリティとして、
ぴったり表現されていると思います。
キャディ [] 2011/09/30(金) 20:34:38.22
連投!

これ面白いですねー。
確かにLight in August、わたしはフォスターのおおスザンヌで考えましたが。。。
論文筆者のフランシス・ボンは本名ですかね?
ボン(スペルがBonならですが)はまさにAbsalom!


Portableの RaidのU章みてみてください。
このなかに、Hawkhurst に住んでるCousin Denny, Cousin Drusillaが出ています。
(ちなみに、この2人のお父さんのUncle Dennison’s graveもでてきていて、ということはまたもや親の名前も子どもの名前も一緒というパターンですね)
Hawkhurst か Hawkがこの人たちの苗字になると思いますので、事典で確認してみてください。
(でもせっかく日本語で事典をだすなら翻訳作品にでてくる登場人物名で引けるようにして欲しかったですね)。


じっくり一緒に考えましょう。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/30(金) 21:18:24.81

こんばんは。
今朝と昼に、翻訳を読み返しているのですがやはりエミリーの3倍って長いですね。
4章、1章ときて、まだ2章の途中です。
昨日の書き込み、凡ミスがあって、どう訂正するか悩んでます。。

例えば、
サトペンの息子ヘンリーの異母兄チャールズ・ボン殺害事件はきちんと
2章に出てきますね。ただ、その後、サトペンがプアホワイトのワッシに
殺害された件は反映されていないように見える。


まずは、答えやすそうなところから。
ボン続きで。

>論文筆者のフランシス・ボンは本名ですかね?

スペルは, Francois Bonのようです。ストーンズ伝なども書いている。

バンジョーを膝にアラバマから来た、って歌も去来していたのですが、
そうか、フォスターのオー、スザンナだったのか。



キャディ [] 2011/09/30(金) 21:28:29.62

いや、わたしは音楽は文学以上にド素人ですから、
いいかげんもいいところです。
ただ、フォスターは南部の歴史を考えると面白い人だと思いました。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/30(金) 21:33:57.69

>Hawkhurst か Hawkがこの人たちの苗字になると思いますので、事典で確認してみてください。

Hawk,Dennison,Jr.(Cousin Denny)で確かに、事典にありました!

ドルーシラの弟だったんですね。で、アラバマ州モントゴメリーに法律事務所を持つとあるから、
やはり弁護士か。

Hawkhurst(ホークハースト)もありました。
アラバマ州ガイホン郡(Gihon Country)にある架空の荘園。
グランビーに殺されたベイヤードの祖母ローザ・ミラードの妹ルイーザ・ホークとその子供たち
(ドルーシラ、デニソン)の屋敷。
1863年、南北戦争のさなか、ローザ、ベイヤード、リンゴーがここに避難するが、すでに北軍によって
焼かれ崩壊していた、とある。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/30(金) 21:46:54.46

フォスター(1826−64)って、結構古い人だったんですね。
ミンストレル・ショー(白人が顔を黒く塗り、黒人に扮して歌や踊りや喜劇を繰り広げる
エンターテイメント)の歌だったのか。

キャディ [] 2011/09/30(金) 21:50:07.99

Hawkさんでしたか。。。
まあ、わかりにくいですよね。
hurstはhillock、小さな丘って感じですかね。
あと、重箱攻撃!
Dennyはreading lawとあるのでこのときはまだ学生だと思います。
つんつん。
キャディ [] 2011/09/30(金) 21:57:24.07

この間ようやく読み終わったばかりで、
Light in Augustは面白かったことは間違いないのですが、
たぶん読み間違えもかなりあります。
いつかじっくりやりたいですね(って、いつも、いつかいつかの怠け者。。。)。
ちょっとビール買いに出ます。
なんか暑くなってきたような。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/30(金) 22:54:09.83

その後、弁護士になったということですね。



”…Ringo and I rode away into the hot, thick, dusty darkness, quick and
strained for the overdue equinox like a laboring delayed woman,…”

新潮文庫は、
>私とリンゴーが、暑い、濃い、ほこりの立ちこめる闇のなかへ、陣痛が長びいて
いる女のように、なかなかやってこない彼岸あらしにもどかしく思いながら、いそい
で馬で乗りだすまで


全集・斎藤光訳だと、
>リンゴーとぼくが、産気づいているが出産のおくれている婦人のように、なかなか
来ない秋分に対して敏感になり緊張している暑くてむっとした埃っぽい暗闇のなかに
乗り出すまで

と equinoxを秋分と訳している。

で引いた 
although it was October, the equinox had not occurred をみると、やはり
>10月だったが、まだ秋分にはなっていなかった
と訳していますね。



吾輩は名無しである [sage] 2011/09/30(金) 22:56:37.38
なんだこのスレは、文通スレだな
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/30(金) 23:05:29.48

キャディ [] 2011/09/30(金) 23:12:30.58

読書会なんで、どなたでも歓迎です!


英語的に忠実なのは全集版でしょうけど、
新潮版は、うーん、わからなくはないけど。。。訳者はだれですか?
秋分あらしってのは、ほんとにあるんですかね?
言葉としても、現象としても。
わたしはthe equinoxはここではそのままでいいと思うのですけど。
吾輩は名無しである [] 2011/09/30(金) 23:24:52.82
あと、80仲良くやってなさい
キャディ [] 2011/09/30(金) 23:28:11.94

ほーい。
吾輩は名無しである [sage] 2011/09/30(金) 23:31:02.10
話がながいこいつら
吾輩は名無しである [] 2011/09/30(金) 23:44:14.23

確かに並じゃないから
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/09/30(金) 23:49:14.53

訳者は瀧口直太郎という人です。
秋分というと、やはり地球と太陽の位置関係から昼と夜の長さが同じになる日であり、それは9月22日前後のはずで
10月ではありえないということを考慮していると思います。

ただ、equinoxという単語の幾何学的な硬さは本当は残すべきなんでしょうね。
「不思議の国のアリス」で、穴に落ちて行くアリスがLatitude,Longitude,The Antipathiesといった
言葉を思い浮かべるとき、その言葉の生硬さが味噌であるように(最後はantipodesの間違いですが)。
その意味からは秋分という訳の方がふさわしい。
翻訳する場合のジレンマですね。
キャディ [] 2011/09/30(金) 23:55:09.71
物理的な時間を文学的な(というかフォークナー的な)時間に引き込むことを、
フォークナーさんは明晰に、正確に、やってますね。
だから、overdue equinoxなのだし。
この辺が、先ずは第一の肝ですね。
キャディ [] 2011/10/01(土) 00:23:22.52
つののくちさんですか。。。
やっぱ誤訳かな。。。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/01(土) 00:40:23.05

つののくちさん,って?

ちょっと話飛びますが、ここで「時間に間に合った」って何に間に合ったんでしょうね。
これも誤訳なんでしょうか。

鉄道事業を起こした3人のうち、あとの2人の反目が有名になりすぎて
忘れさられた1人であるコンプソン将軍が、4章で唐突に登場します。

町中にあるレッドモンドの事務所へと出かける語り手とすれちがうシーンです。
町と反対方向にコンプソンさん、どこに行くんだろう。

And sure enough I was just in time; I passed the Compson carriage at gates,
General Compson lifted his hat as I did mine as we passed.
>門のところで、コンプソン家の馬車に行きあったが、それからみても、私がやっと
時間に間にあったことはたしかだった。行きちがうとき、コンプソン将軍と私は、お互
いに帽子をとって挨拶をした。

4章の時間経過を追ってみましたが面白いです。

昼にはすでにレッドモンドの事務所を出て、牧場を横切っている際、あと少しで家に着くと
ころで5時間ほども寝入ってしまう。リンゴーは忠実にそばにしゃがんで待っている。
ようやく、あの息苦しさから解放された語り手はひとしきり泣きじゃくる。
北へ行く夜行列車の汽笛の音が聞え、発車する音が途切れ途切れに聞えてきた。リンゴー
が帽子に水をいっぱい汲んで持ってきてくれる。



キャディ [] 2011/10/01(土) 00:54:16.99

多tooのクチ?
すみません、なかったことに。。。
ここ、Gさんはどう思いますか?
吾輩は名無しである [sage] 2011/10/01(土) 01:08:04.81
G、まだ生きてたのか
相変わらずしょん便引っ掛けてるのかよ
キャディ [] 2011/10/01(土) 01:57:40.33
なんかいろいろノイズが。。。。
そろそろねまーす。
G ◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/01(土) 06:27:08.70
「赤い葉」 Olé, Grandfather

GO DOWN, MOSESのVINTAGE版届いたので20日前の俺の質問に対し、自問自答
しておきますw



>「むかしの人々」(The Old People)で、少年が生まれてはじめて仕留めた
大きな幻のような鹿に向かってサム・ファーザーズが、「チーフ(頭)よ、
おお、グランドファーザー(祖父)よ!」 と呼びかけるシーン「おお」が
「オーレ」か気になっています。どなたか原文をお持ちの方確認していただ
ければ。


"Oleh, Chief,” Sam said. "Grandfather.”
ということでオーレでした

「赤い葉」で逃亡中の黒人奴隷がヌママムシcottonmouth moccasinに呼びか
けるシーンもThe Portble Faulknerで再確認しました。実は
“Olé, Grandfather,”the Negro said. です。
最後のeにアキュート・アクセントがついているのです。

これ、英語でなくスペイン語で、闘牛士に対する観客の激励の掛け声ですね。
タツノクチさんは「しっかりしろ、じいさん」と訳していますが。


「熊」(The Bear)で、その6年後、少年自身が蛇に向かって語りかけるシーン
は、単に "Chief,” he said.: "Grandfather.”となっており、OléもOleh
もついてない。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/01(土) 07:10:54.25

>ここ、Gさんはどう思いますか?

難問です。「征服されざる人びと」全体をざっと読んでみようと思います(全集の翻訳ですが)。
寝ている間にアイディアが浮かんだので書きとめておきます。

ジェファーソン市街地とサートリス家の間の牧場、当時はコンプソン将軍の領地で、将軍は領地の
見回りをし、家に帰る途中だったのではないか。
見回りの時間帯は、カントの散歩の時間のように規則正しいもので、ベイヤードはこれを時計代わりに
していたのではないか。
おそらく、仇討ちの儀式はできれば24時間以内にする(おそらく埋葬のタイミングと関連する)といった慣行・
不文律が人々の間であったのではないか(サートリス家から町までは4マイルとコンプソン将軍に挨拶する
シーンの直後にわざわざ書いてある。ベイヤードは仇打ちをしに町中のレッドモンドの事務所をたずねるわけ
ではないけど不文律で定められた時間までにはレッドモンドと会う必要はあると感じていたのではないか)

サートリス家とコンプソン家の位置関係が、例えばアブサロム添付(事典に転載)のヨクナパトーファの
地図みてもよく掴めないので悩ましいのですが。「響きと怒り」Vintage International版添付のCompson
屋敷地図ともまだ重ね合わせられない。

牧場は、ベイヤードとリンゴーが少年時代、そこでフクロネズミ狩りをしていた頃は、レッドモンドの所有地
だったが、その後、人手にわたったとあります。そこで少年2人は生まれてはじめて、はでな馬に乗った
ヤンキー(北部人)を見たともありますが、このヤンキーはおそらくレッドモンド自身でしょう。1章の回想シーン。
実は牧場はコンプソン将軍の手にわたったのではないか(コンプソン家も、南北戦争後、すでに没落しはじめて
おり、不動産を抵当に入れる経済状況だったのですが。鉄道の利権との交換条件に入手した可能性がある)

ジョン・サートリス大佐が1874年10月のある日の午前中、レッドモンドに射殺されたのもこの牧場だった。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/01(土) 08:14:13.04
もうひとつ仮説

レッドモンドの事務所をあとにした語り手は帰途、あと少しで家がみえるところの牧場the pastureの水辺の
ほとりで日没まで5時間ほど寝入ってしまう(語り手は夕食後オックスフォードから馬を飛ばして夜中に家
につき、その後、寝床にははいるものの一睡もしていないはず。一晩中、モッキングバードの鳴き声を聞い
ていたことになっている。また、朝から何も食べていない)

夢は全然見ず、でもさめざめと、押さえることができないほど、激しく泣いていた。
>あきらかに私たちの町の信号停車駅(訳注:信号旗の合図があるときだけ列車が停車する駅)にとまって
いたらしい、北方へ行く、夜行列車の汽笛の音が聞え、発車する音が短くとぎれとぎれに聞こえてきた。
the whistle of the north-bound evening train sounded and the short broken puffs of starting where
it had evidently stopped at our flag station.

これは1年前にサートリス大佐が開通させた鉄道です。
the last year now you could hear the whistling of the trains which had no longer belonged to Mr.
Redmond for a long while now ……



◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/01(土) 08:14:57.57
続き

私の仮説は、ドルーシラは、語り手が家近くの牧場の水辺のほとりでその汽笛を聞いていた夜汽車に
乗っていったのではないかというものです。

アブサロム巻末の地図だと鉄道はジェファーソンから南北に延びています(レッドモンドは昼の南方行きに
手荷物一つ持たず、乗り込み、永久に姿を消す)。

ドルーシラが弟を頼って行ったアラバマの州都モンゴメリーは、ジェファーソンの町(架空なので、隣接する
実在の町オックスフォードを基準にしますが。作品では40マイル離れている)の南東東にあります。
(Google マップで検索するのが便利)

しかし、おそらく、直通の汽車はなく、ドルーシラはいったんメンフィスまで北上し、そこで別の鉄道に乗り換え、
モンゴメリーに向かったのではないか。ちょっとロマンチックすぎるかな。

でも機関車自体、ジェニー号(あるいはヴァージニア号?)1台しかなく、レッドモンドを南方の町におろした
昼の汽車がまた北上し、夜汽車となって、ドルーシラを乗せて行ったと思うんです。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/01(土) 08:55:44.76

>これは1年前にサートリス大佐が開通させた鉄道です。
the last year now you could hear the whistling of the trains which had no longer belonged to Mr.
Redmond for a long while now ……

読み返して気づいたのだけど、龍口訳ではwhich以下は、その前にでてくるthe pasture(牧草地)
の従属(形容詞)節になっています。

でも、ここだけみるとどうみてもthe trainsにかかると読めてしまいますね。
そして、実際に、全集・斎藤光訳はそのように解している。
>その牧草地では今では過去一年間、もうだいぶ前からレドモンド氏の所有ではなくなっていた鉄道
の汽笛を聞くことができた(のだが、その鉄道も、父は一瞬に、午前中の一瞬時に、倒れたとき吸って
いたとリンゴーのいうパイプを落とすとともに、手放してしまったのだ。)

の牧場ないし牧草地がレッドモンドからコンプソン将軍にわたったという仮説は龍口の解釈に依拠している
のでトホホかも。
ここの一文やたらと長いので混乱が生じるのですね(バーベナ、ジェニー叔母さん、少年時のフクロネズミ狩り、
はじめた見るヤンキー、汽笛、その日の午前撃たれた父の手から落ちるパイプと、語り手の意識の流れが内的
独白の形で語られる)。

でも、私は、ベンジィが愛してやまなかったBenjy's pastureと名づけられた場所は、この広大な牧草地のうち、
コンプソン家に残された最後の一画ではなかったかという仮説をまだ捨てきれない。それも結局失われるの
ですが。

アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/10/01(土) 21:14:38.61
うーん、を読むと龍口訳は問題がありそうな…
最後の場面、また枕が登場してるなあ。
今度は白髪ではなく、バーベナの枝が1本。
キャディ [] 2011/10/01(土) 23:11:47.53

キャディ [] 2011/10/01(土) 23:15:31.76
みなさん、こんばんは。

ああ、そう意味でですか。。。
わたしは、もし訳者が、古い南部に別れを告げる語り手の心情を斟酌して、
こういう訳文にしたのかどうか、考えていました。
やはり、訳の全文を見ないといけませんね。
キャディ [] 2011/10/01(土) 23:30:55.85
あらら、すみません、無駄なことしてしまいました。(938)

ジェニーがevening trainでといっているので、そのとおりにとるしかないと思います。


龍口訳未読のため、よくわかりません。
すみません。


そうですね。
verbenaの使い方、モダニズムで面白いですね。
pillowがpillarに見えてきます。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 00:00:46.84

ラストシーン、「エミリー」と似てますよね。
pillow talkなどという言葉があるようにやはり枕という小道具のもつエロスを生かした面はあるかと。
本編の場合はそれほど強烈ではありませんが。

龍口訳は、自然に読むと直前の名詞を修飾するととるべきところをあえて離れた「牧草地」を修飾
するとしており、それなりの考えがあってのことと思います。
ただ、牧草地がかつてレッドモンドのものであった可能性は低いように思い、ここは現時点では誤訳
ではないかと私は感じています。

鉄道であれば、2章でジョン・サートリスがレッドモンドとの間で全部権利を買い取った話が出て来て符合します。
鉄道が開通したとき、サートリス大佐がこれ見よがしにレッドモンドの家の前で汽笛を激しく何度も鳴らし、恨みを
買い、これがレッドモンドによるジョン・サートリス殺害の動機になるわけですし。

レッドモンドはもともと南部の人でなく、ミシシッピ川は遡った中西部のミズーリの男で綿花と軍の備品補給の
相場師をしていた。南北戦争が始まると北軍についていき、やがてジェファソンを占領した軍隊を指揮する
准将の宿所で暮らすようになり、そのままジェファソンの住人となった、と事典に出ています(本短編中では2章
で「戦争中レッドモンドは軍隊にはいらず、政府御用の綿花事業に関係ある仕事をしていた」としかでておらず、
もともと南部の人と読めないこともないですが)

だから、南部にプランテーションの荘園をもち黒人労働力を使って富を蓄積したサートリス家やコンプソン家の
名家と違って、根なし草のはずなんです。事典は彼もカーペットバガー(新潮文庫は山師という漢字をあて、
南北戦争直後のどさくさまぎれに、ひともうけたくらんで南部にはいりこんできた北部人と訳注をつけています。
彼の場合は南北戦争中ですが)に含めています。だから、身一つでさっさと最後には退散した。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 00:20:39.52

リンゴーから父の訃報を聞き、実家へ引き返す途中、牧場を横切る際の内的独白。
龍口訳は次のようになっています。原文はパラグラフを変えずにWe rode on.が反復され、横たわる父のイメージ、
その後はずっと語り手の心中のドルーシラのイメージが続いて、1章が終わるはずです(2カ月前の接吻が尾をひ
いているのでしょう)。

>二人の馬は進んでいった。十月だった。バーベナの花の咲く時期は、まだ充分に続いていた。だが、バーベナが
必要だということがはっきりわかる前に、私は家に帰りついていなければならなかった。庭のバーベナの花の時期は、
まだ充分ありはしたが。その庭では、ジェニー叔母さんが、父の古い騎兵用の長手袋を手にはめ、ジョービー老人と
ならんで、風変りな、かんばしい、古い名前のついたいろんな植物が、後生大事に秩序整然と植えられている花壇の
あいだを、ぶらぶらと歩いていることだろう。なぜなら十月ではあったが、まだ雨は一滴も降らず、そのため、あの小春
日和の日の最初の暖かいような寒いような夜をもたらす(あるいは、その原因となる)霜はまだおりていなかったから
である??空飛ぶ雁(カリ)には冷たくて空虚な感じがしても、野ブドウやサッサフラスの、暑くてほこりっぽいにおいを
いまだにただよわせている、生気のない、眠気をさそうような、あの小春日和の日の夜の空気――私が成人して法律
を学ぶために大学へ行く前のことだったが、そんな晩に、リンゴーと私は、かんてらと斧と頭陀袋(クローカー・サック)
と六匹の犬(一匹は追跡のための犬、他の五匹はただ臭跡を発見して喚声をあげるだけの犬)をひきつれ、牧場でフ
クロネズミ狩りをよくやったものだった。私たちがあの日の午後、はでな馬に乗った北部人を、生れてはじめて見たと
きにひそんでいた場所は、その牧場だった。その牧場にも、昨年以来、汽車の汽笛が聞えるようになっていた。そこは、
レッドモンド氏の手からずっと以前にはなれていた。父が午前中のある一瞬、ある瞬間に、倒れたのもその牧場におい
てであった。リンゴーの話によると、父はそのときパイプをすっていたそうであるが、そのパイプは、父が倒れたとき、父
の手からはなれ落ちたそうである。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 00:39:49.50

>ああ、そう意味でですか。。。
わたしは、もし訳者が、古い南部に別れを告げる語り手の心情を斟酌して、
こういう訳文にしたのかどうか、考えていました。

は思いつきの域をでません。
レッドモンドがかつて牧場を所有していたという線は根なし草のよそ者という設定からしてやはり考えにくく、
龍口訳からの誤導であり、撤回ですね。
ただ、コンプソン家の所有であったという線は残ります。もともとコンプソン家がインディアンからだまし
とった可能性の方が高い。

>私たちがあの日の午後、はでな馬に乗った北部人を、生れてはじめて見たときにひそんでいた場所は、
その牧場だった。

少年時に語り手ベイヤードとリンゴーが隠れてみたヤンキー(北部人)は北部軍の騎兵です。
レッドモンドではとしてしまいましたが、これもかつて彼が牧場主であったかのような龍口訳に誤導されました。
「征服されざる人びと」の第1話「待ち伏せ」にこのエピソードは出ています。12歳(2人は1949年
9月生まれ)のときでこの兵士に発砲してしまい、ひと悶着起きます。
キャディ [] 2011/10/02(日) 00:46:57.27

Gさん、いつもすみません。
ありがとうございます。
しかし、これは、もう、ダメですね。。。
というか、さすがにこれは英語を読めていない(わたしがいうのも不遜ですが)。
そもそもrelinquished along withが訳されていない。。。
訳者には敬意を表したいのですが、残念です。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 00:47:52.24
の引用、これで一文です。アブサロムではもっと長いのがあるようですが。

??とあるのは――です。
新潮文庫訳を引用するのに、便利な頁を見つけたので利用しているのですが、誤変換のようです。
ttp://www17.plala.or.jp/kiyoto01/an_odor_of_verbena.html

また、昨日話題になった、陣痛なのになかなか子供が生まれない妊婦のようになかなか来ないequinox
の一節がすっぽり抜けていました。
やはりここ日本語にすると伝わりにくいからでしょうね。

キャディ [] 2011/10/02(日) 01:02:20.81

ここは、わたしとしてはテクストを見る上で非常に大事なところと思っているので、
あえて、スルーしました(ここを訳さないと作品の実がなくなってしまう!)。
Portableの(すみません、テクストがそれしかないので)W章"No you ain't."以下を見てください。
そして、月の描かれ方をみて見れば、フォークナーさんの意図がより明確になると思います。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 01:03:26.00

>そもそもrelinquished along withが訳されていない

そうなんです。今、電子辞書を開いたら、ちょうど今朝引いたrelinquishの項が画面に出てきました。
Father tooとなっていることも生かされてませんね(というより、このtooは龍口訳では、父が撃たれた
のも、やはりこの牧場だったという解釈なんですね)

で紹介した全集の訳し方でいいのですよね。

>その鉄道も、父は一瞬に、午前中の一瞬時に、倒れたとき吸って
いたとリンゴーのいうパイプを落とすとともに、手放してしまったのだ。
キャディ [] 2011/10/02(日) 01:10:09.09

Gさんが教えてくださる訳文を見る限りでは、全集版の方が正確だと思います。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 01:50:35.09

>W章"No you ain't."以下を見てください。
一緒に行きますというリンゴーを「いや、だめだ」と制するところですね。

そのあと、verbenaとともにequinoxが三度(みたび.多分、三度目)、登場しますね。


>そして、月の描かれ方をみて見れば、フォークナーさんの意図がより明確になると思います。

ジェニー叔母さんが呟き、語り手ものちに思わず口走ることになるNo bloody moon(血塗れの月は
いやだ)に関わってきますか。

実際の月の描写は4章では一個所のみかな。
ただ月が出てくる直前のmockingbirdの歌は、原文ではthe drowsy moony oneと月のイメージが
先取りはされているか。龍口訳は「眠気を誘うような、夢見心地の」となっている。

そして、again the moon like the rim print of a heel in wet sand.
>ふたたび、ぬれた砂の上につく踵の縁(ふち)のような月が昇っていた。

ふたたびとあるのは1章のリンゴーと家のあるジェファソンへ向かいはじめるシーンでも
月が出てくるから。このあとすぐ3年前の大学入学のため、この道を父とはじめて通って
ここまで来た際の語り手の回想に移行する。
there was a thin sickle of moon like the heel print of a boot in wet sand

キャディ [] 2011/10/02(日) 01:55:02.55
きょうは朝からきつかったので、そろそろ寝ます。。。
次のお題はGさんにお任せします。
verbenaいってしまうと長篇いってしまいたくなりますが、
まだ納屋(これはportableにないのでインターネットで)とか熊(長いですが)とかすごい作品もありますね。
きょう、The Wild Palms読み終わりましたが、フォークナーさんって、一貫してますね。
面白かったです。
いい作家の印というのは、繋がってますね。
verbenaでも、水がいいところできてるし。
ではでは。
おやすみなさーい。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 01:57:29.79
で最後に引用した部分の訳

>空には三日月が、ぬれた砂地の深靴の踵のあとのようにかかっていた
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 02:12:13.48


実は、バーベナ、まだ語り残したことがいっぱいあるのです。
例えば、法と暴力の関係といった点にまだ全く触れていない。

「熊」等Go Down,Moses収録の作品は岩波文庫に加島祥三訳があるけど残念ながら
現在品切れ中。
とりあえず新潮文庫の短編をつぶしていくことになるかと。

順当にいくと「納屋は燃える」でしょう。
人間の屑みたいな奴らの多いスノープス家の登場。
村上春樹の短編「納屋を燃やす」(1983)はおそらくこのタイトルもじってるな。

でも、もうしばらくバーベナ続けていいですかね。

まずは、4章での、月の描かれ方、もっと展開させましょうか。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 02:30:46.30

>きょう、The Wild Palms読み終わりました

Light in Augustに続いてかあ。
語学力半端じゃないですね。2ちゃん用語だと、ぱねえ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 04:31:22.21

>「熊」等Go Down,Moses収録の作品は岩波文庫に加島祥三訳があるけど

Go Down,Mosesにあるのはロングバージョン。
むしろ大森林Big Woodsのうち4編を訳したといった方が正確だな。


吾輩は名無しである [sage] 2011/10/02(日) 07:03:21.01
G ◆vDcOqdC/aA :2011/10/02(日) 04:05:02.82

>おや?アセンションがプルーストスレでも敵をつくったようだな

いや、あそこはアリ地獄スレなんで。
誰が何書いても、ケチつけてくる。
自分からは積極的に何も書き込まずに1週間でも2週間でも獲物が通りかかるのを手ぐすねひいて
じっと待っている。

ためしにエサをやってみると面白いよ。
その正体はもちろん……
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 07:59:47.21
昨日、久しぶりに大きな本屋に行ってきて、海外作家の研究書の棚を見て来た。
結局買ったのはフォークナーの2冊。

池内正直「フォークナー、もう一つの楽しみ―短編名作を読む」(朝日出版社、2010)
 「赤い葉」「あの夕陽」「エミリーに薔薇を」のほかに、「納屋は燃える」「乾燥の九月」が
 とりあげられていたので。
諏訪部浩一「ウィリアム・フォークナーの詩学 1930-1936」(松柏社、2008)
 こちらは長編「死の床に横たわりて」「サンクチュアリ」「八月の光」「標識塔(パイロン)」
 「アブサロム、アブサロム!」が取り上げられている。
 ちょっと頁をめくって気鋭の学者(1970年生)による力作で読む価値ありという匂いがしたのでレジに持って行った。
 果たして、勘はあたっているか。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 09:00:02.73
読書会の当初の4人、一巡したんで、次の作品は呼びかけ人の鈴木氏、あるいは
新たに読書会に書き込んでもらった さん さんが選ぶ番でした。

雑談スレでも鈴木氏に呼びかけたけど、あと4作のうち、どれか選んでくれれば 参照
「納屋は燃える」
「ワッシ(孫むすめ)」
「乾燥の九月」
あと1作は習作だけど「嫉妬」



v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/10/02(日) 10:58:56.14

ホントにホントにホントにホントにライオンだ〜♪
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 11:06:06.44

Shitting on the dog of the bay〜♪

「熊」にはライオンという名の勇敢なワンちゃんが登場する

最後は大熊の喉に食いついたまま、はらわたまで掻き毟られて、
壮絶な最期を遂げるんだけど。

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 11:34:19.43

そうか、俺はドリフの歌を想定していたのだが
ttp://www.youtube.com/watch?v=jhZ9GMrqn_0(堀北真希が振りをするバージョン)
ttp://www.youtube.com/watch?v=pnw_od2P3TY

富士サファリパークのCMでも「ホントに×4」って確かにあったなあ
ttp://www.youtube.com/watch?v=ApaTuUFbzX8
歌ってるのは、和田アキ子でなく、最近までやっていた仮面ライダーオーズの
変身音声でも話題になった串田アキラ。これ豆なw
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 15:55:55.61

雑談スレ見落としてた。
「嫉妬」 がいいということですね。

できれば原文を調達しておきたいけどあるかなあ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 16:07:00.43
New Orleans Sketches に収録されてるな。
ここの立ち読みコーナーで全文読めることは読める。
34頁以下
ttp://books.google.co.jp/books?id=E6Qt58F4cfgC&printsec=frontcover&dq=New+Orleans+Sketches&hl=ja&ei=RQ2ITtiCC4n4mAWttpDvDw&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1&ved=0CC0Q6AEwAA#v=onepage&q&f=false
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/02(日) 17:25:02.93
読んでみた。俺でも多少辞書をひけば読めるくらい構文もやさしい。

それにしても新潮文庫の解説、まだ愛欲絡みの嫉妬に苦しんだ経験のない
子ども(いや、子どもだってすでにいろいろな場面で嫉妬心の萌芽は経験し
ているはず)が書いた読書感想文のようなテイストを醸し出している
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/03(月) 00:26:39.12
他のメンバーにわかりにくいので鈴木氏の希望、雑談スレより転載しておきます。


521 名前: G ◆vDcOqdC/aA [sage] 投稿日: 2011/10/02(日) 08:40:12.40

>言いたい事も言えないこんな世の中じゃポイズン

おーい、フォークナーの読書会、次の作品選んでもらえるとありがたいんだが。


526 名前: v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 投稿日: 2011/10/02(日) 10:55:58.98

僕は「嫉妬」を読みたいのですが、どですかでん?
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/03(月) 01:10:40.01
の引用、訳としてかなり問題のあることが明らかになってきました。

このWe rode on;で始まる長い一文がようやく終わったと思ったら、We rode on.が反復され
(weは語り手ベイヤードとリンゴーです)、やはり語り手の内的独白である長い一文が来て、
1章が終わります。横たわる父、葬式の準備をするドルーシラの姿。
1章の続きは、3章に持ちこされ、2章は過去の回想シーンになります。

Drusilla said that he had a dream.I was twenty then ……

1章の最後の一文を受けているのでこのheが語り手の父のことを言っていることは自然に理解される。
4年前の回想だなと思っていると、時間はさらに4年前、南北戦争が終わって間もない時期に遡り、
ドルーシラと私との会話もいったいいつの時点のそれなのか非常に掴みにくくなってきます。

フォークナー全集の「征服されざる人びと」の巻の解説は、佐伯彰一ですが、「ベイヤード少年一二歳の夏
から始まって、二十一歳の大学生の彼が、父親の変死で実家に呼び戻される所まで及んでいる」と父の変死
を21歳時にしてしまっています。
21歳は大学に入学した年(9月の誕生日後)であって、父の変死は最終学年(4年生)の10月です。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/03(月) 01:32:01.64
ドルーシラが語り手に、語り手の父は夢を持っているといったのは4年前の夏の日暮れ時、鉄道
事業の仕事から帰る父を待ちながら2人散歩しているときの会話です。

ではドルーシラが語り手に"Kiss me,Bayard"と迫り、長い接吻をかわすシーン
(語り手が"No."と答えると、再度"Kiss me,Bayard"と迫り、語り手が意を決して、顔を近づけ
ると今度は彼女が"No."とは言うもののすぐ抵抗をやめ、身をすり寄せてくる)
これはいつのことなのか。

直前の記述で父の死の2カ月前であることが明示されており、すなわち1874年8月である
ことは明らかです。
全集の訳者はこれを「ベイヤードがまだ23歳のある日」としている。
父の死が24歳のときであるとすれば、9月生まれであるベイヤードは8月の時点ではまだ
その年の誕生日を迎えておらず、だから23歳ということでしょう。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/03(月) 01:57:49.99
しかし、フォークナーはそのとき語り手は24歳であると明示しています。
次の記述です。2章冒頭のI was twenty thenを反復することによって、それから4年後、9月から
はじまる大学4年生としての学生生活を控えた、24歳の8月(大学4年にあがる2週間前)である
ことを強調しています。
先を読めば、4年前と同じく、夏の夕暮れにやはり2人が散歩し、会話を交わし、キスする際の
出来ごとを指しているのは明らかです。
4年前と違うのは、父親がすでに鉄道を完成させたため、会社ではなく、すでに家にいることです。

I was twenty then. But the next time I was twenty-four;I had been three years at the
University and in another two weeks I would ride back to Oxford for the final year
and my degree. It was just last summer, last August, and Father had just beat Redmond
for the State legislature.The railroad was finished now and the partnership between
Father and Redmond had been dissolved so long ago that most people would have forgotten
they were ever partners if it hadn't been for the enmity between them.
>私はその当時二十歳だった。ところが、つぎのときには私も二十四歳になっていた。大学の
三年生の課程をおえ、あと二週間もしたら、最終学年の課程を修め、学位をとるために、オッ
クスフォードへ帰ろうとしているときだった。それはちょうど、この前の夏、この前の八月の
ことだった。父が州議会議員選挙でレッドモンドに勝ったところだった。鉄道はすでに完成し
ており、父とレッドモンドの提携は、ずっと以前に解消していた。

実は1章で語り手は10月の父死亡の時点で、リンゴーと同じ24歳であることを明示しています。
訳者は、語り手らが9月生まれであることを考慮して、23歳説を唱えたのですが、おそらくフォークナー
は「征服されざる人びと」の他の箇所での彼らの誕生日設定を忘れてしまったというのが正解だ
と思います(その意味で佐伯の解説の紹介で大学入学が21歳とした点も撤回です)
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/04(火) 03:55:33.61
2日ほど仕事の調べ物に没頭するのでとりあえず、「嫉妬」のセリフで印象に残った箇所
(バーベナの続きはメモをまとめるのにかなりエネルギーを要するのでまた)

嫉妬する男のセリフ(妻に対して吐いている)

"Listen. I will kill you, as I love God."

"Bah! Be warned. That is all I say."

*Bahって言うと、ディケンズ「クリスマス・lキャロル」のスクルージのセリフを思い出す。
  `Bah!' said Scrooge, `Humbug!'
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AD%E3%83%AB_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)


殺される男のセリフ(嫉妬する男に対して)

"There is nothing between us save the knowledge that you are crazy."

"Dog, and son of dogs!"
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/04(火) 04:29:30.89
新潮文庫の「嫉妬」の訳者解説、作品の成立経緯以外は10行足らずなのに突っ込みどころが3か所もある。

>嫉妬は漢字ではどちらも女偏になっていることでおわかりのように女性によく見られる現象であり

??  「偏」見では?


>しかし男にも嫉妬心がないわけではないのに、これを主題にした文学作品が少ないのはどういうわけか

??? プルーストの「失われた時を求めて」ことに「スワンの恋」はどうなったなんだ。カルメンは。
外国作品のみならず、日本の古典、近現代文学でも枚挙に暇がないような気がするのだが。
確かに、男の嫉妬を描くと、女のファム・ファタル性の方がクローズアップされる傾向はあるかもしれないが。


>この作品では、すでに嫉妬の原因が解消しているのに、なおかつ相手を殺してしまう。

????
男の考え出した解決策
To go away,that was the answer-to take her to a new city……

果たして、相手の男のいない町に2人で去るからといって原因が解消するのか?
That is the question.

◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/04(火) 05:06:46.18
年代及び語り手の年齢特定の続き

2章の冒頭、もうちょっと先をみるとI was twenty then が反復されている。

I was just twenty then: that summer before I entered the Universty to take the
law degree which Father decided I should have and four years after the one, the
day, the evening when Father and Drusilla had kept old Cash Benbow from
becoming United States Marshal and returned home still unmarried……
>私はそのとき、ちょうど20歳だった。それは、父が私にぜひもたせようときめて
かかっていた法律の学位を取るために、私が大学へ入る前の夏だった。その年から
4年ほど前の、ある夏の日の夕方、父とドルーシラは、キャッシュ・ベンボー老人が
連邦裁判所の事務官になろうとするのをやめさせ、あいかわらず正式な夫婦とは
ならずに家に帰ってきたのであった。

大学の入った年に20歳だとすると、24歳の時点は5年後、大学5年になるはず。
おそらく、フォークナーは24−20=4、だから20歳の4年後は24歳だという計算
ミスを犯したのではないかと思う。
9月生まれという誕生日設定を失念しただけでなく、このミスからも混乱が生じている
のではないか。
作品の鑑賞自体にはあまり影響はないのですが。

息子に法律の学位をとらせるのが父ジョン・サートリス大佐のたっての希望であった
ことは、2章最後の父親のセリフと読み合わせると大きな意味があると思います。

また、弁護士・法律家一家のベンボー家がちらっと出てきてますね。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/04(火) 05:07:55.31
は「バーベナの匂い」についてです。念のため。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/04(火) 05:34:45.01

変な書き方をしてしまった。

20歳の4年後に24歳になっていること自体は合っているな。
おかしいのは大学の学年との関係なのか。
大学3年から4年にあがる夏休みは3年後でないとおかしい。
この点のミスといった方が正しそうだ。

これくらいで。
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/10/04(火) 23:10:32.52

女偏云々は外国じゃ通用しないよねw
男の嫉妬といえば、ズバリ『嫉妬』という題名の小説を書いたロブ=グリエもw

そろそろ次スレが必要だなあ。どなたか優しい人ヨロシク〜
吾輩は名無しである [] 2011/10/05(水) 12:06:43.16
キャディはGの自演だったわけだ
吾輩は名無しである [sage] 2011/10/05(水) 19:16:53.14
残念ながらGは自演はやらんよ。ワシが保証する。
吾輩は名無しである [sage] 2011/10/05(水) 21:42:55.49
鈴木は下手な自演をしまくっているよな。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/06(木) 08:14:51.30
「嫉妬」さらに読んでみると、不思議なテイストだ。
言外に隠されていることがありそうなのだが、なんだかわからない。
若いボーイは妙に挑発的だな。男を馬鹿に仕切って、平手打ちまで食らわせている。
なんで自分と妻が引っ越すにあたっての妻への餞別の品を、若いボーイが買うのに
2人で行くのか。男ははじめてボーイと2人同じ部屋にいることにひらめいたとでているが、
ボーイは商品を値切ったりしているのだから店の者はいるではないか。


*男アントーニオ(トーノ)はシシリー島から来たイタリア系移民。
*30年前にピストルをつかったことがある
(ニューオーリンズのマフィアはシチリア出身らしい)
*料理店を長いこと経営している。
*年の離れた妻は新妻。父親の家から連れて来たとある。
*妻に半年ほど店の会計係をやらせている。会計をする以外の時間は編み物をしている。
 (わざわざ若いボーイと自分、妻の3人を同じ建物に押し込めているようなもの)
*妻と他の町に出て行くにあたって、妻の両親ほか里の人たちの同意が必要であり、
 反対する彼らを2人で説得した。
*男が心の病を持ち、それが進行していることは妻、その両親にとって了解済みだった。
*若いボーイは、有能であり、男から店の営業権を買い取り、なおかつ、男の妻に装飾
 品を餞別に送ろうとしていたことから、かなり長くこの店に勤め、金も貯めていたことが
 窺われる。
*新妻も若いボーイも浅黒い顔を持っている。
G ◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/06(木) 08:54:09.84
若いボーイ自体が男の妄想の産物という可能性は?
v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo [sage] 2011/10/06(木) 12:58:03.28

馬鹿野郎対談ですね。何度も立ち読みしました。七千円とか高すぎて買えません。
吾輩は名無しである [sage] 2011/10/06(木) 13:14:18.85
鈴木死ね
G ◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/06(木) 17:17:58.18
なぜか、「嫉妬」読んでると、ポーの「ウィリアム・ウィルソン」を思い出すんだよね。
ドッペル・ゲンガー
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000094/files/2523_20139.html(佐々木直次郎訳)
ttp://books.eserver.org/fiction/poe/william_wilson.html(原文)
G ◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/06(木) 18:12:20.82
立ち読みコーナーでは全文読めないみたいだな。
若い背の高い美男のウェイターと男が連れだって、セニョーラ(妻)への餞別の品を買い
に行くところから先がない。

And so at last,one day at noon, the two men set out to choose the gift.

このような関係にある男2人が連れだって一方の妻のため装飾品を買いに骨董品屋には
いるというのはおかしい。ガラス玉の首飾りなど手にとっているのはウェイターだけで、男
は手持無沙汰でそばにたっているだけであり、一緒に行った意味がない。
若いウェイターが店の権利を買い取る財力があるのもおかしい。
雇われている癖に無遠慮で男に暴言を吐き、暴力まで振るう態度もおかしい。
やはり、ウェイターは、男がこのような者こそ、妻にふさわしいと考える、男のコンプレックス
の生みだした妄想の産物、ウェイターの暴言は男自身の低い自己評価の反映、幻聴と考え
てよいように思う。

男の妄想の産物である、現実に存在しないウェイターが男にこう言っているのは当然である。

I have said no word to her that you have not seen,nor she to me. If she
be attracted to someone, it is not I.
ぼくはこれまで、あなたの知らなかったことはただの一言もあの人にいったためしが
ないし、あの人のほうでも、ぼくにいったことはありません。たとえあの人がだれかに
心をひかれているとしても、それはぼくにたいしてではありません。
G ◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/06(木) 18:26:23.24

7000円もするんだ。

「交通」を濫発していたのは柄谷・中上の対談本「小林秀雄をこえて」ですね。
ttp://www17.plala.or.jp/orion-n/NIKKI/33.html
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/06(木) 18:44:05.62
次スレ

ウィリアム・フォークナー 4
ttp://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1317893836/
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/10/06(木) 21:11:44.35
残り少ないので流し気味に〜


中上の話題を出したのは鈴木へのスルーパスのつもりだったw


>ポーの「ウィリアム・ウィルソン」
ポオからナボコフへの距離はそんなに離れていないのに、
ナボコフはフォークナー嫌いだったとは。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 03:00:15.67
2人の男(本当に2人なのか)がどこに何を、餞別の品(a parting gift)として買いに行ったかというと

A string of glass beads, or a medallion, the young man wanted. And they entered a curio
shop where such things were sold―an orderless jumble of pictures, vases, bric-a-brac,
jewelry,firearms and brass. While the waiter examined and haggled over his prospective
purshase the older man stood idly near by. The purchaser stood near a window, a string
of beads looping from his raised hand, oblivious and defenseless.

OEDでは、ガラス玉の首飾りも、円形の浮き彫りブローチ(a peace of jeweliery the shape
of a large flat coin worn on a chain around the neck)もjewelry(装身具類 objects such
as rings and nevklaces that peple wear as decoration)として、英絵事典様の解説が出て
いる。
首からかける点で共通している。あとjewelryの中では高価な宝石を使うわけでもなく、載って
いるなかでは、いずれも安物の類に属しそうだ。
はいった骨董品店(curio shop)は、がらくたbric-a-broc(oranaments and other small decorative
objects of little value)など雑多な物がごちゃごちゃと乱雑に置かれた店のようで、それほど高価
なものはなさそうだ。 jumble=an untidy or confused mixture of thing
大体、餞別の品を買うのに宝石店でなく、骨董品店で、しかも、値切るhaggle(to argue with sb in
order to reach an arguement, especially about theprice of sth)とは随分しけた話ではないか。
これも妙なのだ。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 03:14:27.77
And it occurred to the other that, for the first time the two of them had been together
in the same room,his enemy was completely at his mercy.

the two of themとある。2人きりといっても、男(アントーニオ)、その若妻、若い美男のウェイ
ターの3人のうちの2人ということだろう。
値切り交渉の相手として存在するはずの骨董品店の主人ないし店員は眼中にない。

ウェイターを指す言葉はクライマックスで目まぐるしく変わる。
the young man, the waiter, the purchaser, his enemy, the young waiter
男の方はthe other, the other manともう一方扱いで、突然、Just to pretend that this old
pistol fitting snugly in my palm were a modern, deadly machine_like thisと一人称のmy
の登場する内的独白が入り、読者に男の側に感情移入させるような書き方がなされている。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 04:02:21.08
And while his hand groped behind him among a litter of ancient weapons his caution
rebuked him for the thought. This had all been settled; he was going away tomorrow,
perhaps never to see the man again. But it would be so easy! was the reply. Just
to pretend that this old pistol fitting snugly in my palm were a modern, deadly
machine_like this: and he slowly raised the rusted weapon while his thumb broke
loose the hammer, and the spring which had slept for thirty years gathered itself.
Like this! he whispered, aiming at the unconscious man he had once wanted to kill;
and pulled the trigger.

ピストルは、ではトーノが30年前にピストルをつかったことがあると書いたが、勘違い
で、骨董品店の品物のひとつのようだ。
以下、男(トーノ)の内的独白が各文の冒頭に来る。This had all been settled. But it would 
be so easy! のmyの入る比較的長い独白。最後は実際に呟く(whisper)。Like this!

spring(バネ)とは、ピストルの撃鉄hammerで雷管を強打するためのバネだろう。
30年間眠っていたとはどうしてわかるのか。てっきり男が30年前に使ったと勘違いしていた。
それがgather itselfするって、sleepといい、ピストルのバネ自身が生きているかのようだ。
he had once wanted to killと過去完了がonceという副詞を伴って使われている。
かつては殺したいと思ったが、the unconscious man(で落としたがこれもウェイターを指す
目まぐるしく変わる言葉のひとつ)に狙いをさだめている時点では、すでにそう思っていないのか。
でも引き金triggerをひく。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 04:25:01.62
でも、そもそも骨董品屋に商品として置かれたピストルに弾など入っているのか。
男自身、掌にぴたりと収まった古いピストルで、よもや、本当に人を射ち殺せる
とは思ってもいなかった。あくまでもa modern, deadly machineであるかのように
見せかけてやろう(pretend)と思っただけだ。
「かのように」like this
梶井基次郎が檸檬を爆弾に見立て、丸善の美術書の書棚に乱雑に積み上げた画本のうえに
置いてくるように。
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/424_19826.html

like thisは2回繰り返されている。2回目は引き金をひく瞬間の呟きとして。
ところが……


ピストルの部品
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%83%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%93%81
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 05:02:04.30
The tiny room roared with sound and a lance of red flame leaped out like a sword.
The young waiter crashed forward into a table of glassware, then to the floor; and
the other man stood screaming with the burst pistol in his hand until a policeman
plunged through the door.
>ちっぽけなその部屋じゅうに轟音がとどろきわたり、赤い炎の一閃が剣のように銃口から
飛び出した。若いボーイはガラス器をならべたテーブルに前のめりにぶつかり、それから
床の上に倒れた。年上の男は爆音を発したピストルを片手に握って絶叫をつづけていたが、
やがて1人の巡査が戸口から飛びこんできた。

部屋じゅうにとどろきわたる轟音を体感し、赤い炎の一閃を見たのは男だけだったのではないか。
テーブルにぶつかり、それから床の上に倒れた相手を見たのも。
テーブルの上にはグラスウェアが置かれていたのに、それが落ちて割れた形跡もなさそうだ。

the other manを「年上の男」としているが、文章の流れから、「年上の」でどちらの男かを区別する
必要もなく、訳は、単に「男」としてもよかったのではないか。
三角関係の一端をなす若い美男の背の高いウェイター(次期店主)を指す言葉が多彩に変化する
のに対し、男はotherとしか呼ばれない対比を生かすべきだったのでは。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 05:12:58.30
新潮文庫が三角関係の二角の2人の男をラストシーンで「年上の」と年齢で区別しようとしたように、
男はウェイターとことごとく反対だ。
若く、美男ですらっと背の高いウェイター。
そろそろ中年の太った醜い男。ウェイターが「ヌーッと彼の頭上にそびえ立っているように思われた」
とあるから、背も低い。

「見知らぬ客には卑屈な外面を装った尊大な態度で応対したり、古いおとくいさんの挨拶に対して
も「ハイ」とか「イイエ」とか、そっけないことばで返答したりしていた」とある。いくら妻や両親からみて
「勤勉」で、「現在のような固定観念obsessionにとりつかれるまでは、親切な男でもあった」としても、
妻を迎えてobsessionにとりつかれてからのからの半年間、店は新しい客もつかず、古いなじみ客は
さっていったのではないか。男は、経営不振で店を身売りしただけではないか。

一方、ウェイターの方は、「すばやく、手ぎわよく動きまわり、親切に、能率的にたち働いていた」
とある。迎えた妻にふさわしい、こうありたかった自分の姿なのではないか。
店の買い手がウェイターというのも男のobsessionに基づく妄想であろう。

骨董品屋で安物をためつすがめつ品定めし、値切り交渉しているのは、経済的にひっ迫した男の
妻へのねぎらい、せめてもの罪滅ぼしのささやかなプレゼントとしてではなかったか

巡査が駆け付けたのは、銃声のためではなく、狂人の絶叫を聞きつけてか、骨董品店の店主
の「突然、客が狂乱して手に負えない」との通報を受けてではなかったか。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 05:18:57.53
男が嫉妬していたのは、妻の若さに対してではなかったか。
(新潮訳が、最後の一文のthe other manを「年上の男」と訳したのもわからないではない)
といっても、1925年にこの作品を書いたフォークナーも27歳の若者だったのだが。

フォークナーはどうやら小男だったらしい。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 06:27:35.80
で言及した

諏訪部浩一「ウィリアム・フォークナーの詩学 1930-1936」(松柏社、2008)
 長編「死の床に横たわりて」「サンクチュアリ」「八月の光」「標識塔(パイロン)」
 「アブサロム、アブサロム!」が取り上げられている。

とてもおもしろい。最近の研究動向を紹介した力作というに留まらず、名著の域に
達しているかも。

ウェブ英語青年の「マルタの鷹」の講義(2011年3月終了)もおもしろそう。
ttp://yonemaru-blog.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-d798.html

諏訪部准教授の授業を受けて、哲学から米文学研究者へ志望を変えた
学生の手記が出ているのでこれも紹介しておきます。
カーヴァーの「大聖堂」という作品も読んでみたいな(ケン・フォレットの長編
なら読んだことがあるけど)
ttp://tsuwamono.kenshinkan.net/now/03so.php
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 06:38:15.32
「嫉妬」Jealousy 若いウェイターの存在自体が男の妄想ではないかと昨日思い至り、
おととい届いたNew Orleans Sketchesでラストシーンを参照しながら、カタストロフ
catastropheに至るシーンを分析してみました。
ほかの人の違った視点から、この作品について書き込みがあるとうれしいです。

「ベーべナの匂い」の残りは次スレで。
◆vDcOqdC/aA [sage] 2011/10/07(金) 07:30:51.89

ナボコフ、文学講義ものが読みたくて(ヨーロッパ、ロシア、ドンキホーテ。ヨーロッパは
プルーストを取り上げている)、小説も含めて原書買ったのだけれど、手つかずです。

ナボコフのフォークナー嫌い(自分はまだ確認していませが)は、もともとロシア語が
ネイティブであり、英語は一種借り物の言語というこの作家の特性と関連しているような
予感がします。
大学の頃の英語の授業の先生が、自分は英語がネイティブじゃない作家の英語で書かれた
作品が好きだと言っていたのが未だに印象に残っているのです。

フォークナーはネイティブばりばりで、しかもそれが一部クレオール語(一種の方言)化している
ところがあり好みからいうと真反対になるのかな、と。

私は、実は日本の作家で一番すごいのは宮澤賢治だと思っているので(もっぱら言葉の使い手
としての面。批評家・思想家としての面は全くといっていいほど評価していないので小林秀雄等で
埋め合わせをしていた感じ。プルーストは両面ですぐれていて本当に読みがいがある)、フォーク
ナーは体質的に合うのかもしれない。

この辺、フォークナーもまだたいして読んでいないし、ナボコフに至っては、「ロリータ」すらいちおう
若島訳で最後まで目を通したという程度に過ぎず、原文に至っては全く見ていないに等しいので
これからの課題になりますが。


ということで、あと5

吾輩は名無しである [] 2011/10/07(金) 12:09:21.94
Gがやりたいようにやるとこのスレのように専有スレとなる
吾輩は名無しである [] 2011/10/07(金) 22:08:48.35
Gはこのスレを埋めないで、新スレへ、専有スレなんだから
しっかり埋めろ
吾輩は名無しである [] 2011/10/07(金) 22:13:53.16
Gがコテで登場した300番台から、鈴木他の書き込みが日を追って減少。
Gはまったく眼中に無く、ますます専有度を高める。
吾輩は名無しである [] 2011/10/07(金) 22:16:55.17
前スレは残すところ、あと6にしときました。
あとは、他の方よろしくお願いします。

散々、いいように書いてきて勝手なもんだ
アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 [age] 2011/10/07(金) 22:18:26.45
千の風!
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